2014年10月3日金曜日

バーナンキが今知った経済の仕組み


        
         

彼は、すばらしい経済学と金融の知識を持っている。ハーバードやMITで学び、スタンフォードやプリンストンで金融を教えた。その後、世界経済をささえるFED議長になった。そして、リーマンショックでは世界を救った英雄とされた。

彼は今、民間のシンクタンクで、コミッションベースで所得を得ている自営業者。一回の講演料は、サイン会もいれれば2500万円になるという。ところが、この夏、彼はショッキングな経験をした。(今日のシカゴのスピーチで)なんと、モーゲージの借り換え(リファイナンス)が出来なかったというのだ。

彼はFEDの副議長になった2004年、83万ドルでワシントンに家を買った。今その家は81万ドル。ローンの額は公表しなかったが、ローン会社は人的コストをかけず、入力データで自動的決済をする今の流行の会社。(クイックローン社など)リーマンショック後、民間が殆ど消えたモーゲージ市場はファニーとフレデイーの独占状態。ローンは、彼らの敷いた厳しい査定ルールにオートマティックにかけられる。

公務員だった彼は安定した収入があった。(FED議長の年収は20万ドル前後)そしてシンクタンクと契約し、誰が考えてもこれから彼の年収は数億円は下らない。ところが、コンピュータは、バーナンキを、安定した所得の公務員を辞め、所得が不安定な自営業になった中高年と判断。決済ではじいてしまったのだ。コンピュータはベン・バーナンキという名前の価値を判断できなかった・・

明日の雇用統計の数字など、最早実態経済には殆ど関係ないが、多くの中間層が安定した仕事を失い、今は短期労働に従事している。彼がFED議長の最後の2年、好調な住宅市場市場を支えたのは、彼の恩恵を受けたプライベートエクイテイなどの投資家だった。今彼は自分が誰に貢献したか、痛感していると思う・・ (写真と記事はNYタイムスから)


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