2011年11月9日水曜日

自虐自滅の罠   (真マネー原理プロから)

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こちらではオリンパスの話も少しだけ取り上げられた。先週ニューヨークタイムス紙が触れたように、「日本は変わっていない」という視点。その通りだが、これで日本の企業統治のレベルを過剰に反応すべきではない。米国も金融危機前後の企業統治のモラルは相当酷い。にもかかわらず、NHKをはじめ、メディアが日本だけが飛びぬけておかしいような報道をするのは完全に間違っている。そのような人には、去年アカデミー賞をとった「インサイドジョブ」を観ること勧める。多くの日本人は、腰を抜かすだろう・・。


ただ米国は金融危機後も株価至上主義を徹底している点にブレがない。ここが戦略性だ。途中のモラルより、これ以上経済を悪化させない結果主義をから政権も中央銀行も議会も動く。ただモラルよりも数字を優先するこの手法が今後も続けられるかどうか。それはデモをみながら神の判断に任せるとして、日本が一方的に自虐的に株を押し下げると彼らの餌食となる。(買収などで技術の流出)

そしてオリンパスで思い出すのは日興証券。日興は2007年に不祥事で混乱、大株主のCITIに助けを求めた。ただその頃CITIはサブプライムが表面化し自身の浸水が始まっていた。だがCITIを冷静に判断する余裕は日興にはなかった。日興はCITIに完全身売りする道を選び、仕手化した日興株は1700円前後まで上がった。かなり割高だったが、CITIは買収資金を邦銀から簡単に調達した。そしてしばらくしてCITIは沈没した。

その後オバマ政権から救済されたCITIは日興を5000億超で邦銀に売却。CITIは株主となった米国の納税者向に、日興のDEALの効果は7000億あったと説明した。この数字は疑問だが、CITIに買収資金を提供しなければ、邦銀はもっと安く日興を買えただろう。このコストは邦銀を通して日本国民が背負う。それが金融という仕組みである。

この時両社のOBとして感じたのは、日興とCITIは日米関係の縮図だった事。そして日本が「自虐自滅」を続けるなら、オリンパスやTPPも同じ運命かもしれない。特にオリンパスは貴重な技術を持つ会社だけにもっと米国は真剣になるだろう。

ところで、世界がイタリアを心配する中、ベルルスコーニ氏は倹約を誓う一方でこんなことも言っていた。「皆さん、イタリアに来てみてください。レストランは人であふれ、みんな幸せそうです。こんな国が危機であるはずがないでしょう・・。」

管元総理の図々しさと、レーガン大統領の陽気さを使い分けるこの老獪さ。欧州はメルコジだけではつまらない。このキャラを失うのは惜しい。

そういえばニューヨーク証券取引所にはイタリア系が多いが、日本も株式市場を世界に向かって開いているなら、自虐自滅するよりこのキャラが必要である。さもなくば、株式市場を昔のように鎖国した方がまだ非金融がマジョリティの純粋日本人には幸せだろう。

ただ、その昔、東証がまだ鎖国状態だった頃、バブルのエネルギーでブラックマンディ後の世界の株を救済したとさせる野村がここまでズタズタではダメか。いずれにしても、日本人の儒教マインドが変わらず、その上で株式市場が中途半端に開いているのは囲いのない羊の群れと同じ。それをこの国から何度も眺めるのは辛いものがある・・。




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