2015年6月12日金曜日

ごめんね クリスティーナ、FIFAとIMF 

           二人ともPKを外したが、試合はフランスの勝ち

1986年のワールドカップは良く覚えている。史上最強の中盤といわれたブラジル。(黄金のカルテッド)。ジーコの夢を砕いたのは、プラティニ率いるフランスだった。

この試合でPKをはずした二人。今度はFIFAの会長の座で対決する。(プラティニはまだ正式に立候補はしていないが、副会長でもあり、有力視されている)

個人的にはジーコを応援したい。でもプラティニはフランス人。手強いというか、勝負ならないのではないか。

フランスという国を考える場合、重要なのは、G7でアメリカと面と向かって戦争をしていないのはフランスだけという歴史。

米英は独立戦争と米英戦争で二度も正式に戦争をしている。カナダも独立していない頃、米英戦争の英国の主力部隊。そして、いうまでもなく、ドイツ イタリア 日本は敵国だった。

フランスが唯一米国と戦火を交えたのは、フランス革命後、アメリカが同国からの借入金は王室(ブルボン王朝)からの借金であり、共和制になったフランスへの債務ではないとして返済を止めてしまったことに端を発した小規模な海戦。(戦争宣言をしていない短期的海戦)

この時フランスは在米大使が米国に賄賂を要求。賄賂を渡せば国(共和制(フランス)への借金は返さなくていいとしたが、これに激高したジョンアダムス(ニ代大統領)の逸話が残っている。

賄賂といえば、今回のFIFAの一件では、辞任を発表する直前のブラッター会長は、自分の座を狙うプラティニを暗に示唆したコメントを発していた。

その一方で、フランスはこれまで「ヨーロッパのモノ」であったはずのサッカーにまでアメリカが進出したことに、大陸欧州の総意?を代表し、暗に反発したと思われる。

一見FIFAには無関係だが、IMFのラガルドが、FEDに来年まで利上げをするなどどと言ったことは、どう考えても不自然だ。


                           ごんねクリスチーナ、雇用統計28万なんだ(保守派のコメント)



そもそもIMFのこの要職もフランス人が二代続けて抑えている事は特筆。ただIMFの筆頭出資者は圧倒的に米国。(米国は17%。GDPが3位になった日本は出資はいまだに二番の7%。中国は4%であり、ドイツ フランス 英国などは6%前後)

この立場からして、これまでIMFはアメリカの国内政策に願望は述べても、注文をつけるなどいうことはなかった。ところが今回ラガルドは、米国が相手にしないことを承知で踏み込んできた。


逆に言うと、個人的にFIFA事件には、アメリカの二つの意向が強く感じられる。

メルケルが盗聴されていたことは、2年前にスノーデンが明らかにした。彼のドキュメンタリー、シチズン4を観れば、アメリカは、必要なら世界の要人のほとんどの会話を傍受する能力があったと考えられる。

プライベートまで監視されて隙のない人などいない。ブラッターの側近の尻尾はアメリカは握っていたのだろう。ソレを武器にモスクワとカタールの開催地変更はありえなとするブラッターに揺さぶりをかけるのは簡単だ。

早速昨日FIFAの一部がロシアとカタール開催地変更はありうると、これまでのスタンスの変更を示唆したが、サッカーにまでアメリカが進出したら欧州はどう感じるだろうか。GPSで全てを監視されて、気分がいいはずがないと思うのだが。

更にアメリカは、FIFAへ正義を掲げてアメリカの力を見せ付けることで、10月にも中国の通貨をSDRに加える可能性があるIMFに警告を発したと思われる。

いずれにしてもFIFA事件は、表面的な部分とは別の意図がいろいろ絡んでいる・・・。






        一番神妙なのは誰? お茶目なメルケルにギリシャも安心・・



ところで、フランスはヒトラーに攻め込まれると、さっさと北部をナチスに渡した。被害を最小限に抑え、南にVICKY FRANCEというナチスの傀儡国を作ってヒトラーのご機嫌をとった。

個人的な想像では、できればヒトラーが宿敵英国を占領し、ソ連との持久戦でボロボロになり、最後はアメリカがヒトラーをやっつけてくれることを期待したのではないか。

残念ながら英国はヒトラーの猛攻に耐えたが、後者は実現した。そして第二世界大戦が終わると、なぜか戦勝国としてちゃっかり常任理事国になった。

さすがタレーランの国。彼が活躍したウイーン会議は、その後100年間はメジャーな戦争が起きなかったので成功とされるが、(クリミア戦争は除く)ウイーン会議の構造が、国際連盟、さらに国際連合の基になったとされるのは興味深い。

そんな中で万国博覧会もフランスが提唱して始まったものだが、今や世界 VS アメリカの構図を観る時、アメリカの矢面に立つのは中国やロシアで、仲を取り持つのに奔走するのが真面目なメルケル。

でも、ちゃっかり漁夫の利を狙っているフランスと、そういう大陸欧州を敬遠する英国の孤立が感じられる・・。

0 件のコメント: