2015年1月17日土曜日

<特別号> this is it その2 1.08マネー原理プロから

ついに市場では中央銀行(スイス)が限界を露呈し始めた。無理なことをしている中央銀行は、弱い順に限界を露呈するすることになるだろう。そんな中、最強のアメリカも、指標Iを見る限り、グローバルデフレ倶楽部の仲間入りの可能性もある。ではその先はどうなるのか。プロの世界では、とっくにその準備が始まっている。そこで今回は先週のマネー原理プロ全文を紹介。
      


                

           http://www.britannica.com/EBchecked/topic/566512/Hugo-Stinnes

             

最近ガンロックは日本の個人投資家向け番組でも話題だ。こうなると彼もビルグロスと同じ道を歩むのは時間の問題。あと数年は崇められる。その間は自分のポジションにも有効。だが相場感は正しくとも、次第に過剰流動性の呪縛に嵌っていく・・。

一方、英国のブレボンハワード(ヘッジファンド)は、米国債券を生業にしている者には最も重要なプレーヤー。(一時のピムコ、ショック前のモーゲージのヘッジのリーマンやベアスターン)オプションPITのローカルは、彼らのポジションを一番気にしている。

そのブレボンハワードが、ついに2014年はマイナス運用になった。この意味は大きい。余計な解説はしない。ぜひ以下のFTの熟読を勧める。

http://www.ft.com/intl/cms/s/0/e3e7109a-9658-11e4-922f-00144feabdc0.html?ftcamp=published_links%2Frss%2Fhome_us%2Ffeed%2F%2Fproduct&siteedition=intl

とくに重要な部分は以下。


Nagi Kawkabani, a partner at Brevan Howard, said that he believed that the approaching end-game of central bank’s ultra-loose monetary policy was likely to create market conditions that would allow macro hedge funds like Brevan to make significant returns for their investors

I think we are approaching a point where central banks’ monetary policies will either been shown to have succeeded or failed, he said. “The Bank of Japan is already all in, and the ECB is close to starting to go all in. All of this will have to start to bear fruit in the next 12 months. We have no specific long-term view as to which way this will go, but whatever happens this will lead to large price moves across many asset classes, and that will be a market environment that suits macro trading very well.

We don’t have to be right about whether these experiments ultimately work or not, but we have to be right about how the market reacts to this. Historically when these large market moves happen we have always been able to make money.


これを読むと、インデックスに負け続け、ついに暴れ始めたヘッジファンドも出る中、ブレボンが第二のLTCMになる可能性は極めて低い。

そして中央銀行の実験が大成功か大失敗になるか。(個人的には、国という形態を維持するがゆえに、金融資産を持たない庶民には、後者になるのを確信。それは良い悪いではなく、歴史の宿命) どちらにしても、そのとき彼ら(一流の市場プレーヤー)は必ず儲かると思っているところがポイントだ。(逆に、支配される側の個人の大半はパニックになる・・)

20世紀初頭のドイツに、ヒューゴ・スティニスという大富豪がいた。今なら米国のバフェットのような存在。ドイツ最大の富豪として、政治にも絶大な影響力を誇り、経済ではワイマール共和国のご意見番の存在だった。(リーマンショック時のバフェット)

ドイツは1922年からの史上空前のハイパーインフレの前、実はマイルドなデフレを経験した。デフレがなぜ怖いか。それは次にとんでもないハイパーインフレになるからという経験則を一流のマネーマネージャーたちは知っている。(ジムクレーマーの持論でもある)

この時ヒューゴ・スティニスは、膨大な資金をワイマールマルク(Reichsmarksで調達した。本業の鉱山関連から鉄道。さらに農業ビジネスを拡大した。そしてあのハイパーインフレ。彼はどうなったか。

拡大した保有現物資産は暴騰するなか、紙くず同然になったマルクで借金を全部返した。そして、つぶれた会社を次々に買収していった。彼は、以前よりも巨大になった。(1664の会社を所有し、60万人を直接雇用し、関係会社は2890になった)

バフェットが後何年現役かはわからない。しかし戦後の米国経済の50年を謳歌したバークシャイアは、これまでのスタイルの限界を露呈している。そんななか、同社は米国のヒューゴ・スティ二スを目指しているという見方がある。(バフェットの次の時代に・・)

いずれにしても、ブレボンもバフェットも、そして金融規制法案で規制対象になっても、お上を侮るように商品ビジネスをやめないゴールドマンやJPも、中央銀行の大実験がどちらに転んでも、自分たちは困らない準備をしている。(ある意味で当然のこと)

庶民とは違うこのレベルは、まずデフレの過剰流動性で利益。(金融緩和・不景気の株高)次に限界が来て、結局はハイパーインフレや戦争が庶民を巻き込んでも、自分たちはかならず儲かるノーハウが既に備わっているのだ。

強いていえば、ピカティーが提唱するような世界が広がり、まったりとした平和の中、低ボラ、 低スプレッド、低成長が続くのが一番困る。実はその世界が日本人のDNAには一番あっているかもしれない矛盾を、日本がどうするかが焦点・・

0 件のコメント: