2011年11月30日水曜日

大阪で暮らしたい男

そもそも比喩にはセンスが必要。重要な地位の人はなおさらだ。ただ、沖縄を侮辱したという役人の「犯す」と言う表現は、その前にどんな言葉が来るかで雰囲気が違う。

もし女性を侮辱するものなら確かに言語同断。だが、メデイアの報道はあまりにも一方的で、本人に弁解の余地を与えない。この辺りは、メデイアの信義と、受け手の客観性の幼稚さという日本の本質的弱点とダブる。

ところで、沖縄が感情的になるのは過去からの権利として当然だが、「独裁者を目指す」を公言した人を市長に当選させる大阪は面白い。

米国から日本を眺めていると、都市として東京は日本の最高傑作と考える一方で、そこに住む東京人の想像力は既に?マークだ。

理由は、便利で優れた「東京機能」の中で暮らせば、「現状を変える」など掛け声だけになるのは当然。政治家も、官僚機構も、そして大企業も、大きくて古い組織に自己改革などは期待できない。

その意味で、日本のためには関西にもう一度首都を移した方が良いと本気で考えている。なぜなら、東京がこのままなら、日本もこのままだから・・。

しかし、個人的な秘密をばらすと、大阪には一度しか行った事がない。それも街中に滞在したのはほんの1時間あまり。(職場の先輩の結婚式で、近鉄のターミナル駅のホテルに行っただけ)。

昔はこのまま大阪には一生縁がないだろうと思っていた。だが、大阪と大変仲が良いシカゴに15年も住んで、今は大阪にも興味しんしんである。(シカゴ大阪は姉妹都市で先物など縁が深い) 週末は、「プリンセストヨトミ」まで見てしまった。

米国ではシカゴがニューヨークやボストンにとって替わる事はないだろう。なぜなら、シカゴには東海岸の様な歴史がない。一方大阪は東京より歴史は古い。ならば首都が代わってもそれは回帰。新しい事をするのが苦手な日本人でも回帰は可能のはずだ。

以前ここでも書いたが、日本がいずれ中国の影響下に再び入れば関西に首都機能があるのは便利だろう。(遣中使の時代の始まり。米国を盲信する戦後世代には想像できないだろうが、この国を知る相場師としてはその可能性に疑問の余地はない)

想像力が欠如した今の日本がこのまま無事で終わる事はない。それは物事の摂理である。ではその時にどんな決断をするのか。まあそれは次の世代の判断として、次に日本で暮らす時は、大阪に住んでみたいものである・・。

2011年11月26日土曜日

独裁者の役割 (真マネー原理プロから)

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読売巨人軍という組織は、昔からジャイアンツファン以外には異質だった。そして多くが独裁者の老害を指摘しながらも、今まで変化がなかった。

ただ、今世間はグローバルに独裁に対して厳しい。今回組織側は既に過去の人である長嶋茂雄のコメントまで持ち出し正当性を訴える手法に出た。筆者には姑息にしかみえないこの手法がこの騒動にどんな決着をもたらすのか。大いに興味深い。

ところで、多くの日本人は米国に独裁者はいなかったと考えているだろう。大統領の権力としてはイエス。だが50年間、8人の大統領が手が出せなかった裏の独裁者が米国にはいた事を触れておきたい。サンクスギビング明けの本日、その独裁者を扱った映画がこちらで封切になった。

エドガーフーバー。1920年代に前身からその道に入り、FBIが今の形になるのを導き、72年に長官として死ぬまで君臨したフーバー。盗聴などのスパイ行為をFBIが独占する事で、歴代の大統領の弱みを握り、クビにしようとした大統領には脅しをかけた。(ケネデイー)

こんな事がこの国で40年前まで平然と行われていた事には今更ながら驚く。

フーバーはシカゴのギャング、デリンジャーを執念で追いつめたが、戦前から戦後にかけて暗躍した一連のマフィアには殆ど手を加えていない。その理由の一つには自分がゲイであることをギャングに知られてしまい、(ランスキー等)交換条件でマフィアを見逃していたことや、大好きだったギャンブルの資金をマフィアから提供されていた事が理由とされている。(会社の金に手をつけた独裁会長は小物)

結果、人員500人を政治家を含めた共産主義者の摘発に従事させる一方、マフィア対策に向けらた人員は僅か4人という極端な事例も残された。

第二次世界大戦のイタリア戦線でマフィアの力を借りたルーズベルトはフーバーと仲が良かったとされるが、反共の最前線ンに立ったトルーマンはマフィアを取り締まらないフーバーを何度もクビにしようとした。極めつけはケネディー兄弟で、愛人との失態を抱えた兄弟はそれでも果敢にフーバーに挑んだが、最後は2人とも殺されてしまった。

Cイーストウッドはオリバーストーンと並び、この国が持っていた自浄作用の復活を殆どの作品に織り込んでいる。今回はデカプリオがフーバーを演じるが、感想はまたここで触れるとして、性悪説社会の不完性を、その時々の国益に利用してきた米国のシステムの象徴としてフーバーを観るのが好いだろう。そして日本人もこの様な映画を参考にする事で、己の潔癖性で米国を測ることの間違いに早く気づく事を願う・・。





2011年11月24日木曜日

ホッティスト コモデイティー

写真は cd-navi.jpから引用




家電メーカーとしては凋落するソニー。米国の消費者は厳しい。サムスンと比べ、嘗てのブランド力がない同社を、最近こちらでは「エロクトロ二クス界のギリシャ 」とまで言う人がいる。

だが映画・ミュージックのエンターテイメント企業としてのソニーはまだ輝いている。その証拠が同社が一大プロモーションをかけているテイラースイフト。ズバリ、彼女は米国内でホッテイスト コモディティーの様相になってきた。

レデイーガガよりも若い。16歳でデビューし、グラミー賞も取った。何より全米受けするカントリーが強みだ。

あまり意味はないが、中年日本人男性の主観では、レデイーガガはまだマドンナの絶頂期に並んだかどうかのレベル。一方テイラースイフトは新しい「商品」の印象。

丁度マイケルジャクソンンが絶頂期を過ぎたころ米国に来た。それからの米国内のエンターテイメントでは、米国人スターは小粒で、英国人超大物スターの後塵を拝している印象だった。

もし彼女が米国の心である「カントリー」でマドンナやレデイーガガを超える事ができれば、彼女は米国内で、プレスリー、マイケルジャクソンに次ぐ社会現象になるかも。

まあそれまでソニーが頑張れるかどうか
・・









2011年11月19日土曜日

米国のTPP (真マネー原理プロから)

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今日のNHK特集で、冒頭、榊原英資氏に、「慌ててTPPに参加したのは大間違い、民主党の命取りになる」とまで言われてしまった政権。一方(TPP賛成派)田中均氏もそれなりの経験者のはずだが、市場を通した外交が相場とおなじ勝負だと考える榊原氏と、外交は性善説を前提にした制度づくりだと考える田中氏の差がでていて面白かった。

ここ数日注目してみたが、ニューヨークタイムス、ワシントンポスト、はオバマのアジア訪問の記事の中でTPPを殊更とり上げなかった。一方エコノミスト誌は「米国では誰も知らない」と注釈を付けた上で、日本がここまでTPPに振り回されている事を触れ、一方で日本人の唖然とする話も示唆。同誌は、今TPPを米国議会にかけた場合、民主党議員の反対で、TPPは米国で成立するかどうかは分からない話だと言っている・・。(個人的にはそれは神の助けと考えるが)

まあ古川議員の理想「日本が米中の間に入ってリーダーシップをとる」いうことが実現可能かどうか。財務相出身の榊原氏は、市場を通してその可能性がゼロに近いと感じ、外務省出身の田中均氏は、過去の「日米交渉」で、日本は言われている程損をしたのかと反論。個人的な答えとしては、野田政権が、オバマ政権がTPPで本当に狙っているのが何かを知って対処することを願うだけだ。


そこで、許可をもらって今日は11月13日の日産センチュリー証券のコメントを一部抜粋した 。日頃ここでは書かない重要な相場へのヒントは、同社に口座を開けば読めます。

「抜粋」

  ここで、日本でここまで白熱したTPPについて、米国の反応を紹介します。まず今の米国でTPPという言葉を聞くことは殆どありません。先週は国際ニュースに精通する金融市場関係者にも聞いてみました。20人以上に「TPPという言葉を聞いた事があるか?」と尋ねました。全員がNOでした。これが米国におけるTPPの実態です。

 次に、TPPに関する日本での議論の矛盾点を触れます。まず米国のGDPの大きさを理由に交渉参加の議論をするの正しいとは思えません。理由は、米国のGDPの内訳をみると76.6%はサービス産業であり、22.2%が第二次産業、そして日本が恐れる農産物は1.2%です。(CIA)
 
 つまり、米国は輸出入ではGDPの8割を占める消費が輸入を促進する立場にあります。では1.2%の農産物の輸出を拡大するために更に貿易赤字が膨らむ可能性があるTPPに米国が固執する必要があるのでしょうか。答えはオバマ政権は最初はその気はなかった。だが中国の勢いと日本での議論の沸騰をみて、ここにきて方針を変えたというのが筆者の感想です。

ではもう一度に基本を確認しましょう。そもそもTPPを言いだしたのは、オバマ政権ではなくブッシュ政権です。米国には自由貿易協定の前例としてNAFTA(北米自由協定)がありますが、このNAFTAも成立したのはクリントン政権ですが、始まりは共和党のレーガン政権でした。

 このように、米国で自由貿易を主張するのはいつも共和党です。一方、労働組合を支持団体に抱える民主党は、安い労働力によって仕事を奪われることを嫌います。したがって保護主義政策が基本です。その証拠に経済が好調だったクリントン政権は今も国民に人気がありますが、NAFTAへの参加は今もって不評です。

 日本では反対派議員がNAFTAでメキシコ農業は壊滅的なを打撃を受けたと言っていました。でも物品によってはNAFTAで米国が被害を受けた物もあります。(馬牧場など)そして一番のデメリットは工場が安い労働力のメキシコに移ってしまったことです。このツケは、2000年の大統領選挙でゴアがブッシュに敗北した理由の一つとして後から民主党を襲いました。
 
 こんなこともあり、オバマと予備選を争っていたヒラリーは、討論会でNAFUTAについて聞かれ際に、「夫はサインしたが、私(ヒラリー)はNAFTAに反対だった」と言っています。

 これでお分かりいただけたでしょう。米国でTPPが注目されない理由は二つあります。まず困窮する国民の関心は他にあること。そして自由貿易協定は再選を控えるオバマ政権にとって両刃の剣になることです。だとすると、農家VS輸出企業の構図の日本のTPP議論はどこか的外れだと思いませんか。もし米国が今の段階でTPPに本気なら、余程のメリット(相手にとって不平等)が潜むと観るべきです。それよりも、今は中国へ輸出が米国を上回っている状態の輸出企業は、中国を怒らせて大丈夫でしょうか。

 一方米政権はシカゴ大学のラジャン博士の提唱する輸出回帰策を念頭に置いています。ただ雇用にそれほど貢献せず、何よりもインフレや食糧危機が叫ばれる中、GDPの1.2%の農産物の輸出を増やすより、(共和党支持者の農家を喜ばすだけ)米国内の雇用が守れる自動車などの輸出を念頭にしているのは常識です。

 ただここまで白熱した日本のTPP議論をみて、米政権は新たな警戒感を持ったと思います。どうやら議論はトンチンカンなのですが、途中から議論が親米と反米の様相になり、予想以上に「米国の言いなり」という表現が出てきたことには危惧しているでしょう。

<米国の関心は日本>

 こんな時米国は安易に日本に歩み寄る事はしません。寧ろ日本に対して威圧的になり、恐れた日本が折れてしまう事を狙うはずです。ここは筆者がいつも引き合いに出すポーカーをする国(欧米)としない国(日本)の悲しさ。日本人は博打好きですが、ポーカーの経験は圧倒的に不足しています。こんな時はぜひケネデイーの言葉を思い出してください。

 ところで、オリンパス事件に端を発した日本市場でも、実はこの様な揺さぶりが始まろうとしている気配を感じます。 先に結論をいうと、日本が自虐的な株安に陥り、その結果アリのように資金を債券(米国債)に向ける事を米国は歓迎するでしょう。もしかしたら安くなった日本企業も米国は狙っているかもしれません。ただこの円高の中なら、敢えてそんな事はせずともTPPを使えば日本の知的財産は米国にもアクセスが可能です。寧ろ日本の株安を狙っているのは中国でしょう。TPPに関係なく、今の中国には日本(日本の水資源や企業)を買収する力があります。

 来週以降はこの辺りを相場と絡めてお話したいと思います。ただその前に、今日本が置かれている世界情勢を個人投資家の皆様も自分で考えてみてください。政府やマスコミ主導の議論を眺めるだけではダメです。その昔、ポーランドが敵対する超大国の独ソの間でどんな運命になったか。不幸にも、万が一日本が同じ運命になるとしても、米中の狭間でTPPに臨む日本をどう見るかは、投資家にとっての戒めになると同時に生き残りのヒントにもなるでしょう。         抜粋終わり




       
                                       

2011年11月16日水曜日

国益の正体、(マネー原理プロから)


リーマンショックのころ、米国の財務長官だったのはゴールドマンサックス会長から抜擢されたポールソン。彼はブッシュ政権が残り2年になったところで財務長官になった。

クリントン政権の財務長官でゴールドマンでは先輩だったルービンのようになる?。でも残りの任期は2年。わざわざGSの会長を辞める価値があるのかと思った。その時ささやかれたのが民間から公務員になった人の特例。立場上彼はGS株を売る事になったが、数百億円になった売却益には税金がかからなかった。

そして財務長官になったポールソンがやっていたのはサーベイ&オックスレイと言われた法案を廃止するようにあっちこっちで働きかけることだった。理由は、その法案(規制)のせいで、米国の競争力が殺がれているということだった。彼の熱心な活動はベアスターンが崩壊する少し前まで続いた。

こうみるとポールソンは運がいい人だ。ゴールドマンが上場する前に会長だったルービンやコーザインは彼ほどの自社株利益を手にしていない。ただポールソンの運がよかったのは金の話ではない。彼の運は彼が財務長官だった時にリーマンショックが起こった事。ここで彼はヒーローになった。

だがもしリーマンショックがもう少し後で起こったとしよう。リーマンショック後、学者は銀行証券の垣根を分けたグラススチーガルを廃案したクリントンやグリーンスパンを非難した。ならば、もしポールソンが膨大な投資家の損害の上に成立した企業統治・規制強化の法案を僅か数年で廃止することに成功し、その後でリーマンショックが起きていたら、彼はヒーローではなく愚かな長官として歴史に刻まれたかもしれない。

今米国では同法案を廃案にする声はない。人の運命とは僅かの差で決まる。ポールソンとMFグローバルを潰してしまったコーザイン。運命の差は宇宙の支配者とまで言われたゴールドマンでも起こった。そして日本でもサーベイ&オックスレイ法の話が出た。NHKクローズアップ現代で、オリンパス事件の再発を防ぐためにはどうすべきかという問いに対し、エンロン事件を受けて米国では「立派な法案」ができたと、ゲストの弁護士が答えていた。だが、人間の変わらぬ性の前に、法案を過信するのは意味がない・・。

ところで、リーマンショック後に成立したドットフランク法、ボルカールールなどを具体的に決めていく役所のCFTCの予算が30%以上削られることになった。レーガン以降の規制緩和の中、金融資本市場の管轄当局のCFTCやSECの慢性的な予算不足と人員不足は明らかだった。そこにリーマンショック。議員は次々に規制強化の法案を決めたが、法案を具体化し執行していくのは彼らである。その役所の予算が3割も削られるのは冗談に等しい話だ。

つまり、今の米国は他国にはいろいろ口を出すが、実態はこういう国である。そして昨日話題になったバフェットのIBM株の購入に関しても、SECはバフェットに特別ルールを与えていた事が分かった。

SECの特別ルール(F13 条項)は、株主利益や国益を毀損する可能性があるとSECが判断した場合、投資家としての企業(この場合バフェット)は株買い占めの公表時期をずらしてもいいというルールである。SECはバフェットにこの特別ルールの適用を許した。(TOO BIG TO FAILのラスコーキンが今日のNYTで紹介)

一方今日は米国の国会議員のバランスシートが紹介された。リッチな議員の代表は大統領候補だったケリー(200億円)や、事業で成功したアイサ氏等(300億円)。そしてその国会議員の多くがインサイダー情報で株を買っている実態を60ミニッツ(報道番組)が報道した。(これは株の下げ要因になる可能性あり)

「インサイダー疑惑が判明した議員を全員を刑務所に送る」と公言しているペリー候補。彼の巻返しがあるか興味深いが、究極は現下院銀行委員長のバッカス氏が、リーマンショック前にS&PのウルトラショートのETFを70ドルで購入し、TARP法案の成立前に130ドル売り抜けていた事だろう。今日はウォール街に対する若者の抗議活動が一斉に排除されたが、これでは米国のメキシコ化の流れは誰も変えることはできない。だがそれがこの国益と決まったならそれはそれでよし。その時は添付のチャートが上に突き抜けているはずだ。

その昔日本では興銀と都銀連合更に野村と4大証券が大蔵省と組んで日本市場を管理していた。その後、クリントン政権に「株式市場を管理したりマニピュレートするのは悪い」と言われた。日本は慌てて米国流に合わせた。だがその後日本市場はどうなったか。そしてその間に米国自身は何をしていたか・・。TPPが始まったなら、日本はオリンパスだけで自虐的になっている場合ではない・・。


2011年11月12日土曜日

条約には悪役をつかわすべし

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ダン野村氏 写真はニュース30ドットコムから引用


オリンパスの一件をつたえるNHKのニュース。NHKは複数の元大手証券関係者が関連という表現にとどめた。彼等がどこの証券会社出身かここでは触れたが、NHKがあえて名前を出さなかったのは国益を考えると当然の配慮だ。

オバマ政権は、庶民の敵になったゴールドマンを会社組織としてはフォローしている。一例をあげると、表向きの金融危機はとっくに終わっているが、いまだにゴールドマンとモルガンスタンレーには緊急処置だった銀行免許を与えたままである。

WSJによると、彼等は「この特権」を抱えたまま、銀行にだけゆるされる「ヒストリカル会計」を検討しているという。あの給料の彼らが普通の銀行になることはない。ならば銀行の特権で証券をやるのか。

米国は遅々としてすすまない規制強化の裏で、国内の証券会社には「時価会計でなくもいいよ」と言っているのに等しい。オリンパスを材料に、日本に向かっては透明性を主張している米国を観いると、今のアメリカとはこういう国であることをなぜ日本は国民に知らせないのか。(それが当然で全く批判する気はないが、)

ところで、考えてみると「江川」という(悪?)キャラは、日本のまったりとした組織社会においては貴重な存在。往年の日米関係の様だった渡辺氏と読売という組織において、「江川」というキャラの存在が今回稀な反逆現象を生んだ。ならば日米関係はどうか。

そもそも日本が欠けているのはアメリカの総合力とトレンドを客観的にみる能力。その能力なしに、TPPは米中の二社択一の問題ではないといっているとしたら、あまりにも無責任。中国が対抗処置にでた場合の影響と、TPPのプラスの効果との比較をもっと国民に説明するべきだろう。

結局、「国益を考える」ということは、死に物狂いで世界情勢を自分で分析し、パワーシフトに対してBETする以外に何物でもない。加えて日本のような民主国家では、国民に時代の変化と真のリスクが何かを教えてく勇気が政治トメディアは必要だ。

しかし、アメリカの普遍性に対して疑問を持たない人、あるいはそれ以外想像力がない人あのいう熟慮とは、政治プロセスの落とし所を熟慮しているという意味でしかない。野田さんの熟慮にも、何と何をくらべてどうBETしたかという基本姿勢は感じられない。

そして最大の問題は相場観。衰えを隠すためより老獪になっていくアメリカと、健全な資本主義社会の実現に向かい世界を牽引したころのアメリカとの違いを整理せずに日米外交があるとするなら、戦略性が見えないのは当然(日本の米国論は大昔の米国の専門家か、そうでなければ陰謀説派がネットで妄想を語るのみ)。その場合日本は神頼みでいくしかない。

そういえば、今米国が狙っているのはNYTで特集となったダルビッシュ。ヤンキース レンジャースなど6球団が狙っているという。そして特集では日米関係では稀な米国にとっての不平等条約が取り上げられていた。それはプロ野球のポスティング条約。日米間この約束は、何と1967年に成立した古いものらしい。

日米の野球が今ほどクロースでなかった頃にできたルールでは、80年以降膨大なマネーの象徴になったメージャーリーグのBIDはどうしてもOVER BOUGHTになる傾向にあり、イチロー以外、「米国は日本に対して損をしている・・」というのである。そしてそのDEALの殆どダン野村氏が絡んでいることも触れていた。なら米国にとって彼は悪役。 野田総理はTPP交渉にダン野村氏を連れていくべし・・。





2011年11月9日水曜日

自虐自滅の罠   (真マネー原理プロから)

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こちらではオリンパスの話も少しだけ取り上げられた。先週ニューヨークタイムス紙が触れたように、「日本は変わっていない」という視点。その通りだが、これで日本の企業統治のレベルを過剰に反応すべきではない。米国も金融危機前後の企業統治のモラルは相当酷い。にもかかわらず、NHKをはじめ、メディアが日本だけが飛びぬけておかしいような報道をするのは完全に間違っている。そのような人には、去年アカデミー賞をとった「インサイドジョブ」を観ること勧める。多くの日本人は、腰を抜かすだろう・・。


ただ米国は金融危機後も株価至上主義を徹底している点にブレがない。ここが戦略性だ。途中のモラルより、これ以上経済を悪化させない結果主義をから政権も中央銀行も議会も動く。ただモラルよりも数字を優先するこの手法が今後も続けられるかどうか。それはデモをみながら神の判断に任せるとして、日本が一方的に自虐的に株を押し下げると彼らの餌食となる。(買収などで技術の流出)

そしてオリンパスで思い出すのは日興証券。日興は2007年に不祥事で混乱、大株主のCITIに助けを求めた。ただその頃CITIはサブプライムが表面化し自身の浸水が始まっていた。だがCITIを冷静に判断する余裕は日興にはなかった。日興はCITIに完全身売りする道を選び、仕手化した日興株は1700円前後まで上がった。かなり割高だったが、CITIは買収資金を邦銀から簡単に調達した。そしてしばらくしてCITIは沈没した。

その後オバマ政権から救済されたCITIは日興を5000億超で邦銀に売却。CITIは株主となった米国の納税者向に、日興のDEALの効果は7000億あったと説明した。この数字は疑問だが、CITIに買収資金を提供しなければ、邦銀はもっと安く日興を買えただろう。このコストは邦銀を通して日本国民が背負う。それが金融という仕組みである。

この時両社のOBとして感じたのは、日興とCITIは日米関係の縮図だった事。そして日本が「自虐自滅」を続けるなら、オリンパスやTPPも同じ運命かもしれない。特にオリンパスは貴重な技術を持つ会社だけにもっと米国は真剣になるだろう。

ところで、世界がイタリアを心配する中、ベルルスコーニ氏は倹約を誓う一方でこんなことも言っていた。「皆さん、イタリアに来てみてください。レストランは人であふれ、みんな幸せそうです。こんな国が危機であるはずがないでしょう・・。」

管元総理の図々しさと、レーガン大統領の陽気さを使い分けるこの老獪さ。欧州はメルコジだけではつまらない。このキャラを失うのは惜しい。

そういえばニューヨーク証券取引所にはイタリア系が多いが、日本も株式市場を世界に向かって開いているなら、自虐自滅するよりこのキャラが必要である。さもなくば、株式市場を昔のように鎖国した方がまだ非金融がマジョリティの純粋日本人には幸せだろう。

ただ、その昔、東証がまだ鎖国状態だった頃、バブルのエネルギーでブラックマンディ後の世界の株を救済したとさせる野村がここまでズタズタではダメか。いずれにしても、日本人の儒教マインドが変わらず、その上で株式市場が中途半端に開いているのは囲いのない羊の群れと同じ。それをこの国から何度も眺めるのは辛いものがある・・。




2011年11月8日火曜日

ジプシーは救国しない

http://www.gfmag.com/tools/global-database/economic-data/10396-household-saving-rates.html#axzz1d3HnKtj9

ヨーロッパの喧騒の中、実は地中海諸国は今も昔も貯蓄率は高い。恐らく、彼等は国家をというものがいかに流動的で信頼できないか、そのリスクを受け継いでいるのだろう。つまり現状の国家では、騒ぐだけ騒ぎ、わがままを言い、他国が助けてくれるならそれもよし。だが最後は自分で自分を守る。

ジプシーはヨーロッパで生活する移動民族だが、もともとはエジプトから来た人という意味があるらしい。ならば貯蓄は金貨か銀貨になり、甕に入れて地中海のどこかに隠してあるのかもしれない。

一方日本はどうだ。添付のチャートからは近年の日本の貯蓄率の低さは不気味。一昔前は極東の貯蓄率の高さは有名だった。ところが今は韓国も同じ傾向。これは米国の支配が強まる両国で、貧富の差が広がり、全体は貯金ができない状況が生まれているのだろうか。(誰か教えてほしい)

ただ貧しかった国内に居場所がなく、米国に渡った韓国人は強い。逆にこれまでは豊かだった日本から米国に着た日本人の多くは駐在員。比較にならない。

もともと日本と韓国は自殺が多い。では国家が破たんするといわれる地中海で自殺者が少ない現状をどうかんがえるべきか。牛に投資した人が7万人もいた日本。貧しさの入り口に立つ日本の大問題が一つ増えた。

いずれにしても、国家の枠組みを信頼しすぎると、自分自身が危ない時代が直ぐそこまで来ている可能性を感じる。TPPなど序の口。いよいよ羊の国にも覚悟が必要である・・。

2011年11月4日金曜日

会議は踊る(マネー原理プロから)

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名作「会議は踊る」は、ナポレオン失脚後のウイーン会議で、会議に出席したオーストリー侯爵の「会議は踊る、されど進まず」(Le congrès danse beaucoup, mais il ne marche pas.)から借りているとされる(WIKIPEDIA)。 そんな中でこんな面白い漫画があった。やはり歴史は繰り返す。(英語だが必見)

http://www.xtranormal.com/watch/12611732/the-european-bailout-explained

一方米株は、メレデイスウイットニーが噂の出たジェフリーの弁護に回り、今同社株は前日比プラス圏(瞬間20%の下げ)。モルスタで同じ噂が出た時よりも現実味があるのは、世の中が2極化する中、中途半端な存在が一番狙われる現代の側面を相場は感じているからだろう。

ただ今のところはこの喧騒もダンスらしい。先程CNBCで、ヘッジファンドのマネージャーが、今の欧州はヨーロピアン デットクライシス ダンスの状態と表現していた。続けていくと、次は伊仏だろうが、米国もいずれカブキダンス2が待っているわりには随分と余裕を感じる。

過剰流動性の中、これが今のこの国の運用者の本音?として、本当の恐怖は音楽が止まった時から。その時は、添付リンクのように、米国も欧州も、エイリアンに来てもらうしかない。(米国に関しては、クルグマンがエイリアンの襲来しか救う道がないと表現)



2011年11月2日水曜日

soul searching (魂を探して・・)


今日のニューヨークタイムスには日本の記事が二つある。一つはオリンパスの騒ぎ。記事は、90年代初頭にマイケルクレイトンが「ライジングサン」でその異質性を取り上げたの頃から、日本は全く変わっていないことを指摘。

そしてもう一つは、ガリバー野村の戦略が軌道にのらない経済記事。こちらの内容は濃い、またジャーナリズムの視点だ。タイトルは「SOUL SEARCHING (魂を探して)」。この辺りのタイトルのつけかたではこの新聞は突出してる。この新聞にこんな記事を書かれると、今の日本の指導者ではまた迷うだろう。下手をするとこの記事を材料にTPPの交渉にのるが正しいと焦るだろう。

そもそも2000年の歴史がある日本が、若造のアメリカにこんなことを言われてどうする。戦争に負け、その後の復興をすべて米国に頼った心のツケは大きいが、それで焦って他人の相撲をとるのはバカ。見切られれているので、このままではTPPに交渉にのってもすでに勝負あり。

では、日本人の魂とはなんだ。この大命題は災害で再確認されたはず。歴史を重視すると言ったはずの野田総理がここでどうするのか。このままアメリカの後をおい、日本もメキシコを目指すのかどうか。彼の真贋が決まるだろう。

ちなみに 添付のOECDの資料は、先進国のメキシコ化競争において日本が十分危ない位置である事を示している。カルロススリムがいても、経済の数字がそこそこあっても、メキシコにはアジアやアフリカのような未来は感じない。今日本は瀬戸際である。



2011年11月1日火曜日

アメリカの壮大な実験

< DON’T WORRY  BE HAPPY  1988年、Bobby McFerrin >



http://www.youtube.com/watch?v=d-diB65scQU



(この曲を知らない人は必見)