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2013年7月9日火曜日
自衛心のない完璧主義 (6/28 マネー原理プロより)
今日フェイスブックを見て気付いたのは、過去の失敗への批判が凄かったこと。その対象は鳩山さんとみずほ銀行だった。鳩山さんは、彼が何を言っても、もう誰も受け入れない雰囲気。そしてみずほは、過去のシステムトラブルをいまだにブレームされていた・・。
米国では、システムトラブルどころか、銀行は残高さえ間違える。だから自分がしっかりしなければならない。これは自衛。それに慣れた今、フェイスブックの批判からは、自衛心のない完璧主義の危うさを感じた。大震災後、言葉では「想定外」への批判があった。だがやっぱり日本は想定外は想定していないのではないか・・。
鳩山さんは総理として国民の期待を裏切った。期待が大きかっただけに、多くは鳩山さんが大嫌いになった。まあしかたない。だがだからと言って、鳩山さんの言動の全てを否定するのはおかしい。彼は総理大臣としての能力はなかったのだろう。しかし米中について、大半の国民より正しい知識を持っていると思う。
自衛心のない完璧主義。この象徴が日米関係。自衛といいながら精神的に米国を頼っている。だから、最終的に米国批判につながるものは消される。日米同盟を否定するつもりはない。だがそれ以外に全く想像力を持たないようでは、日本はとても一流国家とはいえない。
そして黒船後の日米関係から思うのは、日本は太平洋戦争へ突き進んだ失敗の本質を未だ繰り返している可能性だ。
日米開戦の原因は学者がいろいろいう。でもその時の日本人が米国が嫌いでなければ、いくら軍部が煽っても開戦は無理だっただろう。
今とは逆。ではなぜそんな事がおきたのか。
近年1920年代に米国で起きた日本人排斥運動を取り上げるメディアは少ない。当時の日本人が米国嫌いになった原因には、事前の友好関係を唐突に変えた米国があったと思う。(これは強制収容とは別の話・・)
一説には、日本の外務省はワシントンで政権だけを頼っていたため、議会の力や西海岸の情勢がどう米国の国政に影響するかの認識が甘かったという分析がある。結果、反対派議員に押されたクーリッジ政権は日本対し予定外の行動に出た。
これが日本人に米国に対し悲劇につながる憎悪を生んでいく・・
結果論だが、戦後日本人は、昭和天皇を殺さなかった米国に今度はイチコロになったと思う。ただし正確には米国ではなくマッカーサー陣営である。もしここでマッカーサーが政争に負けていれば昭和天皇はどうなっていたかわからない。
今日本ではマッカーサーと昭和天皇の美談ばかりが強調される。だがこれも完璧とはいえない。美談とは別に、マッカーサーが日本の使い道で相対的判断をしたことはいうまでもない。日本では知られていないが、マッカーサーは1930年に、ドイツではなく、英国攻撃を画策した人でもある。
このように、今の日本は、戦争に勝った米国側の相対的な判断の産物であるにもかかわらず、自分は敗者や失敗者を上手く使う相対的判断をしてこなかったと思う。失敗経験の少ないエリートが国政や外交も担ってきた。そしてその間に今度は米国大好きに傾斜して行った。
今の金融市場にも、ワシントンとNYの情報だけで米国が解ったと思っている人がウヨウヨしている。でもソレは本当に正しいのか。もし違ったら誰を利するのか。株式の損得ならまあよい。だが昔と同じ大失敗をしないためには、日米の近代史や米国内の政治に注目すべきだとおもう。そう考えると、今のFRBを中心とした相場にも、別のシナリオが浮かぶと言うもの。ところが今はあまりにも単純で直情的である・・
いずれにしても、そのような幅を持たないのは、究極的には「自衛心の欠如」の象徴だと思う。もしかしたら、鳩山さんは米国の変節の怖さも知っているかもしれない・・
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