2014年10月17日金曜日

This is it ・・の始まり




マネー原理プロで、SPが昨年の引けを割りストップがヒットしたら一旦戻るとしたのは3日前。そのパターンにも見えるが、これで底打ちと思うなら、それはグッド・オン・ユー 


ところで、ここ数年の朝ドラがなぜ面白いかやっと判った。

ごちそうさん、 花子とアン マッサン・・・主人公はみな明治の終わりに生まれ、大正から昭和の激動期を生きた人。アメリカでいうならグレートジェネレーションズ。(ごちそうさんは創作)

戦争はなく(日本では)、経済が困れば中央銀行がお金をすってくれるよい時代に生まれた自分は、今の朝ドラで、子供の頃見た「大草原の小さな家」を思い出しているのだろう。


そんななか、本棚を整理していたら、2009年に、知人からいただいた本が出てきた。
著者の増田氏は、通信社の記者として、現在は農林水産業の新しいデジタル情報誌の編集長を務める傍ら、国際経済ジャーナリストしても活躍中だ。

今読み返しても、QEは時間をかせいだだけだったと思う。本質は何も変わっていない。それは、何度QEを繰り返しても同じ。いよいよ、This is IT が始まった予感・・
               

            
         
             米国農業革命と大投機相場
                               増田篤著
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< ステロイド化した米国経済 >
・・・話を少しさかのぼる。20058月下旬、米ルイジアナ州ニューオーリンズ周辺を直撃した大型ハリケーン「カテリーナ」は米国に未曾有の自然災害をもたらした。原油相場は初の1バレル=70ドルの大台に乗せ、市場最高値ペースとなり、それまでインフレなき持続的な成長を続けてきた米国経済への悪影響も懸念された。
 
カトリーナによる被害状況が伝わると、市場では「9月の利上げはないのでは」との思惑が一気に広がり、株価は上昇、短期金利は急低下した。しかし、FRB920日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%引き上げ、年3.5%とすることを決めた。前年6月末から連続11回目の利上げだった。まだグリーンスパン前議長が率いていた時代のことだ。このときのFOMCの声明では、「(カトリーナにより)短期的な経済動向は不透明感を増しているが、持続的な脅威をもたらすものではない」との見解が示された。
 
ちょうどこのころ、シカゴ商品取引所(CBOT)内にオフィスがある日本人金融ストラテジストに取材をした。その人物は米系独立系ブローカー、DTトレーディングのアカウント・エグゼクティブで、シカゴでは知られたカリスマ債券ブローカー・ディーラーだ。同氏は日興証券入社後、ニューヨーク支店などで勤務。その後、米シティーグループなどを経て、米老舗先物会社オコーナー傘下のDTトレーディングに02年に移籍した。

このときの取材趣旨自体は、カトリーナ後の米経済と、このときの利上げが債券市場に与える影響などに関するコメントをとるためだったが、氏はいつものように無愛想に「そんな目先的な話に僕は興味ない」と言いながら、米国経済の行く末を見切ったかのように大きなシナリオを語り始めた。
 
「米国は、既に景気のピークは過ぎており、減税などの薬を打ち続けて持ちこたえていたようなもの」「日本が債券(金利)の国なら、米国は株式の国であり、レバレッジの国だ。つまり借金が新たなお金を生むということ。こういう国では、実はある程度のインフレがないとお金が回転していかない」などと言う。つまり、株式そして住宅などの資産インフレ、価格上昇があって初めて経済が成り立つ危うい国だということだ。
 
 その上で、「米国民、米経済は高配当に慣れてしまっている。株式や住宅の市場が崩れたらどうなるか。それはまさしく相場のディバックル(Debacle=大崩落)だ」と不気味な予言をした。
同氏のシナリオの根幹を要約すれば、それまでの米国の持続的経済成長を支えてきたホーム・エクイティー・ローンなどの住宅資産を担保とした借金が、住宅市場のピークアウトとともに返済できなくなり、資金の回転が利かなくなる。連鎖的に、株式市場などにも崩壊が波及する可能性があるというものだ。
 
 そして、「現在の虚妄の米国金融市場のディバックルに備えると言う意味で、以前から金(ゴールド)に注目している」とも力説した。それも従来のインフレヘッジというよりは、ラストリゾートとしての金の価値だという。米経済が崩落した場合、ドルは暴落し、ユーロにまだ世界経済を支えるほどの信認がないとすれば、資産保全の選択肢は金しかなくなるというわけだ。

  このインタビューは、底所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローン問題がはじける約2年前のものだった。今でこそ、住宅バブルの崩壊という一般的な結論と変わらなく思えるかもしれないが、当事はまだ米国経済の無謬神話が生きていた時代だ。そして当事1オンス=400ドル台だった金相場はその後、3倍近い1200ドル付近まで高騰した。
 
 1993年に日興証券の米国シカゴ駐在となって以来、ニューヨークの3年間を挟んでシカゴに述べ14年、合計17年間米国に駐在し、今もCBOTのフロアで、生き馬の目を抜くような米国人の株式や債券トレーダーらとの戦い明け暮れ、生き残ってきた~氏は米国の市場経済の本質を皮膚感覚として身につけている。もちろんその恩恵にも浴しただろうし、その強さも体感している。しかし、その大いなる欺瞞と限界についても早い時期から顧客に伝えるとともに警鐘を発してきた。
 
 同氏は、米国の金融危機が発生するかなり前から、米国について「ヘッジファンド化した国家」と見抜き、大リーグで薬物使用疑惑が拡大する中では、「米国経済自体がステロイド化」していると表現するなど、危機の本質を鋭くえぐり出してきた。そして、金融危機が拡大、米政府がなりふり構わぬ金融機関の救済に乗り出したときには、「末期症状のがん患者に対し、痛み止めのモルヒネをあちこちに打ってしまったということ。痛みをなくすことと、病気の根源を治すことを錯覚している」と揶揄した。
 
 さらに、米ナスダック株式市場を運営するナスダック・ストック・マーケット(現ナスダックOMXグループ)の元会長であるバーナード・メードフ被告が引き起こした史上最大規模とされる巨額詐欺事件については、発覚直後に、「これほどのファンドでいかにデユーデリジェンス(資産査定)がいいかげんだったか。米国がマネーと言う魔物により、建国以来のプリンシパル(原理原則)を失ったことを象徴している」と嘆いた。
 
そして、低所得者向け高金利型(サブプライム)問題に端を発した信用不安の高まりを受けて、公定歩合を年6.25%から5.75%に引き下げることを決定した07817日の連邦公開市場委員会(FOMC)のインタビューでは、「世界が過剰流動性を背景に、過剰利益の追求と金融機関の過当競争という連鎖ゲームに突入してしまったことに、米国内で誰もブレーキをかけないというのは異常事態だ。世界経済は流動性という栄養乗りすぎで機能障害を起こし、結果、必要な栄養を取れないという慢性糖尿病のリスクにある」と世界経済危機の本質を喝破した・・・・・・・・・・
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