2014年11月10日月曜日

青なのに赤


         
  
 参考 http://www.businessinsider.com/the-us-is-moving-left-despite-republican-gains-2014-11



先週のマネー原理プロで、米国の選挙がなぜ火曜日なのかを紹介したが、今回の中間選挙は予想通り投票率が低かった。まだ公式の数字は固まっていない。だが約8300万人、36%の投票率との数値が出ている。

この数字だと、見事に史上最低。2008年と2012年の大統領選は1億3000万人が投票にいった。中間選挙は投票率が下がる。それでも2010年は9100万人(42%)が投票した。

ではなぜこんなに投票率が低かったのか・・

最大の理由は、共和党には厄介なヒスパニック層が失望したこと。ここは共和党の作戦勝ちだ。現状、下院共和党の反対で、オバマが2008年と2012に約束した移民法改正が未達成。

アメリカで育ちながら、親が不法移民のため米国籍がない1200万人の若いヒスパニックは、この共和党の下院優位が崩れない現状をみて失望している。

これで、投票権を持つヒスパニックも、さすがに今回は欲を失ったようだ。

リベラルの応援団長のビル・マーは、HBOの自分の番組で、アメリカが投票日を世界標準の日曜に変更しないのは、平日に掛け持ちで薄給の仕事をしている下層階級をなるべく選挙にいかせないため・・と分析をしていた。

米国では建国以来の法律を変えるのは大変。その点で国民の大半がリベラルになっても、地方の選挙組織が磐石な共和党の牙城はなかなか崩れない。(参考インガルス一家の投票)

それでも、大統領選挙で現行の代議員制を廃止し、最大の得票を得た候補をその州の勝者にすることに同意する州が増えてきている。この動きが加速すると共和党には不利だ。

2004年は、ブッシュは再選され、共和党は今回のように上下両院を圧勝したが、ところが、僅か2年後、まだリーマンショックが起こる前の2006年には大敗した。(共和党は上下両院を失った。上院は49で同数だったが、二人の独立議員は民主党サークル)

個人的には、今回の中間選挙は、大津波が襲ってくる直前、一時的に波が沖に引いていく現象と同じだと考えている。

まあ日本のメディアで米国政治や米国市場の解説をする人たちが、どこまでこの国の真実を見極めているか。それで日本の国益が決まるだろう・・

1910年と2010年の最大の移民人口



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