2013年6月26日水曜日

ソプラノスの終わりが意味するもの・・




http://youtu.be/rnT7nYbCSvM




http://www.youtube.com/watch?v=nW3LikcBL68&feature=share


NY駐在員時代より、自分への共感、そして金融のビジネスでは,変貌しつつあったアメリカ社会を、インプットしてくれた俳優のジェームズガンドルフィーニが急逝した。心臓麻痺。51歳だった。
...
彼ははまり役「ソプラノス」で、ニュージャージーのギャング、トニーソプラノを演じた。この俳優以外この役は考えられないと思うのは、今でもソプラノスと中村吉右衛門の長谷川平蔵だけだ。

トニーはドラマが続いた8年間に一体何人殺しただろう。それでも家族を大切にし、仕事に悩み、精神科にも通った。この愛すべきキャラクターを、ガンドルフィーニはどこまでがドラマで、どこまでが現実なのか解らないパーフェクトな演技で通した。

このドラマが始まったころのNYは、頂点を迎えるごろのウォール街ともマッチし、金融マンからも番組は圧倒的な支持を受た。

ドラマの最終シーンを、対オバマ戦略の切り札として、ヒラリーがビルと共にパロデイーで演じたのは、このドラマの影響力に期待してのことだった。

そして、ガンドルフィーニは心臓麻痺による急逝は、人間社会のあるべき矜持とかけ離れた、弱い人間の心地よさの果てには(金融ジャブジャブドッラク社会)、やはり突然死のリスクがあること改めて教えてくれた。

本人の冥福を祈りつつ、彼の急逝と、バーナンキFRBが、リスクを承知の上で、金融危機以降の「甘やかし政策」に決別するタイミングを計り始めたことが重なったのは、まさに神様の思し召しのような気がする・・。

これから中国やブラジルあたりから、90年代のアジア危機の再現があると思うが、シートベルトをきちっと締めていきたい・・

2013年6月21日金曜日

ザショット 6・17 マネー原理プロから





 
 
米国のスポーツ史でザ ショット(世紀の一打)といわれるものはいくつかある。自分自身もテレビでしびれたが、近年では、引退を覚悟したマイケルジョーダンが、最後の優勝を決めたユタジャズとの試合、残り時間10秒で放ったロングシュートなどが有名だ。

だが専門家の間では、今回USオープンの舞台となったメリオンゴルフクラブで、63年前、同じくUSオープン最終日の最終ホール、ベン・ホーガンが放ったセカンドショットこそが、米国スポーツ史上最高のザ ショットだとの意見がある。

当然ながら、そんな昔話は殆どの人は知らない。YOUTUBEでもアップはなかった。だがその逸話を知ると、確かにホーガンが、米国スポーツ史上の最高のザ ショットだと考え直した。そこでその話を紹介したい。

ホーガンは寡黙な人だったという。19歳でプロデビュー、直ぐにトッププレーヤーになったが、ラウンド中は殆どどしゃべらず、愛嬌も振りまかないので、人気は無かったという。そして彼の時代が始まろうとした矢先、大事故に巻き込まれた。

車を運転中に大型バスと正面衝突。助手席の奥さんをかばったので、奇跡的に自分の命も助かったが、スポーツ選手として致命的な骨盤を骨折した。(実際は全身を複雑骨折)さらには慢性血栓の後遺症まで患うことになった。

医者からは命が助かっただけでもラッキーだったと言われる中、2ヶ月の入院後、彼はトレーニングを再開した。そして半年後、USオープンの舞台に戻ってきた。ただラウンド中は足を引きずる状態、最終日は36ホールの長丁場、途中うずくまるシーンも何度もあったという。

こうなると、事故の前はホーガンが嫌いだったファンも彼の味方。ファンの声援に助けれらながら、最終18番ホールまでたどり着いたホーガンのティーショットはフェアウエイに残った。ただまだ距離は200ヤード以上が残っていた。この時ホーガンが手にしたのは1番アイアンだった

ゴルフ経験者なら一番アイアンがどういうクラブかわかるはず。美しく振りぬかれたショット(添付写真)。ボールはグリーンを捕らえた。翌日、休養した彼は難なくプレーオフを制した。その後、後遺症で試合数が限定される中、彼はメジャーで6勝を飾った。

ホーガン、二クラウス、タイガーの3人を知るオールドファンのなかには、ゴルフ史上最強の選手はホーガンだという意見が根強い。子供の頃に二クラウスを見た。実際にゴルフをするようになってからはタイガーに魅了された。だがこの逸話を聞いて、ベンホーガンが最も偉大だったという話にも納得している・・。

余談だが、20代でゴルフを始めた際、和合と桑名カントリーでハンディー0だった顧客から譲り受けたクラブはホーガンのデケイドだった。軟鉄鍛造の名器。芯に当ることは殆どなかったが、それでもどうせ下手ならと、あの柔らかい打感が忘れられず、その後買い換えたクラブは全部ホーガンだった。

現在PGAのツアープロで、1番アイアンを入れている選手は4人しかいないという。彼らも使うとしたらティーショット。地べたの上のボールで使う意図はないらしい。(NBCUSオープンドキュメンタリーから)
  
それほどまでに難しい1番アイアン。後にホーガンは、練習で完璧な自信を持つまで極めたスイング以外をゲームで使うことは無いといっている。相場の仕事においてもこの意味は深い。

今回USオープンのコース設定はタフだった。最終日に67を出した松山は大健闘である。そもそも全米シニアに勝った井戸木選手ももっと騒がれるべきだ。だが実力と人気のアンバランスのサッカーの前にはなかなかニュースで時間を割いてもらえない。

では距離も長くなり、タフな設定になった一方で、器具やボールが進化した近代のゴルフのスーパースターのタイガーと、あの時代に1番アイアンを使いこなしたホーガンのどちらが凄いのだろうか。

タイガーは2000年以降、マイケルジョーダンに代わり米国スポーツのシンボルとなった彼の隆盛は米国の株式市場と同じだった。2008年に崩れたものの復活、今年タイガーがランキングでナンバー1に戻った頃、米国株も新高値を更新した。

ところが3週間前、タイガーは突如崩れた。過去5回優勝している最も得意だったコースでハーフ46。プロになって最悪のスコアを叩いた。すると株も崩れた。今回のUSオープンには期するものがあったはずだ。だが結果は13オーバーだった・・。

現代のスーパースターのタイガー。一方グレートジェネレーションのホーガン。どちらが凄いのかは難しい問題。だが、中央銀行からマネーをジャブジャブに供給されている今の相場を相手にする我々も、どこかで心に留めておくテーマだと思う・・。

2013年6月15日土曜日

 未曾有のテールリスクはコピーの失敗から・・  6・13日マネー原理プロより


日本でプロ野球のボールが話題だ。協会は悪意でファンや選手をだましたわけではないと思う。だが結果は協会にとって最悪になりそうだ。

2010年ごろ、このブログでは発足して2年足らずのオバマ政権が、ブッシュ政権の8年間を超える件数の憲法で認められた政権が情報を公開しない大統領令を発動したことを紹介した。

イラクとアフガン戦争と未曾有の金融危機を引き継いだオバマ政権。オバマ政権はいろんなところで国民に黙って管理と操作をしてきた。多くが国益を考えた相対的な判断で、私利私欲だとは思わない。

だが二大政党制の米国では、日本人にはわからないマグマが動きだしている。そして真の敵を国内に抱える米国では、オバマ政権の綻びは予想外のテールリスクを抱えている。軽度なら、せいぜい次の金融危機。深刻なら、シリアから始まるアルマゲドン。これはやめてほしい・・。


< シカゴの夜に稼動する巨大コンピューター >

さて乱高下する金融市場を取り上げたNHKのクローズアップ現代にシカゴのINFINIUM社が出ていた。NHKは番組では社名は公表しなかった。だがまがりなりにも筆者はシカゴ在住のプロだ。読者に紹介しておく必要がある・・

日経には申し訳ないが、日々WEBでチェックする同誌の相場解説は時代遅れ。情報元のどこぞの解説者の時代はとっくに終わっているので仕方がないが、そんな中、NHKは時よりオヤッと思わせる報道をする。今回もよく有名でないINFINIUMにたどり着いた・・。

このINFINIUM社やGETCOのシカゴ勢、それにNYのハドソンなどの米系とGSAなどの英系。この様なあまり有名でないHFT系マーケットメーカー兼中型ファンドは、今回日経平均の乱高下の主役だった可能性が高い・・。

これは、米系システム系のヘッジファンドではCITADELと並ぶ最大手のルネッサンスが、5月は大きく損失を出した事と対照的だ・・。

恐らくトレンドフォローのCTAもやられている。ボストンレッドソックスのオーナーのジョンヘンリーは昔はCTAの権化だったが今はどうしているだろうか。いずれにしても彼らはトレンドメーカーではない。よって本当に警戒すべきは彼らではない・・。

< ゴールマンサックスを上回る収益力 >

何の因果か今世話になっているKNIGHT社が今月でGETCOと合併する。シカゴのPITローカルが始めたGETCOは、冒頭で紹介したINFINIUM同様に、HFT系マーケットメーカーでは先駆者だ。

ただ昨年までは彼らの実態はよくわからなかった。しかし最大手のGETCOは、上場会社であるKNIGHTとの合併で過去のバランスシートを公開した。すると判ったのは、金融危機の2008年から一昨年まで、同社は一人当たりの収益で、ウォール街最強のゴールドマンサックスを上回っていた・・。
給料もしかり。今GETCOで債券を担当している中国系アメリカ人は、GSでMDだった人だ。この様な転職はGETCOの報酬がよほどでなければありえない。そんなところが今の日経平均の乱高下にかかわっている・・。

ただ彼らのモデルは相場が乱高下しないと収益チャンスは減る。また乱高下しても、投資家の注文がないと儲からない。米国では金融緩和相場が成熟した去年からはまさにそのジリ貧状態だった。そんな時、とてつもないボリュームで復活したのが日本市場だった・・。

GETCOも人員整理をしたが、NHKが取り上げたINFINIUMは、本業のミニSPの電子マーケットのマーケットメークも止め、EQUITY業務の免許を返上していた。そこに日本からの神風・・。

シカゴの夜、暗く閑散なトレーディングルームで、巨大なコンピューターが静かに稼動するクローズアップ現代の演出は面白ろかった。ただし100人~200人程度の人員で、資本力からしても、彼らはプログラムで相場の行き過ぎを狙うが精一だ。日本市場の本当の火種は別である・・。

 
< 本当の火種 >

クリントン政権の94年から97年にかけて、米国の短期金利は2倍に引き上がった。そして為替はドル安からドル高へ大転換がおこった。その途中で発生したのがアジア危機からロシア危機だ。最後はLTCMの崩壊があった。ではクリントン政権のコピーのオバマ政権では、これがどういう形になるのか・・。

クリントン政権の最初の2年、財務長官だったのは民主党保守系の重鎮ベンツェン氏だった。彼は民主党では珍しい自由貿易推進派だった。そこにパパブッシュ政権からの不景気。クリントン政権はドル安を引き継いだ。しかし2年が過ぎたころから財務長官はルービン氏に交代。政策はドル高に大転換していた・・。

転換は景気回復の兆しをみて、FFレートを93年の3%から2年間で一気に6%まで引き上げたグリーンスパンFEDと歩調を併せたものだ。ただ冷戦集結を機に米国の一極支配が強まる中、世界のマネーを米国に引き寄せるという、ゴールドマン出身のルービン財務長官の金融マンらしい狙いもあったことは今では常識である・・。

その過程で起こったのがアジア危機とロシア危機。アジア危機は、ドル安からドル高へ大転換した米国の政策に鈍感だったアジアの通貨がヘッジファンドに狙われたものだった。そして翌年のロシア危機。テールリスクを見誤った頭脳集団のLTCMが崩壊した・・。

この間米国の株もそれなりに下落したが、大事には至らなかった。ここは今の雰囲気と同じだ。グリーンスパン率いるFEDは、6%まで引き上げたFF金利を今度は4.75%まで下げ、柔軟に対応した・・。

その結果、クリントン政権最後の2年間、米国は順調にGDPを拡大、財政の単年ベースの黒字化とインフレ率ゼロパーセントというトリプルクラウンを達成した。こう考えると、米国が2000年のピークを迎える前のアジア危機やロシア危機は、丁度いいアクセントだったということだ。

そんななか、クリントン政権のコピーのオバマ政権も、2012年までは国是だったドル安をパタッと言わなくなった。オバマ政権がアベノミクスに反対しない理由はこのあたりにヒントがありそうだ。

90年代はデフレになった日本以外、冷戦集結の効果もあり、欧州は積極的に米国の金融商品や実物資産を買った。一方日本はバブル時代に買った米国内の資産を次々に売った。

しかし今は様相が逆転している。欧州には米国にマネーを向ける余力もその意向も見られない。あるとすればアベノミクスによる日本のマネーだ。

このようにして日銀はFEDにかわりマネーを供給する手はずだが、先回りしたヘッジファンドにもやや予想外な事が起きた。ここで俄かに円高に戻りそうな気配が生まれている。

ブラジルなどのエマージングが暴落しているのは、90年代のアジア危機のミニチュア版の再来と考えれば米国に大した影響は無い。しかし予定外の円高は、日米の現政権にとっても想定外だろう・・。

きっかけはバーナンキ議長の議会発言とされている。だが本当の理由は米国内の政治情勢だ。

議会証言の3週間前から、米国ではベンガジやIRS問題などが最大の関心事になっていた。これらはオバマ政権を攻めあぐねてた共和党が仕掛けたものだ。そしてWSジャーナルのヒルセンラス氏による一方的な金融緩和終焉の可能性の記事。これも共和党のビッグビジネスの意向が強く働いているとみるべきだろう。

ライバルでオバマ政権を擁護するニューヨークタイムス紙は、WEB盤を入れると圧倒的な読者数を誇る。しかし平均的読者層の世帯収入は7万ドル前後。一方でWSジャーナルの購買読者層の平均世帯収入は27万ドルである。彼らは共和党支持層と考えるべき・・。

金融関係者を含め、この層はオバマ政権による救済策と株高の恩恵を一番受けた。だが更なる増税の可能性も含め、民主党政権はもういらない。次は減税と規制緩和を打ち出す共和党政権を望んでいる・・。

そこに共和党下院が仕切る公聴会でのバーナンキ議長の発言。ビデオを見れば一目瞭然だが、議長は自発的に金融緩和終焉の可能性に触れたのではない。期限を迫る共和党議員の強引な要求で可能性として言わされたのだ。

ただFRBの中にもここで株が調整になっても、一旦クレジット商品のバブルの芽を摘んでおく意図があることは否定しない。それは金融緩和をやめるためでなく、緩和を続けるためのものだ。結果として相場では多少の下落を容認しながら、健康的に金利を上げられる日まで時間を稼ぐ必要がある。

そこで問題。まず90年代のグリーンスパン時代のような下げる金利がない。だから量的緩和をやめるかどうかという危ない橋を渡るしかない。しかしゼロ金利になれた米国に国家として嘗ての活力があるかどうか。

そして金融緩和によって生み出された天文学的な過剰流動性のマネーの動向は、最終的な市場の結果において、学者の集団であるFRBのイマジネーションを超えている可能性だ。ブラックスワンの著者のタレブ氏はいつもここを指摘する・・。

確かにアジア危機をマネジしたLTCMは、翌年のロシア危機でのテールリスクを読み間違えた。そこでは二人のノーベル賞学者は役に立たなかった。ならばあまりにも長い低金利と低いボラに慣れてしまった今の世界の金融市場はどうなるのか。

この5年間は、市場原理の尊厳が後退し、政権や中央銀行による管理市場がその安心感を生み出している。そこに冷戦も知らなければ、90年代の経験もない20~30代の金融マンが大きな相場を張っている。

このテールリスクは、LTCMが読み間違えたロシア危機の規模をはるかに超えているだろう。とてもバーナンキ議長の手に負えるとは思えない・・。






2013年6月7日金曜日

TVゲームとプライベートライアン

 
 
 
 
 
D-DAYとアイゼンハワー将軍
 
 
 
テレビゲームのような無人爆撃機による攻撃で、ネバタから遠く離れたイラクで1600人を殺したブライアン氏。彼は採用される際に、ジェームズボンドの映画のような世界に入りたくないかといわれたという・・。 
      
        アメリカの物理の父、マンハッタン計画を率いたオッペンハイマー氏。


  
                トルーマン大統領

今日6月6日はD-DAY記念日。必ず何処かのチャンネルで、スピルバーグのプライベートライアンをやっている。一方で今日のゴシップ記事のニュースに、2006年から2011まで、米軍の秘密基地で、ジェームズボンドの映画にあるような作戦室から、TVゲームのような画面で無人爆撃機を操り、イラクなどで1600人を抹殺したブレンダン・ブライアン氏の記事があった。今は彼は心を病んでしまったという。

現在オバマ政権は、共和党から無人爆撃機による攻撃を非難されている。前にも書いたが、CIAに捻じ曲がった報告書を書かせ、そんなレポートを前提に、イラク戦争に突き進んだブッシュ共和党政権の後始末からオバマ政権は始まった。なら共和党がオバマ政権を非難するのはおかしい。

そもそも攻撃の対象がテロリスト。多少の犠牲はあれ、合理的にも、相対的にも、無人爆撃機による攻撃は理にかなっている。しかしその攻撃で小さい子供が巻き込まれていくのをみると、感情的にはブッシュ政権には感じなかった陰湿さをオバマ政権には感じてしまう。

あくまでもこれは感情論。感情論では相場は勝てない。また未来を正しく予想するなどは絶対に無理だ。でもオバマ政権がどうしても好きになれないのはなぜか。答えはわかっている。それは冒頭のD-DAYでのアイゼンハワーの有名なスピーチが好きだからだ。このスピーチを聞いたとき、日本がアメリカに戦争で負けた歴史を心の底から納得した。

アメリカは日本が勝てない偉大な国だった。そして今もアメリカに勝てる国はない。それはブライアン氏が活躍した作戦ルームが象徴している。だがアイゼンハワーの頃と今のオバマ政権では何かが違う。うまくは説明できないが、覇権国家が、人間社会の信義より、合理性や相対的利益を重視するようなったことへの嫌悪感だろうか。

既に勝負は決していたのに、トルーマン大統領は日本に原爆を落とした。共和党のマッカーサーはその必要は無いと反対した。ただソ連との駆け引きの中、日本人に対する差別もあったとされる大統領は、原爆を落としたことによって米兵も救われたが、日本も救われたと譲らなかった。合理的、相対的には正しい・・。

後日大統領は、原爆開発のマンハッタン計画を推進したオッペンハイマー氏をホワイトハウスに招き、その功績をたたえようとした。ところが、招かれたオッペンハイマー氏は大統領に面と向かって言い放ったという。「貴方は原爆を実際に人間に使った事で、その威力を知った世界がこれからどう変わるか(核開発競争への突入)を予想しなかったのか」と・・

激怒したトルーマン大統領は、オッペンハイマー氏を二度と評価しなかったという(オリバーストーンの米国の隠された歴史シリーズから)




2013年6月5日水曜日

二股社会の迷い マネー原理プロから



ニュースを見ていてたら、弁護士の犯罪をやっていた。小泉政権時代の改革で弁護士はやたら増えた。今彼らの多くは仕事が無くなり、犯罪をする弁護士が出始めたという。こうみると、あの司法制度改革は何だったのか。

米国では弁護士の犯罪などニュースではない。バブルが崩壊した94年頃、日本社会の専門家で当時から著名なエコノミストだったロバートフェルドスタイン氏が、(当時はソロモンだったと思う)日本経済が使うの接待費と、米国経済が使う訴訟費用は、対GDPで同額であると指摘していた。この指摘は衝撃的だった。

何が衝撃だったかというと、金額の大小ではなく、アメリカ人の彼に、日本社会が見切られていた事が衝撃だった。世界を知らない日本人には想像も付かない比較。性善説社会での潤滑油と、性悪説社会での防衛費が同じになる。その後日本はどこに向かっていったか。

ご本人の意図はわからないが、フェルドスタイン氏は、日本の政治にも多大な影響を与えたと思う。そして今も日本では、性善説社会を維持するための教育と、性悪説社会で効果がある法改正があっちこっちで同時に行われている。

性悪説社会が悪いというつもりは全く無い。むしろ資本主義や市場原理には性悪説のほうがあっていると思う。しかし日本社会は何を目指しているのか。この両方を使いこなせるなら、日本は凄い事になる。すべての社長がSONYの平井社長のような能力をもつだろう。

だがその理想が達成できない場合、高望みしないほうが良かったということになるのではないか。(制度の意味で)来乱高下する日経平均を見ながら考えよう・・。