2012年6月19日火曜日

41と44の宿命 米国のリベンジ(マネー原理プロから)


<41と44の宿命>


添付の写真は先月のキャンプデービット。選挙戦が佳境に入るオバマは、再選の足を引っ張る欧州危機に対し、早急の対処を要求したのだろう。写真の一人一人の表情はそれぞれの思惑が出ている。
想像するに、それなりの見識を持つ欧州の各リーダーは、今の問題が自己責任であることはわかっている。しかし願わくば日本のような静かな後退を理想?としていたかもしれない彼らには、その機会を奪ったのはアメリカという思いがあるのではないか。
2008年の金融危機は米国発だ。今の事態がその延長として、原因を造った米国からいろいろ言われるのは納得いかない・・。写真の表情はそんな雰囲気を感じる。ただソレはこの政権が原因ではない。一方でその因果がオバマの再選を阻むとしたら、それがオバマの宿命だったということになる。

この状況に立ち向かうオバマの選挙チームはどうやら事実上の非常事態宣言を出した。先月同性間の結婚を認めたのに続き、金曜日には不法移民の子供への定期間の滞在を認めた。個人的にはやりすぎだと感じる。つまり自滅パターンに入った予感。

そういえば今週からHBOで「41」というドキュメンタリーが放送されている。これは第41代米国大統領の回顧録だ。これを観て感じるのは、大統領が再選されるかどうかは運だということ。
ジョージHWブッシュは、息子に比べればやはり桁違いに優秀な人間だった。だが彼は再選されなかった。ミスをしたわけではない。軍事的にも成功し(第一次湾岸戦争)、冷戦勝利の式典に出たのは彼だ。
ただ冷戦勝利はレーガンがもたらしたとされ、その恩恵はクリントンが受けてしまった。いくら彼が優秀な人間でも、この宿命は換えられなかった。
ドキュメンタリーの最後にホワイトハウスをクリントンに引き渡す当日の様子が紹介された。その時の表情が人間らしくなんとも言えずいいのだが、クリントンはよくがんばったと評価したパパブッシュは、ロスペローをどう思うかという質問に対し、「彼だけは絶対許せない」と、90歳を前にしてその怒りをあらたにしていた・・。

<米国のリベンジ>

本日親善試合でナデシコが4-1で米国に負けた。変化した米国に圧倒された様だ。そもそもワールドカップに続き、前回大会も米国に勝ってしまったナデシコ。オリンピックでは日本を最大のライバルとして本気になった米国を相手にする事になる。

ワールドカップの時に紹介したが、米国女子チームはパワーだけでなく、世界で一番練習時間が長いといわれる。彼女達はそこにプライドを持っている。その米国をここまで本気させた日本。米国にとって日本の存在感が薄れる中、ソレはソレで凄いことだ。

レター1で紹介した「41」では、少年時代、サッカーと野球に明け暮れ、大恐慌とも無縁の優雅な生活をエンジョイしたパパ ブッシュは、イエールに入学直後のパールハーバーに生まれて初めて衝撃を受けたと告白している。そのまま志願して海軍へ。周りのイエールの学生も同じだったという。この事からも、欧州参戦を画策するルーズベルト政権を牽制していた当時の米国内の雰囲気が、日本の一撃にでいかに一変したかが想像つく。

そしてナビゲーターとして搭乗した戦闘機が日本の対空砲で打ち落とされたブッシュは、海面に激突する直前にパラシュートで海へ飛び込んだ。味方の潜水艦が彼を救い上げるシーンが残っていた。

ナデシコよ、米国の本当の力はこれから。そんな事は彼女達が一番知っている。何とか「昔の負け」を取り返してもらいたい。


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