2014年5月28日水曜日

レター抜粋 想定内相場とローリングサンダーの想定外





                 ジョンソン大統領

 レター抜粋 <想定内の相場・・ ローリングサンダーは近代米国史最大の想定外> 


欧州ではここ数年水面下でくすぶっていた民族主義がいよいよ表に出てきた。そんな中ドラギは「ユーロを守るためにはなんでもする・・」という立場。(言葉だけではそろそろ限界)

だが欧州は逆に共同体としての限界を露呈している。統合と分離が繰り返されてきた欧州の歴史。そろそろ次のサイクルに向かっているのだろう・・。

このギャップに対し、(ドラギ総裁の立場と実態)相場は平和そのもの。これはグローバル化が進んだ金融の賜物だと思う。其の国の相場を動かす人は、最早その国ではない・・・。

そんななかでアルゴは静観。ただし、先を読む人は次の一手を思案中だろう・・。

最大要因はやはり中央銀行。この局面はイエレンではなくドラギが主役。彼の発言で南欧の債券が買われ、勢いは米国まで波及した。一部で債券先物のショートカバーを引き起こした。

一方でボラが乏しい株式は何とか波が欲しい。だが、ウクライナを材料したところで、戦後生まれの指導者のやることは知れている。波は大きくならない。

この状態を、ここでは大磯ロングビーチのチャプチャプ相場とした。(人工の波でチャプチャプ)
予想通り、4月はナスダック、5月はラッセルが下値のポイント切らず、株は戻って来た。

結局これがこれが巷でセルインメイといわれた5月の相場。まあアノマリーしか言わないレベルはどうでもいいのだが、恐らくドラギが結論を出すまではボラは期待できない。

そんな中アジアではベトナムの動向が注目される。

ベトナムといえば、アメリカにとっては1965年のローリングサンダー作戦が最初のかかわり。当時この作戦に関わった米兵で、ベトナムの国名を知っていたのは半分以下だったという。

作戦は、北ベトナムの南ベトナムへの侵食が激しくなるなか、ジョンソン大統領が「北」とその後ろのソ連に対抗するために命じた小規模の軍事基地空爆だった

しかし、しばらくして空爆は効果ないとの現地からの報告で、ジョンソンは400人規模の米国陸軍の派兵を決めた。派兵は朝鮮戦争以来の出来事。米軍にとって久しぶりの実戦だった。

それでもサンダル履きのベトコンや装備の古い北の正規軍に対し、米国は作戦は8週間で終了と計画していた。

ところが、上陸した米軍200人が1600人のベトコン+正規軍にジャングルで囲まれた最初の衝突から、ローリングサンダー作戦は泥沼に落ちていく。

そして最終的には、ピークで50万人の部隊を派兵、10年間かかって6万人の米軍の戦死者を出しながら、米国は最後までベトナムで勝利を手にすることはなかった。

これが日本人が知っているベトナム戦争の本質である・・。

そもそもアメリカはいつも想定外を想定している。だから結果的に想定外が起き難い国だと思う。今の相場もしかリだが、軍事作戦は尚更だ。

そこでベトナム以外で、近代になってからの軍事面での想定外を強いてあげてみた。

1)日本海軍がフィリペンでなく、真珠湾を空爆したこと。
2)中国が朝鮮戦争に参入したこと(マッカーサーには)
2)ビックス事件ではCIAの作戦がキューバに筒抜けだったこと
3)イランの米国大使館の人質を助け行ったヘリが墜落したこと
4)ソマリアでブラックホークが落ちたこと

ぐらいしか思いつかないが、徐々にスケールが小さくなっている。

これらに比べれば、ローリングサンダー作戦の想定外はとんでもない規模だった。

米国にとってベトナム戦争は近現代史では最大の想定外・・・。ソレを引き起こしたベトナムのしたたかさ。このべトナムに対し中国は安易には手を出せないだろう。手を出すなら、したたかでない国が先かもしれない




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