ところで、予定通りシリア情勢は厳しくなってきた。
ボストンのテロ直後、すぐさまシリア攻撃の話が出た。ここまでその通りになると、最早、怒りよりもバカバカしい。
自国の統治力が弱ってくると外に敵を作る・・。こういうパターンをみると、日本はアジアでの地位を固めたほうが無難だと思う。
もちろん今の中国も同じことをする危険性はある。ただし中国の歴史は、新しい強者が弱った王朝を倒してきたが、これまでは海洋への野心はなかった。
それはコロンブスよりもはるかに早くインド洋を渡ってアフリカに行ったにもかかわらず、侵略をしていないことからもうかがえる。(鄭和がイスラム教だったことが大きいが、イスラム教の彼を用いた明の懐の深さ)
しかし、今の中国が清朝以後の屈辱の反動で覇権主義に傾いているのは確か。その心理を使い、体制を維持したい共産党は米国と変らない。しかし世話になった隣国でありながら、日本が中国の歴史に敬意を払っていないのも事実だ。
そのタイミングで出た麻生さんの発言「日中とは上手くいったためしがない」は久しぶりに彼の教養の世界を露呈した。
一方中国発の大気汚染は結果的に日中韓の
共通の敵になったと思う。ここは日本は大人になり、この「共通の敵」を上手く国益に使うべきだろう(日中韓の協力)。
まあそうは言っても、中国のプレッシャーを感じない米国から何を言っても無駄なのは承知している。更に、アメリカ支配の中で培われた世代の親米反中の感情はどうしようもない。その世代を代表するスーパースターが長島さんだったのではないか。
昭和39年生まれの自分は、長島さんが現役だったころはうっすらとした記憶しかない。そして恐らく我々の世代がバブルをエンジョイした最後の時代。(自分より若い人は、バブル時は社会人ではない)という事は、
長島さんを知らない人はバブルをしらないということだ。
バブルを知らない世代に、オジサン世代がどれほど長島さんを崇めたてても、知らないものは知らない。そこはどうしようもない。彼らはメデイアの長島フィーバーをどう感じたのだろう。
そもそも日本ではバブルもデフレもあまりにも一方方向だった。この責任は若い世代ではなく、我々オジサン世代ににある。その背景が何だったのか。
一ついえるのは、バブルの発生も崩壊も、アメリカが許し、そしてアメリカが許さなかったこと。
ならば一方方向の背景は、サンフランシスコ講和条約の中、経済と引き換えに、独立国として独自のイマジネーション力を失くした結果だと思う。(仕方がないが)
一方で、長島、松井の両氏の国民栄誉賞を決めたとされる今の安倍さんは自信に溢れている。日本の首相が今の安倍さんのよう自信に溢れているように見えたのは過去記憶がない。
注目は、アラブに対し、原子力発電を売り込んだ際のセールストークが
、「日本は大震災で原子力発電でこっぴどい目にあった。だから、その経験を活かし、世界に貢献できる・・」
その通りなのだが、このような「失敗を活かす」発想は、これまでの日本の組織社会文化では育った例はあまりないと思う。
再三アベノミクスの本質は失敗者を活かす発想にあるとしているが、日本がこの大原則に気付くととんでもない可能性を秘める。ただしソレはそれで警戒が必要だ。
安倍さんが凄くなりすぎると、中国には脅威であるとともに、その中国に本当は強く出れない米国にも邪魔。またデフレ社会の頂点であぐらをかいていた老害組織の老害人からも邪魔。更に反戦オンリー人、反原発の若者まで敵にまわす。
読売新聞がどれだけ偽りを誇張しようが、今の米国が対中政策で二枚舌なのは日本は知るべき事実。現国防長官のヘーゲル氏は元々生粋の共和党であり、尖閣に対して日本を優先して中国を牽制する気持ちに偽りはないと思う。
しかし事が悪い方へ進んだ場合、最終決断をするのはオバマ大統領と周りのシカゴ派の側近。つまり国防省ではなくホワイトハウスのウエストウイング。
これまでのずっと彼の動向を見てきたが、彼らが日本を中国より優先することは、彼らさえ予期しない突発事故でもない限りありえないと思う。
安倍さんが転べば相場は転ぶ・・。強すぎる安倍さんをみていると、
アベノミクスが
アベノリスクになる危険性もどこかで感じ始めている・・。