2014年1月30日木曜日

バーナンキと聖徳太子





今日はバーナンキ最後のFOMCだった。相変わらずアメリカの中央銀行を「FRB」という誤訳をする日本のメデイア。

FRB(Federal Reserve Board)とFED(Federal Rserve System)は違う。金利政策を決めるFOMCはFRBではない。FEDである。その事は他の先進国は間違えない。

日頃英文のマーケット記事を読む大手金融機関の日本人トレーダーも間違えない。間違えるのは日経新聞など日本のメデイア。これは、アメリカの構造を、米国=ワシントンと錯覚している象徴・・。

さて、バーナンキの本当の評価は後の歴史がするとして、少なくとも話題のビトコインに対し、昨年彼が議会に向けて提出したレポートは、彼の正直な個性をあらわしていた。驚くことに彼はビトコインを否定しなかった。

FED議長が自分を脅かすビトコインを完全否定せず、トレンドを承認したかのようなレポートを出したのは、聖徳太子が仏教を認めたようなものだと思う。

聖徳太子は自己否定になりかねない新しい教え(仏教)を容認し、それどころか仏教で平和的に民を治めた。これは現代の宗教に柔軟な日本人の根幹だと思う。

さすが1万円札に長らく君臨した聖徳太子。300年にわたりキリスト教を虐待したローマと比べればいかに異例の統治だったかがわかる。

しかしバーナンキとは別に、政治は予想通りビトコインを潰しにきた。ネット上でビトコインの取引を管理する会社のCEOが逮捕されたのだ。

NY州司法当局は表向きビトコインそのものを否定したわけではない。CEOはシルクロードを介し、マネーロンダリングに加担したので逮捕されたとしている。

でもこれは本質ではないと思う。本質は、少し前、EBAYやAMAZONが微妙なことを言い出したからではないか。ビトコインへのスタンスを聞かれた両社は「今は考えていないが将来的には決済手段として検討の余地があるとした」。

アメリカではシアーズやJCペニーは惨憺たる状態。BEST BUYも無残だ。GDPの8割の消費が変貌する中、彼ら(EBAY AMZON)がビトコイン決済を認めたら世の中が変る。FEDを中心とした金融システムの根幹が揺らぐかもしれない。手遅れになるまえに、政治が潰しにきたと考えるのが自然だ。

そんな政治とは無縁に、電子マネーはいずれ無視できないといったバーナンキ。本当に、正直な人だったと思う・・。

後悔のREDEMPTION 株式編

今日のNHKのニュースで、アベノミクス後の株式ブームの中、大学生が友人から株式投資のDVD購入を勧められ、50万円を払い購入した話を紹介していた。

彼は後から友人がマルチ商法でDVDを売りつけたことを知り、ショックで株式投資どころではなくなってしまったという。大学生には50万円の借金だけが残った・・・。

そういえば、今から30年ほど前、田舎から上京した学生がいた。彼は新宿で降り、これから始まる東京生活に興奮気味に東口近辺を歩いた。するといきなり兄ちゃんがよってきて、3万円で映画のチケットを買わされた。彼は東京は怖いところだと知った。

そして一ヶ月もしないうちに、今度は渋谷で若い女性から英会話の教材を50万で買ってしまった。騙されたわけではなかった。英語は好きだったことと、かっこよく英語ぐらいしゃべれるようになりたいとの思いがあった。リスクは承知で買ってしまった・・。

彼は後悔したが後戻りはできなかった。覚悟を決め英語を使うアルバイトを探した。実際に英語がしゃべれるようになることで、後悔をREDEMPTIONするしかなかった・・。

彼がラッキーだったのは、その頃から日本ではバブルが始まったことだ。英語を使う仕事は巷にいっぱいあった。大学を卒業する頃には、彼は英語が出来るようになっていた。

友人に騙されたと落ち込む学生が、DVDの借金は株で取り返す気持ちになる日は来るだろうか。

2014年1月28日火曜日

ダボス会議の表と裏・・(マネ原理プロから)

安倍総理も演説をしたダボス会議。今年は欧米の金融市場関係者は久しぶりに勢ぞろいだった。そして出席者の最大の関心は二点だったという。表向きは日中関係。そして「裏向き」は、どうやって今の格差を維持するか・・

ダボスに来る人はいわゆる1%の支配者層。CEOはFEDのチープマネーで株のバイバック。新規事業からの需要がなくとも、株価が高いので従業員の500倍~1000倍の彼らの報酬は正当化された。だがこれ以上格差が広がれば、ピザに」農薬を入れる従業員テロはあちこちでおこるかもしれない・・。

「怒りの葡萄」の頃、1930年~60年代がどういう時代だったかを彼らは知っている。金融危機に端を発した貧富の差が遠因としてずっと存在し、その不満をごまかすために、多くの国はヒトラー型になるか、スターリン型になるかの選択を無意識のうちにしていた。実は歴史もよく勉強している彼らは、過去のパターンをどう現代に活かすか。それを「裏向き」では話し合っていたはずだ・・

一方で日中関係を心配する欧米人が勘違いしていることがある。それは予想される日本の反応。中国が仕掛ければ日本も反撃する・・。ダボス会議に出席していたで有力な中国高官は、尖閣は中国が強引にでも実効支配してしまうことが(日本を含めた)、アジア全体のためになると激論を飛ばしたという(その場にいたヘンリーブロジェットのコメント)

これが欧米の1%の支配者の心配の根源としてある。確かに日本が普通の国ならそうするだろう。しかし、日本は彼らが考えるような普通の国だろうか。日本人の自分には大いに疑問。だから今週の「ごちそうさん」で、あの「メ以子」が「皇国の母になっていたのが驚いた。

こちらから観ていると、今の日本は戦いが始まっていても、青空教室の下でB29に向かって平和を唱えるようなところがある。金融戦争も、バーナンキやドラギが「どんな手段を使っても」宣戦布告をしたのに、白川さんの日銀は最後まで平時の正論を言っていた。

戦争も金融マーケットもビジネスも勝った者が勝ち。日本は安倍さんになってやっと参戦した。だがまだ勝ったわけではない。安倍さんの敵は内と外にいっぱいる。

ダボスでは、前述の中国高官が「今アジアの秩序を乱す悪だまは、ABEと金正恩と言い切ったのを
多くが聞いた。

ユーラシアのイアンブレマーは、オバマ政権からヒラリーやキャンベル。さらにガイトナーやドニロンなどの中国強硬派や専門家が去ってしまい、2016年でヒラリーに対抗心を燃やすバイデンが、アジア外交で点数を稼ぐためにやっきになっている。これは日本に不利な状況だとしている・・。

それゆえ彼はABE JAPANは、オバマ政権の意に反しても、単独で反撃するかもしれないと心配するのだが、その心配が本当に必要かかどうか、まずは都知事選でわかる。

安倍さんには日本国内に意外に敵が多いことに、常在戦場の米国は驚くかもしれない。そのときは同時に、健全なインフレ達成に失敗するだろうという批判派のシナリオは勢いを増すだろう・・。

2014年1月26日日曜日

ドラマの実力




面白いだけなら、70年代の「ドリフターズの8時だよ、全員集合」は面白かった。                          
今は 超人的な外科医の医療モノをやれば、今の日本ではある程度の視聴率は稼げる。      
ただNHKにはクオリティを期待している。ブームではなく実力。                      
その点「ごちそうさん」はすばらしい・・・。                                              

実在の波乱万丈のモデルではなく、災害など、イベントドリブンの脚本ではない。           
どこにでもある日本人の日常。そこから感動を膨らませる。                       
脚本家の実力は、駄洒落の小タイトルにもでている・・・。                                                      

テーマが「食」なのは外科医モノと同じく安全路線。                            
だが最近の医療モノは、現実ではありえないような手術を売り物にしている。            
日本人の弱点ともいえる「命」の問題をくすぐる。                             
そのヒューマニスムは押し付けがましさが残る。                             
物語の実力は、「ブラックジャック」に遠く及ばない・・。                               

ドラマのクオリティは, 瞬間の興奮より、やはり後味で決まると思う・・。                   


参考 <日本人の幸せ >  marukano-gb.blogspot.com/2008/10/blog-post_18.html
                                                  
                            



                                      

2014年1月25日土曜日

いい心を育てる



             東京新聞から抜粋

  いいチームはいい心でなくてはいけない。
  いい心を育てて生きたいと思う・・

                    

                   小山台高校 野球部  福嶋正信監督 (NHKニュースより)


8年前に、エレベーター事故でなくなった高校生のニュースは覚えている。彼が事故の一週間前に書き残した日記を読みまわしながら、後輩は甲子園の切符を勝ち取ったという。

報道陣が押し寄せる中、校長が選抜出場の電話を待つシーンはあまりにも日本特有の過剰演出。その滑稽を差し引いても、かつて教師を目指した者として、監督の言葉に感動した・・。

2014年1月24日金曜日

ブームと実力、ヤンキースが田中を獲得した本当の理由



http://www.nytimes.com/2014/01/23/sports/baseball/yankees-reach-deal-with-japanese-pitcher-masahiro-tanaka.html?ref=todayspaper


田中がLAで複数のメジャー球団に面会した順番では、ヤンキースは最後の方だった。他球団は、余裕を持って当番に臨めるように、プレッシャーには配慮する・・といったらしい。

田中がプレッシャーに配慮するの意味をどう解釈したのかわからない。だが彼は、ソレは自分が望む環境ではないとヤンキース首脳に語ったという・・。

一方ヤンキースは、昨年田中が24連勝したから、一気に大金を叩いて奪い取ったのではない。
キャッシュマンは2007年のプロ入りのときからしっかり田中を見てきたという。そして田中を採った最大の理由は、2007年からのその進歩だとはっきり言い切った。

そして、田中と面会したヤンキース首脳が田中から感じ取ったのは、日本人のSTRONG MINDがチームに溶け込む成功例としての松井だった・・・(本日のNYTIMESから 添付・・)

2007年といえば、田中は甲子園からの斉藤とのライバル関係のなかでの評価だったころだ。恵まれた体格から、将来性は斉藤よりも田中の方が勝っていると思った人は多いはず。ただ巷の注目は斉藤だったと思う。斉藤は凄いブームだった・・。

日本人の一流アスリートとして桁違いのマネーを手にした田中。ヤンキースと同じく、米国の投資家は日本で将来のビジネスの種を静かに注目している。彼らが注目するのは、日本特有のブームではないかもしれない・・。

2014年1月21日火曜日

ギャンブラーと詐欺師




オリーバーストーンの「ウォールストリート」は、違法だが、主人公はマーケットでリスクをとる「かっこよさ」があった映画だった。                                            
一方「ボイラールーム」や「ウルフオブウォールストリート」は、主人公は個人投資家を騙すだけの酷いやつだった。                                                 
                                                  

このチャートはそういうことだろうか・・           

2014年1月19日日曜日

悪の序列。最高は神か


映画
                    本物
    
               フェラリーとロールスロイス
8億円の豪邸



9・11のテロ直後、瓦礫のなかで活躍した消防士や警察官はヒーローだった。その中で何人かが、その後も不正に労災手当を貰っていたという。少しまえ、アメリカは彼らを一斉に逮捕した。     

一方で大ヒット中のウルフオブウオールストリート。90年代に多くの個人投資家を騙した主人公の二人は今は自由の身。                               
                             
法律は彼らに200億円の賠償を命じた。しかし二人は10億程度を返済しただけ。相棒のダニー ポルス氏は今も豪邸に住み、フェラーリとロールスロイスを所有している。           
ビトコインを悪者扱いする動きが顕著になってきた。まず裏付けがないという説明。でも裏付けなど今のマネーにはない。もっともらしいのは、追跡ができないので犯罪の温床になるという説明。それはその通り。ただその悪は、どのくらいの悪だろうか。                   

一部のアメリカ人は、今も中央銀行は悪の根源だと考えている。多くの人は同意しない。ただし金融危機を起こした張本人は、誰も逮捕されず、むしろ焼け太りになった事実はその通りである。そしてそれを許したのは国家・・。                              



On tue un homme, on est un assassin. On tue des milliers d'hommes, on est un conquérant. On les tue tous, on est Dieu. 
(Jean Rostand, Les Pensées d'un biologiste)

人間を一人殺せば殺人者だが、何万人も殺せば征服者になれる。全滅させれば神だ。
                               



                              

                  



      


 

2014年1月17日金曜日

アメリカからの警告。 日米安全保障条約をしっかり読もう


アメリカの現状に驚いたような今日の日経の記事。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1503D_V10C14A1000000/?dg=1


ここでは紹介している・・


< 安倍総理の使命 >

http://marukano-gb.blogspot.com/2013/10/blog-post.html

2014年1月14日火曜日

アベノミクス2.0 猛烈社員を取り戻し、若者に刺激を与えよう


NHKクローズアップ現代に衝撃を覚えた。アメリカなら、メキシコ移民などが行う低賃金で重労働、
単一民族国家の日本では、この20年で行き場を失った若者が埋めていた。

それ自体は自然。採用はいわゆるブラック企業が多いという。彼らを前向きにするために導入したポエムでの鼓舞。居酒屋のような客商売なら、来店客にも相乗効果も期待できる。

経営としてはよく考えたと思う。社会としても一見悪い点は見当たらない。しかしどこか奇妙だった。ポエム型経営は、社会的弱者を陶酔さえる宗教のような異様さを持っていた。



二極化した世界では、まずいい会社に入らなければならない。焦る就学生。就活に疲れた学生の中には自殺する若者までいるという。

なんという悲劇。世の中の楽しさと厳しさを知る前に、世界はもっと広いことを知る前に、命を絶つ子供の親には絶対になりたくない。

一方でアジアで働く若い人も増えているという。多くは日本ならブッラク企業で働くしなかない非就職エリートらしい。トラブルも多いが、アジアではいきなり責任ある仕事を任されるという。

一流大学から一流企業に入るのは優秀な証明だ。ただ大企業で埋もれてしまった人と、野に出て自分を磨いた人は10年経てばオーラが違う。

二十歳そこそこまでの勉強と、ソレからの何十年に及ぶ学び。要は、自分を磨くチャンスがそこにあるかどうか。  
                                                           デフレが加速した91年以降、日本のGDPの鈍化の話はさんざん聞いた、でもは究極は日本人は昔に比べて働かなくなっただけだったというセントルイスFEDの試算。確かに米国からみると、日本の連休の多さには驚く。                                                                                                         まあそれでもいいと思うが、成長したいなら、(GDPで) トータルの労働時間を増やすのも一考・・








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銀盤の女王の資格



米国の五輪予選はこれまでフェアだった。個人で競技に臨むケースは、事前の国内大会の成績がそのまま出場選手の決定になっていた。ところが・・・・                           
                                 

週末にボストンで行われた全米女子選手権。3位に食い込んだナガス選手は選ばれなかった。代わりに4位のアッシュリーワグナーが選ばれた。                              

写真の表彰台の4人で、規定と自由の両方でジャンプを全て成功させたのはナガス選手だけ。それにもかかわらず、7ポイントも下だったワグナー選手が選ばれたことで、物議をかもし出している。   

人種差別を言う人もいるが、別に他国のオリンピックの選考基準にあれこれ言うつもりはない。ただ、これまでフェアだったこの国の一つの価値が、崩れていったのは悲しい・・             
   

    

2014年1月11日土曜日

誰が誰 世界金融を従えるイスラエル人





スタンリーフィッシャーを囲む教え子の金融経済の学者たち・・

ざっとみて直ぐわかるのがバーナンキとその手前のローマー女史(元CEA長官)。そして右端にFED前理事のミシュキンと、一番後ろで遠慮しているのがマンキュー・・。本来は、ここに超大物として、サマーズやECBのドラギがはいる・・。                                       

これだけみても、スタンリーフィッシャーがどういう人物が一目瞭然。そして、米国籍を持っていてもどう見てもアメリカ人といえない彼をFED副議長に迎えるのは画期的人事。ただイエレンのリーダーシップはどうなる。                                                 
これは、オバマ政権のサマーズFED議長の思惑をことごとく邪魔してきた勢力に対し、オバマ政権が放ったバズーカだ。ただFEDに二人のトップはいらない。イエレンが少しかわいそうに思える・・。 
                                       

                            

2014年1月10日金曜日

金メダルのスピリット



この写真を見て、読者の想像とは全く別のことを考えている。それは実現するかさえわからない、ソチ五輪での米露のアイスホッケーの決戦。

プーチンはソチ五輪に5兆円を使った。バンクーバーが8000億円。最早同じ大会とはいえない。それだけ、ロシアは国威高揚にかけているだろう。

突如アフガニスタンに侵攻し、ソ連の勢いが西側世界を震撼させた少し前、どん底のアメリカではボルカーがFRB議長に就任した。

インフレに対応するため、元々11%だった金利を彼は一気に20%まで引き上げた。悲鳴を上げる米国民。街にはボルカーのWANTEDの張り紙。彼はひるまなかった。

もう少しイージーな政策を促すカーター政権。他のハト派理事が複数で議長のボルカーに政策の緩和を進言した。しかしボルカーは、どうしてもイージーな政策をとってほしいなら、まず自分をクビにしろとカーターに迫った・・。

この苦しみの中、大学生主体のアメリカは最強のソ連を倒した。1980年の冬季五輪のアイスホッケーの話だ。率いたのはボルカーのような強烈な個性のブルックス監督。無垢の大学生たちが必死に食らい付いた結晶だった。

奇跡だった。今のヤンキースとは別の意味で対極のアメリカのチームスポーツの最高傑作。たかがスポーツ されどスポーツ・・。。個人的には今もあの勝利は神の意思だったと思う・・。

あれから35年。アメリカには70年の周期がある。超タカ派のボルカーの頃がどん底だったなら、超ハトとされるイエレンを迎える今はピークかもしれない。そして転換点、いよいよ4THターン本番だ。

やさしくなりすぎた?FED・・。ソチではNHLプロ主体の米国代表が、アイスホッケーで金メダルをとれるかどうかに注目したい。たかがスポーツ、されどスポーツ。 そこには神の意思がきっとある。

2014年1月5日日曜日

今年の誓い




20年前、初めてのシカゴの冬に驚いた。晴天なのに凍りつく寒さ。その時の体感温度はマイナス30F。登校は危険だということで学校は休みになった。 2014年はその時を上回る寒さで始まる・・。


今年の誓い。勝負のときは、肛門を締める・・