2008年10月28日火曜日

201Kプラン

そもそもヘッジファンドが隆盛となり、それに呼応するようにサブプライムを含めた様々な高利回り?の新商品がここまで世界を席巻した背景は金融のシステムの問題ではない。一言でいえば人類が豊かになり、先進国では戦争を経験していない世代、また資産価格の上昇の恩恵を一番受けたベービーブーマーという人々が、引き続き豊かな老後に向けて過剰な流動性が醸し出した空想のリターンの水準に疑問を持たなかった事が本質である。

そして言わば人間としての防衛本能が退化した結果、本来世の中の主役になってはいけない「ヘッジファンド」という存在がここまで大きくなり、彼らと商売をするために銀行機能がSTEWARDSHIP(執事)からSALESMANSHIP(セールスマン)になった。頂点にあったグリーンスパンFEDはこの変化を見逃したのである。(一部では誘導したとの説もあるが)

その意味ではヘッジファンドはベービーブーマーの期待に応えようとしただけかもしれない。そして歴史はそれほど不公平ではなかった。ベービーブーマーが構築してきた資産は今崩壊している。ただこれは歴史的観点でみると実は「調整機能」の範疇なのかもしれない。

そういえばこちらで代表的企業年金を401kプランと呼ぶ。全く無関係だが米国のベービーブーマーが豊かな老後を迎える為の平均的必要資金も概ねこの金額である。($401000として、利回り8%で年間3万ドル前後)しかし今後は401Kは難しい。せいぜい「201Kプラン」がふさわしい時代となった。恐らく、皆がそれを観念するまで、ヘッジファンドによる解約売りは終わらないだろう。

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