米国政府による生き残りをかけた金融機関の査定、「ストレステスト」の結果発表スケジュールが変更された。この事は株式相場に若干の変化をもたらすと見る。ざっくり言ってこれで株がもう一段上を試せるのではないか。昨日は6月のダウ10000説がにわかに話題になり始めた通り(CNBCラリークドロー)株先は昨日の高値を抜ければ結果発表までにSPMで900を試す可能性が高い・・。
さて世界の消費の中心が米国から中国に代わるとしたら、日本は東京一極集中を見直す好い機会になるのではないかと考えている。まずは中国貿易が盛んだった古に習い、大阪/神戸圏の物流が東京/横浜圏から多少はシェアを奪うのではないか。またそうなれば明治以降あるいは戦後の国家(GHQ)迎合のビジネスモデルに変化が期待できる。
そもそもココが変化しないと官僚支配が崩れない。官僚支配が崩れないと政治のレベルも上がらず、政治のレベルが上がらないと国民のレベルも変わらないという循環が続く。その意味では今起こっているアジア(中国)への回帰は悪い事ではない。
そんな中先ほど朝のCITIの株価の気配が堅調な事を受け、CNBCのアナウンサーはその理由をSelling NIKKO to Mitsubishi-Sumitomo Bankと平気で報道していた(日興の売却先は住友三井であり、住友三菱グループは存在しない)。個人的にも日興の三井住友への売却は衝撃的だ。そして本当にMitsubishi-Sumitomo Bankなどというものが存在する時代になったらどうなるだろう思いながらこれだけ米国に貢献している日本の認知度の低さが再確認された。
浦賀にペリーが来てから、そしてGHQに占領されてから、日本の港の代表はやはり太平洋の玄関として東京横浜。そして政治経済も太平洋の先の米国を見ながら「東京」がすべてを仕切ってきた。しかし遣隋使、遣唐使の時代にならい、これからは九州から大阪にかけての港や地域が復権し、企業グループも再び関西系が躍進する時代になるのではないか。
金融危機でNYを中心としたこれまでの勢力が後退する中、オバマ政権には多くのシカゴの血が入った。そもそもシカゴと大阪は姉妹都市だ。どせなら日本でもその程度の変化は最低限起こってほしいと考えている。
このブログは終了しました。 日々のつぶやきはデイオブレコンに、 http://otakizawa.blogspot.com/ 解説はゴゴジャンTakizawa レター 今日の視点 明日の視点に移りました
2009年5月2日土曜日
2009年4月30日木曜日
オバマの100日、もっと大きな政府へ
今日でオバマは大統領就任100日目を迎えた。専門家の間では、戦後の大統領としては就任から100日までの業績は歴代トップの評価である。また統計からは国民の人気も衰えていない。ところでその統計で意外に感じた事がある。それはのはアメリカ人の客観性の変化だ。
まずオバマの政策に反対する多くの共和党支持者も、彼の政策には反対、だがオバマ個人は好きだと言う人が大統領選挙前に比べて統計からは明らかに増えているのである。一方でオバマの政策の恩恵を受ける弱者層も、オバマ政権は多くの事を一度にやりすぎている危険性を感じ、野放図な政府の役割増大への一定の歯止めを受け入れる覚悟もできている様子。どうやらアメリカ人も大人になった。
そんな中本日はGDP(国内総生産)が発表された。数値は予想を大幅に上回るマイナス成長だった。先の国民調査では景況観に対しての統計もあり、興味深いのは政府やエコノミストが最悪期は脱しつつあると言い始めているのに対して、7割以上国民は逆に最悪期はこれから迎えると政府よりも慎重であること。この態度はこれまでのアメリカ人の能天気さとも違う。
そのGDP(国内総生産)では輸出の減少は当然としても、オバマの「大きな政府」になっても政府支出が落ち込んでいる現実は違和感だ。だが逆にこの弱いGDPの数値は「もっと大きな政府」への免罪符となろう。そんな中で党内ランク5位のベテラン共和党上院議員が民主党に鞍替えした。実はこの意味は大きい。
そもそも米国政治を眺めて10年以上がたつが、現役上院議員の鞍替えは記憶では初めてだ。彼は次の選挙に大きな政府の役割を否定する共和党では勝てないとのコメントを出した。だが実際は次の選挙で共和党内の予備選を勝てないと判断したのが実情らしい(ワシントンポスト)。ただ彼の寝返りで上院はフィルバスター(牛歩)阻止体制が完成する。これでオバマ政権は政治力学上はあのF.ルーズベルトにまた一歩近づいた事になる。そしてそれは今のオバマの減税発言とは裏腹に、将来大きな政府を維持するための増税の可能性を感じさせる。
1920年代の大恐慌直前の繁栄は、当時の財務長管アンドリューメロンの減税政策で金持ちの層への所得税が70%から20%に引き下がった効果が大きかった。だがニューディール政策が始まるとルーズベルトはソレを再び90%以上に引き上げた。オバマはどこまでルーズベルトに近づくのか興味深い。
まずオバマの政策に反対する多くの共和党支持者も、彼の政策には反対、だがオバマ個人は好きだと言う人が大統領選挙前に比べて統計からは明らかに増えているのである。一方でオバマの政策の恩恵を受ける弱者層も、オバマ政権は多くの事を一度にやりすぎている危険性を感じ、野放図な政府の役割増大への一定の歯止めを受け入れる覚悟もできている様子。どうやらアメリカ人も大人になった。
そんな中本日はGDP(国内総生産)が発表された。数値は予想を大幅に上回るマイナス成長だった。先の国民調査では景況観に対しての統計もあり、興味深いのは政府やエコノミストが最悪期は脱しつつあると言い始めているのに対して、7割以上国民は逆に最悪期はこれから迎えると政府よりも慎重であること。この態度はこれまでのアメリカ人の能天気さとも違う。
そのGDP(国内総生産)では輸出の減少は当然としても、オバマの「大きな政府」になっても政府支出が落ち込んでいる現実は違和感だ。だが逆にこの弱いGDPの数値は「もっと大きな政府」への免罪符となろう。そんな中で党内ランク5位のベテラン共和党上院議員が民主党に鞍替えした。実はこの意味は大きい。
そもそも米国政治を眺めて10年以上がたつが、現役上院議員の鞍替えは記憶では初めてだ。彼は次の選挙に大きな政府の役割を否定する共和党では勝てないとのコメントを出した。だが実際は次の選挙で共和党内の予備選を勝てないと判断したのが実情らしい(ワシントンポスト)。ただ彼の寝返りで上院はフィルバスター(牛歩)阻止体制が完成する。これでオバマ政権は政治力学上はあのF.ルーズベルトにまた一歩近づいた事になる。そしてそれは今のオバマの減税発言とは裏腹に、将来大きな政府を維持するための増税の可能性を感じさせる。
1920年代の大恐慌直前の繁栄は、当時の財務長管アンドリューメロンの減税政策で金持ちの層への所得税が70%から20%に引き下がった効果が大きかった。だがニューディール政策が始まるとルーズベルトはソレを再び90%以上に引き上げた。オバマはどこまでルーズベルトに近づくのか興味深い。
2009年4月28日火曜日
提灯アンコウ
ざっくり言ってこれだけの要因が重なれば今日の株は500ポイント安(ダウで)でも驚かなかった。ところが今日はあまりにも突発的材料が多すぎた。豚インフルエンザはともかく、ニューヨーク上空を不審な旅客機が飛び(後に大統領専用機と判明)、空軍機が並走飛行している映像はあのテロを覚えている人ならだれでも緊張しただろう。結局はそんな情報に振り回され株は寧ろ救われた一日だった。
では本日それ以外の重要な話とはなんだったのか。まずは金曜日発売のエコノミスト誌だ。その表紙は衝撃的だった。「GLIMMER HOPE?」とタイトルがついた表紙絵は、真っ暗な深海で微かな光に引き寄せられた魚の群れを待っていたものは大きな口を開けた提燈アンコウ。そして記事の内容は以前紹介した大暴落直前の高値から再安値をつけるまでの経緯だ。高値から安値までの1929年~1932年の期間、米株は今回同様に20%以上の回復場面が4回あったがその全てが本物ではなかった。だから今回も強気論を信じて無防備になるとアンコウが口をあけてまっているかもしれないと同誌は警告しているのである。 果たして今回はどうなるか。それを見極めるまではアンコウに食べられるわけにはいかない・・。
では本日それ以外の重要な話とはなんだったのか。まずは金曜日発売のエコノミスト誌だ。その表紙は衝撃的だった。「GLIMMER HOPE?」とタイトルがついた表紙絵は、真っ暗な深海で微かな光に引き寄せられた魚の群れを待っていたものは大きな口を開けた提燈アンコウ。そして記事の内容は以前紹介した大暴落直前の高値から再安値をつけるまでの経緯だ。高値から安値までの1929年~1932年の期間、米株は今回同様に20%以上の回復場面が4回あったがその全てが本物ではなかった。だから今回も強気論を信じて無防備になるとアンコウが口をあけてまっているかもしれないと同誌は警告しているのである。 果たして今回はどうなるか。それを見極めるまではアンコウに食べられるわけにはいかない・・。
2009年4月25日土曜日
三国志の終り(A.F.からA.C.へ)
本日フォードが決算を発表した。赤字幅はアナリストの予想を下回ったが、まだまだ大幅赤字だ。しかしゴールドマンが同社株を推奨した様に、国内の自動車販売には改善の兆しが見えない中でフォードは勝ち組として投資家の注目を集めている。その理由は簡単、競争相手が消えるから。市場支配は衰えたとはいえまだ全米で走る車の半数はBIG3の車。フォード車の性能が格段上というわけではないが、クライスラーとGMは破産が控えている。要するに米国の自動車三国志が遂に終焉を迎える発想である。
ただこの発想の後ろに控えるのは自動車の耐久消費財の王様として普遍性である。昨日のコメントで究極のグリーンは車にのらない事としたが、本当に皆がそのグリーンになれば世界の産業は崩壊する。そこで一つの本を紹介したい。題名はBrave New World この本が書かれたのは1931年。大恐慌初期である。作者はALDOUS HUXLEYというオックスフォード大出身の英国人。西暦2540年の未来の人間社会を描き、当時その物質批判的内容から世界中で発禁になったというこの本の注目は、作者が紀元後を表す年号をA.D.を使わずA.F.という興味深い独自の年号を使用した事。このA.F.とはAFTER FORDの意味である。
元来車はヨーロッパで高級消費財として生まれた。そう言えば今でも英国のメーカーは高級志向を崩していない。その車という商品を一般人でも購入できる大衆消費財に変えた発明はT型フォードからという話は有名だ。即ち車には二つの誕生日があると言う事だろう。一つはヨーロッパで貴族の特権として生まれた日。そしてもう一つは車が大衆に降臨した日。それはヘンリーフォードから始まり、米国人の価値観と生活習慣を「消費が豊さの証明」という現在までの経済発展に繋がるロジックが確立された起源だったと考えられる。そしてこの英国人作者はその本質を当時すでに見抜いていた。それをA.F.なる独自の視点で表現した先見性には驚嘆せざるを得ない。
いずれにしても米国は現政権の特徴の理想主義の結果として多くの面で矛盾を抱えたまま走る。グリーンはその典型だ。私には消費とグリーンの両立はまだ机上の空論。消費へのインセンテイブなしにどうやって米国は立ち直るのか全く想像できない。ただA.F.の時代に先進国にモノは溢れた。今は本当に必要なモノは殆どの人が持っている。買い換え需要のコントロールで企業は時間を稼いだが、それにも限界があって金融桃源郷へ走った結果が今の姿だ。ただ一つはっきりしているのはこれからも消費が世界経済を牽引するなら、その時代は中国の時代という事。ALDOUS HUXLEY氏ならそれをA.C. (AFTER CHINA RAISE)とでもするのだろうか。
最後に、魏呉蜀の「三国志」は結局は短命の晋を経て「五胡十六国時代」の混迷に繋がっていく。個人的にはフォードの未来はゴールマンの予想ほど楽観してはいない・・。
ただこの発想の後ろに控えるのは自動車の耐久消費財の王様として普遍性である。昨日のコメントで究極のグリーンは車にのらない事としたが、本当に皆がそのグリーンになれば世界の産業は崩壊する。そこで一つの本を紹介したい。題名はBrave New World この本が書かれたのは1931年。大恐慌初期である。作者はALDOUS HUXLEYというオックスフォード大出身の英国人。西暦2540年の未来の人間社会を描き、当時その物質批判的内容から世界中で発禁になったというこの本の注目は、作者が紀元後を表す年号をA.D.を使わずA.F.という興味深い独自の年号を使用した事。このA.F.とはAFTER FORDの意味である。
元来車はヨーロッパで高級消費財として生まれた。そう言えば今でも英国のメーカーは高級志向を崩していない。その車という商品を一般人でも購入できる大衆消費財に変えた発明はT型フォードからという話は有名だ。即ち車には二つの誕生日があると言う事だろう。一つはヨーロッパで貴族の特権として生まれた日。そしてもう一つは車が大衆に降臨した日。それはヘンリーフォードから始まり、米国人の価値観と生活習慣を「消費が豊さの証明」という現在までの経済発展に繋がるロジックが確立された起源だったと考えられる。そしてこの英国人作者はその本質を当時すでに見抜いていた。それをA.F.なる独自の視点で表現した先見性には驚嘆せざるを得ない。
いずれにしても米国は現政権の特徴の理想主義の結果として多くの面で矛盾を抱えたまま走る。グリーンはその典型だ。私には消費とグリーンの両立はまだ机上の空論。消費へのインセンテイブなしにどうやって米国は立ち直るのか全く想像できない。ただA.F.の時代に先進国にモノは溢れた。今は本当に必要なモノは殆どの人が持っている。買い換え需要のコントロールで企業は時間を稼いだが、それにも限界があって金融桃源郷へ走った結果が今の姿だ。ただ一つはっきりしているのはこれからも消費が世界経済を牽引するなら、その時代は中国の時代という事。ALDOUS HUXLEY氏ならそれをA.C. (AFTER CHINA RAISE)とでもするのだろうか。
最後に、魏呉蜀の「三国志」は結局は短命の晋を経て「五胡十六国時代」の混迷に繋がっていく。個人的にはフォードの未来はゴールマンの予想ほど楽観してはいない・・。
2009年4月21日火曜日
制御不能 理想の限界
10年前の4月20、コロラド州のコロンバインで自動小銃で武装した二人の男子高校生が教師を含む12人の生徒を無差別に殺した。昨日はその記念日だった。
ところで結果的にこの1年で殆ど値下がりしていない銘柄が一つある。ズバリその銘柄はスミス&ウェッソン(SWHC)だ。私自身も景気後退が鮮明になった2001年の9月、生まれて初めて確か300ドル程度でこのメーカーの拳銃を購入した。当時初めて足を踏み入れた銃ショップは閑散として不気味な雰囲気、射撃場も兼ねたその店には数人が射撃の練習に来ている程度だった。そして拳銃許可証が届いた翌週、早速自分も練習の為に再び訪れた。ところが情景は全く違っていた。店は大勢でごった返し、練習場も満杯で早々に引き返した。そう、この間に9.11のテロが起こったのだ。
そして昨日のニュースで今全米の銃ショップと練習場は恐らくこの時以来の盛況である事を知った。理由は二つ。まずは既に始まった景気悪化による世情不安だ。そしてより直接的な理由して挙げられているのはオバマ政権が打ち出した銃規制である。
バージニア工科大学の事件の際にも紹介したが、ATF (Bureau of Alcohol, Tobacco, Firearms)に正規登録された銃は優に2億丁を超える。これに不正に出回っている銃を考慮すると、人口3億の米国に一体どのくらいの銃が出回っているのか全く想像できない。政権はこの現実の中で銃規制を画策しており、今後は銃の保持が厳しくなると言われている。ただ既にこれだけの銃が出回った後で世情不安が更に加速したらどうなるか。再び乱射事件が頻発する中で不安を感じたのだろう、個人的経験からこの現実はこれまで銃に否定的だった層まで銃に向かわせている可能性を感じる。
この様にこの政権が掲げる銃規制ポリシーは真逆の現象を引き起こしている。ここに理想主義の限界を見た。オバマの責任ではないが善人の弱さかもしれない。いずれにしても、一度野放図に拡大したモノを再び適正量に戻す事がいかに難しいか、今我々は他の側面でも経験している。強引に閉じ込めると社会不安が一層加速する点では米国においてマネーの量と銃の数は最早制御不能になった。この様にオバマの理想主義の限界はまず米国内においてこれから様々な面で綻びをみせるだろう・・。
ところで結果的にこの1年で殆ど値下がりしていない銘柄が一つある。ズバリその銘柄はスミス&ウェッソン(SWHC)だ。私自身も景気後退が鮮明になった2001年の9月、生まれて初めて確か300ドル程度でこのメーカーの拳銃を購入した。当時初めて足を踏み入れた銃ショップは閑散として不気味な雰囲気、射撃場も兼ねたその店には数人が射撃の練習に来ている程度だった。そして拳銃許可証が届いた翌週、早速自分も練習の為に再び訪れた。ところが情景は全く違っていた。店は大勢でごった返し、練習場も満杯で早々に引き返した。そう、この間に9.11のテロが起こったのだ。
そして昨日のニュースで今全米の銃ショップと練習場は恐らくこの時以来の盛況である事を知った。理由は二つ。まずは既に始まった景気悪化による世情不安だ。そしてより直接的な理由して挙げられているのはオバマ政権が打ち出した銃規制である。
バージニア工科大学の事件の際にも紹介したが、ATF (Bureau of Alcohol, Tobacco, Firearms)に正規登録された銃は優に2億丁を超える。これに不正に出回っている銃を考慮すると、人口3億の米国に一体どのくらいの銃が出回っているのか全く想像できない。政権はこの現実の中で銃規制を画策しており、今後は銃の保持が厳しくなると言われている。ただ既にこれだけの銃が出回った後で世情不安が更に加速したらどうなるか。再び乱射事件が頻発する中で不安を感じたのだろう、個人的経験からこの現実はこれまで銃に否定的だった層まで銃に向かわせている可能性を感じる。
この様にこの政権が掲げる銃規制ポリシーは真逆の現象を引き起こしている。ここに理想主義の限界を見た。オバマの責任ではないが善人の弱さかもしれない。いずれにしても、一度野放図に拡大したモノを再び適正量に戻す事がいかに難しいか、今我々は他の側面でも経験している。強引に閉じ込めると社会不安が一層加速する点では米国においてマネーの量と銃の数は最早制御不能になった。この様にオバマの理想主義の限界はまず米国内においてこれから様々な面で綻びをみせるだろう・・。
北朝鮮が日本を無視する理由
先週予告したNHKの「マネー資本主義、暴走はなぜ止められなかったか」を見た。そしてまず感じたのは、通常の視聴者には理解不能の商品、CDOまで持ち出しNHKは金融は本来の役割に戻るべきという踏み込みをしていた事。そして5回に渡るシリーズの予告からもNHKの気合いが伝わった。また最早老人とはいえ、日本のMEDIAの取材という事であのグッドフレンド元ソロモン会長も警戒を解いたのだろう、こちらのTVでは見せない自己や国家への反省を素直に出していた事が興味深かった。ただ問題はこの番組は何のために作ったのかという点だ。これまでも金融以外で米国の問題を追及したNHKの力作はあった。だが結局はあらゆる面で政治は「米国の言いなり」を許容している。結果から言うとそれでは日本のMEDIAは「ガス抜き」の力しかなく変化への起爆剤にはなれないという事だ。それはMEDIAと国民のどちらのレベル問題なのか判らないが、北朝鮮が日本を相手にしないのは全く持って当然である・・。
2009年4月18日土曜日
「SEA CHANGE」を認めるか
NHKの朝のニュースでは、今週末にNHKスペシャルとして「マネー資本主義、暴走はなぜ止められなかった」という番組を放送する事を紹介していた。最近のNHK特集は秀逸なモノが増えてきた印象だが、このドキュメントの完成度が今から注目される。一方その主人公の米国市場には今不思議な浮揚感が漂っている。 ただ市場に浮揚感はあっても経済の回復は程遠い状態だ。昨日も来客があり、何十年に渡りシカゴでトップクラスの人気を誇るレストランに行った。シカゴ在住13年でここで食事をする機会は30回はあったはず、だが昨日はどんな時でも混んでいたこのレストランの空席の多さに驚いた。いずれにしても市場と経済の乖離は今に始まった事ではない。しかし、この乖離を錯覚とするなら、この錯覚の扱いが今の政権の最大の課題になっている。それはこの錯覚をそのままにするのか、あるいはバブル再構成という失敗をしないために国民に覚醒を促すのかである。その場合はデレバレッジは再び加速し、SAVINGレートは一層改善する事になる。
そもそも今回の市場の好転は暗黒ムードが漂った3月初旬にサマーズが中心となり、政権のモードを粛清から楽観へ切り替えたところから始まった。しかし一方で一昨日のスピーチでもオバマは繰り返し「この危機を乗り切った後も米国は以前の金融が経済の4割りを占め、その金融が無謀な賭けをする事で株価を維持する経済には絶対に戻らない」と明言している。しかし現実はGDPの4割を占めた金融が回復しないと何も始まらなかった。だからサマーズが微調整を進言したのだろう。そしてその成果は出た。ただ今の政権は矛盾を抱えたまま。この後その加減をどちらに持って行くのか。それを見極める一つがストレステストだ。そもそもストレステストはその具体性が明らかにされないまま市場はこの話を材料にしてきた。そして課題が明らかにされなかった以上結果がさじ加減でも不思議はない。即ちストレステストとは合否の話ではなく政権の方向性の話である。ただその方性性を決める政権は一枚岩だろうか。ここまでの観察からは、景気回復を実現するためにはもう一度金融中心のバブル復活も止むを得ずと考えるサマーズ一派と、目先の株がどうなろうとも一旦は金融の役割を正す事に重点を置きたいガイトナーとオバマには隔たりを感じる。
さて2006年3月に米国はM3の発表を止めた事は当時その3カ月後に視点で指摘した。今ではここがバブル頂点への最後のシグナルだったの事は多くの人が指摘している。そもそも米国のM3 はFEDが発表を止めた時点で$10 trillion 強だった。そして民間のデータによれば今の想定M3は約$15trillion 。しかしその中身は金融危機を境にFEDの紙幣印刷による部分の寄与が圧倒的となり、逆に資産効果の原動力としてのM3-M2の割合は減少の一途のままである。逆に言えばここまで増えたM2に金融危機以前のリスクアペタイトが復活したらどうなるか。繰り返すが、バブル崩壊を更なる規模のバブルで復活させるシナリオとオバマ自身が主張する「以前の姿には戻らない」という理想は共存できない。よってこの後はTEA PARTYに代表される保守派の反政府運動と本来オバマ支持者の市民が金融至上経済の歪の実態を知る事による金融への反発など、国内の民衆運動の盛り上がりや、既にSEA CHANGEを認めて後戻りするつもりはない海外勢のプレッシャーが米政権がどちらの決断を促すか。その見極めが最大の課題である。
(参考)
http://www.shadowstats.com/charts_republish#m3
• M0: The total of all physical currency, plus accounts at the central bank that can be exchanged for physical currency.
• M1: The total of all physical currency part of bank reserves + the amount in demand accounts ("checking" or "current" accounts).
• M2: M1 + most savings accounts, money market accounts, retail money market mutual funds,and small denomination time deposits (certificates of deposit of under $100,000).
• M3: M2 + all other CDs (large time deposits, institutional money market mutual fund balances), deposits of eurodollars and repurchase agreements
そもそも今回の市場の好転は暗黒ムードが漂った3月初旬にサマーズが中心となり、政権のモードを粛清から楽観へ切り替えたところから始まった。しかし一方で一昨日のスピーチでもオバマは繰り返し「この危機を乗り切った後も米国は以前の金融が経済の4割りを占め、その金融が無謀な賭けをする事で株価を維持する経済には絶対に戻らない」と明言している。しかし現実はGDPの4割を占めた金融が回復しないと何も始まらなかった。だからサマーズが微調整を進言したのだろう。そしてその成果は出た。ただ今の政権は矛盾を抱えたまま。この後その加減をどちらに持って行くのか。それを見極める一つがストレステストだ。そもそもストレステストはその具体性が明らかにされないまま市場はこの話を材料にしてきた。そして課題が明らかにされなかった以上結果がさじ加減でも不思議はない。即ちストレステストとは合否の話ではなく政権の方向性の話である。ただその方性性を決める政権は一枚岩だろうか。ここまでの観察からは、景気回復を実現するためにはもう一度金融中心のバブル復活も止むを得ずと考えるサマーズ一派と、目先の株がどうなろうとも一旦は金融の役割を正す事に重点を置きたいガイトナーとオバマには隔たりを感じる。
さて2006年3月に米国はM3の発表を止めた事は当時その3カ月後に視点で指摘した。今ではここがバブル頂点への最後のシグナルだったの事は多くの人が指摘している。そもそも米国のM3 はFEDが発表を止めた時点で$10 trillion 強だった。そして民間のデータによれば今の想定M3は約$15trillion 。しかしその中身は金融危機を境にFEDの紙幣印刷による部分の寄与が圧倒的となり、逆に資産効果の原動力としてのM3-M2の割合は減少の一途のままである。逆に言えばここまで増えたM2に金融危機以前のリスクアペタイトが復活したらどうなるか。繰り返すが、バブル崩壊を更なる規模のバブルで復活させるシナリオとオバマ自身が主張する「以前の姿には戻らない」という理想は共存できない。よってこの後はTEA PARTYに代表される保守派の反政府運動と本来オバマ支持者の市民が金融至上経済の歪の実態を知る事による金融への反発など、国内の民衆運動の盛り上がりや、既にSEA CHANGEを認めて後戻りするつもりはない海外勢のプレッシャーが米政権がどちらの決断を促すか。その見極めが最大の課題である。
(参考)
http://www.shadowstats.com/charts_republish#m3
• M0: The total of all physical currency, plus accounts at the central bank that can be exchanged for physical currency.
• M1: The total of all physical currency part of bank reserves + the amount in demand accounts ("checking" or "current" accounts).
• M2: M1 + most savings accounts, money market accounts, retail money market mutual funds,and small denomination time deposits (certificates of deposit of under $100,000).
• M3: M2 + all other CDs (large time deposits, institutional money market mutual fund balances), deposits of eurodollars and repurchase agreements
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