1992年からMLBコミッショナーを続けるBud Selig氏
最初彼は薬物での盛り上げを容認。今は強権的に取り締まっている。
ここにきて突然動き出した市場がもう一つある。MLBだ。ストーブリーグならともかく、シーズン途中の7月末のデットラインに、その年のオールスター選手が7人もトレードされる売買は異常だ。
同じように、オールスター選手が大勢トレードされたのが94年。ただこのときは意味が違った。94年は8月から選手がストライキに突入、そのままシーズンが終わってしまった。
個人的にはそのおかげでマイケルジョーダンがバスケットに戻ってくれたのでよかった。しかし、94年のストライキは、MLBのみならず、アメリカのスポーツ文化、価値観、強いてはその後の過剰流動性、ステロイド社会への転換点だったとも考えている。
背景を振り返ると、この頃スタインブレナー率いるヤンキースなどの金持ち球団と、他球団との間で球団経営にズレが生まれていた。経営をヤンキース型にすることに反発したオーナーたちが、サラリーキャップなどの大改革を持ちだしたのだ。
選手はシーズン途中から反発。ストライキは翌春まで続いた。米国議会まで巻き込んだ騒動は、痛手を受けたオーナー側がついに妥協。改革案は白紙に戻った。
この騒動で翌年、MLBの視聴率は下がり、野球選手のCM収入も激減した。この頃デビューしたのがジーターである。そして停滞ムード払拭するように、マクガイヤとソーサのホームラン争いが激しくなり、ボンズやグエンなどのアスリート型選手の体型が激変していった。
この変革を推進したのが、今もコミッショナーを勤めるBud Selig氏。彼の主導で始まったWBCを通し、日本人にも彼のイメージがある程度伝わっていると思う。
この頃ワールドシリーズを3連覇したのがヤンキースだ。(1998~2000年)ちょうどNYに住んでいたので、アンチだがゲームを見る機会は多かった。勝ちパターンは、8対7をリベラで制するルーズベルトゲーム型だった・・・。
そして株式市場でFEDの過剰流動性供給の出口が見えた今月、MLB市場では、球団は圧倒的に良いピッチャーを欲しがりはじめた。ビッグネームだが怪我が多いステロイド型のパワー選手はもういらないのか。
アメリカ人もサッカーを見るようになったが、ホームランが飛びかった8対7の攻防に興奮しても、勝たなければファンも離れる。それよりも、良いピッチャーが相手打線を抑え、味方はスモール野球で1点を取りに行く・・。
ヘッジファンドがオーナーの球団は、昨年から野球場でサッカーのゲーム披露し始めた。さすが彼らはトレンドの仕込が早い。
ざっくり言って、この20年MLBはインフレオンリーだった。年棒 作戦 試合経過、どれも派手で大味だった。しかし、ソレではゲームに勝てなくなった・・
ジーターは、市場がフェアバリューへ回帰する時代にこそ本当はふさわしい男。そんな中で引退する彼の目はどこか物悲しさが漂う。
そんな彼に対するニューヨーカーの尊敬と、時代を前後し、アメリカンスポーツの興奮を支えたマイケルジョーダンとタイガーウッズが花を添えたナイキのCM。少し前に添付したが、傑作なのでもう一度添付・・
http://www.thebaseballjournal.com/all-star-game/derek-jeter-re2pect-cameos/
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