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2013年3月25日月曜日
ソーシャルセキュリティの意味(マネー原理プロから)
さて、日本にもソーシャルセキュリテイー制度(国民番号制)が導入されるという。米国ではニューディール政策のベネフィット配布のツールとしてスタートしたが、次第に国民を管理する役割も持った。この国でこの番号を持つ印象は、国家にも国民に、もどちらにとっても合理的な制度である。つまりこの制度に関しては反対する理由はみつからない。
米国に20年も住んでいると、この間に日本がどれほど米国の制度を取り入れたかが客観的に見える。日本が戦争で米国に負けたのは70年も前の話。だがソ連が存在した頃は、米国は日本を完全には占領したとはいえない。その時代を支えた自民党の重鎮は、そういう日米関係を基軸にしていたと思う。
ところがソ連滅亡とともにクリントン政権が始まると、個人的関係を前提にした外交が消滅、MBA型の相対的実利のアプローチが始まった。自分が米国に来たのはその頃、1993年である。
新しい米国にどう付き合ったらよいか迷う自民党。橋本竜太郎は大蔵大臣として米国に注文をつけたが、彼を最後に、表立って米国に異を唱える日本の姿は完全に消滅した。(橋本大蔵大臣の米国債を売る発言はT-BONDの大暴落を演出)
こうみると、本当の米国の日本占領は実はクリントン政権からだったのかもしれない。お互いに戦い、何処かで互いに尊敬していた世代が消え、その次は米国の制度を学んだ人が政治家になり、更に若い世代は中国は敵だ。ならいっそのこと米国の一部になるのも戦略か。
ところが、米国をここまで真似しながら、最近まで真似しなかったのが日銀の金融政策。白川さんは嘗てFEDがそうであったように、金融の規律を重視した。これは白川さんがFEDの変貌を無視したのか、規律を重視したのか。どちらにせよ頂点の米国が中央銀行のルールを変えた以上、やせ我慢にも限界があった。
そして興味深いのは、オバマ政権は安倍政権に対して半身な事だ。元来オバマ政権は小沢一郎がいない民主党政権なら全く問題はなかったと思う。経験不足といわれる外交の結果、尖閣で日中関係が悪化したが、オバマ政権は中国政府と握っているので、リスクは中国軍部だけだったはず。
つまりオバマ政権は、最悪の場合、日本に尖閣を諦めさせることを民主党政権なら可能と考えていたはずだ。その意味ではその最悪のカードをきらざるを得ない時までできれば民主党政権を持たせ、反発した日本国民が民主党を見捨てるのを待ち構えるのが本来の順番だったと思う。
ところがその前に安倍政権ができてしまった。安倍政権には尖閣を諦めさせることは絶対無理。これはオバマ政権にとって厄介である。このあたりにこれまでの日米関係の微妙な変化を感じる。
そもそも野田さんが民主党をぶっ壊してまで拘った財政規律は米国では共和党の国是。一方共和党との関係がベースだった自民党は、安倍さんになって、共和党が今も嫌う超金融緩和へ舵を切った。
何やら日米関係のパターンが変ってきている。このあたりにオバマ政権が半身である要因を感じる。ただ日本が本当に独立国なら、オバマ政権が半身なのはチャンス。果たして日本はこのチャンスを活かせるか。あるいは、米国が日本に背を向けるのが怖くなり自ら完全に属国になるか。
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