2009年9月18日金曜日

デイズニー経済

世界最大の債券ファンドのモハメドエルアリアン氏は今の米国の株価と経済を「シュガーハイ」と呼んでいた。私ならステロイドや麻薬と表現するところをさすが上品な彼らしい言い方である。だが本日はそれよりもさらに素晴らしい表現を耳にした。それは「デイズニー エコノミー」。

TVや漫画のデイズニーキャラクターは現実を知らない子供達に夢を与える。そしてフロリダや浦安のデイズニーワールドは、実世界から離れる事で日常に疲れたを大人にも楽しさを与える。この事から「デイズニー経済」とは楽しさのみを追求した経済を比喩しているのだろう。だが「楽しい経済」と「正しい経済」は別だとしたらどうか。この言葉の真意はそんなところだろう。いずれにしても経済番組でこの表現を使ったゲストはアジアから世界経済を眺める若い市場関係者だった事には驚いている。

そして来週のFOMCを控え市場参加者はFEDの変化の可能性を探る時期に入った。その点についてCNBCに登場する有力ゲストは今はインフレとデフレ、どちらのリスクが高いかと聞かれている。印象では7:3でデフレが多い。だがこの期に及んでFEDの動向をインフレかデフレかだけで探ろうとするのはいかにも米国らしい。この現象は米国人がどれだけ鮨を食べるようになってもまだ好きなネタが限られている状況に似ている。彼らはまだ素材の世界に浸る事は出来ない。結局マヨネーズかマスタード或いはケチャップの決めてが必要なのだ。

そして素の薄味を楽しめない米国では、豊かになるにつれて清涼飲料をより甘くしてきた。結果大量の砂糖を摂取する事になり、そこで今起こっているのがシュガー飲料に税金をかけるという案である。この案に当然コカコーラは怒り心頭、現状は法案化される可能性は低い。だが健康保険の財源として、また国民が健康になれば国家の健康保険の負担が抑えられるという理想からもオバマはも乗り気の様子。だがその理想は「デイズニーワールド」に住む人々には無理だろう。



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