2013年12月10日火曜日

 未完成への勇気


メインのロブスター 基本的にはオマール





フロリダロブスター見た目はイセエビに近いが、味は・・ 




毒のない淡水養殖フグ(ASAHIドットコムから)
      

日本では伊勢えびが高騰し、伊勢の地元の民宿は困っているという。一方アメリカはメイン産ロブスターの値段が下落している。これなら偽装は必然だったかもしれない。

夏が旬のロブスター(メイン州産)は、クリスマスから年末に向けての需要で本来なら今頃は値段が高い。ところが今年はダンジネス(蟹)より安い。こんなことは初めてだ。

一方でフロリダ沖にも別のロブスターがいる。格好は日本の伊勢えび近い。こちらを偽装に使えば、見た目ではわからなかっただろう。だが味はザリガニを巨大にした食感。中華にはいいが生では食べたくない。

さて、そうはいってもこの時期の日本の風物詩はなんと言ってもフグ近年養殖が盛んになり、海のない内陸部での養殖のおかげで値段も手ごろになったと聞く。塩分の低い水槽で泳がせると味までよくなるとのことだが本当だろうか・・。




そんな中、先週、NHKのクローズアップ現代で、あの山中教授が、日本はいまや再生医療で世界最先端。ただせっかく学者やベンチャー企業ががんばっているのだから、行政や受け皿として社会が柔軟になって、未完成なモノ(薬)などにも挑戦する土壌が必要だといっていた。

私事だが、少し前、こちらの医薬品業界が、日本を虎視眈々と狙っているのを知った。薬品業界に何の縁も知識もない自分に米系斡旋業者から、薬品関係の仕事の話が来たのだ。英語ができて多少のマネジメント経験がある日本人を手当たり次第に声をかけたと思われる。

そもそもこちらで未経験者に仕事の紹介があるのは異例中の異例。そういえば大昔WEBに履歴を登録した覚えがあるが、こんな現象が起こるのは、アメリカが日本の何を狙っているか、十分注意する必要がある。(TPP)




日本ではフグは2万年前から食べられているという。言うまでもなくトラフグは旨いが部位によって猛毒がある。他のフグもそれぞれ毒の部位はまちまち。この結論に到達するまで、多くの日本人が未完成のリスクに挑戦した。そして大勢が命を落とした。(秀吉の頃は有名)

それでも日本人はフグへの挑戦を止めなかった。そして今、近大の養殖マグロに岡山理大の養殖フグまで食卓に上る時代だ。食材に命かけ、おいしい物をここまで追求する民族は他にいない。

日本食が世界遺産になり、フグに挑戦した命も報われた。だがこのリスクテイク精神からすれば、日本の社会が未完成の医療や薬を認めないなら、それは本末転倒、どこか矛盾している。

この間にも人材や知識がアメリカに流失し、そこで巨大なビジネスが生まれるかもしれない。山中教授は、そんな矛盾を抱える日本に重要なメッセージを出していた・・。 

ということで、今年の忘年会はフグにして、日本人のリスクテイク精神を思い出そう・・。


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