2012年11月17日土曜日

テレビの緊張感


人殺しの罪で追われているウイルスバスター発明者のマカフィー氏が、突然CNBCに電話をかけてきた。地元警察に撃ち殺されるかもしれないのに、投降する意思はないという。大騒ぎもせず、市況解説の合間に淡々と中継したCNBC。ある意味でさすがだ。

当然ながら、米国メデイア関係者にもタレント性は必須。同時に凛としたジャーナリストの分別も持っている一流も多い。一方人柄優先の日本のテレビでは、つい女性の胸を触ってしまうニュースキャスターも出る。あのNHKのアナウンサーは年齢も近く親近感があり好きだった。でもたった一度のミスで終りなのが日本。残念だ。

考えてみれば、敗戦後に始まった日本のTVには緊張感は邪魔だった。傷ついた日本人を癒すには緊張した報道はいらない。喜劇やホームドラマが一番だった。子供の頃森光子を見た。ただ米国でCNNが始まってからも、日本では相変わらず死体や犯罪者の顔は写さなかった。いつの間にか日本は、平和優先が現実さえ見ようとしない雰囲気を作り出していた。

ただこれからは否応なしに報道も緊張するだろう。昭和のホームドラマの主役だった森光子もなくなった。そろそろお笑いを卒業するのもよい。中国や北朝鮮を身近に感じられるかもしれない。

結局国民が今のままなら政治も今のままである。ここからは政治家の責任ではなく、テレビなどメデイアの責任もいいたい。そんな中テルアビブにロケットが落ちたというニュースが走った。イスラエルの首都にロケットが落ちたのは1967年以来。イスラエルは75000人の予備兵をフル稼働した。

今のジャブジャブの金融市場では、戦争を知る人はきわめて少数、「戦後」を知る人も減り、冷戦さえ知らない人が相場のプレーヤーの大半になりつつある。学校で歴史を勉強しても、お金がからむと人は自分の経験を頼る。なんと残酷か。次はどんな相場が待っているのか・・。

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