2013年9月28日土曜日

嫌われ役 (9.25日マネー原理プロから)







オバマケアをめぐる予算審議。今週の主役はフィルバスター中のテキサスのテッドクルズ上院議員だ。彼の声質としゃべり方が誰かに似ていると思った。今日やっとわかった。それは半沢直樹の中に登場す
る「黒崎」だった。二人とも「ドラマ」では嫌われ者を演じている・・。

今米国議会のドラマを見ている多くは、前作(歌舞伎ダンスと言われた2011年)をイメージし、終わり方を想像している。しかし進行中のこのドラマの終わり方が前作と同じと見るのは間違い。少なくとも米国債のデフォルトを避けるために、政府機能のシャットダウンはあると見ておくべきだろう。

そもそも採決をいくらでも引き伸ばせる上院のフィルバスターは60人の上院票で覆せる。なら過半数以上の民主党上院議員連中は何をしているのだ。TVでクルズ議員を非難しているのは同僚の共和党上院議員ばかり。

民主党上院は積極的には何もしないだろう。今日から明日にかけて上院に集まり、金曜日まで法案を可決し下院に戻せば、シャットダウンまで時間がないベイナーは、下院議長が持つ裁量で受け入れるか、もしも下院のフロアーに戻して審議が紛糾すれば、シャットダウンで非難されるのは共和党と考えている。つまり失うものは少ないと考えている・・

本来なら、共和党党益のために上院のリーダーであるマクニールが、一年生議員のクルズを説き伏せるところ。ところが今回マクニールの動きは鈍い。なぜなら、来年改選になる彼は、予備選の段階でTEA PARTY系の若手に追い上げられている。

もしここで反TEA PARTYの態度を強めれば、現職の上院リーダーでありながら本戦に出れない最悪の事態もありえるのだ。(2010年の中間選挙では、ベテランの穏健派共和党上院議員が予備選で新人のTEA PARTYに敗北。その新人が本戦で民主党候補に敗れて3議席失っている・・)

このように、今回の続編ドラマには、少なくとも3つの底流がある共和党内の食い違いと、(カミカゼのTEA PARTYをコントロールできないベテラン)2011年に譲歩したのはオバマと民主党であり、今回失う物が少ない民主党の事情が絡んでいる。

そしてジョンソン政権以来、民主党50年の悲願である国民皆保険制度を人質にとる共和党に民主党が妥協する可能性はゼロ・・。

なら債券投資家は高みの見物。株のプレーヤーは、なめてかかるとヤラレル・・ 

尚、米国共和党の流れに興味があれば、添付の金融財政ビジネスの寄稿並びに下の「この国はどこへ行くか」をご参考に


0 件のコメント: