http://www.nikkei.com/money/features/73.aspx?g=DGXNMSFK2400I_24102013000000&df=4
日経にこんな記事があった。すばらしい企画。アメリカンドリームの日本版、ジャパンドリームだ。
もし実現すれば、個人的にはアベノミクスなどすぐにもやめてもいいと思う。だが残念ながら、今のままでは実現の可能性はほとんどない・・。
と、否定的になるのは簡単なので、アメリカンドリームの実際を垣間見た立場として、今回は提言をしてみたい。
<UsedとExistingの違い>
今更だが、アメリカ経済がここまできたのは、なんといっても中古住宅市場が根幹だった。ただし古いものに価値を見出すアメリカ人も、住宅に「中古」という言葉は使わない。こちらでも中古(Used)はどんなものでも安くなるのが当たり前だ。
日本で中古住宅と訳される指数は、Existing Homeを指すが、住宅ではExistingとUsedは本質的な意味が違う。Existing Homeは、住人が個性や知恵を出し、改良して住宅に付加価値をつけていったものが前提だ。
家を改良し、庭を綺麗にし、通りを綺麗にし、街を綺麗にする・・。これには住人の調和がいる。
この調和が乱れると、街の雰囲気は崩れ、価値は損なわれる。
<材質と気候>
続いてマテリアル(材質)と気候変動。通常レンガで出来たアメリカの家は耐久年数が長い。当然気候も重要な要素だろう。地震が多く湿気も多い日本。材質も、法隆寺のような特別な木材は使っているところはあるだろうか。
そう考えると、現在の日本の一戸建てやマンションなども、一旦は今の気象条件と耐震性にあったもに創りかえる必要があると思う。
<金融の整備>
アメリカンドリームを支えたのは、なんといってもファニー・フレデイーという国のサポートの存在が大きかった。ソロモンでモーゲージ債が開発されたのは、最終的には彼らの存在と相関していたと思う。もし民間の銀行だけでリスクをとっていたら、90年代の米国の成長はなかったと思う・・。
<人口と暮らしの余裕 >
そしてここまでの条件をクリアしたとしても、日本の人口が安定的に増えて、そこに暮らす日本人の生活習慣がもう少しゆとり重視になる必要があると思う。
毎日ボロボロになるまで働き、狭く騒がしい道路沿いに立った住宅が利便性だけで評価されるようではアメリカのような中古住宅は無理だ。(アメリカでは駅から遠い家の値段が高い)
究極は今の東京一極集中ではなく、地方を活性化して地方での生活に日本人が魅力を感じることができるか。東京だけがバブルになっても、健全で長期的な住宅市場のイメージは浮かばない。
こう考えるとこのジャパンドリームは夢のまた夢。だがここまでアメリカの真似をしてきたなら、誰かがこのジャンパンドリームの音頭をとることは意義があると思う。その意味でこの記事を応援したい
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