2008年12月24日水曜日

<今日の視点> アメフト(力)

年末になり、こちらではアメリカンフットボールのシーズンも佳境を迎えている。昨日は摂氏-25度という極寒の中、伝統のシカゴベアーズ対グリーンベイパッカーズの試合が行われた。勿論6万人が入るソルジャースタジアムは満員である。中には裸になって盛り上げようする馬鹿な若者達もいた。

そもそも米国人のアメフトに対する熱狂は日本からでは絶対に解らない。ただこのエネルギーは凄いの一言だ。昨日あのスタジアムで一体どれだけの熱量(科学でいうところの)が生まれ、そして消費されただろうか。個人的にも過去幾度もシカゴベアースのゲームには誘われた。だがシカゴの寒さの中でゲームを見る気には一度もならなかった。そして今年は天候だけでなく皆の懐も極寒のはず、そんな中どのくらいの観客が入るか興味深かった。結果はTV画面に映し出された観客の数に圧倒された。

元々格式や常識を重んじ儒教に基本的価値を置く日本人は相撲や駅伝が好きだ。だが、天候も寒く、確実に懐も寒い今の米国人があれだけの熱量を生み出せるとしたら、それは「アメフト力」とでも呼ぶしかない。そしてこの「アメフト力」が持つ「無謀な力」は世界を支配しながらもどここかで政治や貧しさを感じさせる「サッカー力」とも異質である。強いて言うなら、私があの裸の若者達に感じたモノは、その昔甲板の米兵が突っ込んでくる神風特攻隊に感じた恐ろしさではないか。

そして「相撲力」や「駅伝力」からの常識で米国を分析する事はもしかしたら間違っているかもしれないと感じだ。なぜなら米国は指導者に「マジック力」があればこの「アメフト力」を最大に引き出す事が可能だからだ。そしてその熱量は測り知れない事が昨日の熱気が証明している。

いずれにしても、これまで私自身はアメフトに狂う米国人の無知と無謀さを覚めた感覚で観てきた。しかし実はこの熱量の創造力を本当は見習うべきかもしれない。

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