2013年12月6日金曜日

城山三郎と半沢直樹  12/02 マネー原理プロから

NHKのニュースでジャイアンツの川上監督の葬儀の模様をやっていた。生前、星野監督が「ON(王・長島)のような選手が二人もいたら、連覇は可能ですね」
といやらしい質問をしたという(本人弁)。

すると川上監督は、「そうだな、あの二人がいれば3~4連覇は誰でもできる。だが9連覇は俺しかできないと答えたという・・。

有名な「ボールが止まって見える」などいう言葉は、ONどころか大ぼらふきの大リーグでも聞いたことはない。日本人として、戦争を生き抜いた時代の人の凄さを感じる。

そういえば、今問題の医療法人の徳田理事長は、若い頃、独立して巨大医療法人グループを立ち上げる野望を持ったとき、銀行で「オレは絶対に失敗しない、生命保険に入るから、失敗さしたら自殺してソレで返す」と言い放ったという。今は罪にとわれてはいるが、この野望を達成したのだから、この人も凄い人だ。



そんな中で今年半沢直樹が流行ったのは、実際の世の中から、魅力的な大物が減った証拠だとおもう。城山三郎氏が生きていても、今の政財界に、彼の素材になりえる人はいるのだろうか。

社会全体が豊かになり安定はした。だが失敗をゆするさない風潮ではバブル再現は厳しい。そこにデフレ時代。この間にも最初にアメリカの流行を取り入れて成功する人は出たが、新時代に適応するスマートさと、人間の凄みを併せ持った人は別だったとおもう。



ところで、先週紹介したクルグマンとサマーズの討論。サマーズは、「この国は、二十歳そこそこの若者が、初めてのスーツを買う前に、100億円を集められる国だといっていた。 

さらにアメリカは失敗にも寛大。デフォルトとしても会社と個人を別けていれば問題ない。また個人が破産法を申請しても、7年すればクレジットは一定レベルまで戻る。

このように、日本と比べ、失敗に寛容なゆえにすぐバブルを繰り返せるアメリカだが、FEDバブルは、新しいビジネスの芽をサポートする一方で、大企業のリスクテイクのDNAは退化させると思う。

QEは流動性を供給し、資産インフレを促進する。運用するヘッジファンドはリスクが取れる。しかし大企業は割安なPERを維持するために、ビジネスのリスクをとる必要はない。CEOは株価で評価されるのだから、リスクはとらず(雇用)、ずっと自社株買いをしていればよい・・。



29年の大暴落の際、貧富の差を拡大を是としたギルドの多くは株を買い向かった。まずは欲から。彼らは庶民のパニックは儲かることは知っていた。そしてある程度の使命感もあっただろう。

しかし中には暴落に買い向かって破産するギルドも出た。GMの創設者のデュラントなどだ。ロックフェラーもかなり損を出した。アメリカに凄い大物がいた時代だ。

FEDがこのままなら、やはりアメリカはアメリカでなくなる・・




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