2012年6月30日土曜日

日独同盟のすすめ




EUサミットを前に、ロイターのツイッターには、ユーロはドイツがいないほうがうまくいく、だから出て行くのはギリシャではなくドイツのほうだという投稿があったという。

ならばドイツがいないユーロを試してもらいたい。相場としては面白い。ドイツもこの人達を相手にするのではなく、もっと世界に目を向けるべきだ。ドイツと志を一緒にする国があるはず。

ふとみると、トヨタとBMWの提携はこれまでありそうでなかった日独提携。昔スズキがワーゲンと提携していたがトヨタBMWの提携は次元が違う。ならば国家間でも日独同盟をもう一度結んだらどうか。

いい加減、国連憲章でいまだに両国を敵国としている議論にも飽きた。二国にアレルギーがあるならトルコやインドを誘ってもいい。

日本とドイツがこの役をやってきたことで両国に実利があった事は承知しているが、メルケルの譲歩をドイツ敗北?といってよろこんでいる市場をみると、欧州は政治、サッカー、経済が同じ次元にあると感じる。

一方で米国の属国をやめる意思のない日本も、一旦は自己主張するタイミングに来ている。日本とドイツの同盟は、先進国がこのまま怠惰な方向にメルトダウンしないためにも必要ではないか。

そうなったら米国はどうでるだろう。米国が世界の主役でなくなるは恐ろしいと知りながら、個人的にはどこかで待ち望んでいる。そんななか今日のニュースではアジアにおける米国の影響の濃淡が明確だ。韓国では日本と軍事協定を結んだことは大騒ぎらしい。

これは米国の対中ロ戦略上の圧力だが、日韓の歴史からすれば、オスプレイ導入程度で済んでいる日本と比べ、韓国の現政権が取ったリスクは計り知れない。

米国は中国をイランオイルの禁輸協定から外した。中国にオイルを売れるなら、イランを兵糧攻めにする効果は限定的。オバマ政権はユダヤ票を取りに行っているだけだ。

ところで日本は米軍の新型ヘリのオスプレイを拒んでいる。だが米国では旧型の老朽化と機動力不足がずっと問題だった。イラクとアフガンで何人が犠牲になったか。極めつけはビンデイン攻撃。彼を仕留めたからよかったものの、2機のうち一機は途中で故障した。

確かにオスプレイは変な格好だ。なんとなく落ちやすいイメージがある。だがどんなヘリも落ちるときは落ちる。沖縄問題の本質はヘリの型ではなく、いつまでも駐留を続ける米軍が問題。

こちらのニュースで旧型ヘリでの犠牲を追ってきたので、沖縄県民が感情論で兵器まで判断するのは逆に危険が増すのではないかと心配になる。そこで冒頭のクリップの彼に登場してもらう。彼ならオスプレイの安全性を冷静に判断できるだろう。

この物体に米国は驚嘆した。何よりもこれだけの性能の物体が、市販の材料を使い8万円で出来しまうのは脅威。日本とドイツが組めばもっとすばらしいものが出来るはず。ソレを平和に利用するばよい・・。

2012年6月29日金曜日

主審のレベル (マネー原理プロから)


そもそもユーロ2012の試合をここまで真剣に観たのは初めて。そして一番驚いたのは主審のレベルの高さだ。イングランドは副審のミスによる恩恵があったが、全ての試合を通し、アジア杯やワールドカップでさえ時よりある「主審による変なジャッジ」は見当たらない。さすが欧州のサッカー。ここのレベルは違う・・。


ところで今日の米国は歴史的な日となった。日本人からすれば国民皆保険のどこかが悪いか不思議だろう。保険はやり方によっては儲かる。だから民間がやっている。またオバマケアが企業が雇用を減らすという批判も精査すれば正解ではない。ではなぜここまで反対があるのか。

ソレは簡単。米国人は均一ではない。人種、肥満、同性愛、薬物まで、何もかも違う、一方でその自由は認められている。自由なら、結果は自己責任でなければならない。保険法案はこのバランスを崩すと考えられている


怠惰な生活するのも自由。だがソレで病気になった人のコストをなぜ健全に生きている人が負うのか。政府による国民皆保険はこのコンセプトを受け入れられるかどうか。

日本は日本人の国だ。だから成立する。アメリカはアメリカ人の国だが、アメリカ人が何かは今もわからない。そして半分のアメリカ人はこの法案は違憲だと考えた。


にもかかわらず、この法案を合憲とした最高裁主席判事のジョンロバート氏(写真)。これまで最高裁の歴史的な判断は、概ね共和党と民主党のどちらの大統領に判事が指名されたのPARTY LINEだった。

ブッシュに指名されたロバート判事がスーパーパックを認めた事で、2年前、オバマ一般教書演説で彼を批難した。そのロバート最高判事が今回はオバマを窮地から救った。この意味は大きく、共和党には衝撃である。

もしかしたら、この判断は、サッカーでミスジャッジをした主審が、手心を食えてバランスを取ったのと同じだろうか。

いずれにしても、このロバート判事の判断によって、オバマとロムニーの試合の流れは振り出しに戻った。そしてそれは今会議をしているメルケル。また共和党に遠慮していたバーナンケにも大なり小なりの影響を与えるだろう・・。

2012年6月27日水曜日

米国スポーツ




昨日試合、選手も、観客も、そして審判も・・ みんなでインチキ。まあそれが米国スポーツのいいところ・・。




上はナイキがオリンピックに向けて開発した陸上短距離用スーツ。先日の米国のロンドン五輪男子100メートル予選でも数人が試していた。ナイキにょれば、これを着ると100Mで最大0.02秒の短縮が可能だという。こんなスーツがゆるされるのだろうか・・

2012年6月26日火曜日

97%の確率

http://www.businessinsider.com/pirlo-penalty-euro-2012-6#ooid=pyeTY4NTqC7nyojVYkHYvAs10WNeBmQB


近年サッカーのぺナルテイーキックはより心理戦の様相を呈している。とくに欧州はゴーリーの身体能力が格段に発達し、ゴールが決まって当然という雰囲気はない。

そんな中で昨日のイタリア・イングランドのぺナルテイー合戦は見ごたえがあった。この勝負の「あや」が観れただけでも時間内で勝負が決まらなくてよかった。

そしてなんといっても圧巻はピルロ。そもそも彼は本能的身体能力中心の欧州サッカーで、頭脳で一流を維持している稀有な存在。

あのカカがレアルに移るとき、一緒にピルロを取れば優勝できるといったが、その言葉通り今年ピルロは移籍先のユベントスを優勝に導いた。

ESPNでEURO12の解説をしているバラック(元ドイツキャプテン)は、ぺナルテイーキックは正面のキーパー上半身エリアにボールをけりこめば97%の確率で成功するデータがある事を紹介した

だが97%の確率を信頼するかどうか。また簡単に見えて難しい正面上方にどんなボールをけりこむか。キーパーとの駆け引きの中ではその判断が難しいといっていた。

そして、3番手として登場したピルロとヤング。彼らはこの正面キーパー上方を狙った。しかし結果は違った。 昨日は心理戦を制したものが勝負を制した結果となった。

2012年6月23日土曜日

日米民主党の正念場


(プラティニの顔に注目)


やはりドイツは強かった。これで来週が心配?。ただそれはギリシャよりも日本と米国。日本も26日に増税法案の採決があるらしいが、米国でもちょうどその頃保険法案への最高裁の結審が出る。オバマ政権がこのまま瓦解していくかどうか。もし否決されれば、それは2000年に最高裁が次の大統領をゴアからブッシュにすり替えた以来の大事。米国の民主党には大ダメージである。いずれにしても、来週は日米で民主党の正念場・・。

さて、こう見ると先進国はそれなりに煮えたぎってきた。どの国民も既存の政治に不満だらけ。94年以来、2008年に瓦解するまで、日本以外の先進国はいい時代が続いた。ならば衣食が足らなくなった人々が礼節を欠いた行動に出るのは自然。その意味で日本は優位。既に低成長にアジャスト、そこに大震災があった。国民はそれなりにまとまり、東電の給料はまだ高いが、不満をもちながらも国民は節電という一つのテーマに取り組んでいる。今先進国で国民が共通のテーマに自発的に取り組んでいる国は他にあるだろうか。通常ソレは戦争かサッカー?。そう考えると日本の原発の脅威は、雑多な米国をソ連の脅威がバインドしていた頃と同じ効果をもたらすと期待したい。(米国では金融危機でウォール街が東電の役割を演じた。この点で社会にプラスの要因はない)


その時代は辛かった。だが終わってみると冷戦は米国を強くしていた。同じように、日本は原発の脅威に国民が団結して立ち向かう事で、他の先進国が驚く新しいエコシステムを生み出す事を期待したい。ソレが自動車や家電に続き日本の新しい産業基盤になる。そうなれば日本で先にバブルが崩壊した事。低成長でも国民は礼節を失わず耐えたこと(儒教や貯蓄重視)。そしてその日本に大震災が襲ったことが一本の筋で結ばれる。


こんな想像が、先進国でレーガンマジック(冷静終了と規制緩和による経済効果)が終わってしまったことからの94年回帰説の根拠だが、(94年の株価が今よりも高いのは日本だけ)一番重要なのは、政治が今の日本の優位性を判っているか。さもないとまたインチキ格付け機関に怯えてチャンスを逸する。

増税はしてもしなくてもいい。日本は日本人が仕切る国。ならば税の再分配に多少の不公平があっても、ソレで国家のレジティマシィが揺らぐことはない。問題は増税論の根拠。もしソレがヘッジファンド主体の今の金融市場を恐れての事ならまったくもって本末転倒。というより逆効果。異論があれば一流のヘッジファンドにいる日本人に意見でも聞いてみるといい。(問題はその絶対数がいない)今の民主党ではそこが不安。まあ民主党でも自民党でも、あるいは大阪の勢力でも、市場との対決で日本の主導者に自分がグリップを握る覚悟がないと(つまり逃げない)、94年回帰は神頼みとなる・・。






CNBCでもこの後のドイツ ギリシャ戦を特別な一戦としてと取り上げている。これはワールドカップでもなかったかこと。そして、もしギリシャが負ければまた暴動がギリシャで起こるのではないかとの質問が出ている。ということは、市場はドイツが勝てば株は下がると考えているのか・・。

2012年6月22日金曜日

<癌だましい>の凄み


NHKで「癌だましい」という本の紹介があった。作者は癌だった母親を看取った後、自分も末期の食道癌である事が判明した女性。この作品文学賞を取った直後52才で亡くなった。彼女は生前は目立たない人だったらしい。病気になる前から小説は書いていたらしいが、古くからの友人によれば、病気になってから彼女は一変したという。死を宣告されてからむしろ生き生きとし、残された時間をどう使うか、楽しそうに話したという。作品は彼女自身なのか、癌に侵された女性が、残された時間を「食」にかけた壮絶な最後を追う内容。そして友人も、最後を看取った病院関係者も、またこの話を取り上げたNHKのディレクターも、生きる時間を限られた人間が、生きる事の本質に迫ろうとする執念に衝撃を覚えたという・・

寿命が伸びて戦争もない今、自分で自分の時間を区切ることはない。だが昔は寿命は短かかった。あちこちで戦いもあった。人間50年(長くて)。人は心のどこかで生きる時間を悟って生きていたのではないか。長生きはいいとして、いつまで生きるのか判らないと老後が不安だ。お金はもつか。不安になると冷静な判断ができない。金融詐欺は楽勝。だが自分の時間に区切りがあればどうだ。命なら、不安な気持ちで過ごすのはもったいない。作者からはそんなメッセージを感じた。

ところで、ならば政治も時間を明確に区切ったらどうか。日本の衆院任期は5年。だが満了で選挙になったケースはあまりない。これを大統領は4年。下院(日本の衆院)は2年で必ず選挙になる米国から見ると、日本は政治=政局にしか見えない。制度の違いは承知しているが、任期がはっきりしないがために本質とは別のところでエネルギーが向かうのは否めない。そして実力がなく不安な若手は小沢一郎を頼る。すると小沢氏の役割も終わらない・・。

また党が決めた方向にしか投票できないのもおかしい。米国は上院は当然、下院議員も選挙区民の意見を前提にもっと自由に法案を採決している。任期が2年と決まっているから必死。法案へのYES/NOはすべて記録され、改選では必ず対抗馬から突き上げを食らう。この戦いを20年以上乗り越えてきたバーニーフランクとロンポールの金融論は真逆だがさすがである。任期を全うさせることで、選ぶ側にも自己責任を促す。選ぶ人を間違えれば、次の選挙まで待たなければならない。ソレは自己責任。そうすれば投票率も上がるのではないか。いずれにしても、先進国が市場原理が曖昧になった弊害に苦しむ中(救済とモラルの狭間)、今日は己の時間を区切った人間の凄みを知った・・。


担当編集者から一言

表題作は、食道癌にかかった45歳の女性が、一切の積極的治療を受けずに、ただひたすら食べる欲求を持ち続けることで癌と闘う姿を、迫力ある筆致で描いた作品。作者自身、末期の食道癌を患っており、本作で第112回文學界新人賞受賞の一報を受けた後、帰らぬ人となりました。同時収録「癌ふるい」は亡くなる直前まで病院のベッドで校正を続けた受賞第一作。山内さんが最後の力を振り絞って提示した「生き抜く力」を感じて下さい。(KK)

2012年6月19日火曜日

41と44の宿命 米国のリベンジ(マネー原理プロから)


<41と44の宿命>


添付の写真は先月のキャンプデービット。選挙戦が佳境に入るオバマは、再選の足を引っ張る欧州危機に対し、早急の対処を要求したのだろう。写真の一人一人の表情はそれぞれの思惑が出ている。
想像するに、それなりの見識を持つ欧州の各リーダーは、今の問題が自己責任であることはわかっている。しかし願わくば日本のような静かな後退を理想?としていたかもしれない彼らには、その機会を奪ったのはアメリカという思いがあるのではないか。
2008年の金融危機は米国発だ。今の事態がその延長として、原因を造った米国からいろいろ言われるのは納得いかない・・。写真の表情はそんな雰囲気を感じる。ただソレはこの政権が原因ではない。一方でその因果がオバマの再選を阻むとしたら、それがオバマの宿命だったということになる。

この状況に立ち向かうオバマの選挙チームはどうやら事実上の非常事態宣言を出した。先月同性間の結婚を認めたのに続き、金曜日には不法移民の子供への定期間の滞在を認めた。個人的にはやりすぎだと感じる。つまり自滅パターンに入った予感。

そういえば今週からHBOで「41」というドキュメンタリーが放送されている。これは第41代米国大統領の回顧録だ。これを観て感じるのは、大統領が再選されるかどうかは運だということ。
ジョージHWブッシュは、息子に比べればやはり桁違いに優秀な人間だった。だが彼は再選されなかった。ミスをしたわけではない。軍事的にも成功し(第一次湾岸戦争)、冷戦勝利の式典に出たのは彼だ。
ただ冷戦勝利はレーガンがもたらしたとされ、その恩恵はクリントンが受けてしまった。いくら彼が優秀な人間でも、この宿命は換えられなかった。
ドキュメンタリーの最後にホワイトハウスをクリントンに引き渡す当日の様子が紹介された。その時の表情が人間らしくなんとも言えずいいのだが、クリントンはよくがんばったと評価したパパブッシュは、ロスペローをどう思うかという質問に対し、「彼だけは絶対許せない」と、90歳を前にしてその怒りをあらたにしていた・・。

<米国のリベンジ>

本日親善試合でナデシコが4-1で米国に負けた。変化した米国に圧倒された様だ。そもそもワールドカップに続き、前回大会も米国に勝ってしまったナデシコ。オリンピックでは日本を最大のライバルとして本気になった米国を相手にする事になる。

ワールドカップの時に紹介したが、米国女子チームはパワーだけでなく、世界で一番練習時間が長いといわれる。彼女達はそこにプライドを持っている。その米国をここまで本気させた日本。米国にとって日本の存在感が薄れる中、ソレはソレで凄いことだ。

レター1で紹介した「41」では、少年時代、サッカーと野球に明け暮れ、大恐慌とも無縁の優雅な生活をエンジョイしたパパ ブッシュは、イエールに入学直後のパールハーバーに生まれて初めて衝撃を受けたと告白している。そのまま志願して海軍へ。周りのイエールの学生も同じだったという。この事からも、欧州参戦を画策するルーズベルト政権を牽制していた当時の米国内の雰囲気が、日本の一撃にでいかに一変したかが想像つく。

そしてナビゲーターとして搭乗した戦闘機が日本の対空砲で打ち落とされたブッシュは、海面に激突する直前にパラシュートで海へ飛び込んだ。味方の潜水艦が彼を救い上げるシーンが残っていた。

ナデシコよ、米国の本当の力はこれから。そんな事は彼女達が一番知っている。何とか「昔の負け」を取り返してもらいたい。


2012年6月15日金曜日

料理は語る(真マネー原理プロから)


映画トロイから
映画300


映画アレキサンダーから
米国ケーブルテレビ TUDER
92年当時のメルケル首相

神話上(紀元前16世紀から12世紀ごろ)の英雄アキレス。わずか300人で数万のペルシャ軍に挑んだスパルタのレオニダス。マケドニアをギリシャとするなら(ペルシャとギリシャの中間)、ギリシャが世界を制覇した時のアレキサンダー大王。時代がローマに移る前のギリシャは勇敢だった。

そのローマも、初代皇帝のアウグスツスのころの歴史家レヴィーは、ローマに新しく生まれたクッキング文化を観て、ローマ帝国の崩壊を予想した(エコノミスト誌)。

英国では、伝説のアーサー王が登場する12世紀から、英国発展の基礎となったヘンリー8世の16世紀ころを描いた映画を見ても、国王は手づかみでキジの肉をほうばっている。ワインは豊富にあったが、食卓には果物かそれ以外は単純なスープがあるだけだ。

ならば香辛料への憧れが大航海時代だったとして、やはり文化としての料理は、まずはローマからスペインやフランスへ広がったのだろう。そして皮肉にも衰退もその順番で起こったようだ。(この点で中国や日本の歴史は明らかに異なる)


昔、フランス料理のテーブルマナーはイタリアフィレンツェのメジチ家が発祥であることを紹介した。ローマ法王を二人送り出し、絶頂期には19世紀のロスチャイルド、20世紀のロックフェラーと同等の金持ちだったメジチ家が、今は後者と比べて影響力を失ったのは、やはり料理に象徴される甘美が原因だろうか。

その意味では今もドイツ料理がシンプルなのは、国家としてのその強さの証明かもしれない。そしてその料理を食べて屈強になったドイツナショナルチームのサッカーは、協調性を覚えたネアンデルタール人のサッカーのようだ。

ゲルマンの血がネアンデルタールに繋がっている根拠はない。だが一人一人の体力では圧倒的だったとされるネアンデルタール人は、その強さゆえ個々が孤立を選び、結果的に弱さを補うために仲間との強調(社会)を選んだホモサピエンス(人類)に敗れたと言われている。

そして最後尾に添付した写真は1992年の頃のメルケル(となりは懐かしいコール)。この時の構造も今と同じだ。当時の欧州通貨はマルクを中心リンクしていたが、東ドイツを吸収したドイツは強烈に利上げ強行。それについてこれなかったイタリアや英国は脱落した。


その時大もうけしたソロスが今警告するのは何の意図かわからない。だが同じなのは、強すぎるドイツが衰退した弱い集団にまた囲まれていることだろう・・。

2012年6月13日水曜日

候補者の教養 (真マネー原理プロから)

年初に寄稿した「4thターニング」では、先進国は「94年の基点」に戻る潮流にあるとしたが、一足先に確認できたのが米国の国富。FEDが発表した米国の国富の推移を観ると、2010年末の米国の国富(庶民の家計)は、ピークから37%減の1992年のレベルまで低下していた。一方株は2010年から20%程度戻ったレベル。だが住宅は回復していないどころかさらに下がっている。ならば米国の一般庶民の家計実態は欧州となんら変わらない。しかし米国は国家として物事が進む。ここが米国が米国たる所以である。


レーガン時代の「DONT WORRY BE HAPPY」のコンセプトは、日本では聖徳太子が残した「和を持って尊しとなす」と同じ社会の基盤。ただソレを支える政治システムも4年一度は必ず大きな波が来る。ソレが今なのはいうまでもないが、今朝はロムニーを応援するドナルドトランプ氏が、「オバマはサウジ国王と結託、選挙まではオイルを安くするが、選挙が終わればサウジに好きなだけ価格を上げてもいいと裏で約束している。だから選挙が終われば、(オバマが勝てば)米国庶民300㌦のオイルを味わうことになる・・と」主張していた。(cnbc)


ソレを聞いたジムロジャースは、価格が300㌦は賛成だが、サウジとの裏話などありえないと一蹴したのが笑えるが、まあトランプ氏もそんなことは承知で言っている。以前も紹介したように、彼は一度も共和党員として活動した実績がないどころか、救済政策であるチャプター11を過去4回も申請し、戦略的破産を駆使して蓄財したビジネスマンである。彼に清貧の美学や儒教をベースとした一般常識は通用しない。


ただ米国は過去が何であれ、未来に役立つ人間なら重視する合理性を実践できる数少ない国だ。破産法もノンリコースもこの国ではモノが動く所以の根幹。ただしそうはいってもこれまでは中間層が存在し、また同じ米国人として共通のテーマがあった(冷戦や対テロ)。ところが、米国の大統領選挙を内側から観察するのは5回目だが、今回ほど「人を殺さない内戦」の様な醜さを感じたことはない。それほど醜い。もし今の日本にこの醜さが伝わらないなら、それはオバマとロムニーの二人の候補者が、一般的には優秀といわれる教養を身に着けているからだろう。


だが担いでいる取り巻きは違う。トランプ氏まず自分の番組の価値を高めるため?共和党の大統領候者として話題をふりまき、さらに共和党を代弁するスプレッド(税金や規制、さらに人種的あるいは価値観)を無くすオバマ政権が継続する可能性をあらゆる手段で阻止しようとしている。ならば紹介した今の米国の国富が92年のレベルであるという時限爆弾はいつどう破裂するのか。この危険性をはらむ大統領選挙と比べ、日本の自民党と民主党の違いはまだまだ平和的。そして、モノが進まないヨーロッパの根回しは、あくまでも欧州的な答えの出し方としては違和感はない・・。

2012年6月8日金曜日

太陽の意図



               http://www.youtube.com/watch?v=4Z9rM8ChTjY&feature=player_embedded

今年は天体ショーが多い。やはりマヤの暦と関係あるのだろうか。ただその天体ショーも太陽あっての話。ならば天体ショーを通し人々が今思い出すべきは太陽のありがたさではないか。

だが今の日本は電力不足から太陽は邪魔な存在かもしれない。そんな中、先進国では太陽エネルギーの本格利用が始まった。しかし科学者によると、来年から太陽の活動は大幅に低下する長い周期に入るという。

これは、神に一番近い存在として、便利さの中で生命の根源である太陽へ感謝の気持ちが薄れた人類への太陽の意図かもしれない。

そして似たような錯覚が今の金融市場にもある。人間がマニピュレートできるマネーで「市場の摂理」までマニピュレートしようとする試み。市場の摂理とは大 宇宙の原理ようなものだ。

中央銀行に悪意はなく、多くが人のためになると考えているが、彼らがマネーを使って換えられるのは一時的な現象のみ。その現象で喜ぶのは、やっと月に行った程度の人類が、利便性優先で太陽の存在を軽んじるのに似ている・・。

なお、添付したNASAのYOUTUBEは、金星との対比で主役が太陽の偉大さになっていてすばらしい・・。

2012年6月7日木曜日

アメリカ版オウム?(真マネー原理プロから)




本日引け後市場はムーディーズによる金融機関の格下げを予想しているとの事(CNBC)。ただその幅は予想を下回る(例えばモルガンスタンレーが2ノッチ以下)と予想し、それが今日の株高になっているらしい・・。

さて、日本での「総選挙」をどうアメリカ人に説明するか考えた。ニューボンドガールの「AKB48」は米国の市場関係者に今の日本の真の姿を紹介する上で重要。しかしどう考えてもアメリカに日本のAKBに匹敵する現象は見当たらなかった。一方日本と同じ現象なのが「アメリカ版オウム真理教」。スタンフォード出身のグルが、山奥でヨガ道場を開きながら高学歴の信者を次々に取り込んでいったという。注目されたのはその中の二人の信者が脱出、男性は砂漠で脱水症で死んだからだ。

中東からは毎日悲惨な写真が送られてくる。だが地球全体では真逆な話もあれば似たような話もある。このような様々な現象は、実は神様がバランスをとっていると考えるなら、結局株にはそれほど悪い話ではないのかもしれない・・。




 5・30 真マネー原理プロ < ニューボンドガールとオールドボンドボーイ>から・・






レター2 <オールドボンドボーイ>

レター1の<ニューボンドガール>の説明が不足だった。これは、日本政府が復興債の販売キャンペーンガールに、AKB48を選んだ事に対する米国市場関係者の反応の話。

その昔、高橋是清が苦労して世界の投資家に日本国債を売った時代から100年余り。日本は豊かになり、外国に国債売る必要もなくなった。その結果がこの添付写真の違いである。

いずれにしても、この悲壮感の違いは、喜ぶべきか、憂うべきか・・。



レター1 <ニューボンドガール>

ロムニーが正式に共和党の大統領候補になった。そういえば、先週面白いアンケートの結果が紹介された。嘗てロムニーが率いた「BAIN CAPITAL」を念頭に、有権者に「プライべートエクイティーは有益か」を問うモノだった。結果。9%がYES、19%がNOった・・。

このアンケートの結果が語るのは、72%はソレ(PE)が何だか知らない。あるいは聞いた事はあるが、何をしているか判らない・・というレベルであること。つまりこの国の大統領を決める要素は、(それは世界に最も影響を与える要素は)日本人が考えるより、はるかに単純でやさしい対比でなければならない。

そのアメリカで驚きをもって紹介されたが、日本の「ニューボンドガール」。新作の007は今秋公開されるが、ここでのボンドガールは、AKB48のこと。その後のツイッターの投資家の反応は面白い。3割が日本を憐れむモノ。そして半分は日本に余裕を感じていた・・

2012年6月4日月曜日

米国が待っていたガッツポーズ

http://www.pgatour.com/video/r/highlights/top_shots/2012/06/03/mine12memorialrnd4162ndwoodspgat-2118324/index.html

土曜日までは、多くが復調は認めるものの、何かが昔のタイガーとは違った。解説のニックファルドは、「スイングはベストの状態に戻っている。だが迫力が昔のタイガーではない」と言っていた。

技術的なものはわからない。だが確かにタイガーからギラギラしたものがなくなっていた。しかし今日の16番のチップインバーデイーには本当にしびれた。5年ぶりぐらい?に見たタイガーらしい、超、超スーパーショットだった。直後のあのガッツポーズ。2月のトーナメントでタイガーは久しぶりに勝ったが、あの時は無難に勝った印象。本日のようなスーパーショットは不発だった。その点で今日のタイガーの勝利は別の意味を持つ。

最終組で一つ前を回るタイガーのこのバーデイーを見ていたトップのサバテイニーは、タイガーに並ばれたことで同じホールでボギー。タイガーは最終ホールもバーデイーを決めての優勝。何やら昔のパターンが戻ってきた。タイガーは今回ジャック二クラウスを冠したトーナメントを勝ち、PGAの通算勝利でそのジャック二クラウスに並び歴代2位浮上した(73勝)。ならば今回は神の意志もあったのか。

いずれにしても、もしこれでこれで「アイオブザタイガー」が復活するなら、米株は売っている場合ではない。経験では、タイガーチャートと米株の関連は理屈ではない・・。