昨日まで、タイガーがスキャンダルや怪我で勝てなくなってからも、タイガーより強い選手が米国のトーナメントを勝ったという印象はなかった。しかし、昨日のマキロイの強さはタイガーの全盛期に匹敵する強さだった。
体はそれほど大きくないが、圧倒的なドライバーの飛距離とアイアンのパワー。4打差でトップに立っていたのは34歳の円熟期のガルシア。彼もトップクラスのロングヒッターだが、ドライバーで20ヤード遅れ、ラフからもガンガン攻めてくるマケロイの前に、最初から萎縮していた。
そして、全英でのイメージが残っていたのか、最初の3ホールで4打差をあっさり逆転されると、その後は勝負にならなかった・・。
一方アメリカが復活を期待したタイガーは、背中の痛みで前半で離脱。手術後のリハビリ中とはいえ、戦いにおける世代交代と、アメリカのゴルフ産業の秋風を感じさせるには十分だった・・。
ところが今、アメリカは彼を必要としなくなった。今アメリカでジャック・二クラスが手がけるコースはゼロ。一方中国では20以上、ブラジル、ロシアでも複数を手がけている。
統計が始まった1946年以降、アメリカでは、2006年まで、ゴルフ場は毎年増加してきた。しかしバブルのピーク2006年からは純減が続いている。
2013年は14の新コースが生まれたものの、157のコースが閉じた。2006年以降643のコースが閉じ、全ゴルフ場の数は、ピークの15207から、14564まで減った。(18ホール換算)
それでも減少を続けるゴルフ人口のなかではまだ多すぎるという。この現状を取り上げたブライアンガンブルのHBOスポーツドキュメンタリーはショッキングだ。
客を呼ぶためにホールを10倍大きくして「楽しさ」を演出。更にその大きい穴までサッカーボールを蹴って何回で到達したかを競う新しいスポーツまで生み出している・・。
ある意味さすがアメリカ。ゴルフの聖地英国人(スコットランド)には恐らく真似できない発想だ。
住宅バブル崩壊まで、ゴルフ場に立つ真新しい一戸建てはアメリカンドリームの象徴だった。ただ中間層が減り、そんな住宅への需要がなくなったのも原因の一つ。
個人的にゴルフとサッカーの人口は反比例すると考えるが、リーマンショック後、QEで株は高値を更新しても、この国の真の姿はこんなところに現れているのではないか・・。
二クラウスからワトソンの全盛期が終わると、80年代から90年代前半のアメリカのゴルフ人口を支えたのは、ノーマンなどの外国人だった。そしてタイガーがプロになったのは96年。まさに米株が飛躍を始めた年だ。
ここでは何度も紹介しているが、米株とタイガーの活躍のチャートがパラレルだったのは、知る人ぞ知る事実。(添付のドキュメンタリーでもその事実を示唆)
ならばゴルフ人口が減り、サッカー人口へが増えるアメリカは何を意味するのだろう。一流ヘッジファンドやPEは冷徹に分析している・・
http://www.turfnet.com/page/news.html/_/construction-play-number-of-golfers-decline-in-2013-r249
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