2009年8月7日金曜日

2千億円の価値

1フォーカス(フォード) 2カローラ 3シビック 4プリウス 5カムリ・・
ここに挙げたのは、米国で新車販売の促進剤となっている政府の還付金「CASH FOR CLUNKER」を目当てに新しく購入された新車の上位5車である。これをみると、1位にフォード車が入ったものの、売れているのはやはり日本車だった。

トヨタやホンダは既に米国で車を造っている。従って彼らを純粋な日本車と考える必要はないが、この状況はGMとクライスラー株を保有する米国政府としては好ましいとは言えない。トヨタとホンダはいずれ何らかの調整があると覚悟すべきだろう。

ところでその「CASH FOR CLUNKER」の追加予算の2B(2千億円)はどうやら上院でも今週中にも認可される見通しとなった。まあ考えてみれば当然。そもそもこれだけ評価が高い政府の救済案に米国がこの程度の予算しか組めない事がおかしいのかもしれない。米国で2千億円という金額は成功したファンドマネージャーの1年のボーナスである。(2006年以降1~2千億円の報酬のファンドマネージャーは複数出ている。ルネッサンスのジムサイモンや金融危機を逆手に取ったジョンポールソンなど)

そして米国は昨年AIGだけで10兆円規模の救済をした。結果、世界の金融システムは救われた事になっているが、一方でAIGのCDSの取引先だったGSも救われ、その後GSは勝ち組として様々方面で救済からの収益を重ねる事ができた。この結果GSは1兆円を上回る規模のボーナスを今年社員に支払う予定である。(平均すると社員一人当たり7千万円)

ただこれは何かがおかしい、そう考える米国人が増え始めた。GSはAIGが救済された事と、自分達が儲かった事を結びつけるのはおかしいと主張する。だがNY TIMESはほとんど毎日このGSの記事を特集してGS包囲網を築き始めている。この様な逆風に対してGSの会長は社員に対して「貰ったボーナスで高額の買い物をするな」との御触れを出した。これも変な話だ。どこかに後ろめたさがある事を自分で証明している。

個人的には金融しかない米国では、救済される事で結果的に金融機関が大儲で終わる事はシステム上は自然と考える。よってその場合には特別な税金を金融機関にかけて調整するのが最もフェアだと考えるが、ただいずれにしても日本人の感覚からはこの国はどこかおかしいままだ。その矛盾はこれからじっくりあぶりだされるか、あるいはこのまま突っ走ってもどこかで突然死が待っているだろう。なぜならそれが過剰なマネーに支えられた世の中の宿命だからである。その意味では途中で誰がうまく立ちまわり、また誰が馬鹿をみるかはそれ程重要ではない。宇宙の原理は最後に帳尻を合わせに来るだろう・・。


2009年8月6日木曜日

純粋培養型人間の利用方

8月5日の日経新聞を見ると、経済面に「ガイトナー激怒」との囲み記事があった。読んでみて失望した。内容はガイトナーが規制強化案の審議において、更にFEDに権限を与える政府案(サマーズ・ガイトナー案)に対し、各役所のトップが賛同せず、ガイトナーはその「縄張り争い」に怒りを露わにしたとなっている。ただこれでは正義はガイトナーで、それに対して他が小言を言っている様にしか読者は感じないだろう。だがその理解では今の米国を客観的に捉えた事にはならない。まず個人的分析では、彼等が政府案に異論を唱えるのは少なくとも縄張り争いからではない。彼等はその案では変化が期待できないか、場合によって悪化すると国益に照らして心配している。

まず今の米国はオバマ人気を利用した彼の後ろにいる人々が実は利益を享受している状態である事を日本も知るべきだろう。ブッシュ政権と違うのは彼等はチェイニーとハリバートンの様な単純明快な関係を好まないだけだ。無論オバマは全体が見えているが今は何もできない。そしてガイトナーとバーナンケは民間で働いた経験が無い事が恐らくアダとなっているのではないか。そもそもグリーンスパンはFEDの前には民間で働いた経験があった。だがバーナンケは大学卒業直後の26歳からFEDに参加するまで学者一本。またガイトナーは官僚になる為に生れてきた環境で育ち、大学卒業後にキッシンジャーの元で3年間修業してからはそのまま官僚一筋の人生である。

FED議長はともかく、財務長官職にガイトナーの様な「純粋培養型官僚」が就任した事は米国の近代史からは実は異例。そのせいか、ここまでの経過を見てもこの二人には民間なら必ず経験する「私利私欲の汚れ」が少ない事が逆に自分の考えが正しいと思い込んでいる危険性を感じる。そしてこの二人を上手に利用したWSは再び勝ち組となった。そんな中で現在政権下で金融を管轄する様々の機関で多くの人が辞め始めたという(CNBC)。今回各役所の反発はその様な声も反映しているはずで、この政権の限界に失望した人々が辞め始めたのではないかと個人的には考えている。

いずれにしても日経がこの程度の認識でソレを国民に広めてもらっては困る。これでは90年代フレッシュなクリントン政権が発した「見かけのスマート」さに惑わされ、気がつくと国益上はとんでもない失敗をしてしまった当時の国策の二の舞になる可能性を感じる。・・。




2009年8月4日火曜日

下取りブーム

冷え込んだ消費を掘り起こす手段としてまず日本で先行した「下取りセール」は米国にもヒントを与え、その新車販売キャンペーンの「CASH FOR CLUNKER:ポンコツを捨てて現金を手にしよう」は米国でも大成功をおさめた。そしてその自動車の成功をみて他の商品でも次々に下取りセールが始まった。

まずシカゴ最大手の家具のチェーンストアでは新品購入者に対して古いソファを最大250ドルで引き取る広告を打った。そしてびっくりしたのは我が家の斜向かいに2年以上さらされたままの新築住宅だ。週末から次のような看板がついた「You buy this home,I buy yours: この家を買えばあなたの家は私が買います。」

ところでピーク時に確か5000兆円以上だった世界の株式時価総額は昨年の最悪期に2000兆円以上が失われた。だがここまで戻れば1000兆円は回復しただろうか。そんな中で本日のNY TIMESには、昨年、株と住宅が中心の米国の一般家計の富は1300兆円が失われたと紹介されている。(この金額はちょうど日本の個人の貯蓄に匹敵するのは不気味) 。そしてその穴を埋めるために今後米国の一般家計の所得はかなりの長い期間貯蓄に回され、エコノミストが予想する程には消費には回らないとの意見があった。

さもありなん。この状況では下取りセールが好調といっても、政府が還付金を出す自動車はともかく、上述の通りに他の産業は収益を犠牲にした「肉を切らせて骨を切る」ぎりぎりの営業を迫られる。だがそれはGMを結局倒産に追い込んだ2001年の戦略と同じではないか。

それにしてもグリーンスパンは私にとって最早完全に過去の人となった。彼は昨日ABCの番組で「住宅市場は大底を確認したかどうかは未定。場合によってはもう一段の下落もある」と言いながら、一方で「株と景気は最悪期を脱した」とも述べた。一般の家計において株よりもはるかに資産効果が高い住宅の底打ちが未確認でありながら、景気は底打ちしたと述べるグリーンスパンに個人的には興味はない・・。

2009年8月1日土曜日

「今日の視点」の始まり

ここに掲載する話はほとんどが私が金融機関の顧客に送っている「今日の視点」というコメントからの抜粋である。ここでは一般向けに砕いた表現にしているが、今日はそのコメントを書き始めた切欠を紹介する。

2001年11月「KEEP ROLLING AMERICA(アメリカは死なない)」このキャッチフレーズを用いてジェネラルモータースが発表したゼロ金利プロモーションは衝撃的だった。そしてその言葉の響きは斬新だった。また同時期に別のキャッチフレーズも米国を鼓舞した。「LET’S ROLL」(さあいくぞ)、これはテロで墜落した飛行機の乗客が、「座して死を待つ」より僅かな可能性に賭けてテロリストに反撃を挑むその瞬間に発した言葉である。そう、まだテロ後の重苦しい雰囲気が漂っていた2001年の初冬、米国を復活へ導いたのはこの二つの言葉だった。

そもそも日米を比較しても、巧みなキャッチフレーズを生み出す能力は日本人が上。しかし日本人のキャッチフレーズはどこかシニカルで技巧的。それに比べこの二つの言葉には米国の前向きなエネルギーが満ち溢れていた。実は「今日の視点」を始めたのがこの言葉は流行った頃。当時はまだ米系大手に籍を置いていたが、既に「船」を下りて個として勝負する覚悟を決めていた。その準備のつもりで始めたのが自分の視点でコメントを書く事だった。そしてこの二つのキャッチフレーズから予想される米国の復活の可能性が記念すべき最初のテーマとなった。

実は本日の話題「CASH FOR CLUNKER」から8年前のその時を思い出した。(直訳はポンコツを捨て現金を手にしよう:政府が発動した新車購入補助制度)そして今、政府はこのプログラムの思わぬヒットに戸惑い気味だ。だがここまでの救済策の中で、庶民を対象とした一連のプログラムは殆ど評価を得られていない。例えばフォークロジャー(競売)阻止のプログラムでは銀行は政府の意図した行動に出ていない。むしろ政府から銀行に卸された救済資金は別なところで回され、決算を良く見せて高額報酬の復活の正当性に利用されている。

また新健康保険制度は中身があまりにも複雑な為に理解されない段階で政治的に死にかけているのはご存じの通り。そんな中で庶民から評価が得られたのがこの新車購入プログラムである。政府もそして議会もこのチャンスを逃す手はない。またエコノミストはこれで年間300万台の販売の増加が見込めると期待を寄せている。その意味ではこのプログラムが2001年のGMのKEEP ROLLING AMERICA の代わりになる可能性は否定しないし私自身もそれなりの効果は確信している。だが2001年にこの国に感じた感動を今は感じない。あの時と比べてもこの国は変わってしまった。それが残念なだけだ・・。



2009年7月30日木曜日

天災・人災・政災

冷静に考えて今株が下がるケースは三つ。天災/人災/政災である。裏を返すとサイドラインに大量の資金が待ち構えているとここまで脅さては、その信憑性はともかく自立調整は難しい。そしてこんな時は経済指標は重要ではない。なぜなら人は自信に満ち溢れている時、どんな指標にもプラスの可能性を感じてしまうからだ。

そして株は大きく下がるならばギャップダウンで始まる可能性が高い。今の市場参加者にとって重要なのはチャート。それはこの上昇でも確認できた。よって論理的にはその逆も起こりうる。だが、参加者が強気で自律調整が難しいとなると、下がるためにはギャップダウンで始まり、窓埋め後に下落が始まるパターンが必要だ。その可能性としては「天災」と「人災」が有力。

「人災」はテロ行為を指し、「天災」は中国などの成長地区での疫病の発生などのケースが考えられる。いずれにしても人々の活動が停止するのが条件であり、需要を発生する地震などの破壊的災害は今の地合いでは米国株にとって買い材料になる可能性がある。

そして最後の「政災」は結局は元の姿に戻ろうとしている米国をオバマ政権がどうするかという意味だ。或いはその米国に対して世界が、特に中国がどう出るかである。例えば本日のNYTIMESには次の様な記事がある。

米国の企業年金が破たんした場合の政府の保証機関PBGC(Pension Benefit Guarantee corporation )ではその50B(5兆円)の運用を担当する「旨い仕事」を巡って一騒動があった。まず同社に2007年に新しい運用責任者が着任。すると早々にGSとBLACK ROCKが接触した。そして数々の接待をを含めた営業活動が功を奏しこの2社は運用を任される事になった。

しかしその運用担当という「美味しい仕事」を巡る「入札」(この場合は総合的な提案)で担当者が2社に便宜を図ったとの論議が巻き起こった。その結果この2社と「サブ」として任命されたJPモルガンは入札の正当性を主張したにもかかわらず、PBGCの管轄当局はPBGCが決めた3社との契約を破棄させる異例の処置を断行したのである。

そもそも米国の金融機関の生き残り競争は既に勝負がついている。常識からすればその勝者であるGS / BLACK ROCK/ JP MORGANの3社が選ばれる事は自然だ。しかし接待がグレーの部分を誇張したとしても、管轄当局が参加の国営企業がいったん決めた契約を破棄させるという強硬手段に出た事は驚きである。

これは日本の簡保問題と比較しても興味深いが今後米国政府が金融機関に対してどういうかじ取りをするつもりなのかのヒントにもなる。政権は政府と特定の金融機関の癒着を糾弾するMEDIAの最近の動向に非常に敏感になり始めた。この様な動きが結果に株にとって「政災」につながる事もある。

最後に、個人的に「株の下げ」を望んでこの様な話をしているわけではない事を触れておく。ただ今の時代はあらゆる事態を事前に想定しておくことが重要であるという事である・・。






2009年7月29日水曜日

イカサマは悪か

今のアメリカの金融機関と比べれば、バブル崩壊後に日本の金融機関が受けたバッシングは相当なモノだった。ただ銀行と証券ではバッシングの内容に多少違いがあり、銀行は日本の銀行に期待される社会的責任を果たさなかった事を非難され、一方で証券は4大証券に誘導された日本の株式市場そのものが評論家からは個人投資家を食い物にする「イカサマ博打場」と言われた。そしてガリバーの野村証券はその「胴元」という金看板を背負っていると言われた。しかし相場とは基本的にイカサマ博打だ。その本質は古今東西変わらず、イカサマが定期的に明るみに出ると、誰かが代表で禊を果たす事で人々はその罪を忘れた。そしてまた欲望は同じ事を繰り返した。

ただイカサマは素人がいなければ成立しない。ならば情報とシステムの格差が潰れた今、世界中からの有象無象の参加者が参入する株や債券、また為替等の主力市場では値動きにイカサマを張る事は最早難しい。よって今の時代のイカサマとは国家戦略そのものになった。そうなると最早誰もイカサマとは言わない。そんな中で大量の素人が純粋な相場をイメージして参入したのが昨年までの商品相場だ。特に原油の先物市場は華々しかった。(コーンなどはイカサマというよりは完全にブームだった)

そもそもオイルに関する指標ほど信憑性が疑わしいものはない。以前にBPの米国のオペレーションの関係者の話を紹介したが、元々はBPやシェル等の生産者のサークル、言わばプロ同士が鎬を削った先物市場に素人が参入した事は素人にとって本来愚かしい事だった。なぜならBPやシェルは統計上の数値も提供する立場。例えるなら、FRBが純粋な市場プレーヤーとして牛耳る金利市場でそのままFEDの指標の賭けに突入するに等しい話だ。結果、BPでも$100M(年収100億)プレーヤーが簡単に生まれた。

その原油の先物市場を終にCFTC(米国の管轄局)が規制を始めるという。だが欧州の当局は同じ規制に反対している。この違いは、生産者のサークルといっても先物を使わないエクソンを抱える米国と、トレーデイング収益が重要なBPとシェルを抱える欧州とでは多少立場が異なるのだろう (最大手のエクソンが先物市場を殆ど使わない話は前述のBP関係者の話。また彼によれば、原油先物の4強と言えばBP,シェルにゴールドマンとモルガンスタンレーを指すという) 。またCFTCはスペキュレーターの縦玉を規制する事で異常な価格変動を抑えるとの建前を言う。だが本当の意図は違うはずだ。そもそもCFTCは大した役所ではない。従って不正の実態を承知していてもソレをただす政治力がこれまで無かったのである。

その象徴がブッシュ政権初期のデリバテイブ関連の部分的規制強化だろう。この時規制の対象外とされたのが金融以外では電力とOILだった。OILと電力はまさにブッシュのお膝元に直結していた。結果CFTCはその後に起こったエンロン崩壊や昨年のオイル高騰では全く無力だった。だが政権が変わり状況が変わった。ただしCFTCが主張するスペキュレーションの縦玉を更に規制する案は市場の効果を削ぐとの批判が強い。確かに現状では誰がスペックで、誰がヘッジャーなのかの業際もはっきりしない。ただ一つ言える事がある。それは仮にスペキュレーションを素人と定義するなら、その参入を規制する事で原油先物市場を元のプロ同士の市場に閉じ込める事は出来るかもしれない。プロだけならイカサマはできない・・。


2009年7月28日火曜日

9兆ドルの不思議

著名エコノミストのエドハイマン氏によると、現在「米国経済は底打ちを完了したと」考えるファンドマネージャーの8割はLONG ONLY(株の買いだけを行う)のファンドを担当しているとの事。そもそも今の時代にLONG ONLYのファンドがどのくらい存在するのか定かではないが、確かに警戒心を解いていないファンドマネージャーは散見されるものの弱気な評論家は完全に姿を消した。姿を消したというのはそういう人はもういらないという事だろう。よってCNBCにも出してもらえない・・。

一方今日の相場ではサイドラインのマネーの金額がCNBCに登場したファンドマネージャーによると9兆ドル(900兆円)まで増加していた。先週までこの数字は4兆ドルと言われていた。恐らく4兆ドルの根拠は現在MMF等に停留する資金。ではこの9兆ドルの根拠とは何か。彼は説明しなかった。ただ根拠がなんであるにせよ、MMFを含めてサイドラインの資金がそのまま消費と投資に向かうなら米国人の貯蓄率は再びマイナスへ転じる事は必定である。

そしてクレジット市場ではリーマンショックの前の水準に戻ったというのが合言葉になっている。その時点で米国のダウは10000以上を維持していた事から強気派は株も当然その水準まで戻ると確信している。しかしならばリーマンショック以前の異常なクレジットの緩和が最終的に崩壊を招いたという反省も今の米国からは消えた事になる。

いずれにしてもここから先の相場感はその人の哲学によって決めればよい。無論資金の運用は現実に沿う必要がある。だがここから先は相場感と実際の対応が違うのは不自然ではない。ただこの米国が最終的にどんな運命になるか、その賭けに世界はいずれ直面する。その最大の荒波を生き残る為には本質の相場感をどこかで感じていなければならない。そのためには日々の相場にも哲学が必要だ。米国人にはこの哲学はただの弱気、だが日本人には最後は贈り物と確信している。

そしてそこにまだ人が生活し、多少なりとも金があればどこかで必ずボトムアウト(景気の底打ち)は形成される。それが「日本の失われた10年」型になるか、或いは80年代の米国が経験したWボトム型になるかがこれまでの争点だった。ところが今米国ではそのどちらも回避できると多くの人が考え始めた。理由は「バーナンケはボルカーではなかった」という事だ。確かにボルカーは病み上がりの米国を超高金利で痛めつけた。ただそれが彼の信念だった。  (ボルカーはグリーンスパンの前任のFED議長。70年代のOILショック後のインフレを政策金利を20%まで引き上げる事で対応した。しかし結果放漫経営だった住宅ローン会社が逆ザヤから破綻、政府は今回と同じく救済策を余儀なくされた。ただその過程では60人以上の逮捕者を出し、経営者のモラルの立て直しには貢献したと言われている・・)

不思議な事に今ボルカーはバーナンケと同じ船に乗っている。これがこの政権の実体だ。オバマは個人として魅力的、でもやはり若い。彼の魅力だけでは政権の人脈を統治する事はできない。結果この政権からはブッシュ政権を支えた金太郎飴の様な統一性は消えた。そしてこの政権は危機直後に市場を司る金融機関に対し強く反省を促したが結局は場当たり的対応を余儀なくされただけで終わってしまった。そして今は何も変わっていない実態がここにある。

本当に9兆ドルがそこにあるなら米国は借金を返す事を考えないのか。これまでの米国は借金を返すのではなく、その資金を投資や消費に回し世界経済をけん引してきた。その恩恵を債権国は受ける事が出来た。だから債権国が米債を購入してバランスを保ってきた。だが世界の新しい枠組みでは世界経済をけん引する消費大国としての期待は米国から中国に移り始めている。そんな中でオバマはこの実体をどうするのだろう。そして世界はその米国にどう対処していくのか、それがそのまま現実の相場にも反映されるだろう・・。