本日のWSジャーナル紙の一面トップは中川前財務金融大臣のインタビュー時の顔だ。ただ本来この困窮の最中にその本質とは無関係の記事をWSJの一面トップに持ってくる程米国に余裕はない。従ってトップ扱いは写真だけである。そしてこの現実が日米関係を象徴している。恐らく今の日本はヒラリーの来日で浮かれた状態だろう。前にも述べた通り、今ほど米国が日本を必要としている事はあっただろうか。この状況で日本を有効に使うためには飴と鞭が必要だ。ヒラリーを使った懐柔と一方で日本に己のレベルの低さを認識させて「独立への芽」を摘む政策が同時進行している。即ちこの政策は「ペットの躾」と同じだ。成功するペットのしつけは犬の気持ちになって喜ばせること。だが同時に重要なのは犬に自分が人間だと思わせない事。残念だが日本は自分がまだアメリカのペットと同じレベルである事を認識すべき。そしてその状況から脱却するためにはまず任命責任を明確する事だろう。
いずれにしても戦後を支えたの自民党政権がここまで醜態をさらした以上ここから先の任命責任は麻生総理ではない。曲がりなりにも日本が民主国家ならここからの任命責任は国民にある。そしてその専門ではない日本政治を米国との比較で敢えて言わせてもらうなら、国務大臣は民間から選んだ方が明らかに有効だ。認識では議員内閣制の現行では国務大臣は数人を除いて国会議員でなけれならなかったはず。だがそもそも小選挙区の激戦を勝たなければならない国会議員が政権の政策を担当する大臣を兼務する事は物理的に無理だ。理由は二つ。選挙を闘いながら大臣として政策を履行するための十分な知識を大臣自身が身につける事は時間的に難しい。そして今回のような失態で大臣の座を失職すればすぐに失業の身となる米国の大臣と比べ、日本のように辞めても議員としては安泰なら職務期間中の緊張感が同じであるはずがない。この緊張感の希薄が結局は官僚任せの体質を永続させ、また世界で通用しない人材を大臣として外交上の表舞台に送り出している遠因だろう。
英国の首相の名を呼び間違えた麻生氏と世紀の酔っ払い会見をしてしまった中川大臣。世界が困窮する中でGDPがマイナス12%となっても実はちゃっかり生きていかれる日本に対し世界は驚いている。どうせなら大臣の失態も日本の余裕であってほしい・・。
このブログは終了しました。 日々のつぶやきはデイオブレコンに、 http://otakizawa.blogspot.com/ 解説はゴゴジャンTakizawa レター 今日の視点 明日の視点に移りました
2009年2月18日水曜日
2009年2月12日木曜日
議会証言の感想
本日ワシントンでは大手金融機関のトップが議会証言をした。そこでまず議会証言の意味を確認しておくと、議会証言で偽りの証言してそれが後で発覚した場合はその人の職業プロの人生は終わると考えてよい。よい例が2005年のプロ野球のステロイド疑惑で証言台にたったテハダ選手だ。彼は当時同じ証言台に立たされたホームラン王のマクガイヤーが疑惑に対して肯定も否定もしない沈黙を貫いたのに対し(それは法律で認められている)「自分はやっていない」と証言してしまった。そしてそれが嘘だった事が最近判明した。彼はこれでは彼は今年の開幕戦を迎える事はできないだろう。今はどうやって刑期を減らすか弁護士と相談の日々である。
さてマクガイヤーもそしてあのクレメンスもステロイド疑惑に対して肯定も否定もしない沈黙権でごまかしたが、本日議会に召集された米国の大手金融機関の経営者達も当然入念に質疑応答の準備はしていたはずだ。だがその必要は全くなかった。なぜなら質問する議員の金融に対する素人ぶりは見ていても驚く程。彼らの多くは危機を引き起こした複雑な金融商品についての知識が全く無かった。結果、証言台の攻防は金融機関トップの図々しさというよりも議会の無能ぶりがさらけ出されたつまらないものだった。ただそれでも金融機関のトップ同士では資質の差は十分に出ていた。
CITIのパンデット氏は元々も自分でポジションをとる人らしい態度。面倒くさい説明をしたがらなかった。そしてバンカメのルイス氏は思った通り一番おどおどした答弁だった。そして圧巻はJPのダイモン氏。米国金融は今後は彼中心に動いていく事が明確になる堂々とした答弁だった。恐らくそれぞれの会社の勢力図もこのトップに比例していくだろう・・。
さてマクガイヤーもそしてあのクレメンスもステロイド疑惑に対して肯定も否定もしない沈黙権でごまかしたが、本日議会に召集された米国の大手金融機関の経営者達も当然入念に質疑応答の準備はしていたはずだ。だがその必要は全くなかった。なぜなら質問する議員の金融に対する素人ぶりは見ていても驚く程。彼らの多くは危機を引き起こした複雑な金融商品についての知識が全く無かった。結果、証言台の攻防は金融機関トップの図々しさというよりも議会の無能ぶりがさらけ出されたつまらないものだった。ただそれでも金融機関のトップ同士では資質の差は十分に出ていた。
CITIのパンデット氏は元々も自分でポジションをとる人らしい態度。面倒くさい説明をしたがらなかった。そしてバンカメのルイス氏は思った通り一番おどおどした答弁だった。そして圧巻はJPのダイモン氏。米国金融は今後は彼中心に動いていく事が明確になる堂々とした答弁だった。恐らくそれぞれの会社の勢力図もこのトップに比例していくだろう・・。
2009年2月11日水曜日
脆い患者への告知
本日の米国株式市場の下落は休日の日本の朝のニュースでもトップニュースで伝えられている。そして下げの理由としてはガイトナー財務長官が発表した金融安定政策の中身が具体策に乏しいと、こちらで言われている理由がそのまま使われている。ただこのサイトの読者には本当の理由を教えてあげよう。下がった理由が具体策に乏しかったからという表現は間違いだ。本当は内容が市場が期待した飴玉ではなかったからである。ではなぜ長官は飴玉をあげられなかったのか。
まず長官が発表した内容はFED(中央銀行)が街金融と同等のサービスを提供する「TALF」プログラムの拡大以外にはこれまで噂になってきた「バットバンク制度」や金融機関の給料制度改革(ボーナス重視から固定給重視へ)、更には「時価会計の緩和」等の話を全く含んでいなかった。そもそもこれらの話はCNBCやWSJなどマスコミが事前に勝手に流したモノだ。ただそれではあまりにもバツが悪い。CNBCのリポーターは長官から具体性を引き出そうとしたがガイトナーは明確に意図してそれを遮った。彼は功をあせるマスコミがこれ以上先走りして市場をぬか喜びさせる事を恐れたのである。実はここにここが今回の危機の本質が隠されている。
本来景気を回復させるためには国民に元気を出してもらわねばならないのは当然。だが危機の本質が今回ほど深刻な場合は国民をどう導くかは非常に難しい。そんな中で本日長官は「銀行はこれからSTRESS TESTをしなければならないと明言した。実がこの言葉が市場にはショックだったのである。このSTRESS TESTとは苦難や我慢の意味だ。だが多くの米国民や市場関係者は既に昨年で苦難のピークは過ぎたと考えている。言いかえればそのためにオバマ大統領やガイトナー長官という優秀な指導者が選ばれたのだ。ところが、その長官が待ちに待った改善策を発表したと思ったら、彼に今よりももっと苦しい状況になると言われた。それがショックだったのである。ただそれでも私からすれば長官は優しい。そしてその理由は以下の通りだ。
仮に前ブッシュ政権を前のホームドクターとたとえるならこのドクターは自らの怠慢で患者(米国と国民)が過度な栄養過多から糖尿病になるのを見過ごしてしまった。そしてなぜ糖尿病になったかの明確な原因を告げず、症状が重くなった時点で場当たり的な処方箋を出して「新しい医者」に交代してしまった。しかしそもそも糖尿病は最終的には合併症で死ぬ事も多い難病だ。また遺伝のケースを除けばその原因は大半が自己管理の失敗にある。ただその原因を曖昧にすると自己管理に失敗した患者はどこまでも甘えるものだ。本当は減量などの苦しい治療をしなければならないはずなのに「新しい医者」には簡単に病気が治りそして苦くない魔法の薬を求めている。だがそんなものがあるはずがない。ただ新しい医者にとって難問は精神的に脆い患者に本当の事を告げると患者はあまりのショックでさらに症状を悪化させてしまう可能性がある事。本日が然り、本日この新しいドクターの患者への説明ははなはだ中途半端なものになってしまったのである。
結局本日株は下がり一気に「ガイトナー株」も急落である。ただ一言でいうとこんな愚かな患者を立ち直らせる大役を負ってオバマもガイトナーも気の毒だ。私が再三触れるリンカーンやルーズベルトが背負わなかった事でオバマが背負っている最大の負担は米国人自身の精神的な劣化であるという意味はこの事である。米国はアレックスロドリゲス(ステロイド使用が判明した野球選手)を批判しながら自分ではまだ麻薬を欲している。だが今の政権はそれを承知で立ち上がった人々だ。巻き返しがどんなものか興味深い。
ところで明日はWSのトップが雁首そろえて議会証言に立つ。昨年自動車のBIG3のトップは議会で公開リンチに近い辛らつな質問攻めにあった。明日WSの彼等にはボーナス問題等でそれ以上の拷問が待っている。またそれを恐れたCITIのPANDIT会長は中国出張を理由に議会証言の欠席を企んだがソレはかなわなかったとCNBCで報道された。
最後に本日議会証言に立ったガイトナー財務長官とバーナンケ中央銀行総裁は議会に対して金融機関に資金を入れる事と引き換えに今後金融機関には更に厳しい態度で臨む事を明言した。しかしこの二人はこれまで銀行の国有化は望ましくないと理想論も掲げてきた。この矛盾が昨日までの金融株の戻しを誘発した訳だが、今日の相場と改めて議会の圧力の狭間に立ってさすがに彼等も矛盾を続ける事の限界を感じたはず。いずれにしても銀行株に投資した人々が諦める事で新しい時代が始まる。その意味で今日の銀行株の大幅下落は正しい過程である。
まず長官が発表した内容はFED(中央銀行)が街金融と同等のサービスを提供する「TALF」プログラムの拡大以外にはこれまで噂になってきた「バットバンク制度」や金融機関の給料制度改革(ボーナス重視から固定給重視へ)、更には「時価会計の緩和」等の話を全く含んでいなかった。そもそもこれらの話はCNBCやWSJなどマスコミが事前に勝手に流したモノだ。ただそれではあまりにもバツが悪い。CNBCのリポーターは長官から具体性を引き出そうとしたがガイトナーは明確に意図してそれを遮った。彼は功をあせるマスコミがこれ以上先走りして市場をぬか喜びさせる事を恐れたのである。実はここにここが今回の危機の本質が隠されている。
本来景気を回復させるためには国民に元気を出してもらわねばならないのは当然。だが危機の本質が今回ほど深刻な場合は国民をどう導くかは非常に難しい。そんな中で本日長官は「銀行はこれからSTRESS TESTをしなければならないと明言した。実がこの言葉が市場にはショックだったのである。このSTRESS TESTとは苦難や我慢の意味だ。だが多くの米国民や市場関係者は既に昨年で苦難のピークは過ぎたと考えている。言いかえればそのためにオバマ大統領やガイトナー長官という優秀な指導者が選ばれたのだ。ところが、その長官が待ちに待った改善策を発表したと思ったら、彼に今よりももっと苦しい状況になると言われた。それがショックだったのである。ただそれでも私からすれば長官は優しい。そしてその理由は以下の通りだ。
仮に前ブッシュ政権を前のホームドクターとたとえるならこのドクターは自らの怠慢で患者(米国と国民)が過度な栄養過多から糖尿病になるのを見過ごしてしまった。そしてなぜ糖尿病になったかの明確な原因を告げず、症状が重くなった時点で場当たり的な処方箋を出して「新しい医者」に交代してしまった。しかしそもそも糖尿病は最終的には合併症で死ぬ事も多い難病だ。また遺伝のケースを除けばその原因は大半が自己管理の失敗にある。ただその原因を曖昧にすると自己管理に失敗した患者はどこまでも甘えるものだ。本当は減量などの苦しい治療をしなければならないはずなのに「新しい医者」には簡単に病気が治りそして苦くない魔法の薬を求めている。だがそんなものがあるはずがない。ただ新しい医者にとって難問は精神的に脆い患者に本当の事を告げると患者はあまりのショックでさらに症状を悪化させてしまう可能性がある事。本日が然り、本日この新しいドクターの患者への説明ははなはだ中途半端なものになってしまったのである。
結局本日株は下がり一気に「ガイトナー株」も急落である。ただ一言でいうとこんな愚かな患者を立ち直らせる大役を負ってオバマもガイトナーも気の毒だ。私が再三触れるリンカーンやルーズベルトが背負わなかった事でオバマが背負っている最大の負担は米国人自身の精神的な劣化であるという意味はこの事である。米国はアレックスロドリゲス(ステロイド使用が判明した野球選手)を批判しながら自分ではまだ麻薬を欲している。だが今の政権はそれを承知で立ち上がった人々だ。巻き返しがどんなものか興味深い。
ところで明日はWSのトップが雁首そろえて議会証言に立つ。昨年自動車のBIG3のトップは議会で公開リンチに近い辛らつな質問攻めにあった。明日WSの彼等にはボーナス問題等でそれ以上の拷問が待っている。またそれを恐れたCITIのPANDIT会長は中国出張を理由に議会証言の欠席を企んだがソレはかなわなかったとCNBCで報道された。
最後に本日議会証言に立ったガイトナー財務長官とバーナンケ中央銀行総裁は議会に対して金融機関に資金を入れる事と引き換えに今後金融機関には更に厳しい態度で臨む事を明言した。しかしこの二人はこれまで銀行の国有化は望ましくないと理想論も掲げてきた。この矛盾が昨日までの金融株の戻しを誘発した訳だが、今日の相場と改めて議会の圧力の狭間に立ってさすがに彼等も矛盾を続ける事の限界を感じたはず。いずれにしても銀行株に投資した人々が諦める事で新しい時代が始まる。その意味で今日の銀行株の大幅下落は正しい過程である。
2009年2月10日火曜日
転換と帰結の法則
週末シカゴは暖かかった。この冬は雪が多く、クリスマスのずっと前からシカゴは白一色だった。そしてそれは極寒の市場と世界経済を象徴するかの様でもあった。しかしそれでも「春は必ず来る」事を実感したのがこの週末である。やはり自然の力はすごい・・。
さて、大勢が職を失う中で普通の人がごく普通に振りこみ詐欺グループに落ちぶれていく・・。そんな中で若者に職業を問うと「仕事は詐欺」と答える若者がいるという。昨日NHKのニュースでは都内の有名大学からメーカーに就職、ホリエモンの時代にリストラで会社を離れてみると、そこには簡単に金を稼げない人間は無能者の烙印を押される世界があったと回顧する男性の話を紹介していた。その男性は振り込み詐欺軍団を組織して荒稼ぎ、今は刑期を終えて出所し過去を振り返っていた。
そう言えば昨年米国NBCのブラインウイリアムス氏がある大学での講演で「我々の時代に米国をこんな国にしてしまって君たち若者に申し訳ない」と謝罪した事を思いだした。彼は私と同世代である。米国を代表するジャーナリストと自分を比べる気はないが親としては同じ気持ちだ。そしてこの20年金融の世界に身を置いた立場からすれば、マードフや波会長ではないが、冷戦後の金融膨張期において金融で金儲けをしたいという願望の中では善悪の線引きは非常に難しかったと言わざるを得ない。
そもそも高度化する金融を管理する規制や法律は古いまま。その中で巨額利益が当然だった金融プレーヤーが抱える弁護士軍団はいかにグレーを黒にしないかという方向性で仕事をしていたのは事実だ。要するに金融で儲けたヘッジファンド/PEとマードフ/波会長を分けたのは法律をどのように逃れたかという手腕である。人としてのモラルや方向性の違いではない。ただそれが金融の本質でもある。
その金融業は80年代にはGDPの15%程度だったがそれが野放しとなった2007年には40%にまで達していた事を考えると、世界がどう変化したかを振り返るは簡単だ。そしてそれ主導した米国モデルが頓挫した。ただ米国には常に国家として明確な目標がある。それは覇権国家体制の死守。この共通の目的のためには米国はいつでも団結できる。問題は日本だ。なぜなら国家として目指すべき方向性が定まっていない。漠然と世界第2位と言われるGDPの世界があるだけ。ただ戦後60年の繁栄が米国の都合と日本人の気質がうまく機能した結果だったとするなら、その繁栄の貯金が最後米国に捧げられるの本当は望ましい事かもしれない。なぜならそれで一つの時代が終わる。
そして金融(相場)を学んで良かった事もある。それは歴史(世の中)には相場同様の「転換と帰結という自然の力」が備わっているという実感である。米国ではその昔最悪の指導者と言われたブキャナンの後にリンカーンが現れた。そして今、同じ希望の下でブッシュの後にオバマが登場した。そして日本。日本の戦後史は吉田茂が指導した「サンフランシスコ講和条約」に始まった。そして今、孫の麻生総理がこの時代の象徴である自民党に引導を渡す。これで「転換と帰結の法則」が私の中では完了する。
麻生氏が総理になったのは偶然ではない。それはの歴史の法則、自然の力だと考える。そしてそれは希望。私ならこの希望を今の日本の若者に示したい・・。
さて、大勢が職を失う中で普通の人がごく普通に振りこみ詐欺グループに落ちぶれていく・・。そんな中で若者に職業を問うと「仕事は詐欺」と答える若者がいるという。昨日NHKのニュースでは都内の有名大学からメーカーに就職、ホリエモンの時代にリストラで会社を離れてみると、そこには簡単に金を稼げない人間は無能者の烙印を押される世界があったと回顧する男性の話を紹介していた。その男性は振り込み詐欺軍団を組織して荒稼ぎ、今は刑期を終えて出所し過去を振り返っていた。
そう言えば昨年米国NBCのブラインウイリアムス氏がある大学での講演で「我々の時代に米国をこんな国にしてしまって君たち若者に申し訳ない」と謝罪した事を思いだした。彼は私と同世代である。米国を代表するジャーナリストと自分を比べる気はないが親としては同じ気持ちだ。そしてこの20年金融の世界に身を置いた立場からすれば、マードフや波会長ではないが、冷戦後の金融膨張期において金融で金儲けをしたいという願望の中では善悪の線引きは非常に難しかったと言わざるを得ない。
そもそも高度化する金融を管理する規制や法律は古いまま。その中で巨額利益が当然だった金融プレーヤーが抱える弁護士軍団はいかにグレーを黒にしないかという方向性で仕事をしていたのは事実だ。要するに金融で儲けたヘッジファンド/PEとマードフ/波会長を分けたのは法律をどのように逃れたかという手腕である。人としてのモラルや方向性の違いではない。ただそれが金融の本質でもある。
その金融業は80年代にはGDPの15%程度だったがそれが野放しとなった2007年には40%にまで達していた事を考えると、世界がどう変化したかを振り返るは簡単だ。そしてそれ主導した米国モデルが頓挫した。ただ米国には常に国家として明確な目標がある。それは覇権国家体制の死守。この共通の目的のためには米国はいつでも団結できる。問題は日本だ。なぜなら国家として目指すべき方向性が定まっていない。漠然と世界第2位と言われるGDPの世界があるだけ。ただ戦後60年の繁栄が米国の都合と日本人の気質がうまく機能した結果だったとするなら、その繁栄の貯金が最後米国に捧げられるの本当は望ましい事かもしれない。なぜならそれで一つの時代が終わる。
そして金融(相場)を学んで良かった事もある。それは歴史(世の中)には相場同様の「転換と帰結という自然の力」が備わっているという実感である。米国ではその昔最悪の指導者と言われたブキャナンの後にリンカーンが現れた。そして今、同じ希望の下でブッシュの後にオバマが登場した。そして日本。日本の戦後史は吉田茂が指導した「サンフランシスコ講和条約」に始まった。そして今、孫の麻生総理がこの時代の象徴である自民党に引導を渡す。これで「転換と帰結の法則」が私の中では完了する。
麻生氏が総理になったのは偶然ではない。それはの歴史の法則、自然の力だと考える。そしてそれは希望。私ならこの希望を今の日本の若者に示したい・・。
2009年2月7日土曜日
人相と相場
最近TVを見ていてふと思った。それは米国で5兆円の被害を出したあのマードフ詐欺ファンドのマードフ氏と、日本で世間を騒がした円天の波会長の顔が似ている事だ。無論日本人と米国人の違いはある。だがオールバックの髪型、体型、そして何よりもマスコミに対するあの態度が似ている。そう、言い換えるなら「人相」が似ているのである・・。
そもそも「人相」というものは醸し出されるその人物の雰囲気を多分に含む。恐らくその人の人生や価値観が反映されて「人相」は後天的に作られるのであろう。その意味ではマードフ会長と波会長は間違いなく同じ人生を歩んできた。結果一つ一つのパーツは違えどこの二人の「人相」は同じになったのである・・。
そういえば人相の特徴をプロの似顔絵師は上手に捉える。昔何かの番組で警察の検挙率に貢献するのは部分を合成したモンタージュ写真ではなく、専門家が手で書いた似顔絵の方だという話を聞いた。実はこの技法は相場の隠されたテーマやその時の社会の本質を捉える上でも同じだ。事象の細部に拘りすぎると全体像を捉える感性を失ってしまう可能性がある。
まあそんな事はどうでもよいが自分の人相にもこれからは注意したい。なぜなら世の中はさらなる困窮が予想される。そんな中で通常自分の人相の変化は自分では気づかないからだ・・。
そもそも「人相」というものは醸し出されるその人物の雰囲気を多分に含む。恐らくその人の人生や価値観が反映されて「人相」は後天的に作られるのであろう。その意味ではマードフ会長と波会長は間違いなく同じ人生を歩んできた。結果一つ一つのパーツは違えどこの二人の「人相」は同じになったのである・・。
そういえば人相の特徴をプロの似顔絵師は上手に捉える。昔何かの番組で警察の検挙率に貢献するのは部分を合成したモンタージュ写真ではなく、専門家が手で書いた似顔絵の方だという話を聞いた。実はこの技法は相場の隠されたテーマやその時の社会の本質を捉える上でも同じだ。事象の細部に拘りすぎると全体像を捉える感性を失ってしまう可能性がある。
まあそんな事はどうでもよいが自分の人相にもこれからは注意したい。なぜなら世の中はさらなる困窮が予想される。そんな中で通常自分の人相の変化は自分では気づかないからだ・・。
2009年2月5日木曜日
ベスト&ブライテストの常識(CQ)と受け皿
オバマが大統領になって3週間が過ぎた。予想された事とはいえ、既に先が思いやられる展開になっている。まず政権の重要スタッフのゲイトナー財務長官とダッシェル厚生大臣の税金不払い問題が露見、オバマ自身の任命責任を含めて大きな失態となった。ゲイトナー氏は今のところ留任しているが、民主党という党派における実質オバマの後見役であり、また議会に対して顔が利くダッシェルの辞任はオバマ政権にとって大きな痛手である。そんなオバマ政権が直面している課題は90兆円の景気対策の法案化だ。法案は無事下院は通過した。しかし上院は共和党の抵抗で時間がかかりそうである。株式市場は既に法案の効果まで織り込んでいる。従ってこんなところで時間を無駄にしている場合ではないのが本音である。
その法案通過を含めて国民を代表する議員を納得させる為に一番重要な課題は既に大量の税金が救済に使われた金融機関の健全化である。実はこれが厄介だ。以前も触れたが今回世界的大混乱を引き起こした張本人の大手金融機関では、税金が投下されているにもかかわらず日本の常識では考えられないボーナスが支払われた。これには国民も怒っている。こんな事が続くようでは共和党どころか民主党でさえこれ以上の金融機関の救済案には協力できない。だとすると株は下がる。株が下がると国民もそして世界もますます困窮するのである。
ただこの問題の根は深い。なぜならこの20年間で米国の金融機関は給料に対する感覚が麻痺してしまった。そもそも米国では80年代まではGDP(国民総生産)における金融業の割合は15%未満だったが2007年にはその割合は40%にまでなった。自動車に代表される製造業が衰退する中で金融が米国の圧倒的な産業の中心になったのである。そしてイラク問題に足を取られたブッシュ政権は金融の野放図な拡大を許したのである。そして自らの自爆がこれ程の大混乱を引き起こしたこの期に及んでも、当の金融機関は過剰報酬に対する自覚が全くないのである。そんな中でついにオバマ政権は行動に出た。政権は税金による救済を受けた金融機関の重役の給料を50万ドル(5千万円)以下に強制的に抑えたのである。
当然とも思えるこの給料上限制度は既に影響を見せ始めている。これまでメリルに在籍した二人の社員はこの話が出た時点でTARP(政府の救済プログラム)とは無縁の会社を探し早速欧州系銀行へ移ったという。TARPが入っていないという意味では米国に進出した日系金融機関も同じだ。恐らく日系金融機関には報酬の上限制度を嫌った米国人金融マンから続々転職の応募があるだろう。ただそれは日系にとっても良い人材が採れるチャンスでもありまた大変なリスクでもある。
なぜならそもそも多くの米系金融マンは今の不幸は一時的な現象であり、いずれは市場も回復するし、自分達の報酬の水準は元に戻ると考えている。よって今の段階でその様な米系金融マンをどう処遇するかは難しい判断になる。判断の分かれ目は今回の金融危機を歴史感で考えるか自己の経験からの相場観で考えるかだろう。
こちらではWSの「ベスト&ブライテスト(超エリート)」をそれなり処遇するのはどんな環境下でも正しい経営であると言う意見が根強い。ただ個人的経験では米国人の現役金融マンで歴史感を持った人間に会った事はこれまで一度もない。言い換えるなら歴史感とは無縁で何十億と稼いだのが米系の金融エリートである。
いずれにしても今回の危機は自らの経験でしか未来を語れない今の米国人が初めて経験する大津波だと考えている。その自分としては彼らの運命がどうなるか、受け皿となる会社の判断力も含めて非常に興味深い・・。
その法案通過を含めて国民を代表する議員を納得させる為に一番重要な課題は既に大量の税金が救済に使われた金融機関の健全化である。実はこれが厄介だ。以前も触れたが今回世界的大混乱を引き起こした張本人の大手金融機関では、税金が投下されているにもかかわらず日本の常識では考えられないボーナスが支払われた。これには国民も怒っている。こんな事が続くようでは共和党どころか民主党でさえこれ以上の金融機関の救済案には協力できない。だとすると株は下がる。株が下がると国民もそして世界もますます困窮するのである。
ただこの問題の根は深い。なぜならこの20年間で米国の金融機関は給料に対する感覚が麻痺してしまった。そもそも米国では80年代まではGDP(国民総生産)における金融業の割合は15%未満だったが2007年にはその割合は40%にまでなった。自動車に代表される製造業が衰退する中で金融が米国の圧倒的な産業の中心になったのである。そしてイラク問題に足を取られたブッシュ政権は金融の野放図な拡大を許したのである。そして自らの自爆がこれ程の大混乱を引き起こしたこの期に及んでも、当の金融機関は過剰報酬に対する自覚が全くないのである。そんな中でついにオバマ政権は行動に出た。政権は税金による救済を受けた金融機関の重役の給料を50万ドル(5千万円)以下に強制的に抑えたのである。
当然とも思えるこの給料上限制度は既に影響を見せ始めている。これまでメリルに在籍した二人の社員はこの話が出た時点でTARP(政府の救済プログラム)とは無縁の会社を探し早速欧州系銀行へ移ったという。TARPが入っていないという意味では米国に進出した日系金融機関も同じだ。恐らく日系金融機関には報酬の上限制度を嫌った米国人金融マンから続々転職の応募があるだろう。ただそれは日系にとっても良い人材が採れるチャンスでもありまた大変なリスクでもある。
なぜならそもそも多くの米系金融マンは今の不幸は一時的な現象であり、いずれは市場も回復するし、自分達の報酬の水準は元に戻ると考えている。よって今の段階でその様な米系金融マンをどう処遇するかは難しい判断になる。判断の分かれ目は今回の金融危機を歴史感で考えるか自己の経験からの相場観で考えるかだろう。
こちらではWSの「ベスト&ブライテスト(超エリート)」をそれなり処遇するのはどんな環境下でも正しい経営であると言う意見が根強い。ただ個人的経験では米国人の現役金融マンで歴史感を持った人間に会った事はこれまで一度もない。言い換えるなら歴史感とは無縁で何十億と稼いだのが米系の金融エリートである。
いずれにしても今回の危機は自らの経験でしか未来を語れない今の米国人が初めて経験する大津波だと考えている。その自分としては彼らの運命がどうなるか、受け皿となる会社の判断力も含めて非常に興味深い・・。
2009年2月4日水曜日
衣食たって礼節を知る
結局戦後自民党政権が守った日本とは一体何だったのだろうか。本日日本のニュースが伝えた「強盗して逮捕されれば雨風がしのげて飯が食える」という派遣の職を切られた男が刃物を持って強盗に入り、逮捕されてから警察で語ったこの言葉の意味は重い。
「衣食たって礼節を知る」という言葉があるが、そもそも日本は米国の真似をしながらマネをする以上は一番重要な性悪説を前提にした社会基盤の整備を怠っていた。結果無防備なモラトリアムが生まれ、市場原理と性善説という相反する要素が共存する不思議な時代が続いた。個人的にはこの感覚は日本特有の節度からの良識と考えた。だが実は違ったかもしれない。
豊かだと錯覚した社会の背骨はこれほど脆いものだったのか。結局は三島由紀夫が憂いだ通りになりそうである。日本は外から攻撃より内部崩壊が先かもしれない。ヒラリーが日本に立ち寄る事に胸をなでおろしている日本。これでは中国どころか朝鮮民族にも絶対に勝てないだろう・・。
「衣食たって礼節を知る」という言葉があるが、そもそも日本は米国の真似をしながらマネをする以上は一番重要な性悪説を前提にした社会基盤の整備を怠っていた。結果無防備なモラトリアムが生まれ、市場原理と性善説という相反する要素が共存する不思議な時代が続いた。個人的にはこの感覚は日本特有の節度からの良識と考えた。だが実は違ったかもしれない。
豊かだと錯覚した社会の背骨はこれほど脆いものだったのか。結局は三島由紀夫が憂いだ通りになりそうである。日本は外から攻撃より内部崩壊が先かもしれない。ヒラリーが日本に立ち寄る事に胸をなでおろしている日本。これでは中国どころか朝鮮民族にも絶対に勝てないだろう・・。
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