日本のバブル崩壊は、ベルリンの壁崩壊と重なっている。
ならロシアがクリミアに侵攻した「新冷戦」の雰囲気は、日本の復活にむけて縁起がいいとのコメントがあった。
気持ちはわかる。可能性もゼロではない。鍵は日本が状況を客観的に把握しているかだろう。
まず今は、経済構造とイデオロギーの対立した冷戦ではない。中国にもロシアにも金融市場がある。
そして一番重要な点は、日本は冷戦の恩恵を一番受けた国だったこと。
言い換えると、我々は皆が「冷戦の産物」である自覚が必要だと思う。
「冷戦の産物」?
アメリカの立場で言うなら、終戦後、
1)昭和天皇の命をとらなかったこと。(戦争裁判にかけなかった)
2)日本が分割されなかったこと(本州がアメリカ 北海道がソ連 中国地方が中国)は、
アメリカが民主主義の優しい国で、アメリカ人いが人道的で、日本人のことを思ってくれたからではない。
あくまでも、冷戦が始まり、アメリカはアメリカのために合理的で相対的な判断を迫られたからだ。
そして、冷戦構造でアメリカが日本の躍進を期待する中、日本は日本人古来のいい面が十分に発揮され、奇跡の成長を遂げた。
この間ドイツは分割され、サンフランシスコ講和条約に呼ばれなかった戦勝国の中国は、日本の成長を見ていた。
それは韓国も同じ。だが当時の韓国は独立国ではないので、戦勝国でもない。
我々はみなこの環境の中で生まれた。
団塊の世代から我々新人類までが、阿久悠の歌に共感しながら昭和の上げ潮を歩み、
その子供たちが、デフレのなかで秋元康のクリーチャーにのめり込んだ。
ビックピクチャでは、冷戦の激化とその終焉がもたらした産物だったといってもいいのではないか。
冷戦終結直前のバブル。ベルリンの壁崩壊からのデフレ社会。
もしこれからが二極化ではなく、実はみなが利害関係を抱える権謀術数のゲームオブスローンズなら、
あの冷戦時代のように、これからもアメリカのポチでいるのが日本の最大の利益になるのかどうか。
まずは自分で考えられるかどうかがポイント。孫子でも読むか。
ロボットの実用化が近々に迫った今のアメリカの軍事力は、人類史上過去例がないほど突出している。
しかし、軍事力が突出しても、それが使えないのがいまの世界だ。結果、アメリカの政治力は確実に衰えている。
日本がこの歴史のうねりの現実を見ようとせず、アメリカのポチでしかないなら、「新冷戦」は厳しいだろう・・
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