2015年1月12日月曜日

NHKの重責 (海外ネットワークの間違い)

         

            http://www.nhk.or.jp/worldnet/ 

個人的にNHKにはメディアとして高いレベルを期待したいのだが、最近のNHKの米国関連ニュースは酷い。今日も「海外ネットワーク」(TVJapan)で、とんでもない間違い報道をしていた。

2016年の大統領選が、ヒラリー・クリントンと、ジェブ・ブッシュになった場合の考察はいいのだが、そこでキャスターは、「民主党の大統領候補が勝つには、南北戦争以来のジンクスを打ち破らなければならない。」などと自信満々に報道していた。

何のことを言ってるのかと思ったら、民主党候補が、二人続けて大統領選挙に勝ったことは、南北戦争以降一度もないなどという。

バカな。何を言っているのか。ルーズベルトの後のトルーマン。ケネディーのあとのジョンソンはどうなる。こんなことはこちらでは子供でも知っている常識だ。

恐らく、この二人が前任の現職大統領の急死を受け、前者の任期中に副大統領から大統領にくり上げになったので、情報元は、彼らが選挙に勝ったことを知らないのだろう?。でも二人とも、前大統領の残存任期を終えた後、正々堂々と次の選挙で共和党候補を打ち破っている。

特に彼らの二期目は、トルーマン・ドクトリンやベトナム戦争の本格化が始まった重要な近代史。そして、トルーマンの後のアイゼンハワーは軍人として元々政党に属しておらず、直前まで迷ったあげく、共和党から出馬したが、大統領としては最も民主党的政策を断行した。

もしこのアイゼンハワーを(IF)にすれば、アメリカはルーズベルトからジョンソンまで、(1933~1969)36年間も民主党(的)政策が続いたことになる。

この間株価は上がらなかったが、中間層が生まれ、アメリカが世界と比べ、最も豊かになった時を迎えた。戦後の日本はこの豊かなアメリカにあこがれたのだ。

そしてこの時代、最高所得税率が90%を超えるところまでいったのはなぜか、今では信じられない税率になぜ当事のアメリカ人が耐えたのか。流行としてピカティの本を紹介するなら、この頃のアメリカも紹介しなければ意味はない。

そういえば紅白でサザンが、「日本は近代史を教えない」と皮肉っていた。桑田氏はリベラルとして言ったのだろう。彼には全く賛同しないが、日本史教育が近代史をあまり教えなかったのは事実。

多くの日本人はアメリカの情報は十分あると錯覚している。でも日本人ほど、アメリカの信実を知らない先進国は少ない。

欧州の知識人はその事実を知っている。だから彼らは(英国ではなく大陸)「日本人は、日本がアメリカを必要するより、アメリカが日本を必要としていることを知らないと気の毒がる。

NHKが、アメリカの本質をちゃんと伝える必要性を感じていないなら、最早読売と同じレベル。NHKのニュースはいらない。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

初めまして。貴方様のブログを拝読させてもらっています。とても関心が持て、社会の本質又は実態を考えるうえで思考を整理するために大変助けて頂いております。masa