チリの鉱山事故。予定よりも早く地面を掘れたのは、裏に米国の技術があったという。そんな理由もあり、本日、次々にヒーローが返ってくる現場には星条旗が掲げられていた。
この様子を伝えた米国のメデイアは、最も「成功した失敗例」として今も語り継がれるアポロ13号の事故を例にとり、救出を成功に導いた米国の技術と精神を称えていた。だが、個人的にはアポロ13号というよりも、映画「アルマゲドン」の方が近い印象だった
アルマゲドンは98年の映画である。アポロ13号の事故が95年にトムハンクス主演で映画化された実話だったのに対して「アルマゲンドン」は空想だった。そして映画がつくられた年は3年しか違わない。だがこの3年の違い大きかった。
98年の頃、この国はドットコムバブルの頂点を迎えつつあった。そんな中で大統領は不倫、それも権威ある大統領執務室での破廉恥行為が世界に知れ渡った。そして何よりも驚いたのは、景気が良かった事が背景だったのだろう、米国民は前代未聞の不祥事を越した大統領のビルクリントンを許してしまった。
この瞬間、恐らく今が米国の頂点ではないかと感じた。98年の頃の米国は既にミッションを失っており、国民は消費という豊かさを実感出来れば全てが許される時代が始まろうとしていた。
そして「アルマゲドン」を見た人は知っているだろう、冷戦が終わり、米国のミッションが完了した時代に再び米国が輝くために必要なシナリオ、それがあの映画だった。
彗星が地球を襲う。このままでは地球は滅亡。そこでNASAは普段は油田を掘削するのが本業のドリルの名手(ブルースウイルス主演)を訓練し、シャトルで巨大彗星まで運ぶ。彼に託されたのは、彗星の地表に穴をあけ、そこに原子爆弾を投下して彗星が地球に衝突する前に爆破するという計画だった。
映画の結末を知らない人は観た方がよい。この映画で協調された演出は、先進国が技術の粋を集めて苦難に立ち向かい、アラブもイランも米国のヒーローを褒めたたえる事だった。そう、それこそが米国の新しいミッションになるはずだった。だが現実は違った。
ドットコムバブル崩壊後の米国はイラク戦争と言う全く違う妄想に走った。そしてその間に野放しなった金融市場では、積み上げれば宇宙にまで届く規模の仮想マネーのバブルに浸った。そしてその全てが崩壊の危機にに瀕したした後、モラルも信義も失ったこの国では面白い言葉が生まれている。ソレはメルトアップ(MELT-UP)。メルトダウンの逆だ。直訳すればごちゃ混ぜにされて浮かぶ言う意味か。
これは、バーナンケFEDの政策によって金融市場のプールに大量のマネーが入る事で、プールの中にあるモノ全てが浮いてしまうイメージを良く現わしている。
そもそもきちっとした重力が働く世界では「メルトダウン」しかないと思っていた。まあ今の時代はこんな言葉も生まれるのだろう。だが地に足がついていない世界の居心地は悪い。個人的にはそんな無重力の世界には行きたくない。
このブログは終了しました。 日々のつぶやきはデイオブレコンに、 http://otakizawa.blogspot.com/ 解説はゴゴジャンTakizawa レター 今日の視点 明日の視点に移りました
2010年10月14日木曜日
2010年10月13日水曜日
平和な国の、平和な人々による、平和な相場
平和な国の日本ではニュースの優先順位が世界基準とは異なる。チリの炭鉱労働者の救出は喜ばしい事実。だが7時のNHKのニュースでの詳細には驚いた。そんな中、こちらで小さく報道されたのが、アフガニスタンで人質になった英国人女性ボランティアが、救出に向かった米国部隊の手りゅう弾で不幸にも亡くなってしまった話。ただこれも大した扱いではない。英国は国内感情に配慮してか、米軍に事情説明を求めている程度だ。そしてこの話を持ち出したのは、当時実は殆ど報道されなかった米英によるある軍事行動について触れておきたいからである。
しばらく前、二人のニューヨークタイムスの記者がアフガンで人質にされた。この二人を救出に向かったのは英国の特殊部隊。救出は成功した。しかし落下傘でタリバンのアジトを急襲する際、英国人兵士の二人が死んだ。死んだのが兵士である以上、米国も英国も殊更大騒ぎをしなかったのは当然。ただここに米英関係と日米関係の本質の大きな違いな存在する。いつまでも世界が平和であると思いこみたい日本。日本人が世界をどう思うと勝手だが、そんな日本を世界がどう思うか。その視点を殆ど報道しない日本のニュース。
さて、相場では中国の準備預金引き上げの話が一番影響している様子。そして今日のWSは日銀の介入を想定し、多くの為替トレーダーが円をショートしている状態との噂だ。日銀が彼等の裏をかけば面白い。だが人を出し抜くのは平和国家でポーカーさえしない日本人は苦手だ。ましてやG7 やG20などを気にしていては話にならない。そもそもG~などは、参加国が増えれば増えるほど何も決まらない事などこちらでは常識である。
ならば日本は日本人の得意な分野を相場に持ち込めば良い。昨日将棋ではトップ女流棋士が遂にコンピュータに負けた。将棋界に挑戦した産学共同のチームはかなりの自信があったらしい。個人的にはこのコンピュータの知能を日銀の介入にも活かす事を提案したい。債券市場では今日も日本が世界に貢献できる部分、つまり米債券買いは堅調だ。これだけでは最後は餌食になるだけである。
しばらく前、二人のニューヨークタイムスの記者がアフガンで人質にされた。この二人を救出に向かったのは英国の特殊部隊。救出は成功した。しかし落下傘でタリバンのアジトを急襲する際、英国人兵士の二人が死んだ。死んだのが兵士である以上、米国も英国も殊更大騒ぎをしなかったのは当然。ただここに米英関係と日米関係の本質の大きな違いな存在する。いつまでも世界が平和であると思いこみたい日本。日本人が世界をどう思うと勝手だが、そんな日本を世界がどう思うか。その視点を殆ど報道しない日本のニュース。
さて、相場では中国の準備預金引き上げの話が一番影響している様子。そして今日のWSは日銀の介入を想定し、多くの為替トレーダーが円をショートしている状態との噂だ。日銀が彼等の裏をかけば面白い。だが人を出し抜くのは平和国家でポーカーさえしない日本人は苦手だ。ましてやG7 やG20などを気にしていては話にならない。そもそもG~などは、参加国が増えれば増えるほど何も決まらない事などこちらでは常識である。
ならば日本は日本人の得意な分野を相場に持ち込めば良い。昨日将棋ではトップ女流棋士が遂にコンピュータに負けた。将棋界に挑戦した産学共同のチームはかなりの自信があったらしい。個人的にはこのコンピュータの知能を日銀の介入にも活かす事を提案したい。債券市場では今日も日本が世界に貢献できる部分、つまり米債券買いは堅調だ。これだけでは最後は餌食になるだけである。
2010年10月8日金曜日
ミッション (大義への使命感) Government Sacksの場合
ノーベル賞を受けた根岸教授のコメントを聞いてはっとした。NHKのインタビューで、今の日本の若者に一言と請われ、教授が口にしたのがミッションという言葉。単に勉強や研究を続けるのではなく、ミッションを感じる事の重要性を根岸教授は触れた。
その後でCNBCの特集を観た。タイトルは「ゴールドマンサックスの力と厄」。金融危機後もウォール街最強の金融機関として君臨するGS、だがリポートでは、GSは今や米国では厄の代名詞となっている実態が紹介された。
選挙戦が山場を迎え、選挙資金は喉から手が出るほど欲しい議員もGSからの献金はだれも受けない。なぜならGSから献金を受けただけで庶民を敵に回す事になる。また金融危機のダメージが深刻なクリーブランドでは、行政担当者は廃墟となった地帯を紹介しながらGSの存在は社会の悪とまで言い切った。
ただそんなGSがミッションと共にあった時代がある。それは中興の祖、シドニーワインバーガー氏が君臨した30年代から69年までの40年間である。彼はブルックリンの貧しいユダヤ人家庭に生まれ、高校さえ卒業していない。家計を助けるために13歳から働き、安定した仕事を探して当時ニューヨークで一番高い24階建てのビルに上った。そして最上階から順に入居する全てのテナントに雇ってくれと飛び込みんだという。
そして22階を下り、2階にあった会社でやっと正社員の靴磨きをする用務員補佐として雇われた。それがゴールドマンサックスだった・・。
そこからの彼の出世物語は秀吉に相当する。だがここで紹介したいのは、彼が会長を務めた間、ルーズベルトからアイゼンハワーまでの歴代の大統領からウォール街で一番信頼されたのがワインバーガー氏だった事実。理由は彼にとって国家につくす事は何よりも大切だった信念を大統領が判っていたからだという。
その証拠に、今ではGSを糾弾する急先鋒のニューヨークタイムス紙が、69年にワインバーガー氏が亡くなった日の朝刊では、前日にアームストロング船長が月からアポロで帰還したという大ニュースがありながら、ワインバーガー氏の死を悼む記事をトップにしたという。
そんなGSが米国の厄にまでなってしまったのはなぜだろうか。持論だが、それはGS自身に原因があるとは思わない。GSの社員はいつの時代もウォール街のどこの会社よりも働き、そして基本的には真面目である。原因は米国のミッションが終わったからではないか。
我々が育った時代、米国にはソ連を倒し、世界に資本主義の豊かさと民主主義の明るさを広める大義があった。そしてそのミッションが完了すると、米国に次のミッションは起こらなかった。訪れたのは大義を成し遂げた褒美としての豊かさ。そうクリントンの時代である。
そのころからGSには別の名前がついた。GOVERNMENT SACKS。ルービン財務長官を初め、次々に政権中枢に人材を送り込み、国家経営そのものに連動して利益を生む体制が出来上がったのだ。ただ個人的にはそれ自身も悪だと思わない。問題は、不幸にも米国自身に新しいミッションが見つからなかった事ではないか。
そんな中で世界と米国のスプレッドは縮小、情報もフラット化した。こうなると国家の繁栄を維持するためには米国は無理やりイラクへ侵攻し、また国内には強引に貧富のスプレッドを起こし、そして、なによりも金融は顧客にリスクを転化する事で膨大な利益を維持したのである。おそらく、GSの社員はまじめで優秀であればあるほど全体像を客観的にみる事はなかったはずだ。
最後に、新しいミッションが見つからない以上米国はこのまま矛盾を抱えたままさまよう可能性がある。それは日本とて同じ。明治維新や戦後の混乱期にはミッションなどいらない。なぜならそこには危機があるから。みんなその危機を克服する事に命をかける。
だが、(不幸な事に)今は中途半端に平和で、経済が苦しくなれば簡単にお金をプリントしてしまう時代。そんな時代だからこそ、実はそれぞれがミッションを感じる事が重要なのだろう・・。
その後でCNBCの特集を観た。タイトルは「ゴールドマンサックスの力と厄」。金融危機後もウォール街最強の金融機関として君臨するGS、だがリポートでは、GSは今や米国では厄の代名詞となっている実態が紹介された。
選挙戦が山場を迎え、選挙資金は喉から手が出るほど欲しい議員もGSからの献金はだれも受けない。なぜならGSから献金を受けただけで庶民を敵に回す事になる。また金融危機のダメージが深刻なクリーブランドでは、行政担当者は廃墟となった地帯を紹介しながらGSの存在は社会の悪とまで言い切った。
ただそんなGSがミッションと共にあった時代がある。それは中興の祖、シドニーワインバーガー氏が君臨した30年代から69年までの40年間である。彼はブルックリンの貧しいユダヤ人家庭に生まれ、高校さえ卒業していない。家計を助けるために13歳から働き、安定した仕事を探して当時ニューヨークで一番高い24階建てのビルに上った。そして最上階から順に入居する全てのテナントに雇ってくれと飛び込みんだという。
そして22階を下り、2階にあった会社でやっと正社員の靴磨きをする用務員補佐として雇われた。それがゴールドマンサックスだった・・。
そこからの彼の出世物語は秀吉に相当する。だがここで紹介したいのは、彼が会長を務めた間、ルーズベルトからアイゼンハワーまでの歴代の大統領からウォール街で一番信頼されたのがワインバーガー氏だった事実。理由は彼にとって国家につくす事は何よりも大切だった信念を大統領が判っていたからだという。
その証拠に、今ではGSを糾弾する急先鋒のニューヨークタイムス紙が、69年にワインバーガー氏が亡くなった日の朝刊では、前日にアームストロング船長が月からアポロで帰還したという大ニュースがありながら、ワインバーガー氏の死を悼む記事をトップにしたという。
そんなGSが米国の厄にまでなってしまったのはなぜだろうか。持論だが、それはGS自身に原因があるとは思わない。GSの社員はいつの時代もウォール街のどこの会社よりも働き、そして基本的には真面目である。原因は米国のミッションが終わったからではないか。
我々が育った時代、米国にはソ連を倒し、世界に資本主義の豊かさと民主主義の明るさを広める大義があった。そしてそのミッションが完了すると、米国に次のミッションは起こらなかった。訪れたのは大義を成し遂げた褒美としての豊かさ。そうクリントンの時代である。
そのころからGSには別の名前がついた。GOVERNMENT SACKS。ルービン財務長官を初め、次々に政権中枢に人材を送り込み、国家経営そのものに連動して利益を生む体制が出来上がったのだ。ただ個人的にはそれ自身も悪だと思わない。問題は、不幸にも米国自身に新しいミッションが見つからなかった事ではないか。
そんな中で世界と米国のスプレッドは縮小、情報もフラット化した。こうなると国家の繁栄を維持するためには米国は無理やりイラクへ侵攻し、また国内には強引に貧富のスプレッドを起こし、そして、なによりも金融は顧客にリスクを転化する事で膨大な利益を維持したのである。おそらく、GSの社員はまじめで優秀であればあるほど全体像を客観的にみる事はなかったはずだ。
最後に、新しいミッションが見つからない以上米国はこのまま矛盾を抱えたままさまよう可能性がある。それは日本とて同じ。明治維新や戦後の混乱期にはミッションなどいらない。なぜならそこには危機があるから。みんなその危機を克服する事に命をかける。
だが、(不幸な事に)今は中途半端に平和で、経済が苦しくなれば簡単にお金をプリントしてしまう時代。そんな時代だからこそ、実はそれぞれがミッションを感じる事が重要なのだろう・・。
2010年10月7日木曜日
狂った果実の時代
ハーバード大学で経済学を教えるジェフリーマイロン教授は、来月に予定されているカリフォルニアでのマリワナ合法化の投票を巡り、どうせなら、全米でLSD コカイン マリワナ等のドラッグ(麻薬類)は全て合法にすべきとのコメントをCATO INSTITUTEのリポートの中で出したという。
理由は、現在米国はドラックの取り締まりに年間3兆円を掛けている。ならばドッラグを合法化する事によって、これらの経費が浮き、更に酒や煙草と同じくドラックに税金を掛ける事で今度は年間4兆円の税収が見込めると言う計算らしい。
教授は、米国では既に取り締まりなど意味がない程のドラックが出回っている。実際は誰でも普通に買える。ならば、合法化で米国の財政は7兆円も改善するならなぜやらないのかという考えだ。これが世界最高権威の学問の府の教授のコメントである。
このブログでは以前、合法と非合法の合間のグレーゾーンで暗躍する山口組を例にとり、彼らを表の経済に出し、(つまり合法化を促す)まじめな邦銀では太刀打ちできないゴールドマンサックスに立ち向かわせた方が賢いとアドバイスした。本気ではなかったが、教授の意見の本質はまさに同じではないか。
まあどう思うかは自由。だがこの話は元々過剰流動性というステロイドでの打ち過ぎで崩壊した経済を、緊縮して立て直す痛みには耐えられないという理由で更なるステロイドを打つと宣言している「元」金融の最高権威のFEDと同じ立場である。
これが今の米国の権威の意見なら、それはそれで今後の米国の本質を象徴するいい話だ。
キリスト教国家でありながら、聖書の教えさえ無視し、快楽によっての成長を是とした米国。仮にこれで成果があったとしても、それは「狂った果実」だろう。
こんな国と今までと同じ感覚で付き合っても、馬鹿を観るのは真面目な自分であることが、何故日本人は判らないのだろうか。
理由は、現在米国はドラックの取り締まりに年間3兆円を掛けている。ならばドッラグを合法化する事によって、これらの経費が浮き、更に酒や煙草と同じくドラックに税金を掛ける事で今度は年間4兆円の税収が見込めると言う計算らしい。
教授は、米国では既に取り締まりなど意味がない程のドラックが出回っている。実際は誰でも普通に買える。ならば、合法化で米国の財政は7兆円も改善するならなぜやらないのかという考えだ。これが世界最高権威の学問の府の教授のコメントである。
このブログでは以前、合法と非合法の合間のグレーゾーンで暗躍する山口組を例にとり、彼らを表の経済に出し、(つまり合法化を促す)まじめな邦銀では太刀打ちできないゴールドマンサックスに立ち向かわせた方が賢いとアドバイスした。本気ではなかったが、教授の意見の本質はまさに同じではないか。
まあどう思うかは自由。だがこの話は元々過剰流動性というステロイドでの打ち過ぎで崩壊した経済を、緊縮して立て直す痛みには耐えられないという理由で更なるステロイドを打つと宣言している「元」金融の最高権威のFEDと同じ立場である。
これが今の米国の権威の意見なら、それはそれで今後の米国の本質を象徴するいい話だ。
キリスト教国家でありながら、聖書の教えさえ無視し、快楽によっての成長を是とした米国。仮にこれで成果があったとしても、それは「狂った果実」だろう。
こんな国と今までと同じ感覚で付き合っても、馬鹿を観るのは真面目な自分であることが、何故日本人は判らないのだろうか。
2010年10月6日水曜日
お金の罪
日銀が再び金融緩和に舵を切った。このように世界の中央銀行が協調してお金をジャブジャブにする中、米系最大手の銀行JPモルガン銀行は一般からゴールドを預かるビジネスを再開した。これを聞いて思い出したのは紙幣の始まりである。今日はその話をしたい
まず、一般的に国家として正式に認めらた紙幣の始まりは17世紀のオランダからと言われている。だがヨーロッパではそれ以前に実質紙幣の流通は始まっていた。その切欠はJPMモルガンが再開した金の預かりビジネスである。強盗が横行していた中世のヨーロッパでは、ゴールドスミスと呼ばれた鍛冶屋が庶民からゴールドや金細工を保管するビジネスを始めていた。そしてその際に発行したのが紙の預かり証である。
そして庶民はモノの交換で金地金を使わず、この預かり証の交換で済ませるようになった。この瞬間が紙幣の誕生である。そしてもっと重要な事は、ゴールドスミスは大変な事に気づいてしまった。それは実際に自分が預かっている金地金や金細工よりも多い量の預かり証を発行しても誰も気づかないと言う事。この時から鍛冶屋だった彼等は「銀行」と呼ばれるようになったのである。(信用の創造 レバレッジ)
そして数々の小銀行が乱立したが、ソレよりも大きな銀行が一つ存在し、どこでも通用する共通の紙幣を発行した方が便利だと考えるようになった。ただこの頃には本来は紙切れのはずの紙幣が価値を持つ事の本質的な恐ろしさを欧州の統治者は気づいていた。従って国王にとっても紙幣の流通は自身の統治能力を危うくする存在として厳しい管理下に置かれた。
そんな中、英国では希少なゴールドでもなく、また危険な紙幣でもない木片がお金として使われた。木片には単位を示す刻みがあり、流通している木片は元々の木片を半分に割った物だった。残りの半分を国王が管理する事で流通量と正当性を国王つまり国家が管理したのである。(流通している木片国王が保管している木片と対である事で整合性を証明)
ところが、このルールを曲げたのは、ヨーロッパの田舎国家だった英国の運命を変えた男として何度も紹介したヘンリー8世である。ヘンリー8世は木片以外のお金の流通規制を緩めた。ただ本格的に木片が紙幣にとって代わられるのは、それから150年後、英国の中央銀行が設立されてからである。
ただしこの時の英国の中央銀行は、国家期間ではなく、ビルパターソンという個人が経営する民間銀行だった。つまり、国王から認可された個人が紙幣の発行権を手にしたのである。
ここから先の中央銀行の本質、更に米国の歴史とのかかわりの話をすれば長くなり難しい。よってこのブログではしない。ただそれでも触れておきたい点は2点ある。まず中央銀行はあたかも国家機関の様な名称だが、米国の中央銀行と日本の日銀は国有化されていない事実。(前述の英国中央銀行は戦後に国有化された)
そんな中で日米のメディアは「中央銀行の政治から独立」の記事は書いてきた。では中央銀行はその株主からちゃんと独立していたか。そこに初めて触れたのがニューヨークタイムスである。同紙は2008年、金融危機後、NY連銀の株主がJPモルガンなどの少数ウォール街の金融機関である事実を指摘。そしてそのNY連銀の救済で窮地のウォール街が救われたのは、原資が税金だった事から米国民を愚弄していると非難した。
そんな救済を可能にしたのが、NY連銀総裁は株主のウォール街が相談して決め、ソレをワシントンの理事会が承認するという仕組みである。(理事はバーナンケ議長以下上院が承認)
そもそも米国の中央銀行の正式名称は「FEDERAL RESERVE」。あたかも「国家的」な形容詞だが、その名称は実質連銀の根幹であるNY連銀の初期の株主のウォーバーグが付けた。そして1913年にその連銀設立の法案を遂行したのが当時の最も有力な上院議員だったオルドリッチ。
そのオルドリッチの娘はロックフェラー2世の妻である。その5人の子供の中で、次男はフォード政権下の副大統領のネルソン。また5男は今も健在でJPモルガンの前身であるチェースマンハッタン銀行を治めたデービットロックフェラーである事は有名だろう。
最後に、これらの話は巷にある陰謀説を追認するものではない。私自身は陰謀説に全く興味がない。だが、マネーの歴史でゴールドが果たした役割とその因果は、今世界中の中央銀行が紙幣の増刷に走ることでぶり返えされようとしている。
この結果、ロックフェラーやロスチャイルドが儲かるかどうかは判らない。だが金融商品を扱う金融機関が助かる事は確かだ。そして、金融危機後、本来はその責任から減らなければならない金融機関の影響力や人口が減らず、一方で人類にとってより重要な分野が疲弊する。
こんな政策を米国の中央銀行が主導するなら、この国の輝かしい挑戦の歴史は終わる。そのあとに待っているのは日本化ではなく英国化である。そしてすべての天罰として究極的なインフレが襲った際は誰が責任を取るのか。その時も今の弱者が更に困窮する事だけは間違いない・・。
まず、一般的に国家として正式に認めらた紙幣の始まりは17世紀のオランダからと言われている。だがヨーロッパではそれ以前に実質紙幣の流通は始まっていた。その切欠はJPMモルガンが再開した金の預かりビジネスである。強盗が横行していた中世のヨーロッパでは、ゴールドスミスと呼ばれた鍛冶屋が庶民からゴールドや金細工を保管するビジネスを始めていた。そしてその際に発行したのが紙の預かり証である。
そして庶民はモノの交換で金地金を使わず、この預かり証の交換で済ませるようになった。この瞬間が紙幣の誕生である。そしてもっと重要な事は、ゴールドスミスは大変な事に気づいてしまった。それは実際に自分が預かっている金地金や金細工よりも多い量の預かり証を発行しても誰も気づかないと言う事。この時から鍛冶屋だった彼等は「銀行」と呼ばれるようになったのである。(信用の創造 レバレッジ)
そして数々の小銀行が乱立したが、ソレよりも大きな銀行が一つ存在し、どこでも通用する共通の紙幣を発行した方が便利だと考えるようになった。ただこの頃には本来は紙切れのはずの紙幣が価値を持つ事の本質的な恐ろしさを欧州の統治者は気づいていた。従って国王にとっても紙幣の流通は自身の統治能力を危うくする存在として厳しい管理下に置かれた。
そんな中、英国では希少なゴールドでもなく、また危険な紙幣でもない木片がお金として使われた。木片には単位を示す刻みがあり、流通している木片は元々の木片を半分に割った物だった。残りの半分を国王が管理する事で流通量と正当性を国王つまり国家が管理したのである。(流通している木片国王が保管している木片と対である事で整合性を証明)
ところが、このルールを曲げたのは、ヨーロッパの田舎国家だった英国の運命を変えた男として何度も紹介したヘンリー8世である。ヘンリー8世は木片以外のお金の流通規制を緩めた。ただ本格的に木片が紙幣にとって代わられるのは、それから150年後、英国の中央銀行が設立されてからである。
ただしこの時の英国の中央銀行は、国家期間ではなく、ビルパターソンという個人が経営する民間銀行だった。つまり、国王から認可された個人が紙幣の発行権を手にしたのである。
ここから先の中央銀行の本質、更に米国の歴史とのかかわりの話をすれば長くなり難しい。よってこのブログではしない。ただそれでも触れておきたい点は2点ある。まず中央銀行はあたかも国家機関の様な名称だが、米国の中央銀行と日本の日銀は国有化されていない事実。(前述の英国中央銀行は戦後に国有化された)
そんな中で日米のメディアは「中央銀行の政治から独立」の記事は書いてきた。では中央銀行はその株主からちゃんと独立していたか。そこに初めて触れたのがニューヨークタイムスである。同紙は2008年、金融危機後、NY連銀の株主がJPモルガンなどの少数ウォール街の金融機関である事実を指摘。そしてそのNY連銀の救済で窮地のウォール街が救われたのは、原資が税金だった事から米国民を愚弄していると非難した。
そんな救済を可能にしたのが、NY連銀総裁は株主のウォール街が相談して決め、ソレをワシントンの理事会が承認するという仕組みである。(理事はバーナンケ議長以下上院が承認)
そもそも米国の中央銀行の正式名称は「FEDERAL RESERVE」。あたかも「国家的」な形容詞だが、その名称は実質連銀の根幹であるNY連銀の初期の株主のウォーバーグが付けた。そして1913年にその連銀設立の法案を遂行したのが当時の最も有力な上院議員だったオルドリッチ。
そのオルドリッチの娘はロックフェラー2世の妻である。その5人の子供の中で、次男はフォード政権下の副大統領のネルソン。また5男は今も健在でJPモルガンの前身であるチェースマンハッタン銀行を治めたデービットロックフェラーである事は有名だろう。
最後に、これらの話は巷にある陰謀説を追認するものではない。私自身は陰謀説に全く興味がない。だが、マネーの歴史でゴールドが果たした役割とその因果は、今世界中の中央銀行が紙幣の増刷に走ることでぶり返えされようとしている。
この結果、ロックフェラーやロスチャイルドが儲かるかどうかは判らない。だが金融商品を扱う金融機関が助かる事は確かだ。そして、金融危機後、本来はその責任から減らなければならない金融機関の影響力や人口が減らず、一方で人類にとってより重要な分野が疲弊する。
こんな政策を米国の中央銀行が主導するなら、この国の輝かしい挑戦の歴史は終わる。そのあとに待っているのは日本化ではなく英国化である。そしてすべての天罰として究極的なインフレが襲った際は誰が責任を取るのか。その時も今の弱者が更に困窮する事だけは間違いない・・。
2010年10月2日土曜日
バーベル現象とFEDの犠牲者 (顧客レターから)
更にお金がジャブジャブになると言う見込みで、9月は株も債券も買われた。著名なファンドマネージャーのコメントも火を付けたのだろう、結局は株と債券の両方が上がるバーベルトレードの復活である。そして、本日ニューヨーク連銀のダッドレー総裁は、この動きが加速する事は、米国として正しい方向であるとの立場を明確にした。まさに先のFOMCのステートメントにあった通りである。
ところで、バーベル現象は他にもある。ソレは米国という国家がバーベル化している事。金持ちと非金持ち。中間層が貧乏になり、社会がバーベル化してしまった。そんな中、嘗ての中間層も今多くがフードスタンプが頼りだ。だがこれ以上商品の値段が上がれば、フードスタンプだけでは厳しい。そして住宅市場に回復に見込みが立たない以上、彼等は仕事を通してのみ救われる。だがFEDは仕事を造りだせない。だからインフレを煽るというのか。社会がバーベル化しているにもかかわらず、それは本当に正しい金融政策なのか。
ご存知の様に、FEDはFFレートより高い金利を金融機関への準備預金に付けている。つまり自分が損をして金融機関を助けている。危機直後ならまだしも、巨額のボーナスが復活した今なぜこんな事を続けているのか。好意的に考えればまず金融機関を昔の水準まで儲けさす。その後金融機関からの貸出が伸びる事を期待していると言う事。だがこれ程まで政府の規制に逆らった金融機関が儲かる見込みのない貸し出しをするはずがない。ならばFEDは単純に危機の原因を造った過剰利益の追求やそれを正当化するWSの仲間と言う事になる。
下院議員のローンポールと彼等の支持者は昔からFEDの廃止を訴えている。話題のTEA PARTYの人々も、金融に詳しい人はロンポールと同じ立場だ。ロンポールは当選するだろうが、一方で東海岸から面白そうな話が入った。それは、ロンポールの対局に位置するバーニーフランクが苦戦?という情報である。バーニーは今のところ共和党の対抗馬に10%以上の差をつけている。だがその開きは縮小気味らしい。
今年一月、故ケネデイー上院議員の補欠選挙で悪夢を見た民主党。その時も一カ月前まで民主党候補者は17%のリードをしていた。バーニー陣営は慌てていないと言う事だが、先週はビルクリントンまでがバーニーの応援に駆け付けた。バーニーはFEDを頂点とする今の米国の金融システムの議会での守護神。落選まではないとしても、共和党が躍進すればFEDを取り巻く環境も激変する。
いずれにしても、今のFEDの政策は僅かに残っている国内の中間層を更にじり貧に追いこむ。そして、為替相場をみても明らかなように、もう一人の犠牲者は中間層国家の日本である。
ところで、バーベル現象は他にもある。ソレは米国という国家がバーベル化している事。金持ちと非金持ち。中間層が貧乏になり、社会がバーベル化してしまった。そんな中、嘗ての中間層も今多くがフードスタンプが頼りだ。だがこれ以上商品の値段が上がれば、フードスタンプだけでは厳しい。そして住宅市場に回復に見込みが立たない以上、彼等は仕事を通してのみ救われる。だがFEDは仕事を造りだせない。だからインフレを煽るというのか。社会がバーベル化しているにもかかわらず、それは本当に正しい金融政策なのか。
ご存知の様に、FEDはFFレートより高い金利を金融機関への準備預金に付けている。つまり自分が損をして金融機関を助けている。危機直後ならまだしも、巨額のボーナスが復活した今なぜこんな事を続けているのか。好意的に考えればまず金融機関を昔の水準まで儲けさす。その後金融機関からの貸出が伸びる事を期待していると言う事。だがこれ程まで政府の規制に逆らった金融機関が儲かる見込みのない貸し出しをするはずがない。ならばFEDは単純に危機の原因を造った過剰利益の追求やそれを正当化するWSの仲間と言う事になる。
下院議員のローンポールと彼等の支持者は昔からFEDの廃止を訴えている。話題のTEA PARTYの人々も、金融に詳しい人はロンポールと同じ立場だ。ロンポールは当選するだろうが、一方で東海岸から面白そうな話が入った。それは、ロンポールの対局に位置するバーニーフランクが苦戦?という情報である。バーニーは今のところ共和党の対抗馬に10%以上の差をつけている。だがその開きは縮小気味らしい。
今年一月、故ケネデイー上院議員の補欠選挙で悪夢を見た民主党。その時も一カ月前まで民主党候補者は17%のリードをしていた。バーニー陣営は慌てていないと言う事だが、先週はビルクリントンまでがバーニーの応援に駆け付けた。バーニーはFEDを頂点とする今の米国の金融システムの議会での守護神。落選まではないとしても、共和党が躍進すればFEDを取り巻く環境も激変する。
いずれにしても、今のFEDの政策は僅かに残っている国内の中間層を更にじり貧に追いこむ。そして、為替相場をみても明らかなように、もう一人の犠牲者は中間層国家の日本である。
2010年10月1日金曜日
水とお金の話
本日9月30日は、米国のある有名な建造物の完成記念日である。それは世界最大規模のダム。フーバーダムである。そのフーバーダムの建設が始まった頃の話から入ると、今のバーナンケFEDが非難する30年代のFEDは、株の暴落後、銀行を助けなかった。結果、1930年には600の銀行が倒産。連鎖は続き、33年には28の州で一つの銀行も営業していない状態になった。
こうなると仕事どころではない。30年まで400万人前後だった失業者は32年には1200万人に膨れ上がり、最終的には3400万人が全く収入の充てがないという状況に陥いった。当時の米国の人口は1億2千万人。今の日本と粗同じである。ならばこの数字がどういう状況か、日本人にも判りやすいだろう。
そしてその時代に始まったのがフーバーダムの建設。建設は政府が資金を出し、請け負ったのはフランククロウと言う民間人だった。着工の31年、クロウの元には5万人の失業者が集まった。ただ政府から許された工事期間は6年だった。クロウの報酬はダムから上がる利益の2.5%強、だが6年で工事が完了しない場合、期間が延びれば延びるほど彼は政府にぺナルティーを払う契約になっていた。そして数々の試練を乗り越え、ダムは1935年の本日9月30日に完成した・・。
ダムの記念日にちなんでこの話をした理由はいくつかある。まず共和党のフーバー大統領は、ダム建設を自分の代に起きた株の暴落、更には迫りくる大不況の対策として始めた事は間違いない。ただ引き継いだルーズベルトのニューデイール政策と比べ、このプロジェクトには共和党らしい特徴がある。まずは競争と市場の原理を徹底的に活かした事。
フランククロウはそれまでにもダム建設の実績はあったが、これだけの規模のプロジェクトは初めてだった。利益2.5%のヘアカットは魅力的とはいえ、史上最大のダム建設を6年で終わらせるのは賭けだったはず。そこで彼は集まった5万人から意欲のある5000人をまず選ぶ。そして彼等に掘削のスピードを競わせた。
次は史上初のコンクリートでのダム建設となった工事方法。彼は大量のコンクリートを手道のクレーンで上から流し込む当時としては画期的な作業法方を編み出したのである。この様に契約に対する責任感やイノベーションが本来は市場原理の真骨頂だ。結果、工事期間は予定より2年も早い4年で完了、クロウは契約に加え4億円を特別ボーナスとして政府から受け取った。そしてこのダムはカリフォルニをフルーツの宝庫に変え、砂漠だったラスべガスに人を集めたである。
ところで、今のベイビーブーマーの米国人は、大恐慌の前のバブルを引き起こした共和党政権を非難する。フーバーの評価はブッシュ並みに低い。だがこのフーバーダム建設はその需要と、何よりも国民にやる気と夢を与えたのは事実だ。一方のルーズベルトのニューディール政策。救済中心政策は結果を出せなかった。そして最後は戦争の破壊がこの国の経済を救ったのである。
さて、バーナンケFEDの金融救済とオバマ政権の景気刺激策、この組み合わせが30年と比べ、どこか同じでどこが違うのか、本日記念日を迎えたフーバーダムは丁度良いサンプルである。だがそのフーバーダムに関し本日CNBCは不気味な報道をした。盤石だったはずのコロラド川の水脈が細り、ダムの貯水量が最低を更新しているのである。
このダムの規模は日本にある2500のダム全部の貯水量である250億トンを上回る400億トン。また280億トンの琵琶湖よりも大きい。ならばこの規模の水がゆっくり減り始めた現象をどう考えるべきか。
個人的には市場原理を曲げ、本来死滅させるべきものを残したバーナンケFEDは、宇宙の原理と言う市場原理で必ずしっぺ返しを食らうと考えているが、フーバーダムの水位はその予兆かもしれない。そしてその結果、インフレと神の怒りの両方から、アリゾナでは「お金で水が買えない」時代がきても驚かない。
こうなると仕事どころではない。30年まで400万人前後だった失業者は32年には1200万人に膨れ上がり、最終的には3400万人が全く収入の充てがないという状況に陥いった。当時の米国の人口は1億2千万人。今の日本と粗同じである。ならばこの数字がどういう状況か、日本人にも判りやすいだろう。
そしてその時代に始まったのがフーバーダムの建設。建設は政府が資金を出し、請け負ったのはフランククロウと言う民間人だった。着工の31年、クロウの元には5万人の失業者が集まった。ただ政府から許された工事期間は6年だった。クロウの報酬はダムから上がる利益の2.5%強、だが6年で工事が完了しない場合、期間が延びれば延びるほど彼は政府にぺナルティーを払う契約になっていた。そして数々の試練を乗り越え、ダムは1935年の本日9月30日に完成した・・。
ダムの記念日にちなんでこの話をした理由はいくつかある。まず共和党のフーバー大統領は、ダム建設を自分の代に起きた株の暴落、更には迫りくる大不況の対策として始めた事は間違いない。ただ引き継いだルーズベルトのニューデイール政策と比べ、このプロジェクトには共和党らしい特徴がある。まずは競争と市場の原理を徹底的に活かした事。
フランククロウはそれまでにもダム建設の実績はあったが、これだけの規模のプロジェクトは初めてだった。利益2.5%のヘアカットは魅力的とはいえ、史上最大のダム建設を6年で終わらせるのは賭けだったはず。そこで彼は集まった5万人から意欲のある5000人をまず選ぶ。そして彼等に掘削のスピードを競わせた。
次は史上初のコンクリートでのダム建設となった工事方法。彼は大量のコンクリートを手道のクレーンで上から流し込む当時としては画期的な作業法方を編み出したのである。この様に契約に対する責任感やイノベーションが本来は市場原理の真骨頂だ。結果、工事期間は予定より2年も早い4年で完了、クロウは契約に加え4億円を特別ボーナスとして政府から受け取った。そしてこのダムはカリフォルニをフルーツの宝庫に変え、砂漠だったラスべガスに人を集めたである。
ところで、今のベイビーブーマーの米国人は、大恐慌の前のバブルを引き起こした共和党政権を非難する。フーバーの評価はブッシュ並みに低い。だがこのフーバーダム建設はその需要と、何よりも国民にやる気と夢を与えたのは事実だ。一方のルーズベルトのニューディール政策。救済中心政策は結果を出せなかった。そして最後は戦争の破壊がこの国の経済を救ったのである。
さて、バーナンケFEDの金融救済とオバマ政権の景気刺激策、この組み合わせが30年と比べ、どこか同じでどこが違うのか、本日記念日を迎えたフーバーダムは丁度良いサンプルである。だがそのフーバーダムに関し本日CNBCは不気味な報道をした。盤石だったはずのコロラド川の水脈が細り、ダムの貯水量が最低を更新しているのである。
このダムの規模は日本にある2500のダム全部の貯水量である250億トンを上回る400億トン。また280億トンの琵琶湖よりも大きい。ならばこの規模の水がゆっくり減り始めた現象をどう考えるべきか。
個人的には市場原理を曲げ、本来死滅させるべきものを残したバーナンケFEDは、宇宙の原理と言う市場原理で必ずしっぺ返しを食らうと考えているが、フーバーダムの水位はその予兆かもしれない。そしてその結果、インフレと神の怒りの両方から、アリゾナでは「お金で水が買えない」時代がきても驚かない。
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