2007年10月5日金曜日

WHO YOU WANT TO BE(ワォナビー)

先週フォーブスは世界で最も価値のあるスポーツ選手トップ10を発表した。「最も価値のある」という定義は年俸や賞金、またはCM出演料等の金銭面に社会的な影響力という付加価値まで加味して弾きだした数値らしい。

上位を紹介すると、まずドル換算で圧倒的トップは予想通りタイガーウッズの68M。そしてずっと離れた2位は18Mでべッカム。3位以下は議論の余地がありだがミケルソン、ロナウジーニョ、フェデラーと続く。注目はステロイドで汚れたイメージの野球からは誰も選ばれていない事。またバスケットでは9位にレブロンジェームズ。最後に女性では最近太り気味?で不調のシャラポアが入っていた。いずれにしても彼らの価値は庶民が彼らから感じられる夢の価値と同等ともいえるのかもしれない・・。

ところで、こちらの子供達は憧れた夢の対象としてWANT TO BEを単語として使う。内の子供が所属するサッカーチームでは大半はべッカムワォナビーである。そんな中で我々金融市場に携わる大人達はどうか。少し前に証券会社の決算が出そろった時、どんな時でも好決算を出すGSに対してCNBCのある皮肉屋ゲストが、YOU WANT TO BE GOLDMAN?(あなたはゴールドマンサックスの社員になりたいですか) OR(それとも) GOLDMAN’S CUSTOMER・・?(ゴールドマンサックスの顧客になりたいですか)というコメントをしていたのを思い出した・・。

確かにダウは新高値を更新した。しかし今の証券市場は多少の曲折はあれ、嘗ての様に、証券会社が仲介者とし存在し適度なスプレッドの中で皆がそれなりに共存した世界とは違う。一番儲かる胴元ビジネスに変貌した電子取引所にはそのWSの触手が様々な形で食い入ろうとしている。

要するに、14000を超えて高値を更新したダウが意味するものは、ラスベガスの華やかなネオンと思えばよい。ラスベガスは悪ではない。個人的には大好だ。だがこの本質を解らずして安易に参入しても結果は見えている。先日も指摘したが今この世界では時価総額最高を記録しても、僅か数か月後に倒産の危機になる第二第三のカントリーワイドがゴロゴロしているはずだ・・。

そんな中ではWSが一丸となり、参加者を守るという理想は最早有名無実化すると思うべきである。例えば6月のサブプライムにおいてもそもそも異常だった本質は別として、直接の切欠はメリルリンチがベアスターンに迫った追証であったと考える事も出来る。他のWS群が、自分に火の粉が返るかもしれない桃源郷を焙りだす事に躊躇する中、メリルは譲らなかった。結果その後で起こるべき事が起きてしまったのである・・。

この様に市場が博打化すれば見た目には派手になる。しかし其処には素人が安心して勝てるスプレッドはない。疑心暗鬼の中で、瞬間の出し抜きが勝敗を決める世界が広がるだけである。

そう言えば一昨日ダウが14000台と新高値を更新した翌日、再びメリルがWALGREEN社などを格下げした事をCNBCの解説者が非難していた。実はこんなところに次の切欠が潜んでいるのかもしれない。いずれにしても、米国は、ヘッジファンド国家のモデル化失敗し、次はラスベガス国家を目指し始めたのかもしれない・・。

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