2013年7月3日水曜日

風と大地 (6月24日 マネー原理プロから・・)



 
 
少し前にクレデイースイスが出した試算では、現在の世界の富の総額は227兆ドルで、成人の人口で割ると、一人当たり5万ドル前後になるらしい。しかしそのうち86兆ドルは全体の0.6%のによって支配されている。つまりよく言う1%VS99%は既に正くはない・・

そんな中、都議選での自民圧勝は、昔民主党にも吹いた追い風が自民にまだ吹いているだけと思う。それよりもメデイアは共産党の躍進をなぜもっとシリアスに取り上げないかが不思議。恐らく一時的現象か、民主と維新の会の惨敗の漁夫の利程度にしか考えていないのだろう。

知人が「本当の大変化は、地面から湧き上がってくる。」と言っている。つまり大変化は「風」ではないらしい。彼との付き合いは20年、本業が坊主、サイドビジネスで銀行マンをしている変わり者だ。だが彼の話はどこかで世の中の本質を突く凄みがある。

2006年、米国の住宅市場が崩壊したら、資本主義の崩壊、マルクスが台頭するとした。今もって多くの人にそんな意識はない。運用すべきお金がジャブジャブなので相場関係者は風向きの話に特化している。だが彼らは大地を感じているだろうか。

リーマンショックの前、米国の格差は既に開いていた。そこで金融危機。TBTFではまず金融を救済。それが大企業を潤す。これはマクロではやむ終えない処置だ。当然バーナンキは解ってやってきた。その結果格差は更に開いた。

金融危機の前、既にこのパターンを想定していた人たちがいた。本物のTEA PARTYの人々だ。(TEA PARTYは多くが偽者。ブームに乗った人種差別主義者などもろもろをさす)。そうなる前に彼らは中央銀行の力を弱めようとした。しかしダメだった。

資本主義と民主主義の歴史を振り返れば、簡単な原理がある。格差だ。昔は投票権を持つ人は限られていた。建国の父は格差は必要だと考えた。むしろ民主主義を警戒した。(人種感を除き、勝者になるためのチャンスは平等に)でも今は平等に投票権がある。税金を払う人払わない人。平等である。

ならば中央銀行の政策で益々格差が広がる中(日銀政策も同じ)、1%と99%に平等に投票権があるなら、行き着く先は自然と決まっている。米国の保守派は、健全な資本主義を守るため、中間層を殺すなと訴えた・・。

この4年間、オバマ政権は、マクロで1%を尊重し、投票では99%を囲う政策をマネジしてきた。この器用さは共和党にはない。だがそのグリップが揺らぎ始めている。それが今だ。恐らくこれから起こることは、風の話ではない。大地の変化の話だと思う。

クリントン時代のコピーに失敗すると、次のコピーはルーズベルト。その際中間層のいない民主主義では、右に行くか、左に行くかしかない。ヒトラーがいいか、スターリンがいいかの選択。

スターリンはヒトラーよりも多くの人を殺した。その点日本の共産党は平和主義者。躍進しても日本は大丈夫だろう。寧ろ安部さんがヒトラーのような力を持っている。彼はこの力をどう使うだろう。

ヒトラーは戦争に負けたので、殊更悪者にされた部分もある。一端戦争が始まったら、誰をどれだけ殺したかなどの議論は意味はない。今はどうしたら戦争を始めないようにするか。歴史の大きな力には逆らえないが、一人一人が客観的に世の中を眺め、批判し、賛同し、動くしかない・・。

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