2014年11月23日日曜日

奴隷の幸福


ローマの最盛期は、民主的だった共和制時代より、帝政の時代という見方がある。

シーザーのあと、ネロやカリギュラの暗黒もあったが、その後に五賢帝の時代が来た。

大衆が自分で物を決めるより、賢者が国家を導いた方が幸せという考え方・・


建国の父は、共和制ローマから多くのコンセプトを取り入れている。

上院、下院、大統領は、元老院、民会、政務官を想像すればよい。

民意の影響が大きくなると、共和制でも、元老よりも大衆を味方につけた者は強い。

2016年を見据え、最近この時代の時代劇を再び鑑賞しているが、

その中の一つ HBOの「ローマ」でこんなシーンがあった。

共和制を守りたい元老に担がれた執政官ポンペイウスは、友人のシーザーを裏切る。

しかし、秀吉の中国大返しのような勢いでルビコン川を渡ったシーザーの敵ではなかった。

敗北を前に、彼が世話係の奴隷にはいたのはこんなセリフだ
   

自分の意思をもたず、自分で決断をしなくていいのは、奴隷の幸なところだ・・


一般的に、民主国家では自分で自分の運命を決めることができるとされる。

今は貧富の差で問題はある。(学費高騰)だが概ねその原則は守られていると思う。

なら、それが本当に一番幸せなのか。

もともと日本史では疑問だが、ローマでさえもこの命題とは無縁ではない。

そして、再びクリントンやブッシュの名前しかでてこないアメリカも、

もしかしたら、ローマと同じ道をたどり始めたのかもしれない。

そんななか、日本を取り上げたブルーンバーグの記事。                 
                             
http://www.bloomberg.com/news/2014-11-21/abe-listening-to-krugman-after-tokyo-limo-ride-on-abenomics-fate.html

クルグマンと(本田さん本人)のリムジンの密談が、安倍さんを決断させたとリークしている。

真贋はともかく、一外国人エコノミストが、日本の命運を握るような報道だ。

外圧に弱い日本を触れているのは、CNBCではなく、ブルーンバーグの特徴が出ている。


クルグマンは自慢したくしてしょうがないが、

内閣参与の本田さんも、こういう話を外国メディアでにしてしまうのか・・・。

Me, Myself, and Abe

http://krugman.blogs.nytimes.com/2014/11/21/me-myself-and-abe/?smid=tw-NytimesKrugman&seid=auto&_r=1


事実なら、外圧に弱い日本を、日本人が自分で逆手に取る政治的手法・・。

これで株価が上がり、目先の結果はオーライでも、

こんな姿を、いつまでも自分で世界に晒していては、

最後は国益にはならないだろう。




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