2012年10月10日水曜日

リスク管理の矛盾、 狙われる価値(人)と狙われない価値(人)


2週間前のライダーカップでは、一般ギャラリーからも離れていないところで、大統領を経験したブッシュ親子の間にマイケルジョーダンが入って米国チームを応援しているシーンが流れた。

変なところが気になる自分としては、DVRを巻き戻して確認したのはシークレットサービスの有無だった。絶対にいたはずだが確認は出来なかった。

1997年に法案が改正されるまで、大統領経験者には終身シークレットサービスがついていた。それを変えたのは当時のクリントン大統領である。

新法案では大統領を辞めて10年が経つと国家からのシークレットサービスは無くなった。ただし改正前の大統領経験者には新法は適用されない。したがって存命のカーターとパパブッシュには国家からのシークレットサービスがついている。

またGWブッシュも辞めて4年なのでシークレットサービスがついている。つまり、皮肉にも新法の結果、現在シークレットサービスがついていない大統領経験者はビルクリントンだけである。ただオバマ大統領は自己の権限内で、クリントンにもサービスをつけることが多い・・。

なぜこんな話をしたかというと、それは前回のノーベル賞の発表で、山中博士が受賞を逃した時のブログを思いだしたからだ。

ブログでは96年、サンデイエゴの超高級住宅街のラホヤで、プロの殺し屋に、娘さんといっしょに暗殺された斉藤綱雄教授のことに触れた。そして、命を狙われる可能性の少ない今の日本の政治家(大臣)の警備を削り、山中教授を警護すべきとした。

山中教授はノーベル賞も取り、一定のリスクは通り過ぎたと思う。だが近年アルツハイマーの仕組みが急速に解明されつつあるといわれるなか、当時その世界的権威として重要な発表を控えていた斉藤教授の暗殺は返す返すも残念である。

ところが、当時の日本のメデイアは、巻き添えで娘まで亡くした未亡人の行動を興味本位においかけただけで、地元警察がプロの暗殺としたにもかかわらず、LA三浦和義事件ようなメデイアの粘りは見せなかった。

その一方で今回の山中教授を褒めちぎる報道にはやや異常な雰囲気を感じる。これでは日本は一歩外に出ればゴロゴロしている魑魅魍魎のグローバルリスクにはやはり対応できそうもない。

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