2013年6月7日金曜日

TVゲームとプライベートライアン

 
 
 
 
 
D-DAYとアイゼンハワー将軍
 
 
 
テレビゲームのような無人爆撃機による攻撃で、ネバタから遠く離れたイラクで1600人を殺したブライアン氏。彼は採用される際に、ジェームズボンドの映画のような世界に入りたくないかといわれたという・・。 
      
        アメリカの物理の父、マンハッタン計画を率いたオッペンハイマー氏。


  
                トルーマン大統領

今日6月6日はD-DAY記念日。必ず何処かのチャンネルで、スピルバーグのプライベートライアンをやっている。一方で今日のゴシップ記事のニュースに、2006年から2011まで、米軍の秘密基地で、ジェームズボンドの映画にあるような作戦室から、TVゲームのような画面で無人爆撃機を操り、イラクなどで1600人を抹殺したブレンダン・ブライアン氏の記事があった。今は彼は心を病んでしまったという。

現在オバマ政権は、共和党から無人爆撃機による攻撃を非難されている。前にも書いたが、CIAに捻じ曲がった報告書を書かせ、そんなレポートを前提に、イラク戦争に突き進んだブッシュ共和党政権の後始末からオバマ政権は始まった。なら共和党がオバマ政権を非難するのはおかしい。

そもそも攻撃の対象がテロリスト。多少の犠牲はあれ、合理的にも、相対的にも、無人爆撃機による攻撃は理にかなっている。しかしその攻撃で小さい子供が巻き込まれていくのをみると、感情的にはブッシュ政権には感じなかった陰湿さをオバマ政権には感じてしまう。

あくまでもこれは感情論。感情論では相場は勝てない。また未来を正しく予想するなどは絶対に無理だ。でもオバマ政権がどうしても好きになれないのはなぜか。答えはわかっている。それは冒頭のD-DAYでのアイゼンハワーの有名なスピーチが好きだからだ。このスピーチを聞いたとき、日本がアメリカに戦争で負けた歴史を心の底から納得した。

アメリカは日本が勝てない偉大な国だった。そして今もアメリカに勝てる国はない。それはブライアン氏が活躍した作戦ルームが象徴している。だがアイゼンハワーの頃と今のオバマ政権では何かが違う。うまくは説明できないが、覇権国家が、人間社会の信義より、合理性や相対的利益を重視するようなったことへの嫌悪感だろうか。

既に勝負は決していたのに、トルーマン大統領は日本に原爆を落とした。共和党のマッカーサーはその必要は無いと反対した。ただソ連との駆け引きの中、日本人に対する差別もあったとされる大統領は、原爆を落としたことによって米兵も救われたが、日本も救われたと譲らなかった。合理的、相対的には正しい・・。

後日大統領は、原爆開発のマンハッタン計画を推進したオッペンハイマー氏をホワイトハウスに招き、その功績をたたえようとした。ところが、招かれたオッペンハイマー氏は大統領に面と向かって言い放ったという。「貴方は原爆を実際に人間に使った事で、その威力を知った世界がこれからどう変わるか(核開発競争への突入)を予想しなかったのか」と・・

激怒したトルーマン大統領は、オッペンハイマー氏を二度と評価しなかったという(オリバーストーンの米国の隠された歴史シリーズから)




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