2015年4月27日月曜日

冷戦後の自業自得 (グローバルスタンダードのジレンマ)

・・・・・・それはそれとして、そろそろギリシャの債務から、カリフォルニアの水不足にも注目してほしい。欧州の政治でギリシャは重要。でもギリシャ経済は25兆円。一方このままでは、農業などの経済活動に深刻な影響が予想されるカリフォルニア経済は250兆円・・。

そんななか米国の保守を代表する傑の一人、カーリー・フィオリーナは(HPの元CEO)、80年代、リベラルが自然を守る、魚を守る・・などの抗議運動で、ダム建設などをことごとく阻んできたことが、今の水不足に繋がっているとしている。

(彼女はジェブに不都合があった場合、ヒラリーとの女性の頂上決戦では有力。或いはジェブの副大統領候補としても・・)

http://www.washingtonpost.com/blogs/fact-checker/wp/2015/04/21/carly-fiorinas-claim-that-californias-drought-is-a-man-made-disaster/?wpisrc=nl_headlines&wpmm=1

この記事を読みながら、先週NHKで、日本で地熱発電が注目された際、地熱発電は(国立公園などにまたがり)広大な用地を伐採するので自然破壊に繋がるという反対(原発推進派?)で、ブームにならなかったと報道していたことを思い出した。

原発が自然を破壊を起こすのは福島で確認済み。そんなことは当時でも想像できたはずだが、答えが一つではない論争を決めるが政治。その政治を動かすのがビジネス。つまり金。個人的にそこに異を唱えるつもりはない。

ただ市場を見る立場として、覇権国家アメリカの保守とリベラルの意見の違いが、グリッドロックを呼び、それが結果的に世界の株式を押し上げてきたこは見逃せない。

FEDはQEは止めた。でもまだハト派ががんばって保守派が要求する利上げを阻止してる。囲むのは、FEDがやったならということで、欧州や日本の中央銀行が追随した事実。これが今の市場の答えだ。

でも気がつけば世界の景色は変わった。下げるための政策金利がまだある中国と、基軸通貨国家、単一支配国家なのに、下げる金利がないアメリカ。ならもし今世界の株式市場が暴落した場合、市場はアメリカより中国当局に期待するしかないではないか。

30年前、ブラックマンデイ後の株式市場を救ったのは日本だった。(というより、ノムラだった)

でもそれで有頂天になったと思う。(その時代を知っている立場として)当事の日本は、アメリカがその後グローバルスタンダードを押し付けてくることに無防備だった。

日本の経過を見た中国。中国は完全なアメリカ型には乗らず、都合よく利用すればよい。矛盾は強引に蓋をする。民主主義国家だと難しいが、中国なら可能だ。

中間層が減ったアメリカと清濁を併せ呑みながら進む中国。どちらが有利か、ここでは情緒的な感覚を抜きの先見性を訴えた。欧州はバランスを取り始めたと思う(勿論中国にコミットしたわけではない)。

そんな中、再び米国の共和党と接近した感の安倍ジャパン。ならその共和党に今度こそ裏切られないようにしてもらいたい。戦前は人種問題でクーリッジに裏切られ、戦後は対中でニクソンに裏切られた。

いずれにしても、単一覇権国家のアメリカで保守(タカ派)とリベラル(ハト派)の争いに決着が着かず、現状が続けば中国が優位になると思う。

理由は前述の通り、アメリカには下がる金利がない。これは冷戦後、アメリカが自ら敷いたグローバルスタンダードではジレンマ。

レーガン後の平和、アメリカの単独支配では、中央銀行のマネタリスト達が、実質と名目の金利差、成長力、インフレなどで金利を調整してきた。

しかしリーマン後、先進国はどこも金利が無くなってしまった。でもそのグローバルスタンダードでは、消費力のある国が政治でもレバレッジを持つ。

米国の保守派は、経済おけるブーム&バーストは、その後に悲惨な戦争などを起こしたとしても、新しい理論や技術革新をもたらし、それがアメリカの覇権確立の原動力になったと考える。

もしアメリカが覇権を維持したいなら、どこかで中国をディレイル(脱線)させる必要がある。でもどうやって?。アメリカが圧倒的に優位な部分は軍事力。

オバマ本人や大陸欧州は、最早アメリカの単一覇権維持に実質的なメリットを感じていない。でも米国の保守派はそんな事態は許さない。なら中国とアメリカ、本当はどちらが戦争を必要としているか。中国脅威論の裏も面白い。

保守が勝てば、死ぬべき人は死に、人口や秩序は保たれるかもしれない。逆に優しいリベラルが勝てば、彼らが恐れる環境悪化の原因となるガスは増えるのではないか。

どっちもどっちとして、消費型現代人が金利政策のグリッドロックを楽しむのもいいが、環境政策ではグリッドを止め、実際の行動しないと地球が怒リ出す予感・・






2015年4月20日月曜日

35歳と72歳のハリソン フォード

            
           
            
           
          35歳と72歳のハリソンフォード(WIKIから引用)


                  いまだ話題のソプラノスのラスト
             https://www.youtube.com/watch?v=rnT7nYbCSvM       

       そのエンデイング。トニーが選んだ名曲は、戦後のアメリカが一番苦しかった
       81年ごろの名曲。ジャーニーの「Don't Stop Believin」
       でも曲が最高潮のDon't Stop・・を迎えたところで真っ暗に・・

       この時代に学生、そしてレーガン後のアメリカの時代を演出したクリントン夫妻。
       2008年のヒラリーの大統領選挙への挑戦でこのシーンを使ったのにはその意図が。

         


キューブリックの2001年の宇宙の旅、あるいはHBOのソプラノスのラストシーン。普通にみればすっきりしない。それまでのスートリーを前提に、人間社会の未来への警告として考え納得するしかない。

米国ではソプラノスの最後、トニーが死んだのかどうかが8年たってもいまだ議論になっている。このドラマは、リベラル世代の現代劇としては突出していた。個人的にも、トニーが死んでしまうのは寂しい。でも同じシナリオライターは、Board walk empire では、史実を曲げ、あえて主人公に市場原理を適用した。(kill by bullet, killed by bullet)

社会がどんどんリベラル化し、プリンシパルが無くなってしまったらどうなる。アメリカでは多くの州で同性愛が正式な結婚と認められ、大麻が合法化され、都会では素人が運転するUBERが、タクシーを駆逐し始めた。

そもそもここでいう社会のプリンスパルとは、都合によって変えられる法律ではない。軸の時代に特定の人が残した宗教でもない。もっと漠然とした生物の掟、社会の掟、大げさだが、宇宙の掟のようなものだ

ならばその中で、それまでの「悪」が、リベラル化した社会でどこまで許されるのか。2年前にトニー役のガンドルフィーニが死んでしまい、ソプラノスの続編はイメージできない。まあそれでいいのだろう。

一方で世界をみると、数十年で、リベラルから一番遠いイスラム人口が世界を席巻するらしい。
でもこの歳なって、ISISに行くつもりはない。むしろそろそろミシガン湖に面したウイスコンシンかミシガンあたりで、(イリノイは水が汚い)、自分が生きていくために必要なモノをつくり(最小限の経済活動に参加)、金融を外から眺めたい気分だ。

巷はマネーの大海に埋没している。今はその恩恵に預かっている人、そうでない人がいる(少なくとも本人はそう考えている)。いずれ「必要」が「贅沢」より高価になり、その時にそれなりの混乱があるはず。一方で、日本が掲げる水素社会、アメリカが宇宙へ再び本気になったことには胸躍る。

その意味で、このタイミングでスターウオーズのシリーズ1のおじいさん連中を復活させたあたり、
アメリカはさすが。第一作時に35歳だったハリソンフォードは73歳での復活。先月奇跡的に飛行機事故を生き残ったのは、どこか不思議な力を感じる。(ガンドルフィーニが心臓麻痺で亡くなったとの対照的)

巷がマネー大海に覆われたのは、戦後の80年周期の最後に起こった消費経済のモデルの限界に直面したからだ。だが平時としては最後の手段のQEで支えられた株式市場も、どこも目標達成感が漂う。ただ苦し紛れのQEの顛末は、この程度のボラではないだろう。市場プレーヤーは、ブルーンバーグが使えないぐらいで騒でいる場合ではない。

そうはいっても、本来インカムゲインが本質の債券が、マイナス金利の世界でのキャピタルゲインでの勝負になっているのだから、アサインメントでそのゲームに埋没せざるをえない人は大変だ。ただ第三者的に観れば、この現象が、その時(This is IT)は必ず来ることを示唆している。

一方で昨今のボラは、本震の前の余震まではいっていない。南海泡沫以来の中央銀行バブルはいずれ崩壊する。でも本震はもうすこしすこし先の予感。おそらくリベラル化で甘やかされた社会(ソプラノスの世代)不満が、プリントマネーでは解決できないことを悟った時に突然起こる。

そのときに必要になるが科学の力。若い人は、そろそろ科学に参加しよう・・


1969年  人類初の月面着陸 
1969年  ウッドストックでのカウンターカルチャーのはじまり(リベラル化のはじまり?) 

1972年  アポロ号による月面着陸の終わり。

1977年  スターウオーズ 未知との遭遇などの封切 ハリソンフォード 35歳 
     
1980年代 レーガンによる冷戦勝利(調印はブッシュになって)
     サプライサイダー+マネタリストの隆盛(中央銀行時代)

(ピーターシールの言う アメリカの科学の一旦の終焉、テクノロジーのデジタル消費文化へ傾斜。金融市場参加者のほとんどが、この時代以降の経験しかない・・)


1990年代 クリントン アメリカンドリームの絶頂期、(執務室での大統領の破廉恥な不倫OK)

2000年代 デジタル消費文化隆盛(グーグル フェイスブック そしてUBERへ)

2010年代 中央銀行のQE時代

2015年  米国では火星への移住計画が公式に復活、     


73歳のハリソンフォードが、再びハン・ソロ

2015年4月16日木曜日

春の新人証券マンの研修 <マネー原理プロから>

            
              スクールスマートへの怒り?


・・・・・・そんな中ドラギノ会見に飛び込んできた女性。どことなく、ジャーマンレッドアーミーのMeinhof ににている。(http://en.wikipedia.org/wiki/Ulrike_Meinhof)



ところで、社会人になった年の今頃(4月中旬)、入社した証券会社が、新人研修で招いたのが、前年に社会人を破って京大フットボールを日本一に導いた水野さんだった。

今も強烈な印象なのが、水野さんが日頃選手(学生)に言っているとした言葉。「君たちは考えてくれるな」、「考えるのは私の仕事」、「でも京大生に考えるなというのは、本当に難しいんです・・」 

この発言は、戦略を練るコーチからみた、アメフトというスポーツの本質だと思うこの延長?で鍛えられたNFLの選手の6人に一人が、引退後、何十億と稼いだ収入の管理に失敗して破産する現状。その多くは、QBではなく、ラインなど、猪突猛進が求められた選手なのは無関係だろうか。

アメフトの脳障害の危険性は、子供を守る観点でも今のアメリカでは社会問題。そんななかで民主党上院トップの座を引退するハリー・リードが、「もし禁止するなら、ボクシングでなくアメフト」といったのは、リベラルの立場からみて、アメフトがアメリカ社会のピラミッドを最も代弁しているからだろう。

今のアメリカには、決まったはずの2022年のワールドカップの開催地を、強引にカタールからアメリカに変更させ、もっとサッカーを広めようとするビルクリントンと、(もちろん本人というよりは取り巻きのビジネス)

ワールドカップのアメリカ対ベルギーの最中に、「アメリカがサッカー国家になったら、この国は滅ぶ・・」と警告するコテコテの共和党女のアン・コルターがいる

どちらの勢力が勝つのか興味深いが、振り返ると、若い証券マンに水野さんはぴったりのゲストだったと思う。

この歳になり、金利や先物もからめ、世の中や相場を斜に構えて観るのが仕事になったが、若い証券マンは、考えるよりも、やはり猪突猛進したほうがいいと思う。

結果として、ブーム&バーストの駒になるだけかもしれないが、それは彼らの責任ではない。むしろ世界の歴史では、社会の鼓動と新陳代謝に貢献している。

そういえば安倍さんの社会人としての第一歩は証券マンだったはず。なら安倍さんの時代にもういちどブーム&バーストがあっても、未来から振り返る歴史では、この時代の日本で、安倍さんは重要な役割を果たしたということになるのだろう。

ただ日本の土壌では証券マンの過去を隠さなければならいないなら、もちろんスクールスマートであり、ストリートスマートでもある証券マン(GSなど)が堂々と国策を練る今のアメリカをついづいするのは、どこか無理矛盾がある・・



2015年4月13日月曜日

BUDDY・BUDDY(兄弟仁義の関係)の興醒め

         
http://www.washingtonpost.com/blogs/worldviews/wp/2015/04/07/britains-prime-minister-ate-a-hot-dog-with-a-knife-and-fork-and-its-a-problem/?wpisrc=nl_headlines&wpmm=1



アメリカではゲームオブソローンズの最新シリーズが始まった。残りニ回のシリーズ?で、どんな結末になるのか気になるところだ。

このドラマは、ある程度の歴史にファンタジーをまじえ、映画並みの予算を組んで、視聴率では大成功を収めた。

原作は、1400年代のランカスター家 (ラニスター)とヨーク家(スターク)の対立の薔薇戦争が舞台だとされる。

でも「7王国」であれば、ブリテン島からローマが去り、その後に7つのアングロサクソンの王国が乱立したころの英国の方がふさわしい。

その9世紀のブリテン島でアングロサクソンの対立を制したとされるのが、WESSEXのキング・エグバート。彼の老獪さは、同じHBOの「Viking」でいかんなく発揮されている。

彼の描き方で、アメリカ人が考える「英国のずるさ」がうかがえるが、先週のWポストに、ホットドックをナイフとフォークで食べるキャメロン首相の姿があった。

こんな写真まで選挙に使われるのは気の毒だが、エリート貴族の国のイギリスにおいても、庶民感情が国政を左右する時代なのだろう。

そうなると、アメリカはいつまでも英国を100%の同盟国と観て入られない。国益の判断で英国民はアメリカよりも欧州との関係(その先には中国)を考慮するかもしれない。

それに比べれば日本の親米主義は磐石。今の日米関係は奇妙な接近の真っ只中だが、米国のリベラル系の若者は、SUSHI・RAMEN・マンガ・ゲームを通し、日本の文化に惹かれている。

彼らからすれば、その日本の首相が、米国議会で威勢のいいことを言うのを聞く必要はない。
共和党と自民党が日米関係をいまだトップの「BUDDY-BUDDY」を前提にしているなら、寧ろ興醒めだろう・・







2015年4月4日土曜日

湛山がいない日本の未来






http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42761


参加国は打診の意図だろうが、

英国だけでなく、イスラエルもは、

安倍さんにもそれなりに衝撃だろう。

まあ今頃こんなこといってもしかたがない。

ただ目先一つすっきりするのは、

韓国はこれで若干サポートを失うことだろうか・・



この10年間、自分の子供達の時代、

日本がポーランドと同じ運命になる悪夢にうなされてきた。

アメリカはいざとなったら中国と戦うだろう。

そのときが自分のイメージより早まったかもしれない。

しかし昔のような破壊はありえないと願いたい。




アメリカからすれば、その準備としていろんなことはやっている。

TPPもしかり。もれてきた内容は、ISDSをどうするか。

https://wikileaks.org/tpp-investment/press.html


日本人だけの社会の性善説。本当にすばらしい。

バブル時代までの日本の接待費の対GDP比は、

米国の裁判費用の対GDP比と概ね同じだという。(ロバートフェルドマン氏のソロモン時代論文)

でも米国型資本主義では、技術や知識の「生みの親」は、

「育ての親」にはもたらす利益で勝てない。


ならば、いまだNHKで大岡越前をやっている日本が、

どうやって米国の利権と離れ、自分達でISDSに対応するのか。

法律の専門家でないだけに全くイメージが沸かない。

(世界史では法律という文章を、解釈でどう判断させるかが正義)



日本のマスコミを農産物交渉という単純な構図に集中させ、

国民の感心を核心であるISDSには向かわせない・・

米国は、日本の利権は自分達の利権であるという戦後のルールを

まだ失うつもりはない。



ある意味、米国内の対立軸を利用しながら、

上手くこの米国を自分達の混乱に利用してきた欧州。

特に老獪な英仏は時代の先をヘッジしている。

米国を知り(日本よりは)世界史の流れを、客観的に分析できる彼らの知恵・・。


いずれにしても、添付の記事が本当なら、

今の日本がどれほど美しくても、

未来を考えるべき使命を持った国家のエリートが(外務省など)、

巷の(親米嫌中)という感情だけの無知なネトウヨと、

自分の命が惜しいだけの軟弱リベラルと同じレベルであることが、

世界に発信されているだけ・・


これも米国の庇護の中での経済成長で、

(組織内での)アサインメント型人間が、

社会全体の90%を占めるようになったといわれる今の日本の宿命だろうか。



60年代、アメリカべったりの岸総理の後、

ニクソンという突然変異で中国に接近した米国。

日本はその事実に衝撃を受けながらも、

なんとが70年代の日中関係にこぎつけた。

ただそれは、対抗軸として、

湛山のような明治生まれの真の日本人が、

バランス感覚で水面下で中国との関係を維持していたからだと思う。



今は世間から馬鹿にされる鳩山さんはいる。

このブログでは、奇抜とされる鳩山さんの行動を、

どちらかというと前向きに評価している。

でも、「湛山」がいない・・