リーマンショックの年のコメント、ある遺稿より、
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南九州の制空権
すでに敵の手中にあり
我らが祖国
まさに崩壊せんとす
生をこの国にうけし者
なんぞ 生命を惜しまん
愚劣なりし日本よ
優柔不断なる日本よ
汝 いかに愚かなりとも
我ら この国の人たる以上
その防衛に 奮起せざるをえず
オプティミズム(楽観)をやめよ
眼をひらけ
日本の人々よ
日本は必ず負ける
そして我ら日本人は
なんとしてもこの国に
新たなる生命を吹き込み
新たなる再建の道を
切り開かなければならぬ
若きジェネレーション (世代)
君たちは
あまりにも苦しい運命と
闘わなければならない
だが 頑張ってくれ
盲目になって生きること
それほど正しいモラル(道徳)はない
死ではない
生なのだ
モラルのめざすものは
そして我らのごとく死を求むる者を
インモラリスト(不道徳)とは人は言わん。
<林尹夫 遺稿、文藝春秋09年1月号より引用>
尚、林尹夫氏は京都大学文学部西洋史科在学中に学徒出陣。
昭和20年7月28日、夜間索敵哨戒飛行中に敵の迎撃を受けて死亡。
日経新聞から引用
戦後70年の談話、有識者を代表し、西室さんが提言を安倍さんに渡していた。
その後のスピーチで、西室さんは改めて歴史を学ぶ機会になったとの発言をしていた。
唐突だが、個人的には組織重視の三菱より、どこか人間臭い三井が好きだ。
ただ話題の東芝、昔のイランとの関係しかり、三井は定期的に地雷を踏む印象。
リーマンショックでモルガンスタンレーを助け、アメリカとの関係が磐石な三菱に対し、
その昔、外務省よりも先に物産がバルチック艦隊の動向を海軍に報告した逸話の三井は
アメリカと敵対する国とも縁が深い印象。
このとき西室さんは無意識だったと思う。でも「有識者」といわれる人が、
改めて歴史を学んだことの重要性を認めてしまうのは、対外的には正直すぎる。
なぜなら世界から見れば、日本では政府が頼みにする有識者でさえ、
平時は歴史の重要性をほとんど意識していないことを明らかにしたからだ。
これでは大国中国はもとより、世界遺産で韓国、拉致問題で北朝鮮からも嘗められる。
それだけ経済に特化できた日本。ここまでの経済発展は必然だったのだろう。
振り返ると、財閥を除き、松下、本田 ソニーは技術者が大きくした会社だ。
日本の技術者が、人間としても、経営者としても一流であった証明だと思う。
では歴史などをビジネスや外交の現場で生かすべき文系エリートはどうしたのだろう。
復興を支えた文系の官僚はエリートだったはず。
ただ多くは、特攻などで死んでしまったのかもしれない。
自分が社会人になった頃は、サラリーマン社会の流れが出来上がっていた。
重宝されたのは体育会系だった。(自分もその一人として)
政府は高校での歴史教育を見直すという。
世界史を重視し、日本史を世界史の一環で教える方向性に変えるという。
ここで何年も前から主張したことだ。
しかし歴史教育、特に世界史教育の重要性を無視したツケはこれからが本番。
特にこの時期になると、日本国民の多くは戦争を反省しても、負けた事は反省しない。
一度の負けで思考停止になったような日本。でも戦勝国は戦争を否定しない。
もし本気で日本が戦争を否定するなら、アメリカより強い軍事大国になるしかない。
ところが、そのアメリカに守られたまま、戦争はいやだといっている。
だったらアメリカの庇護の元を離れよ。応援する。
ただし徴兵制を含め、それはそれでもっと覚悟と準備がいる。
遺稿には、愚劣 優柔不断 楽観など、激しい言葉が並ぶ。
日本は必ず負けると宣言し、後を次のジェネレーションに託した林氏。
日本は何が変わったのだろう・・