ドラマでのケネディーとナッキー
本物のケネディとナッキー
1920年代の狂乱的好景気。禁酒法下の米国が舞台の「ボードウォークエンパイア」がいよいよ最終シーズンを迎えている。
アトランティックシティーをアメリカを代表するリゾート地へ発展させたナッキー・トンプソン。実話として、白と黒の間で、客は「酒と女と博打を楽しむためにここにやってくる」とゆるぎない信念を貫いた彼は、脱税で10年の刑期を終えると、地元に戻って余生を過ごした。
前シリーズまでは、密売酒の元締めとして、ナッキーがルチアーノやカポネが台頭するギャング社会にも絶大な力を誇示したストーリーが展開された。そして重要な脇役だったアーノルド・ロスタインが殺されたあとに舞台が飛んだ最終章では、代わりにケネディー(シニア)が加わった。
「ロスタインはメジャーのホワイトソックスが八百長をしたブッラクソックス事件の首謀者。華麗なるギャツビーやフィールドオブドリームなどに登場し、現実として、ジェシーリバモアも最大の影響を受けた人物として、相場関係者には伝説の大物・・」
先週の放送で、その二人が食事をするシーンがあった。
ナッキー 「君も相当なギャンブラーだね」
ケネディー「そうだね。でも僕はリスクは嫌いだ。だから賭けはリスクをとってからやるんだ 」
ナッキー 「どうやってそんなことが出来るんだい」
ケネディー「 簡単さ、もちろんイカサマだよ。株式市場とはそういうものだろ・・」
ケネディは大暴落の前に株を全部売り抜けたことで有名。この時代、真っ白な人と、真っ黒な人と、グレーな人が、それなりに入り乱れてバブル景気を支えたわけだが、大統領になったルーズベルトの凄いところは、このケネディーを初代のSEC長官に任命したこと。
グレーゾーンのケネデイーを、鳴り物入りでスタートしたSECのトップにすることに反対する意見もあった。だがルーズベルトは、証券の悪を捕まえるには、その悪の実態を知るグレーの人間が最適であると言ったとされる・・。(ドラマの舞台は1931年、SECは1934年設立)
そんななか、リーマンショックから6年が経ち、ホルダー司法長官は、ここに来てやっと金融危機を招いた大物の金融関係者の起訴が近いことを表明した。
オバマ政権は、TOO BIG TO FAILの状態で起きてしまったシステム危機を回避するため、まずウオール街を救済した。その不満はいまだ庶民の中にある。
危機後の緊縮財政で、共和党が管轄当局であるSECとCFTCの予算を大幅に削り、随分時間がかかったが、中間選挙の前に、民主党と政権としても大物を起訴しておく必要があるだろう。
危機後の緊縮財政で、共和党が管轄当局であるSECとCFTCの予算を大幅に削り、随分時間がかかったが、中間選挙の前に、民主党と政権としても大物を起訴しておく必要があるだろう。
加えて、財務省は、米国企業が、法人税逃れのために海外の会社と合併する抜け道を塞ぐ行政指導(法案?)を近々発表する。これらは株にとってマイナス要因だ。
一方でカルパースがヘッジファンド投資を止めると宣言したように、20%の成功報酬をとりながらインデックスに勝てない膨大な2流ヘッジファンドは、焦りからか、アルファを求めてこの夏はアリババとアップルのバンドワゴンに殺到した様相。
一方でカルパースがヘッジファンド投資を止めると宣言したように、20%の成功報酬をとりながらインデックスに勝てない膨大な2流ヘッジファンドは、焦りからか、アルファを求めてこの夏はアリババとアップルのバンドワゴンに殺到した様相。
ならばその顛末も含め、今年4Qの株式相場は面白そうだ。
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