2013年12月21日土曜日

地球最強男プーチンの余裕



人生で最も感動したドキュメンタリー。だがこれをプーチンはどう観たか・・




今の地球で最強の男はプーチン・・。      イアン・ブレマー

形式的には民主国家のロシア。今の民主国家で彼より裁量権持つものはいない。そのプーチンが10年前、自分を脅かす男として恐れたコゾロコフスキーがシベリアの刑務所から釈放された。ソチオリンピックを前にプーチンが許したのだ。

10年前、巨大オイル企業ユーコスのオーナーとして、資本市場で完全なる西側システムを導入しようとしたコゾロコフスキー。プーチンが彼を逮捕した頃、ロシアはまだ経済危機の最中だった。

当時、あのエリツインが怪しい政商に渡してしまった利権を、国家に戻すべく、プーチンは強攻策に出ていた。コゾロコフスキーはそのプーチンに妥協しなかった。そして拘束。これをみてアブラモビッチなどはさっさとイギリスに逃げてしまった。

西側の一部がコゾロコフスキーの釈放を求めるなか、プーチンを支えたのは、資本主義の洗礼に嫌気がさした中高年のロシア国民だ。

彼らの多くは共同体だった国家企業が解体される時に株券を渡された。だがそれが何を意味するのかよく解らなかった。そして困窮の中、多くが怪しい政商が持ってきたジャガイモ袋と交換してしまった・・・。

こうして生まれた政商。彼らが旧ソ連の富をかすめ取るなか、資本主義の恩恵がわからないままのロシア国民にはプーチンの方がベターに思えるのだろう。言論の自由を奪うことには反対。だからといって、アメリカのような社会を望んではいない・・。

そんなロシアがいやな若者はどんどん国外に出る。残った国民を相手にプーチンは盤石。プーチンの個人の資産も4000億円を越えた。コゾロコフスキーを許すのは余裕だろう。



さて、正直いってソチでは日本は期待するほど金メダルはとれないと思う。ソレはスポーツの技量の意味ではなく、あの国を相手にバカ正直では勝てないと言う意味。審査員の判断による競技では、恐らく買収などの不正は避けられない。ならいっそのこと実現しないことを解った上で、金メダル3個と北方領土二島の交換を申し込んだらどうか。

プーチンの巨大な権力は日本には歴史的チャンス。まじめさと米国一辺倒の日本がこんな申し出をしたらプーチンはぶったまげるだろう。

ところで、政治や経済、恐らくスポーツでも、優秀なアメリカ人ほど安易にミラクルを信じない。しかしその多くが今もミラクルだったと認めるのが1980年の冬季五輪のアイスホッケー。

大学生主体の米国代表が、軍人主体で実質プロ集団だったソ連代表を破るという奇跡を成し遂げた。ここを起点に米国にはレーガンが登場、アメリカは好転していった。

幸運にもこのゲームを衛生生中継で見た。日本の田舎の中学生だったが、それでも冷戦当時、アメリカがソ連に押されているのは感じていた。ニュースで見るブレジネフの顔は本当に怖かった

だからアメリカが勝った瞬間はコタツから飛び上がって喜んだ。その時のドキュメンタリー:ミラクルオンアイスは今でも自分の中では最高傑作。

今のような甘やかされたアメリカではなく、苦しいながらも素晴らしいアメリカがそこにある。しかしプーチンはそれを苦々しく覚えているだろう・・

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