2008年5月7日水曜日

無責任は議会の特権

先週のニューヨークタイムスに財務長官からCITIへ天下ったルービン氏の特集があった。まず興味を引かれたのは、彼はGSのトップだった時、デリバテイブの規制に賛成だったという話。ブラックマンデイは先物が原因とする説が当時あったが、。その際に彼は先物規制に乗り出そうとしたのである。しかし、当時のCBOTから「GSがそんな事をするなら、CBOTはGSを締め出す」と脅され、話はうやむやになった。(ルービン本人弁、しかしCBOTは否定・・)。今のGSの力からすれば、GSが先物取引所の連合に屈したのは意外だった。

それから10年、財務長官の彼は逆の事をした。98年に議会をでデイバテイブ危険論が高まると、ルービンはグリーンスパンとサマーズと協調して規制を阻止したのである。同紙によると、CITIに天下ってからの7年間の彼の報酬は120億。その間は彼は「ヨーダ」の様な役割を期待されたというが、CITIがここまで落ちる間、何の役にも立たなかった。そして今になり、批判が上がっている。

もともと彼は「自分はGSと財務省で究極の責任を担った。もう疲れたのでCITIでは責任を持つ立場には絶対になりたくない」と条件をつけてワイル氏の三顧の礼に応えたと弁明。それは事実だがただ120Mを貰ったのも事実。ならばグリーンスパンと並び彼にも批判向かうのは仕方がないのかもしれない・・。(NYTIMES)

そんな中、本日は議会が銀行の規制強化を言い出した。個人的にルービンやグリーンスパンを一度も英雄視した事はない。だがだからと言って今さら彼らを批判しても仕方がない。実は一番の批判の対象は米国議会である。

ここでは2004年ごろから米国経済をステロイド経済と呼び始めたのはご承知の通り。そしてその起点は99年のグラスステイーガル法の廃止だった。この法案廃止はワイル前会長のCITI帝国を誕生させる野望の一環だったが、当時の議会はグリーンスパンの賛成のレターを参考に殆ど議論もなく決めてしまったのである。

そして、今になりCNBCでさえもグラススティーガル廃止が失敗だったと公言。やっと議会が動きだした。議会は個人でなはい。よって過去の判断の失敗の責任を追及されない特権を持つ。

いずれにしても、庶民が苦境の真の理由が解らないままヒラリーだマケインだと騒いでいる限り、議会の特権は続く・・。

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