2012年12月28日金曜日

解析ニッポン 哲学と戦略の両立 クラブインベストライフから抜粋



ハーバード大学には行ったことがないのですが、そこでは日本にもファンが多いマイケル・サンデル教授が哲学を教える構内で、リバタリン経済学者としてジェフリー・マイロン教授は麻薬合法化の経済効果を教えています。

この多様性がハーバード大学の凄さの一面と想像します。言い換えると、ここではフィロソフィー(哲学)と、ストラテジー(戦略)が、学問として明確に分かれているということだと思います。

人間社会の歴史を振り返ると、哲学をおろそかにすればかならず報いがくる。しかし豊かさへの欲望などの動機がストラテジーを生み(資本主義のメカニズム)、結果的に進化、発展にもつながってきました。

米国は2006年から、過去80年周期で繰り返したサイクルの第4コーナーに入ったという意見があります。過去の第4コーナーでは、独立戦争 南北戦争 第二次世界大戦と動乱が起きました。そしてその危機を乗り越えて新しい周期に入りました。

日本も近代の大変革を維新と敗戦とするなら、起点になった黒船来航と満州事変の開きは約80年です。そして現在は敗戦から70年の大台が見えてきています。やはり日本も大変な時期を迎えたと思います。

自分で達成した明治維新と、米国の力の前に変革を受け入れた敗戦ではその後の運命が違いました。ところが敗戦後の日本は不幸ではなかった。奇跡といわれた経済成長を成し遂げ概ね幸福だった。この事実は今の日本人の感覚を支配しています。しかしそこでは戦後の世界の潮流が日本に有利に働いたことを考慮する必要があります。これまでの日米関係は其の潮流が基盤でした。

本来は其の潮流の変化の可能性を踏まえ、国策の議論がなされなければならないのですが、総選挙に臨む政治家の主張は、現象にとらわれ、世界の潮流に対するストラテジーの吟味の甘さが目立ちます。何かにはストラテジーとフィロソフィーの混同も見受けられます。

これではしたたかな外国勢に囲まれた今の日本の危機の本質を国民に理解させることは無理でしょう。ただ歴史の力は巨大です。たとえ本質を理解しても、何かが変わるかどうかは判りません。それでもイメージを促し、準備をしておくことは重要です。そこで最後の寄稿となる今回は、中世以降、フィロソフィーを重視した中国と、ストラテジーを積み重ねた結果、変化した英米の比較をしてみたいと思います。


<ヘンリー8世が英国を変えた> 

まず国王がローマ法王の傘下にあった頃の欧州の冴えない均衡を打ち破ったのは、16世紀に英国に登場したヘンリー8世だったと考えます。彼の登場によって英国は単独でストラテジー国家へ変貌し、一方で欧州は現在につながるウエストファリア条約へ次第に傾いていきました。

そもそも均衡を崩したヘンリー8世の動機は不純でした。愛人ができてカソリックで認められないスペイン王女との離婚をするため、国王は英国をローマ教皇の傘下から独立させるという行動に出ます。

これはスペインやフランスなど、当時欧州では英国より格上の国からみれば暴挙でした。怒ったローマ教皇はヘンリー8世を懲らしめるため、国王を破門、フランス国王に英国を攻撃するように命じます。しかしヘンリー8世は動じず、さっさと英国国教会を独立させてしまいました。

一旦カトリックの強大な縛りが緩むと、いろんなものが動き出します。まずフランスやドイツで生まれた新しい宗教が、新しい学問といっしょに英国に入ってきました。そしてそれまでのタリー(木片)を使った国王によるマネーの管理も、民間のゴールドスミスなどに主役が移っていきました。

この過程で信用創造という現在の金融のコンセプトが生まれます。加えて戦争には膨大なマネーが必要です。国王による国家統治の威厳を利用する形で、民間のマネー支配者が中央銀行のシステムを構築していきました。これが今の形態の世界最初の中央銀行、バンクオブイングランドです。

このように、ヘンリー8世は浮気という欲望を正当化するためにいろんなストラテジーを考えました。これで均衡が崩れたのです。ただ反対する人もいました。有名なのは「ユートピア」を書いたトマス・モアです。国王は友人でもあった彼を、有能な官吏だったトマス・クロムウェルの進言で殺してしまいます。(参考:1966年アカデミー賞受賞作"わが命尽きるとも"

こうしてトマス・モアに代わって国王の寵愛を受けたクロムウェルでしたが、膨大なカトリック教会の財産を没収して国王の財政基盤を確立に多大な貢献をしたにもかかわらず、その大出世を貴族に疎まれ、嵌められて、何度も斧を振り下ろされるというむごい殺され方で断頭台の露に消えました。

この時もクロムウェルを見捨てたヘンリー8世ですが、愛人を新しい王妃にするために要らなくなった王妃を次々に断頭台に送りました。そしてその子供であるメアリとエリザベスは、ヘンリー8世没後、母親の恨みを引き継いだ統治をしました。

メアリーはスペインと関係を修復し、カソリック回帰で新教(主にピューリタン)を弾圧し、その結果、清教徒が米国大陸を目指し、今のアメリカの基礎が生まれました。一方腹違いの妹エリザベスは、メアリーの死後、姉とは逆に多様性を重視しました。目的のために手段を選ばないところは父親からチューダー王朝のDNAを強く引き継いだともいえます。

エリザベスは植民地からの銀で繁栄するスペインの船を襲う海賊を影で支援していました。そして怒りが頂点に達したフェリペ2世が無敵艦隊を英国に向けると、中世的貴族的戦いを想定していた無敵艦隊に対し、エリザベスは海賊戦術用いて圧勝しました(アルマダの海戦)

ここで英国が19世のビクトリア時代に頂点を迎える基礎が固まるわけですが、後に国王を殺して議会制民主政治の指導者になったとされるオリバー・クロムウェルは、ヘンリー8世に仕えて大改革を推進しながら、恨まれ、見捨てられ、無残に斬首されながら、シェークスピアのせい?で未だにあまり好かれていないトマス・クロムウェルの末裔です。 

このようにいち早く議会政治を導入し、産業革命から世界の頂点に立った英国の起点は、その動機は何であれ、フィロソフィーを支配した宗教の縛りを打ち破ったヘンリー8世だったと考えています。


< なぜ米国が英国に取って代わったか >

世界最大手ファンドの一角であるPIMCO社のストラテジスト、トニー・クレセンジ氏は、400年前まで欧州と中国の豊かさは同じだった。しかしその後の資本主義は欧米に富をもたらしたが、15%が富を独占する一方、85%は貧困に追いやられ格差は拡大した。その格差が縮小に向かい始めたのは1950年代以降だといっています。

この分析はすばらしいものです。スペインやポルトガルは、英国よりも早く海を支配して植民地を手に入れました。しかし彼らはカトリック国家の宗主国としてキリスト教を現地に広めることをしましたが、植民地から銀を搾取し、それを本国が散在したら終わってしまいました。

一方で英国は植民地に「経営」を持ち込みました。彼らに物を売りつけ本国の産業を興すと同時に、植民地では消費財と輸出品目に課税したのです。これは植民地に投資をする一方、植民地との格差を利用した経営です。米国も最初はこの英国の敷いた資本主義の中でもがいていました。

しかし建国の父たちが独立を果たすと、勤勉であり、貯蓄をおもじんるカルバン派プロテスタントの米国人たちは、英国よりもダイナミックな資本主義を起こしました。(バチカンから独立した英国国教会は、実はカソリックからそれほど変わっていない)これを欧州からみていたのがマックスウェーバーです。

ただその格差は尋常ではありませんでした。米国の資本主義は南北戦争での鉄道のバンダービルドから、その後のロックフェラーとカーネギーに、JPモルガンが絡む三つ巴の競争を軸に一気に英国を抜き去ったといえます。

どっちが米国一の大金持ちになるか。先行したロックフェラーを猛追するカーネギー。彼らに共通するのは発明ではなく、リスクを恐れず私財を投入してモノポリーを構築するスピードでした。(オイルの大量採掘技術はテキサスでハミル兄弟が生み出し、鉄鋼の大量生産技術は英国にあったもの)そうなると決め手は労使関係です。どちらが安い賃金で労働力をより酷使できるか。この競争に割って入ったのがJPモルガンでした。

英国的金融カルテルを理想とする偉大な父の影で、若い頃のJPモルガンはくすぶっていました。しかし自分もいずれロックフェラーやカーネギーと同格になりたいと考えた彼は、リスク嫌いの父親がM&Aの仲介で満足したのに対し、世の中を変える技術革新への投資が彼らと肩を並べる条件と考えました。そこであのエジソンに巨額投資をします。(現在価値で80ミリオン)

エジソンは研究室で直流白熱球を研究していましたが、ロックフェラーのオイルビジネスの根幹であるオイルランプ全盛の時代、JPモルガンの画策するオイルから電気へのエネルギー大転換は、ロックフェラーにとって脅威となりました。しかたなくロックフェラーはガソリンなどの新商品の精製に傾斜していきます。

結果的にこれは自動車の時代を迎え、正しい選択だったことになるのですが、一方JPモルガンの思惑は簡単には実現しませんでした。ライバルのウエススティンハウスが、エジソンの部下だったステラー氏を発掘し、直流ではなく交流電流でエジソンとJPモルガンに挑んできました。

JPモルガンは本業の金融市場を使って対抗しました。あえて株式市場に悪い噂を流し、資本力に劣るウエスティンハウスを兵糧攻めにしたのです。こんなことに巻き込まれた株式市場も大変ですが、最後はステラの交流電流電球がエジソンの直流を駆逐しました。

その後JPモルガンはエジソンをクビにして会社を完全に自分のものにします。それが現在のジェネラルエレクトリックです。このGEとウエスティンハウスの競争は現在のNBCとCBSなど100年間続きました。そして、金融市場を牛耳ることで、カーネギーやロックフェラーとは別の力を得たJPモルガンは異次元に踏み出しました。まず富でロックフェラーを上回ることが悲願だったカーネギーに買収話を持ちかけます。

迷ったカーネギーは、半信半疑で当時としては天文学的数字だった480ミリオンというオファーをします。JPモルガンはO..と一言いって返しました。こうしてできたのがUSスチールです。USスチールは結果的に粗100年に渡り、モノポリー状態を維持しました。

当時の480ミリオンは現在価値で300ビリオンダラーです。(24兆円)。カーネギーはもし480ミリオンではなく、580ミリオンだったらあなたは買ったのかとJPモルガンに問いかけました。JPモルガンはそれには答えず、これで貴方はロックフェラーを抜いて、米国最大の金持ちになったと答えたといわれています。

ところで、この3人が手を組んだのが1896年の大統領選挙でした。格差が広がり、庶民の怒りを背景に民主党のビル・ジェニングス候補は名指しでロックフェラーやカーネギーを非難しました。そこでこの3人が打ち立てたのが共和党のマッキンリー氏でした。当時3人は一人当たり現在価値で30ミリオンを拠出しマッキンリーを勝利に導きました。

おもしろいのは、この頃に共和党にはNY州知事だったセオドア・ルーズベルトが、リベラル層からも支持を集め、大統領への期待があったことです。ただもし彼が大統領になってしまうと、ビッグビジネスに対して反旗を翻す可能性を感じた3人は、彼を副大統領候補にし、操り人形であるマッキンリーを大統領にすることにしたのでした。

ところが、ビッグビジネスの言いなりとなったマッキンリーは、JPモルガンの買収によってよって整理された会社を解雇された労働者によって暗殺されます。そして大統領になったセオドア・ルーズベルトは一気にビッグビジネスの解体に動き出します。3人の画策は裏目に出たのです。

この頃、アメリカの進歩的資本主義が、英国の格差資本主義を超えたと思います。その象徴として登場したのがヘンリーフォードです。

それまでの米国の資本主義は、前述のビッグビジネスの3人に代表される資本家のためのもの。モノポリーが当たり前で、自動車産業も、モノポリーを守るために協会がすべてを仕切っていました。フォードはコストが安く庶民にも手が届きそうな車を開発し、協会に販売許可を願い出たのですが協会は許しませんでした。そこでフォードはレースに出ます。レースに勝って車の性能を紹介すると同時に、協会からの支援が無くても事業を継続する資金を得るためでした。

フォードはレースに勝ちました。そして裁判所はフォードが自分で車を製造販売する権利を認めました。ここから米国は新しい時代に入ります。労働者の権利は劇的に改善され、フォードが始めた週休二日制、8時間労働、最低賃金法がスタンダードになっていきます。そしてミシガン湖の周りには労働者が集まり中間層が生まれていきました。

後に人々はこれを第二次産業革命とし、ヘンリーフォードをその象徴として特別に評価にしました。ただしアメリカの資本主義のメカニズムが本領発揮したのはこの後です。

ギルト時代が終り、ルーズベルトを副大統領にした画策が裏目にでてスタンダードオイルは解体されたのですが、6社に分解された会社でも株主だったロックフェラーの総資産は、フォードの車が売れ、家庭にGEの電気が届き、米国の中間層が豊かさを実感し始めたときに頂点を迎えました。

その金額はスタンダードオイルの株を単体で持っていた頃をはるかに超え、660ミリオンに達しました。それは現在価値で415ビリオンダラー(33兆円)です。


< なぜ中国は発展からとりのこされたのか>

では英国や米国がこのような変貌をとげていたころ、中国は一体何をしていたのでしょう。前述のクレセンジ氏の指摘した400年前に戻るなら、中国は漢民族による「明」が終り、満州人による「清」に移行する頃だと思います。この頃までは、たしかに中国の豊かさは欧州と比べて全く引けをとっていなかったと思います。それどころかそれ以前はどう見ても中国は世界で最も先進国でした。

その中国がなぜ遅れをとったかというテーマで欧米人が研究したものに「高水準均衡説」があります。簡単にいうと、中国社会は放伐を繰り返しながら、清の時代には庶民までがある程度の幸福感に浸ってしまい、社会が高水準均衡のわなにはまった状態になったことをさします。

確かに康熙帝から乾隆帝までの3代150年間は、人々が豊かになった証拠として人口が4億人に到達しました。これは当時の欧州全体の人口より多かったといわれます。

それまで何回が他民族の支配を受けた中国では漢民族はすぐに蜂起しました。しかし清朝では近代になり日本や欧米に侵食され、孫文が登場するまで起きませんでした。これは清の治世をほめるべきか、漢民族が衰えたのか、悩ましいところです。

そして別の意見として、儒教という哲学の存在を示唆する人がいます。本来中国には老荘思想の道教と、同時期に孔子が広めた儒教が混在していたはずです。ところが、途中から社会の安定に役立つ儒教の思想が強くなり、道教が持っていた自然科学への探究心が薄れてしまったというのです。

今の日本が注目すべ点は、国家は他国の支配に満足すると、崩壊するまで自分で実験はしないというこの頃の中国人の教えです。バブルが崩壊して20年、今の日本は何事においても実験をしなくなったように感じます。民主党が一度失敗するとすぐ見捨てる。経済も原則を超えた話をすると、日本人は誰も近づかない。(反応したのは外人)結局何もしなくなった。それは追い込まれていない証拠でもありますが、均衡社会の特徴が出ているのではないでしょうか。

ここにヘンリー8世という異常な人物による英国の突然変異や、米国の強欲ギルト社会が織り成した資本主義のダイナミズムとの違いを感じます。

更に、中国は3000年の西欧との貿易の駆け引きで、前半の成功体験から、後半に決定的ミスをした証拠があります。これはこれからTPPに臨む日本にとっても参考になる事例です。

そもそも中国の古代文明は4大文明で孤立期間がもっとも長かったわけですが、交わる必要が無かったともいえます。ミソポタミアで穀物は小麦しかなかった時代、中国では米など様々な穀物が食料になっていました。

武器の発展も、ヒッタイト人がはじめて鉄の武器を作り、後にローマ軍はその武器の使い方を極めたとされます。しかし秦の始皇帝が中国を統一したころの中国は、鋳造技術が発展し、鉄の形を自由自在に変えられました。

秦の武器は圧倒的な飛距離と殺傷力を備えた鉄製のボーガンでした。弓矢など歯が立ちません。もしこの頃にローマと戦っていたららどうなったでしょう。それは300年後、ゲルマン人が西ローマに移動したのは、西域のアジア系遊牧民(フン族)がゲルマン人を襲って彼らが居場所を失ったからだという説が有力です。

恐らくこの頃は中国は欧州よりも武器は進んでいたでしょう。ローマは5賢帝の頃から中国(後漢)に盛んに使者を送りますが、その最大の目的だったシルクの作り方を中国はぜったいに教えませんでした。

この頃の西洋ではシルクは植物、木になっていると考えられていました。シルクロードができ、中国にシルクを買いに着た商人は密かにシルクの木を探していたといわれます。そんな西欧人をみてきっと歴代の中国王朝は高笑いをしたことでしょう。

こうして中国は3000年間貿易のドル箱であるシルクの秘密を守ったのですが、その一方で紙や火薬、羅針盤、印刷といった学問や産業発展の基盤になる最先端の技術を、清朝のころまでには西欧に渡してしまいました。今から振り返ると、どちらを守るべきだったのでしょう。TPPでは日本に同じ過ちを犯してほしくないところです。


 < 日本の課題、フィロソフィーとストラテジーの両立 >

日本の歴史をざっと見ると、1000年間は中国に教わり、明治維新前後の50年は英国から教わり、そして戦後から現在の70年間は米国から教わっています。しかしずっと主張していますが、日本のマスコミは中国を新興国と呼び続けています。これは知性のなさの証明でもあり、日本の戦略の無さの証明でもあります。

中国経済が台頭してから10年。経済の軸を中国に移しながら、実は米国しかみていないのは米国からでもよくわかりました。米国の民主党政権はしっかり中国の変化に対応しているのに、自信をつける中国人に対して隣の日本は何も配慮しない。全くナンセンス。尖閣は起こるべくしておきましたが、別のやり方もあったはずです。

ここからはメデイアの役割はきわめて重要になると思います。現象面の解説だけで終わるのは極めて危険です。読売新聞は他が有料化したWEBを今も無料で行っている点はさすがですが、中国に対する日本人の親近感の減退をことさら強調している。これは危険です。メデイアなら、そうならないように知恵をしぼるべきところです。

言うまでも無く中国と米国にはさまれた日本は重要な位置にあります。有利でもありピンチでもある。もし自分の足で立てば、周りを見て自由な自分の手を使って立ち回れる。しかしもし米国にしがみ付くと手は使えない。ならば周りを見る余裕など生まれないでしょう。

世界で様々な現象が起こる中、一体今は世界史の中でどんな局面なのでしょう。現象と本質は反対語ですが、米国のような多様性の妙を持たず、むしろ均衡の罠に近い今の日本では、こと更指導者が本質を客観的に分析する必要があります。

日本国民の多くは1000年も教わった中国からの儒教的精神をベースに、近代は英米のシステムをただ乗りしたことをあまり意識していません。ですから欧米の経済のシステムが理想と考える一方、そのシステムがどのような経緯で今日があるかには興味はない。ところが、フィロソフィーではここまで影響を受けた中国を新興国と呼んでも違和感を覚えない。

日本がこの特性を維持したいなら、相当のしたたかさが必要です。個人的にはなんとしてもそれを成し遂げるべきとだと思います。そうすれば19世紀が英国、20世紀が米国が言われる中で、21世紀は中国ではなく日本の世紀になるかもしれない。

それは日本が覇権を握るということではなく、米中の間でしっかりと自立し、アジアを要らぬ混乱からも守るという意味です。日本はアジアにかなりの貢献をしていますが、ここからの国家のしたたかさは、ぶれないフィロソフィーと、柔軟なストラテジーの両立。その一歩はその二つを混同しないことだとおもいます。

2012年12月25日火曜日

A Very European Christmas  欧州のクリスマスイブ

http://youtu.be/hvayG8DiUXc

先週のエコノミスト紙の特集は、英国のEU離脱の可能性だった・・。サッチャーの時代にも話題になったが、アジアの孤島の日本からでは解りににくい欧州のしがらみ・・。そんな時、このYOU TUBEはよい教材になるかも。

2012年12月22日土曜日

情けない役所

外務省は21日、2003年のイラク戦争における同省の対応についての検証結果を公表した。当時の政権によるイラク戦争支持について、「おおむね適切」と結論づけた・・・。
                              

                                 読売新聞から

小泉政権時代、イラク戦争への賛同が、当時の日本の国益に適ったと思うなら、'ちゃんと国民にその説明をすればよい。そうすれば、憲法改正に対する国民の見方も変るかもしれない。

それもせず、ただ単にアメリカに逆らえないという情けない現実を取り繕うだけの情けない役人の集まり・・ これで頭がいいと思うっているなら、もう少し恥を知ったほうがいい。

2012年12月21日金曜日

<倫理と知識の順番> 真マネー原理プロから


資本主義のフェアウエイ

アベマリアトレード・・こちらではアベノミクスをクリスマスの時期にちなんでアベ マリアと読んでいる・・

2012-12-21 00:22:11 -

今年の暗い顔

TIMES誌もせっかく「今年の顔」選ぶなら、もう少し明るいオバマにしたらどうだったのか。一部の市場関係者は、来年をクリントンが再選を決めた1996年とダブらせているのがわかる。

2012-12-20 01:14:15 -

年末相場の特徴

結局アップルが下がるなかでRIMが買われる。GOOGLEが止まる中でFACEBOOKが買われる・・

2012-12-19 23:31:57 -

今日のフィスカルクリフINTRADE

添付のチャート、これに連動するsp指数は予想不可能・・尚、それ以下はこちらの企業向けコメント「CIAの本当の名前の抜粋」(ご参考)


<倫理と知識の順番>

ニコニコしながら「株高にはいちいちコメントしない」とした安倍さん。なるほど、一度失敗すると、マスコミ対策も勉強の跡がうかがわれる。それにしても、今回の自民党の圧勝は、真面目な野田さんを自爆テロ解散に追い込んだタイミングが全てだった。ならばこの3年間、下野した自民党の代表として粘り強く民主党を追い詰めてきた谷垣さんが報われなかったのは日本人的には残念。そんな損得勘定が働いたのか、細野氏は民主党の代表戦に出ないという。野田さんが相場的駆け引きを持ち込まなかった結果がこうなら仕方が無いか・・。

さて、ナシーブニコラスタレブは本日「世界を安全で素晴らしい処にするためには、Knowledge(知識)をEthics(倫理) の前に置くなと」警鐘している。またJガンロックは、ポリシー(政策)がファンダメンタル(実体経済)を歪めるようになった今、次のダウンサイドはある意味で終局である覚悟が必要。そして、恐らくソレは起こると警鐘をしている。

今の市場でこの二人より客観的にリスクを語れる人は少ない。彼らの警鐘はシンプルで共通している。易しく言うと、株はコモデイテイー(商品相場)になったという感覚だろう。来年の株高説の根拠である10兆ドルの待機資金と12~15倍のPERは、歴史的な賃金格差と中央銀行によるマネー供給、更にこれまで許された海をまたいだ会計処理(減税)という、どちらかというと非オーガニックの側面からの要因である。

そんな中でオバマ政権は株価を維持しながらも賃金格差是正と税制の抜け道は閉じていく。また最近のゴールドの値動きは、金融緩和アナウンスは麻薬としての効果があまり効かなくなってきたことを示唆している。これはいずれ株のインデックストレードにも適応されるルールだ。

個人的に日本は時間を稼ぐためにも、今は哲学(倫理)よりも戦略を優先する時とした。少なくとも日本株の勢いと円安はまだまだ序盤と思える。だが先に倫理を無視して戦略に特化した米国がこれからどうなるかは別の話。そこを分けて考えるのが来年の相場観のカギだろう。

日本はやっと同じテーブルに着いたが、他のプレーヤーとは適度な距離を保つ事が鍵。具体的には、リスクオンの資金移動は相対評価でテキパキと、ただし全体では終局に巻き込まれない大局観。同じ人間がこの二つ情報を発信できないので、投資家は情報ソースのバランスを・・


2012年12月19日水曜日

SINビジネス(罪業投資) 真マネー原理プロから

犠牲になった子供たち
          母親と犯人の少年の幼い頃の写真(自宅)
 

コネチカットの惨劇の犯人の母親は、リーマンショックを機に悲観主義者に転じたという。離婚も影響したかもしれない。1.4ミリオンの豪邸に住みながら自衛のため拳銃5丁と自動小銃1丁を自宅に置いていた。ただ一人ではこれだけの武器は使えない。そこで犯人となった息子を射撃場に連れて行って練習させる姿が近隣の住人のなかでも話題になっていたという。

大きな意味では自分もこの母親と変らない。悲観主義者ではないが楽観もしていない。11年前、スミス&ウェッソンのマグナム375を買った。その頃同社株は2ドルぐらいで低迷していた。だが今は10ドルを越えている。そのマグナムは押入れの奥深くにしまったままこの10年で出したのは2回。そのときに射撃練習にも行ったが、暗く狭い地下室での練習はそれ事体が不気味であまり楽しいものではない。先週こちらのメデイアが日本では拳銃関連の事件が少ないわけを特集していた。このメデイアによるとハワイの射撃場が日本人でにぎわうのは健全な証拠らしい。

そもそも武器として鉄砲が登場したのは朱元璋が元王朝を倒した紅巾の乱が最初らしい。原型は筒を持つので命中率が低かったという。それが欧州で改良され、100年後には日本にも大量に入った。そして米国では南北戦争の前にサミュエルコルト(コルト社)がリボルバーを考え出して大革命を起こす。恐らく我々が知る米国銃文化の原点はここだろう。そして南北戦争が終り。南軍兵士と大量の武器がテキサスなどに移った。今回惨劇の武器となった自動小銃を作った会社の名前はフリーダムグループ。まさにこの歴史を象徴している。

そしてこのフリーダムグループの大株主はプライベートエクイテイーの雄のサーべラス。一方コルト社の現在の大株主はブラックストーンの関係会社である。サーベラスの出資者にはカリフォルニア教職員組合年金基金がいる。エリオットスパイザーはプライベートエクィティーに運用をませる大口投資家は、彼らがどんな会社に投資をしているかも含め、世の中に責任を持つべきだという。だが8%の運用が必須の年金にとってSINビジネス(罪業投資)への投資を厭わないプライベートエクイテイーは重要な投資先だ。

金が有り余る中、多くのヘッジファンドはアップルに投資した。だが700ドルで買ってしまうと今は200ドルも下落している。一方でプライベートエクイテイは、武器 酒 博打 タバコなどの産業を開拓してきた。彼らには平和は儲からない。ヘッジファンドのリターンが年金の要求に応えられないなら、年金はプライベートエクイテイーへの投資はやめない。金融支配によるマネーの過剰供給の結果、世の中は バブル形成、崩壊 社会不安 戦争を繰り返す。古今東西巨万の富を築いた人はこのサイクルの支配者が多い。そして現代ではこのサイクルのどこへでも投資できたのがプライベートエクイテイーだった。

アメリカに来た当初、ナイキのシューズを買いにいったスポーツマートで、シマノの釣具の横で普通にレミントンの散弾銃が売られていのは今から思えば懐かしい衝撃だった。だが今回の惨劇はアメリカ社会を動かす可能性を秘める。

尚、本日サーベラスはフリーダムの株を売却する意向であると発表した・・。
 

2012年12月12日水曜日

レッセフェール:なるようにしかならない


フィスカルクリフを念頭においているのだろう。CNBCのスティーブリースマンが、ツイッターで、「ウォール街は、経済をぶっ壊すのは欧州危機でも、国内の雇用でもなく、ワシントン・・。」と思っていることを紹介している。
今更何を言っているのだろう。もともとワシントンは民意を代表しているのであり、ソレは政治家の問題では無い。

リーマンショックは、今だに実体経済への打撃の度合いでしか語られない。だが、実は民主主義の政治システム維持しながら、資本主義経済を標榜すると、社会がどうなっていくかという実験の始まりが本質である。これは、リーマンショックの前から、米国の住宅市場が崩壊したらどうなるかの答えとしてずっと主張している)

答えは自明の理。車の両輪として民主主義と資本主義が機能するには中間層が不可欠だった。だが今は中間層が消えかかっている。一方進歩的民主主義は、建国当時のような「土地を持ち、責任を持って社会に参加する人だけが投票権を持つ」システムではない。
要はこの自明の理を説明しない無責任な政治家と、自分主義が当然になった現代人の宿命。この結果起こるであろうとことに気づいていたマルクスはさすがだと思う。

そもそも「フィスカルクリフ」という名前を誰が付けたのか。この本質は、昨年の8月に米国債の格下げと、利払い停止の事態を避けるために結論を先延ばしたこと。その時は相場関係者はこの政治妥協を好感していた。
アメリカですらこの様なので、これから自由主義経済を掲げる世界がどうなっていくか。恐らく成るようにしか成らない。ただこの「なるようにしかならない」が本来の「市場原理」の意味だ。(レッセフェール:アダムスミス・・、ケインズが登場するまでの経済はその流れだとおもうし、老荘思想にも通じる概念だと思う)

それが日本ではいつの間にか「市場原理」=「競争の原理」となった。個人的には、「市場原理」には逆らえないが、「競争の原理」は必ずしもフェアを意味するとは考えていない。
資本主義を主導したとされる米英の歴史をみても、完全なフェアな競争などが存在した過去は殆どない。つまり競争の原理が市場原理と思っているのは、バブル崩壊後、米国型のスタンダード化に巻き込まれた日本で広まった錯覚である。(意図的に広められたかもしれない。同じ感覚でTPPを考える人は危ない)

いずれにしても、ソーシャリズムなのにキャピタリズムであるかのように言ったり、フェアではない競争を「競争の原理」とする風潮を冷静に見たほうがいい。なぜなら、その錯覚は、両方を使い分けする人々(米国ではリスクの社会化と利益の独占化を達成した今の金融が代表)を利するだけである。

個人的にフラット社会や計画経済がいいとは思わないが、もう少し庶民が本質に気付かないと、いずれ必ず起こる反動が必要以上に大きくなる。それは避けたい。
金融市場に中央銀行が介入し、価格変動の市場機能を止める行為は、宇宙の持つ市場原理への反抗であり、最後は必ず鉄槌が下る、ただし、相手がいる世界において、考える時間を稼ぐ意味と、座死の無意味さから、ストラテジーとして円安政策を今は支持する。
そのためにも、選挙もたけなわなら、政治家はもう少し言葉の意味を大切にすべきだろう。

2012年12月6日木曜日

バナナ共和国ファンド




25年以上前、テレビで初めて中村勘九郎という人を観た。歌舞伎中継ではなく、一家の特集だったのだろう、初舞台を前にした長男と次男を厳しく指導しているシーンだった。

当時は体罰さえも今ほど悪だった時代ではなく、また体罰シーンがあったか覚えていないが、基本的に体罰容認派の自分でさえ衝撃を受けた厳しさだった。

変な言い訳だが、後に自分の息子に厳しくあたった時、どこかで「星一徹」とこの時の勘九郎を思い浮かべて正当化していたと思う。

その時の彼の言葉は今も心の中にある。「自分が受けた厳しさを子供に伝えるだけでは不十分。時代が変化する中、時に自分の経験よりも更に厳しく接してやっと歌舞伎の伝承がかなう」

確かそんな事を言っていたはずだ。これは自分が親になっていかに難しいこと実感した。まず妻が許さなかった。

一方歌舞伎の世界は厳しい。先代の市川猿之助が、数十年ぶりに訪ねて来た息子の香川照之(市川中車)に、「僕の人生はあんたを捨てた時から始まっている。だからもう訪ねてこないで」と言い放った話を、香川照之が松田優作の追悼番組で語っていた。

今はその二人も歌舞伎では再び親子に戻ったらしいが、ジャブジャブマネーに溺れそうな米国人が興味本位にカブキダンスを語る時代、日本は歌舞伎の裏にはこのような世界が継承されていることを米国に紹介する必要がある。

さもないと、米国は日本よりも先にバナナリパブリックになるかも知れない。フィスカルクリフはその試金石だろう。ではその時米債をしこたま持っている日本はどうなるか。自民党が掲げ始めた「外債ファンド政策」を聞いて身を乗り出した。

20年近く、米国債市場の主戦場でもあるシカゴの先物市場で相場を見た立場でいうなら、緊急的ストラテジーとしての円安誘導はいいとしても、外債をファンドには絶対反対だ。

なぜなら、貯金のある日本とは違い、インフレでしか生きられず、だからインフレを起こそうとする米国や、さもなくばドイツ以外はいつでも「ごめんなさい」をしそうな欧州の外債を買うのは、よほど外交で見返りがない限りありえない選択だと確信するからだ。

今のグローバルマクロの状態で国益を考えるなら、日本は作り出した円で欧米の優良株か、資源など実物資産か、或は戦闘機などの武器を購入するが妥当。嫌なら外国が通貨を低く誘導するの止めるはずだ。

そんな中で日本が権限の低い外債を買うなど言い出したのは、日本が余程のお人良しか、外国の傀儡か、或は実学に乏しい官僚出身者に頼っているからだろう。今は国策の参謀にするなら商社マンの方がいい。

外債は必ず暴落する。それはよいインフレのケースもあれば(成長復活)悪いインフレのケースもある(デフォルト)。最初は円安で為替の差益も出よう。だが暴落のスピードは早い。その瞬間には円高に戻っているだろう。

そよりもなぜ国内に円をばら撒いてインフレを加速しないのか。この後の及んでモラルやインフレの悪性か良性かの議論をしたいのだろうか。

庶民は「ばら撒き=悪」と思わされている。勿論理想的ではない。だが現実では今の欧米の資本主義でモラルは優先されていない。

元々資本主義は格差ゲームだが、レーガン主義が崩壊したリーマンショックの後は、米国は誰が最初に救済されるのがマクロで一番効果があるかに観点に移った。

つまり結果優先。それゆえ金融を罰せず、FEDも株価を買い支えるといより、積極的に買いあがる仕組みを優先している。(自分で買っているのではなく、上手くウォールSTを使っている)

日銀は株にそこまでは踏み込んでいるようにみえないが、米国はストラテジーで金融などの1%のモラルに目をつぶった。今オバマ政権はソレを再び調整しようとしている。ただ全体の効果を損なうつもりはない。

一方で日本は元来欧米ほどの格差主義ではない。また日本の金融には欧米の強欲さはない。ただそれゆえ資金が死んでしまうことも考慮すべきだ。

庶民に平等に紙幣をばら撒くのと、金融に巨額なボーナスを稼がせる仕組みを残すのは、どちらが経済効果があるか。日本での効果は明確。いずれにしても、今は哲学ではなく、戦略の話をする時だと思う。

そういえば本日12月5日は、1996年にグリーンズパンがまだ6000ドル台だったダウ平均をみて「根拠なき熱狂」と戒めた記念日である。人も、国も、世界も変るものだ。今はバナナ共和国が心地よい。

(注、バナナリパブリックとは、気候に恵まれた中米ではバナナがいつも成っていることから、怠惰な生活が可能である例え・・)

もしこんな偽りの資本主義を止めて、まともな世界にに戻りたかったなら、米国は大統領にロンポールを選んだはず。でも選ばなかった。いずれ人類に神の裁断が下るとして、それまでは日本は日本のストレテジーが必要。

世界は遠慮なくストラテジー優先になっている(つまりモラルより結果)。そういう世界に覚悟なく中途半端に接するのは危ないし、バナナ共和国の外債よりも、他に買うべきものいっぱいある

2012年12月4日火曜日

マネー原理プロから


パパンドレア一族の財宝(ギリシャ)

これで国民は納得するんの?・・
2012-12-04 01:18:41 - 

スカイフォールに注意

ところでここに来てリスクのイメージが底割れからスカイフォールに変ってきた・・・


2012-12-03 21:23:09 -

中央銀行の当座預金の意味は

あらたに添付したのはFEDのexcess of required reserveのチャート。

2012-12-02 01:59:09 -

GDP16trillionにM2(マネーサプライ)10trillionの意味

今日もとつぜんベイナーが出てきた。そして株が下がる場面。
2012-12-01 02:55:26 -

ファットフィンガー

どうやらファットフィンガーが合った様子

2012-11-30 01:28:27 -

11月はいつもCHOPPY

幸か不幸か、相場は先週金曜日にWARNINGしたことが起こっている。(
2012-11-29 06:15:02 -

朝 昼 引け / 愚か 大馬鹿 スマート 


2012年11月29日木曜日

一燈照隅 について


 「昨日の嘘つきが明日の責任を語るな!  なぜ日本はこんな弱くヘナチョコになったのか!」                              
                                 春山満さん

20代から筋ジストロフィーの難病と戦いながら、年商6億円のビジネスを育てた春山氏。どこかで観た程度の人だったが、NHKのインタビューでの氏の言葉には迫力があった。以下インタビューの抜粋。


「 若い人が生き抜く力をつけて欲しい。本当に、若い人が生き抜く知恵をつけて欲しい。それがなぜかみんな変な方向を向いている。だから僕はそれを大政治家や 大企業や 大経済人に任すには、もうこの国はダメだと思う。そう判断しました。そうでなく、私たちが国家なんだと、それぞれが持っている、小さくても、志のある、憧れを持ったともし火が輝きだし、自分の役割を果たしていく。片隅かもしれないけどしっかりと照らす。こういう人が語ることによって、結果、日本が照りかえっていく。僕はそのメッセージをどうしても形にしたいと思い出した・・。


井上さん、 (NHKのキャスター)生きた学びをしないとダメよ。マニュアル本ばっかりよんで 目の前の答えをHOWTO本で探して 、 20代 30代、一番大事なのは、学んで真似ること。それは就職活動のための勉強、大学受験のための勉強のような、既にあるパターンの学びではなく、仕事や社会を通して学んで自分で加工していく僕はそういう幹の太らせ方を、若い人に伝えたいんです。


僕はたまたま病気をきっかけに、宿命としていろんなものを奪われていきました。足が動かなくなり、手が利かなくなり、そして首から下が麻痺して、考えれば絶望しかありませんでしたよ。ただ僕はどうやって生きていくかを考えた。無くしたものを100回嘆いても、そこに道は見つからなかった。それよりも、あと何が残っているかを考えた。こうしてしゃべれる。見える。聞こえる。何よりも、自分で考える。もうなくなったものは数えない。それよりも、残されたものを誰よりも磨いて、とにかく、生き抜くことを考えた。僕はたまたまそうやって20代 30代を歩いて生きた。


今就職難だといわれていますよね。大うそですよ。ソレは一部の大企業の新卒の求人倍率であって、中小は人がほしくてしかない。だってね、今の大企業はいつから大企業だったの。僕は大企業をいっぱいしっていますよ。30~40年前、怪しい金融だったり、怪しい薬やだったり、怪しいガードしたの工作機械家が、気がついたら大企業になっている。20代は大いなる練習時間として、楽しむような選択。僕はそういう風潮を世の中に伝えたいですね。」


春山さんが凄い人であることは間違いない。だが彼の強さを全員には期待するのは無理。また、今大企業に身を置く人には大して響かないかもしれない。だが赤字のところは肝に命じたい。そして相場観としていうなら、確かに50年前は多くの大企業は中小企業だった。今その組織の人が春山氏の主張を聞いても冷ややかなら、確かにソレは売りシグナルなのだろう・・。

2012年11月28日水曜日

真マネー原理プロから


< 世界の潮流(外交)の全て >

http://www.foreignpolicy.com/articles/2012/11/26/the_fp_100_global_thinkers?page=0,1#thinker2


潮流を作る世界の100人に日本人は二人。(自分で確かめてください)米国の外交に影響をもつバレリージャレットやイアンブレマーが入っていないのは、この雑誌の視点がグローバルだからだろう。ただし、自分が国際人の一人だと思うなら、まずこのなかの何人を知っているか確認してからだろう。



< フィスカルクリフの全て >

http://www.washingtonpost.com/blogs/wonkblog/wp/2012/11/27/absolutely-everything-you-need-to-know-about-the-fiscal-cliff-in-one-faq/


フィスカルクリフを語るなら、まずはこれ暗記しよう。

2012年11月26日月曜日


CASインサイダー事件は米国の小沢事件 

今日の出来高は、ブラックフライデー後の金曜としては2007年以来の

2012-11-24 03:04:52 -

アルゼンチンは?

月曜日の「ギリシャ」に期待して欧州株は上がっているようだ。今日の米国はまだ休み気分なので、この欧州の雰囲気に支配されたままだろう。この上のSPZは

2012年11月22日木曜日

 黄門様よりも鬼平 マネー原理プロから



まず参考までに、WIKIより長谷川宣以(平蔵)の抜粋した。(赤字に注目)

延享2年(1745年)[1]、400石の旗本である長谷川宣雄の嫡男として生まれる。母の名は不詳で、『寛政重修諸家譜』には某氏と記されている[5]明和5年(1768年)12月5日、23歳の時に江戸幕府10代将軍・徳川家治御目見えし、長谷川家の家督相続人となる。時期は不明であるが旗本の大橋与惣兵衛親英[6]の娘と結婚し、明和8年(1771年)に嫡男である宣義を授かっている。
青年時代は放蕩無頼の風来坊だったようで、「本所の銕」などと呼ばれて恐れられたと記録にある[7]。父の宣雄は火付盗賊改役を経て安永元年(1772年)10月に京都西町奉行の役に付き、宣以も妻子と共に京都に赴く。安永2年(1773年)6月22日、宣雄が京都で死去。宣以は父の部下の与力・同心たちに「まあ皆さんがんばってください。私は江戸で英傑といわれるようになってみせる」[8]によると豪語して江戸に戻り、同年9月8日に30歳で長谷川家の家督を継ぎ、小普請組支配長田備中守の配下となった。
父がためた金も使い果たし、遊郭へ通いつめて当時はやりの「大通」といわれた粋な服装をしていたと伝えられる宣以であるが、安永3年(1774年)、31歳で江戸城西の丸御書院番士(将軍世子の警護役)に任ぜられたのを振り出しに、翌年には西の丸仮御進物番として田沼意次へ届けられたいわゆる賄賂の係となり、[9]天明4年(1784年)、39歳で西の丸御書院番御徒頭[10]、天明6年(1786年)、41歳で番方最高位である御先手組弓頭に任ぜられ、順調に出世していった。火付盗賊改役に任ぜられたのは天明7年(1787年)9月9日、42歳の時である。
寛政の改革人足寄場(犯罪者の更生施設)の建設を立案し、石川島人足寄場の設立などで功績を挙げた。しかし、この時上司である老中首座松平定信に予算の増額を訴え出たが受け入れられず、やむなく宣以は幕府から預かった資金を銭相場に投じるという方法で資金を得る。辣腕とも言えなくは無いが、当時の道徳的には認められるようなものではなく(現代においては、役人が国家予算を相場投機で殖やすのは、道徳のみならず法的に認められるものではないが)、またこのような手法はかつての田沼意次を思い起こさせるようなものであり、このため意次を毛嫌いしていた定信とは折り合いが悪かった。定信は自伝『宇下人言』において敢えて名を呼ばず「長谷川(なにがし)」とまで記し、功績は認めたものの「山師などと言われ兎角の評判のある人物だ」と述べたほどであった。また前述のように清廉潔白というわけでもなかったので『よしの冊子』(定信の元に集まってきた隠密情報を整理した文書)によると「長谷川平蔵のようなものを、なんで加役に仰せ付けるのか」と同僚の旗本たちは口々に不満を訴えたという。
寛政元年(1789年)4月、関八州を荒らしまわっていた大盗、神道(真刀・神稲とも書かれている)徳次郎一味を一網打尽にし、その勇名を天下に響き渡らせる。
寛政3年5月3日1791年6月4日)、江戸市中で強盗及び婦女暴行を繰り返していた凶悪盗賊団の首領・葵小僧逮捕、斬首した。逮捕後わずか10日という異例の速さで処刑している。[11]
非常に有能だが幕閣(特に前述の定信)や同僚からはあまり信頼されていなかったようで出世はままならなかったが、的確で人情味溢れる仕事振りに庶民からは「本所の平蔵さま」「今大岡」と呼ばれ、非常に人気があった。宣以も出世できないことを愚痴っていることもあったが「越中殿(定信)の信頼だけが心の支え」と勤務に励んでいたという。
寛政7年(1795年)、8年間勤め上げた火付盗賊改役の御役御免を申し出て、認められた3ヵ月後に死去した。死の直前、11代将軍・家斉から懇ろな労いの言葉を受け、高貴薬「瓊玉膏」(けいぎょくこう)を下賜されている。東京都新宿区須賀町の戒行寺に供養碑がある。戒名は「海雲院殿光遠日耀居士」(かいうんいんでんこうえんにちようこじ)。長谷川家の家督は嫡子長谷川宣義が継いだ。
なお、長谷川宣以の住居跡には数十年後に江戸町奉行となる遠山景元が居を構えた。
 

政治を引退する与謝野さんがNHKのインタビューに出ていた。手術後で痛々しいかった。それでも財政問題を今警告しなければならないという政治家の信念、迫力があった。

10年以上TEA PARTY( 茶会党 世界で一番財政規律を重視)を追いかけ、その主張が正しいとずっと考えて来た自分が、急に「超法規的」「邪道」何でもいい、今は何かすべきと考えるようになった。しかしその理由が自分で説明できなかった。
 
それが与謝野さんの主張を聞いて整理できた。与謝野さんは2020年に日本は大変な事になるといった。また日本はソレに気づいていないとも言った。その瞬間判った。与謝野さん、あなたは正しい。だが時間軸が間違っている・・。


この国でその道に生きた者として、与謝野さんや野田首相、財務省、あるいは日銀・・が感じず、自分が感じている事がある。それは、イメージが実現するスピードが過去とは違うという事。スピードはあっという間であり、そのマグニチュードは破壊的だ。これはリーマンショック前後の激変を最前線で肌で感じてきた。
 
断言しよう。日本に2020年まで時間はない。日本の勘違いは日本の事ではなく、世界が待ってくれないという事。次の戦争では人を直接殺すドンパチは考えにくい。しかし経済で負ければ人は死ぬ。
 
あっちこっちでそれぞれのスタンダード化が始まる。国家資本主義は当然だが、日本は相手を倒す必要はないが、生き残るには今のままでは駄目だ。これまでの周回遅れの妙は、4THターニングではよほど運がなければ成立しない。


ところで安倍さんに入れ知恵をしているのは誰だ。米国の著名ヘッジファンドのカイルバス氏は、何年も円債をショートにして、それ以外の輝かしい経歴に傷をつけてしまった。恐らく今彼は安倍さんの登場を心待ちにしているだろう。(安倍さんの言うとおりのことがおきれば金利が上がり、最初はかなりの円安になる。そうするとカイルバス氏らは儲かる)
 
まさかそんな米国のヘッジファンドに繋がった誰かの進言を真に受けているとは思わないが。いずれにしても、良い人がいつも正しい事をするとは限らない。一方で悪い奴が良いことをしないとも限らない。昔振り込め詐欺で実績を挙げた奴を、国策のメンバーに取りこくむぐらいのことをしなければゴールマンサックスに勝てないといった。恐らくこんなことを示唆するのは、官僚としての実績と、歴史作家としてロマンも併せ持つS氏あたりだろうか。


ならば最後に一つ進言。単に金融緩和をしても駄目。日銀からメガバンク、地銀その他への金融システムに資金を流しても、結局今のカルチャーでは国債に向かう。ソレを刷るぐらいなら国民全員にお金を均等に配った方がよい。どちらにせよ、いずれモラルでは国は救えない局面がくる。
 
安倍さんに入れ知恵した人は、米国に精通し、売られた喧嘩を買う姿勢が見える。だが米国と日本の違いはここからの多様性。まず中央銀行。
 
米国人は今は株を昔のようには買わない。歳には勝てない。だからFRB(中央銀行)傘下のNY連銀は、ウォール街を使いQE(量的緩和)の金をそのまま金融機関からスムーズに株式市場に流れるシステムを作った。ヘッジファンドなどの市場参加者は素直に従った。だから金融資産インフレが起こり、曲がりなりにも今米国は生きている。


ところが日銀にFEDのような多様性はない。FRBにはタカ派もいて一見バランスを取っている。日本では報道されないジャクソンホール(毎年一回米国で行われる世界の中央銀行マン総会)の写真をみると、日銀の白川さんは、原則主義者だったホーニグ前カンザス連銀総裁と一緒にいる写真が多かった。(考えが似ているからだろう)
 
バーナンキ総裁はそんな硬軟のメンバーを窺いながら、実際のオペレーションは民間企業であるNY連銀にやらせている。トップはゴールマン出身のビルダッドレー氏。


上級国家公務員のバーナンキFRB総裁の給料が10万ドル台後半。一方で傘下のNY連銀のビルダッドレー総裁の給料は40万ドルだ。更に、NY連銀でウォール街と直接取引を行う若いトレーダーの大半はバーナンキ総裁より高給取りだ。
 
こんな事は日本の組織ではありえない。これが可能なのはFRBが公的業務を民間組織が行う柔軟性と多様性だ。昔はこの多様性を不完全で悪癖の元凶と考えた。しかし今、金融ストラテジーを中心にした国家間の戦争になると、これが政策の柔軟性にも見えてきた。ここが自分自身の変化でもある。


火事場、鉄火場ではいい人も悪い人も関係ない。救った人(博打に)勝ったが英雄だ。黄門様も大岡越前も実在の人物だが、実在の長谷川平蔵は元悪人を含めた人の使い方が本当に絶妙だったらしい。ソレは彼が火付け盗賊改めだったからだろう。火事場 鉄火場は平和な日本が感じるほど先の話ではない。


2012年11月20日火曜日

政党より適材適所<マネー原理プロから>

 
リンカーンは、南北戦争の国家二分の危機での再選後、副大統領を敵である民主党から選んだ。政党政治の建前より、国家の融和を優先した米国では今日から「リンカーン」が封切りとなる。大統領選が終わった直後、この国はハリウッドの使い方が本当に上手い。

米国から見ていて、大震災後も日本の政治が停滞したのは、二大政党制の幻想に日本が取り付かれたままだったからだと思う。それはまさにバブル後、経済を救うのはグローバルスタンダードだと幻想したのににている。長い目でみれば方向性はあっているかもしれない。だがその前に国が死んでは意味はない。ならばどうするか。
 
そもそも政局とは政党政治のための劇。行政は官僚が運営し法案審議以外は止まる事はない。なら数年に一度、ガス抜きとして「見せ物」を楽しんでもいい。期待し、裏切られ、期待し、裏切られ・・天から見れば、国民を適度にもてあそび、体制(平和)を維持するにはよいシステムだ。ただし経済的に国家存亡の今回、誰が勝っても内閣は適材適所を優先し、必要なら大連立を組むべきだろう。
 
そもそも単一民族国家でまだ中間層が存在する日本が、英米の2大政党制をマネする理由はない。2大政党制は、英国で発祥した時、さらに今の米国でも、基本的に資本家対労働者を代弁している。この格差は「彼らの資本主義」と関係している。一方日本は「会社=家族」の価値観で経済を発展させた。55年体制が長く続いても、革命はおきず、この間国民はテレビで紅白歌合戦や水戸黄門をみていた。ならば今必要なのは2大政党ではなく政治の適材適所。国会全体をみれば優秀もいるはず。無理なら優秀な民間人を登用すべき。無理に党内の論功で大臣を選び、ぼろが出て必要のない政局を呼ぶべきではない。
 
その意味でオバマ政権の新財務長官に注目だ。個人的にガイトナー長官を尊敬しないが、金融危機を引き継いだ彼は、イデオロギーに関係なく、やるべき仕事をした。その背景には懲罰よりも必要性やバランスを優先した外交の専門家のキッシンジャーの教えがあった。結果的に適材適所だった。オバマ政権は同じ観点で次の財務長官も選ぶだろう。いろいろ名前が出ているが、もしかしたら共和党色の強い人を選ぶかもしれない。その方がフィスカルクリフで共和党の妥協が得られる。
 
二大政党制は平和すぎて威厳を失った日本の政治が掲げたグローバルスタンダードの掛け声。だが今国民が望んでいるのは国を引っ張る政治。もし第三次世界大戦が起これば、日本は挙国一致するしかない。人はまだ死んでいないが、新しい経済の大戦は始まっている。政治はオールスターで望むべし・・。
 

訂正とSP200日 

先週の金曜日の「二大政党・・」の中で、CMEはゴールドの証拠金率を引き上げたと書いてしまいましたが、引き下げたの間違い。お詫びします。

文脈は「引き下げ」になっていたと思いますが、

2012-11-20 04:29:39 -

ヘッジファンドのあせり

オバマはアジアにいてフィスカルクリフでテレビに出ることもない。ならば周りのローカルも売るチャンスはなし・・。


2012-11-20 01:00:39 -

休戦と開戦

イスラエルとアラブは決して癒える事のない傷口と瘡蓋のようだ。

2012-11-19 23:20:59 -

二大政党制より適材適所

CMEがゴールドやシルバーの証拠金を引き下げた。選挙前、CMEはオバマ政権の圧力?でオイル価格が上がらないようにしていたが

2012-11-17 00:45:36 -

リンカーン

オバマのスピーチでは売る・・
2012-11-16 04:23:00 - 日記

テキサス独立のブラックスワン

VIXが20を超えず株がここまで下がるのは、VIXがこの事態を把握していないか、あるいは

2012-11-16 00:08:04 -

出回り始めたバーナンケチャート(SP500)

昨日紹介したSP500のチャートが、かなり注目を浴び始めた・・。


2012年11月17日土曜日

テレビの緊張感


人殺しの罪で追われているウイルスバスター発明者のマカフィー氏が、突然CNBCに電話をかけてきた。地元警察に撃ち殺されるかもしれないのに、投降する意思はないという。大騒ぎもせず、市況解説の合間に淡々と中継したCNBC。ある意味でさすがだ。

当然ながら、米国メデイア関係者にもタレント性は必須。同時に凛としたジャーナリストの分別も持っている一流も多い。一方人柄優先の日本のテレビでは、つい女性の胸を触ってしまうニュースキャスターも出る。あのNHKのアナウンサーは年齢も近く親近感があり好きだった。でもたった一度のミスで終りなのが日本。残念だ。

考えてみれば、敗戦後に始まった日本のTVには緊張感は邪魔だった。傷ついた日本人を癒すには緊張した報道はいらない。喜劇やホームドラマが一番だった。子供の頃森光子を見た。ただ米国でCNNが始まってからも、日本では相変わらず死体や犯罪者の顔は写さなかった。いつの間にか日本は、平和優先が現実さえ見ようとしない雰囲気を作り出していた。

ただこれからは否応なしに報道も緊張するだろう。昭和のホームドラマの主役だった森光子もなくなった。そろそろお笑いを卒業するのもよい。中国や北朝鮮を身近に感じられるかもしれない。

結局国民が今のままなら政治も今のままである。ここからは政治家の責任ではなく、テレビなどメデイアの責任もいいたい。そんな中テルアビブにロケットが落ちたというニュースが走った。イスラエルの首都にロケットが落ちたのは1967年以来。イスラエルは75000人の予備兵をフル稼働した。

今のジャブジャブの金融市場では、戦争を知る人はきわめて少数、「戦後」を知る人も減り、冷戦さえ知らない人が相場のプレーヤーの大半になりつつある。学校で歴史を勉強しても、お金がからむと人は自分の経験を頼る。なんと残酷か。次はどんな相場が待っているのか・・。

2012年11月16日金曜日

エリート会議 マネー原理プロより



(下のチャートを参考に)
個人的には今だにサムソンの商品は一流とは感じない。だがこうして日本メーカー5社の時価総額の合計とサムソンの時価総額のチャートをみると、日本人としては言葉を失う。いよいよ覚悟が必要だ。

消費財の主戦場がアジアと米国なら、日本は国家と企業の一体化戦略が不可欠。その一環として、日本企業の株価を上げる金融政策も必要。それは戦後の「金融と大蔵省」「経済と通産省」の関係を超えたもの。しかし学者で固められ、古めかしい金融理論以外の想像力の乏しい人が金融政策をすると、株価の差もこうなってしまう。無論株価の差は収益の差だが、それは金融政策を軸とした国家戦略の差でもある。
 
もし日本が鎖国をするならこのままでもいい。金融資産インフレを軸にする欧米のバブルはまたはじける。さすれば自ずと日本が正しかったことが証明される。リーマンショックと大震災後、個人的には日本はその方向が正しいと考えた。だが最近になり、日本には日本人が考えるほどの時間が残されていないと判った。

そんな中日本はTPPに参加する。だが株価がこんな状態では、商品で勝っても資本市場で負ける恐れがある。「敵」は日本のその弱点を承知でTPPを考えている。今の日本は、実直な野田さんがラスベガスのポーカー世界選手権のテーブルに日本代表で座っているのと同じ。そのイメージは安倍さんでも同じ。世界が4THターニングの今、政局という「ガス抜き」を繰り返す日本を見るのは厳しい。
 
一方米国では本日オバマと米国の一流企業経営者が懇談した。経営者の多くはロムニーを応援した。だが政治でも経済でも、アメリカのエリートが庶民との違いを見せるのはここからだ

元々雑多な民族が集まる米国は、軍事的にも経済的に常在戦場。それをエリートは判っている。だからしこりが残る庶民感情とは別の次元で次のベストを探る。4年前の骨肉争いだったオバマとヒラリーが、政権がスタートすると表面的には一枚岩だった様に、新移民を地盤にする民主党のこの政権はその能力が特に高い。

そして金融危機後この政権は信賞必罰をしなかった。日本人としては違和感だった。だが今は彼らの知恵と認めざるを得ない。財務長官として混乱収拾の中心人物だったガイトナーはキッシンジャーの薫陶を受けている。キッシンジャーの外交の基本がウイーン会議であることは有名だ。

ウイーン会議では悪者となったフランス(ナポレオン)を殺さなかった。キッシンジャーはだからその後欧州は100年間戦争をしなかったと考えいる。ローマ帝国崩壊後、欧州で100年間戦争が無かった他の事例はなく、第一次世界大戦でドイツを懲らしめすぎた事が第二次世界大戦に繋がったことを反省している。
 
このような白人の歴史と日本のそれぞれが今80年周期の第4コーナーにいるとして、日本は実直な単一民族社会のよい面を押し出す戦略から、ソレが弱点になる可能性も踏まえた柔軟性が試される。添付のチャートはその警告と考えている・・。
 
 

2012年11月14日水曜日

これって本当?


 
 
 
日本の5社の株価がよくわからないが、この出回っているチャートが本当なら、日本市場は一旦閉じた方がいいかもしれない。
<マネー原理プロから>

資本主義の結末

ところでバーセルのOTCデリバティブの総額が発表された。(添付)・・・その当時と比べデリバテイブは更に6倍になったが、豊かさが6倍になった人はどのくらいいるのか・・
2012-11-14 05:05:33 -

USA からISAへ

 
世間はフィスカルクリフを騒いでいるが、戦後世代の政治家が出す答えは妥協以外にはない。よって最後はバンジージャンプ。株はそれは織り込んでいて、今の調整の本当の理由は//
2012-11-14 01:10:56 -

あまり期待しない・・危機

2012年11月12日月曜日

均整社会のこれから’


宗教家の久保有政氏が英語の論文で「米国の国旗には星がいっぱいあり、日本の国旗にはお日さまが一つ・・。それだけ日本人と米国人の考える国家感は違う」といっていた。なるほど。宇宙からすれば、夜空の星も昼間の太陽も無数にある同じ星。だがソレを国旗に用いる感覚はこんなにも違うのか。これまで日米の違いを話すとき、国家観の違いとして中江兆民とロックの国家契約説の違いがいいと思った。だが米国が押し付けるルールと、日本が勝手に盲信する米国の本質の比較には、この久保氏の解説の方がいい。

複数の星を前提にする米国と、国名のごとく日ノ本で一つになる日本。そんな平和な日本で世間を騒がした二つの事例はこれからの日本の課題を浮き彫りにした。まず東電の女性社員殺人事件。ネパール人が有罪にされた過程でおきたそれぞれの「思い込み」。そして女性デザイナーが刺殺された事件の警察の対応。担当者は逮捕状を読み上げる際「決まり」だったので、女性の新しい性名を読み上げたという。

組織では一人一人が規則を守ることは最も重要。経済に限らず、圧倒的な日本の平和やそこそこ強くなったサッカーは世界に誇れる。しかしこれまで日本の武器だった「均整」は、米国が4THターニングに入ったといわれる今、今度は日本を亡国に導くかもしれないと考えている。日本にとって厄介なのは、震災をきっかけに日本が独自の価値観を探り始めたタイミングと、米国の4THターニングが重なってしまったことだ。しかしコレも運命、ここからは冷静に状況を分析し、最善の判断を期待するしかない。

では4THターニングとは何か、おさらいをしよう。まず入植以来、米国は70年~90年の大きな周期を3回経験したといわれる。そして今は新しい周に入るまえの第4コーナーをまわったイメージ。それが4THターニングである。過去の4THターニングでは次の事がおきた ① 1770年代の建国の動乱 ② 1860年代の南北戦争の勃発 ③ 1940年代の第二次世界大戦・・。そしてリーマンショック後、米国は4回目の4THターニングを迎えている。

90年代、この説を主張したのはW.ストラウス氏とN.ハウ氏である。92年の二人の共著「GENERATIONS」では米国の世代の特徴をを分析。大恐慌と二つの世界大戦を経験した世代をグレートジェネレーションと呼ぶ一方、97年の続編「4TH TURNING」では第二次世界大戦後のベービーブーマーの登場は米国をどうかえていくかの未来予想をしていた。

そして①~③の1周は概ね70~90年。4THターニングはその最後の20年程度の混乱をさす。この混乱を経て新しい体制が定まり、次の周期が始まる。そう考えた二人は97年の著書の「4THTURNING」で次の混乱は2006年頃始まり2025年頃まで続くとした。リーマンショックは2008年である。

では日本はどうか。近代以降日本が体制を変えたのは明治維新と敗戦。その原因の黒船来航が1853年で満州事変は1931年である。偶然か必然か。この間も約80年の開き。どうやら日本にも同じような周期がある。そして今、敗戦から70年という大台が見えてきた。明治維新のきっかけは黒船だったが、日本は自分で体制を変えた。しかし敗戦は自分で変える事が出来ず、圧倒的なアメリカの力に変えてもらった。この違いは大きい。そしてそのアメリカが4THターニングに入ったなら、好む好まざるにかかわらず、日本も巻き込まれるのは必定。

ただマッカーサーの米国によって変えてもらってからの日本は、鎖国だった江戸時代とは違う社会だ。適度に開かれながら、米国の傘下で均整社会は維持できた。ただしそれは米国は4THターニングを迎える前、世界が冷戦構造の中で硬直した時代の話である。ならば今の日本が自分で変るだろうか。今政治が「維新」を語るなら、まず国民に自ら改革するエネルギーの出所を示すのが先だろう。

ストラウス・ハウは周期内の4つのターンを、「高揚」「覚醒」「開放」「危機」に分けた。冷戦が終わり、クリントン・ブッシュ時代はまさしく規制緩和(開放)の時代だったが、。リーマンショック後の「危機」が今として、その中での大統領選が終わり、白人層の希薄化、資本主義の格差の調整で米国の民主党化は鮮明になった。日米はここでTPPの本番を向かえる。

そもそもオバマの再選を世界が喜んだのは、米国が敵味方をはっきりさせる孤立主義を選ばなかったからだ。だがソレは日本のような正直な国には有利とはいえない。なぜなら今の世界は限られた成長というコップの水を争っている。オバマを歓迎したのは中国も同じ。オバマの米国と中国はこれからもしばらくは繋がっていく。そんな中、平和的にコップの水をシェアするには誰かが間抜けな役をやらなければならない。

米国は10年後にアラブやロシアを抜いて世界最大のエネルギー産出国になる。これまでの米国の外交には冷戦と中東のオイルを意識した戦略があった。そこで生まれた資本家は今回ロムニーを支持した。しかし今シェールオイルを掘る人々は民主党の支援も受けている。米国の国際戦略から、冷戦に続きオイルの重しまでが消えたらどうなる。伝統的な共和党の存在価値はますますなくなるだろう。ならばこの構造の間隙で生きてきた日本は抜本的なイメージチェンジが必要だ。なぜなら、ここ30年の日本経済は共和党政権下の方が圧倒的に好調だったからだ。

以前より強国の独ソにはさまれたポーランドを引き合いに出し、自立できなかった国の悲劇を語ってきた。日本が真に独立国家として生き残るには、米国から自立した上で、中国と対峙する以外に道は無い。だがもし新進気鋭の外交家(一説には次のキッシンジャー)イアンブレマー氏が勧めるように、日本は実をとって米国のアジアの出先の州として生きることを選ぶなら何も言う必要は無い。ソレはそれで米国は戦略的に大切にするだろう。ただその判断を衆愚政治に任せるならそれなりの運命が待っている。

2012年11月10日土曜日

真マネー原理プロから


バンジ-ジャンプはマヤの暦で

オバマのあと、USZ141と144PUTに買い。同感・・オバマはREVENE UPという言い方でフィスカルクリフを避けると表明。


2012-11-10 06:16:37 -

ベイナーとオバマのスピーチ・・

噂によるとオバマのスピーチは漏れているらし・・

2012-11-10 01:20:09 -

200日線と金曜日の関係

200日線と金曜日の関係は重要・・。


2012-11-09 23:19:56 -

理想が空想か、中間層のための銀行

今金融に最も影響力を持つアナリストに選ばれたマイクメヨ氏。彼はCITIとモルガンスタンレーを4年ぶりに格上げした。理由はこの2社はある意味でトップを諦めたがゆえに///



2012-11-09 02:26:43 -

なぞの出資、シャープを助けるアップル?

欧州中銀の時間帯が終われば米株は昨日のベイナーの発言(


2012年11月8日木曜日


真マネー原理プロから

TPP本番に備えよ

先ほどのベイナー議長の発言は

2012-11-08 05:59:39 -

ウォール街の悪夢 アメリカの田中真紀子

天敵の彼女が///

2012年11月7日水曜日

日本の正体、心地よい奴隷社会



世界で一つだけの花になることは、NO1に成ること同等に大変なこと。その覚悟がなく、もし組織社会で埋没することのエクスキューズで10年もこの歌が流行ってきたなら、日本の正体がそこに見える・・と、かなり過激な事をFACEBOOKのクラブインベストライフに書いた。賛同意見が多いことに驚いた。しかしその世代は皆エネルギー十分な先輩だった。

自主独立には命を懸けたプライドが必要だ。そんななかクローズアップ現代で尼崎事件をやっていた。結論は角田被告は現代の法治社会において特定の人と奴隷関係を構築したようだ。ただいくら角田被告が心理操作に長けていたとしても、あれだけの相関チャートは異常。個人的にはこの事件の本質は、被告の異常性よりも、被害者側に共通する特質にあると感じる

そもそも奴隷関係は社会がなければ存在しない。社会よりも孤立を好んだネアンデルタール人が多く住んだ欧州には、エジプトや中南米文明のピラミッドやアジアの古墳のような大遺跡はあまりない。ネアンデルタール人とコーカソイド(白色人種)の関係は判らないが、ピラミッドや古墳の構築に奴隷は不可欠だったわけで、奴隷社会はやはりネグロイド(黒色人種)やモンゴロイド(黄色人種)の方に起こりやすいのではないか。

西洋学説では人権が初めて歴史に登場確立したのは古代ギリシャのポリスらしい。戦争に負けた方が奴隷になるのはローマ時代も続き、その労働力はパルテノン神殿やローマのコロシアム建設に不可欠だった。そしてゲルマン人が西ローマ帝国に侵入してからは奴隷は農奴へと格上げされた。奴隷にもある程度の人権が認められると中世の封建社会が始まった。

白人が作る歴史戦争映画には共通する特徴がある。それは白人は個々の兵士が人格や人権のある人間として描かれるが、有色文明の敵は感情を持たない塊のように描かれる。ここに人権に対する白人のこだわりを感じる。始まりはペルシャ戦争らしい。コンピュータグラフィックを駆使した映画「300」では、ペルシャのクセルクセス大王率いる20万を、国家と民族のプライドかけて屈強なスパルタ人300が迎え撃つ。彼らは人格人権を持った人間として戦う事を選んだのだ。

一応史実とされているが、ペルシャ戦争はギリシャが当時国力で10倍以上だったイランを撃退した戦争であり、ギリシャ軍は人権を持つ平民で構成されていた事が、後にギリシャがデモクラシーをうみ、欧州が他の文明に先駆けて近代の扉を開いたとする優越感の起点になっている。だが、当時既に人種や宗教に寛大だったとされるペルシャや、孔子の教えが既にあった春秋時代の中国に対し、自惚れの面も否定できない。

世界的には稀有な組織社会をここまで進化させた日本で起こった奇怪な尼崎事件は、近代デモクラシーの象徴である米国の大統領選挙の日のテーマとしてはふさわしいと思っている・・。