2012年10月31日水曜日

いちば(市場)の活気

               東証ホームページから引用

             築地市場ホームページから引用

           CBOT WIKIPEDIAから引用

NY証券取引所は、明日平常通り取引を開始する事を表明した。昨日、今の電子取引の時代、ハリケーンでNYがストップしたからといって、他の市場にいろいろ言うのはおかしいと考えた。

しかし9.11の時もそうだったように、この国はどんな苦境でも「株式市場を人間が開く」ということに頑なにこだわっている。

そういえば、日本に来る外国人観光客は、東証には行かないが築地市場にはいく。あそこは珍しい魚もいるが、何より人の活気がまだある。

自分も2000年代初頭までの、とてつもないシカゴの立会いピットのエネルギーを経験した人間。今の日本の株式市場を復活させるには、日銀の量的緩和ではなく、あの人間の活力が必要かもしれない。

なんでも米国のマネをする日本は、なぜ市場(いちば)の活気を大切するこの部分をマネしないのだろう・・。

2012年10月30日火曜日

真マネー原理プロから・・


マザー ネイチャー

CMEは今晩6時から電子トレードが開く。その決断には批判も出ている。世界の中心はまだNYであり、NYがこんな大変なときに、なぜドル物をやるんだと支離滅裂なこと言うNYの金融関係者が予想外に多いことに驚き・・


2012-10-30 06:06:50 -

269対269の考察

ところで大統領選が共和党の言う通りの接戦なら、オバマ・ロムニーの獲得代議員が269対269で並ぶ可能性もある。その場合にどうなるかのか。そこはこの国を勉強するにちょうどいい材料。そこで日本人が殆ど知らない大統領選の基本をおさらいする。


2012-10-30 00:48:59 -

組織劇一流、本業二流

Mウェーバーの伝記を読んだ時、彼が「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を出す前、欧州にくらべまだ二流扱いあったはずの米国を欧州人の彼が評価していたことに驚いた。彼は正しかった。

一方伝記によると、彼が米国のシステムで評価したのは資本主義だけではなかった。憲法の三権分立上は制限される大統領の権限に、米国は大統領令など補助的法律で柔軟性を持たせたことを評価していた。しかしソレがドイツのアダとなったのは皮肉・・

2012-10-27 01:31:57 -

相応の政治

この時期のハリケーンも珍しいが、名前の「サンデイ」もいい。自分の中ではあの「サンデイ」ワイルに比べれば、ジェイミーダイモンやブランクファインはまだ小さい。このハリケーン迫力は要注意だろう。



 

2012年10月26日金曜日

10年目の命日、


若い人がやらないから、80歳の自分がやらなければならない・・。 やはり石原さんには迫力がある。ところで、昨日10月25日はあの石井紘基民主党議員の10年目の命日だった。もう忘れさられてしまったのか。マスコミは取り上げない。ならここで取り上げる。

石井議員は10年前自宅で刺殺された。当初怨恨とされた事件は、犯人が獄中から、頼まれてやったことを白状した。この事件を追った古いドキュメンタリーを見て興味深いのは、石井議員が若い頃留学したソ連で、巨大組織の硬直がもたらす帝国の崩壊を感じ取っていたいた事。

国会議員に当選したのもちょうど冷戦が終わった1993年。民主党として官僚支配を打破し、真の市場原理を日本にもたらすと何度も口にしている姿は、どこの政党に属するかの次元ではなく、国のために何をしなければならないかということを命を賭けてやった姿は強烈な印象を残す。

もし暗殺の原因が黒幕のスキャンダルからの保身のためだったとするのなら、石井議員の目的がもっと壮大なものだっただけに残念。そしてドキュメンタリーの一番の衝撃は、暗殺後、ナターシャ夫人が、犯人への恨みの前に、(議員が目的を達成できず)日本国民に申し訳ないと謝っていたこと。ここは凄い。

日本がこれだけいろいろあっても平和ボケから抜け出せないなら、ナターシャ夫人の日本国民への謝罪は物悲しいだけだ。

これまでは「この国民にしてこの政治あり」だったことを、石井議員の10年目の命日に改めて自覚したい・・。

http://www.youtube.com/watch?v=dtIdmuVxkd8(このFNSのドキュメンタリーは秀逸)


日本人とブランド

真マネー原理プロより、

イリノイ州 バランス重視の落とし穴 

添付チャートの通りダウは

2012-10-26 02:41:06 -

相場アナリスト VS 地震予知科学者

いざとなればバーナンケは名誉を重んじ、自分から辞めるというはず・・

<日本人とブランド>
 
http://www.universumglobal.com/IDEAL-Employer-Rankings/Global-Top-50

添付は世界の優秀な学生がどの企業に入りたいかという世界ランキングトップ50。文系(ビジネス)理系(エンジニア)に分かれていて、日本企業は2社入っている。

一つはトヨタ。エンジニア部門の18位だ。もう一社は正直意外だった。だがこの会社はビジネスで15位。エンジニアでは堂堂の9位である。

そして昨日発表された、米国内の優秀な学生による入りたい企業トップ100では(まだUPDATEされていない)、なんとこの会社は、ビジネス、エンジニア IT ナチュラルサイエンスの4部門全てでランキングに入った。(33位 31位 10位 63位)

他の日本企業でこの米国のトップ100に入ったのは、エンジニア部門でホンダの50位。トヨタの63位だけだ。更に、ざっとみた限り、全米のランキングには、日本のライバルとされる韓国台湾中国企業は全く入っていない・・。

業績は落ちてもブランドは死なない・・。ソレを活かして、この企業は復活するだろうか。アップルの決算後、株を売られるのをみながら、そんな事を考えていた・・。

2012年10月25日木曜日

お金で一番になる・・シカゴ大の教え



先日「外資系金融の終わり・・ではない」という話をした。今日の話題から、そんな時代を象徴する話を一つ。ヘッジファンドのジョンポールソンが、ニューヨークのセントラルパークに100ミリオンの寄付をした。個人による100ミリオンの寄付は例がなく、もしかしたら彼の銅像がセントラルパークのど真ん中に立つかもしれないという。

そういえば先ほどまで、バフェットがCNBCでいつものおとぼけトーク(ニコニコしながら本音と建前を軽妙に使い分ける)をしていた。バフェットが神格化されたのは2000年以降だが、80年代中ごろから一般にも名前を知られる存在だった。

その頃ウォール街には今のジェイミーダイモン(JP)やブランクファイン(GS)のような突出した名前は無かったと思う。CEOは有名人ではなく普通の社長だった。そこにMミルケンが登場。ヒラ社員が社長の数百倍の給料をもらう事態がおきた。ただ当時の米国は彼をスーパースターとして扱わず、(だから逮捕された)彼は凋落した。(ここが誰も逮捕されない今との違い)。

前後してヘッジファンドの時代が始まった。初期はソロスやジムロジャース、ロバートソンなど、今では長老的な人。その後第二世代としてベーコン(MOORE)やコーエン(CAC)グリフィン(CITADEL)等の活躍が始まり、LTCM以降は第三世代に移っていった。基本的に今の米国でヘッジファンド主役はこの第三世代である。

そんななかでポールソンは第二世代に属する。だが金融危機まで他の第二世代スーパースターに比べて無名だった。しかし今は最大規模のヘッジファンド。2008年の前例の無い暴落で儲け、翌年の前例の無い救済をでも儲けた。

なんと言おうと、資本主義では公共に大金を寄付することが出来る人はやはりスーパースター。アメリカでも賛否はあるだろうが、彼の銅像が出来ても当然。そして最終的にこの国はこの割りきりが出来るのが強みだとおもう。

過去に製造業が衰退し、廃墟となった街がギャンブルで復活した例が数多くある。同じ事を街でやるか国でやるかだけの違いだ(イリノイとインデイアナの境のゲイリーがその象徴。そこにミルケンのジャンク債とスチィーブウィン氏などの野望がマッチ・・)

一方日本では日銀は緩和を躊躇しているらしい。だが宇宙は広い事を改めて考えたい。個人的には日銀でも財務省でもどちらでもいいので、高橋洋一さんが言う様に、大量にマネーを刷って国民に均等に配ることを切に願う

アメリカのように金融システムだけを使うと(中央銀行から銀行へ下る信用創造へたトリクルダウン)成長が無いと途中で停滞が起こる。すると停滞はそこにモラルハザードをお起す。そして語るだけの人々に意味の無い機会を与える。だから直接国民にマネーを配る。

ではモラルはどうなるのか。そこは少しだけモラルハザードを全体でシェアするか、とんでもないモラルハザードを一部の金融システム関係者だけが許されるのかの違い。

バブル崩壊後の日本では、米国のような醜いモラルハザードが金融システム関係者(邦銀)におきにくい環境が続いている。よってシステムの頂点に立つ日銀は賛同しないだろう。では財務省にお願いしたい。そうなると政府紙幣。ソレを主張した高橋さんはスキャンダルに巻き込まれた。

しかし160万人子供が貧困層に落ちたという日本は躊躇している場合ではない。アメリカと同じようにマネーを刷る。だが平等を維持するため、直接配る。ばら撒きである。ここまで生活保護を受ける人が増えたなら、遠回りするより早く生まれ変わることも必要だろう。

バーナンキ議長は別名「ばら撒きヘリコプター」と呼ばれる。しかし直接米国民に配らず、FEDを頂点とする金融システムに流している。だから問題が生まれ、不満が生まれる。

多くはソレが間違っていると指摘する。実は自分もその一人だった。だがばら撒きでも、日本は独自のばら撒きをする。正論を言う政治家が国が救えるかどうか。過去のピンチでどんな人が国を救ったかもう一度考えるべき。

そして科学者ファンドを作り、徹底的に投資すればよい。もちろん山中教授のような人ばかりではなく偽者もいる。だがそんなことを気にしていては始まらない。そもそも日本人はこんなに金メダルとノーベル賞を欲しがる国民ではないか。やはりそこは遅れたアジアを引きずっているのだ。

ならば参考になるのはシカゴ大学。シカゴ大学の発祥はハーバードから200年も遅れた。オックスブリッジからは700年も遅れた。だが今ノーベル賞の獲得はダントツである。これはロックフェラーが躊躇せず、資財を投じた結果であることをアメリカ人は知っている。

お金そのものを批判しても始まらないことにやっと気づいた。学問はスタートが遅れても十分なお金が投資されれば一番になれる・・。これがシカゴ大学に無縁の自分でもシカゴ大学から教わったこと。一番を否定するのは、お金の量の議論の前に、実はお金の使い方をしらなかっただけなのかもしれない・・。

ただこれと金融市場がどうなるかは別。社会が自浄作用としての市場原理を止めても、最終的にお金そのものに自浄作用があることに気づいた。麻薬もウイルスも人を殺した後で役割を終わるの似ている。多すぎると最後は自分で役割を失う。ただソレを経験するまえに「冷えガエル」で死んでしまっては意味が無い・・。




2012年10月23日火曜日

マネー原理プロから


決算の構図

先週紹介したQE頼み、銀行決算。しかしそれ以外には・・

2012-10-23 02:06:28 -

ビジネスマンと大統領の関係

日はオバマとロムニーの最終討論があるが、ビジネスで成功した人間が大統領として成功した事例は、建国の父の時代を除き・・・

2012-10-23 00:38:17 -

米国とイランの合意というおかしな記事

下の英文記事は本日NYTIMES。

2012-10-22 08:59:02 -

日本の救世主たち

添付したGSの資料は秀逸。


2012年10月22日月曜日

外資系金融の終わり・・ではなく始まり

 
ネットで外資系金融の終わり」という本の紹介があった。楽天証券のサイトからの引用だったが、コメントをした山崎元さんの論評はわかりやすく、著者の藤沢数希氏の存在すら知らなかった自分も、まるで本を読んだ気になった。

そして、論評と抜粋から垣間見た藤沢さんの才能にもおどろいた。ここで似たようなことをずっと主張してきたつもりだが、わかり易い文章で本質を語る藤沢さんとのレベルの違いを感じ恥ずかしくなった。

基本的に藤沢さんの話には100%同感。また日本にはこのような解説が必要だとおもう。ただし結論は少し違う。米国を知る自分としては「外資系金融は始まる」である。

その結論とも関係するのだが、いよいよ野田政権は終わりのようだ。野田さんは、もし党を守りたかったなら、増税法案を通すべきではなかった。この段になり、人材不足のなかで恩賞的な閣僚人事をしたのではあまりにも場渡り。

総理は日頃は場渡りを否定している人。しかし正論に沿って行動した結果、顛末に戸惑うのは、日中での「国有化」の考え方を読み違えた事とも重なる。

ならばここからは政治家として覚悟がみたい。小泉さんのように国民を劇場へ巻き込む能力があるだろうか。このような窮地、米国なら、中国をなだめるのではなく、むしろ日中対立を煽り軍隊を尖閣諸島の自衛に当てるぐらいの危ない駆け引きができなければ逆転は出来ない。

ではこの今の日本の国家マネジメントの実態の中、仮に藤沢さんの本が影響力を増しても、日本がそれをどう取り組んでいくのかイメージがわかない。ソレを一番物語るのは、藤沢さん自身が本名を出さず、内部告発をしながらそのまま外資系のトレーダーをしていることだろう。

きっとご本人はどちらが勝ち組みかは既に答えを出しているのだ。そのスタンスを批判するつもりは無い。そもそもトレーダーとしてはその種の判断能力は必要であり、ソレをジャーナリズムと考える方がおかしい。

その点今の米国に迷いはない。同じタイミングでゴールドマンサックスの内部告発を実名で行ったグレックスミス氏の本が発売された。だがGSは彼は証券マンとして負け犬であり、社内で相手にされなくなった腹いせに書いたナイーブな情緒本と一蹴した。

そしてウォール街とは敵対することが多いNYTIMESの論評も、決してスミス氏の味方とはいえない。これらの動向をみると、おそらく米国ではもう一段の金融支配が進み、ソレがぶっ壊れて、誰もが予想しないシステムになるか。或は大恐慌を超えるアルマゲドンのあと市場原理の原点に戻るかのどちらかだろう。

日本は独自の価値観で万進しないかぎり、金融に一石を投じる藤沢さんの本も一過性で終わる可能性を感じた。



2012年10月19日金曜日

横井さんと蓮池さん


<真マネー原理プロから>

グーグルショックと道徳

いろいろ手違もあったようなGOOGLEの決算発表。ただ数字は間違いようだ。添付の表をみてもアップルとGOOGLEの下落はヘッジファンドには痛打。

2012-10-19 03:44:13 -

人の信用とシステムの信用

中国の指標発表を受け、米国では習近平政権で首相職が見込まれる李克強が昔言った・・・


2012-10-18 23:00:15

グレンハバード氏という矛盾

住宅の売り態勢に入っている身として、4月同様10月に入れば住宅の数字は失速するのではないかと恐れた。だがこの数字は嬉しい誤算


(写真はWIKIPEDIAから)

今再びブームだという横井庄一さんと、NHKのクローズアップ現代に出た蓮池薫さんがダブった。
もともとどことなく風貌が似ている。そこに何十年におよぶ望郷の念。二人からは、母国を客観的に観る眼を感じた。そして、蓮池さんはこれまでしゃべってこなかったことをはじめて話した。其の中に驚くべき分析力を感じだ。

本当は2週間で北朝鮮に帰ることを条件に帰国したという。にもかかわらず、子供が人質になることを承知で日本にとどまる決断。あの時点で北朝鮮が拉致を認めた重みと、金正日が日本に期待するものをはかりにかけ、北朝鮮は子供は必ず返すという結論に達したという。

拉致され、子供が出来てからは、子供が北朝鮮で安全に生きることだけを生きがいに考えてきたという蓮池さんの決断を、奥さんのゆきこさんは信じられなかったという。自分のおなかを痛めた母親には出来ない決断。だが蓮池さんが子供を誰よりも愛していることを一番知っているのもゆきこさんだった。ゆきこさんは蓮池さんの決断に従った。これも凄い決断だと思う。

蓮池さんは、食糧危機の90年代後半、必死で生きる北朝鮮の庶民に「人間の素の力」とすがすがしさを観たという。そういえば横井さんのサバイバル術本の中では、ジャングルで素足で暮らすうちに、靴底のように固く進化した足裏の皮膚は、帰国して7年後には完全にふやけてもとに戻ったとあった。

横井さんも 蓮池さんも望んだわけではない。だが与えられた環境で、人間の本能の力を試した経験を持つ人々だ。インベストに必要な客観性もまずは素を知ることから始まると考える。したがって薬づけ容認する人々が語る客観性は、本物というより、トレードの材料に過ぎないだろう。

2012年10月17日水曜日

ノーベル アドベンチャー賞確定

http://www.liveleak.com/view?i=fa1_1350274678

ノーベルアドベンチャー賞と、次のジェームズボンドの主役に推薦。

2012年10月13日土曜日

痛快な資本主義。人生にヨロコビを (マネー原理プロから)



(上からアデルソン氏、ウィン氏 オカダ氏 孫社長  すべてWIKIPEDIAの写真から引用)

政治献金の「スーパーパック」でロムニーと共和党の最大のスポンサーは、カジノ王でラスベガスサンズ会長のシェルダン・アデルソン氏。一方ビジネス上では彼のライバルでもあり、80年代はあのマイケルミルケンと組み、ラスベガスを単なる強大なカジノの街から、世界最大規模の家族的行楽地兼コンベンションセンターに脱皮させたのがスティーブ・ウィン氏といわれる。そのウィン氏が珍しくCNBCに出た。彼が独占インタビューに応じたのは、彼もロムニーを応援するためだった。

ところで日本のパチンコ最大手マルハンのサイトには「人生にヨロコビを」というフレーズがついている。マルハンの会長の韓昌祐氏は米国ではオカダ・カズオの日本名で通っている。毎日CNBCをみているが、日本人の個人がCNBCのニュースの主役になったのは、ここ数年では恐らくこのオカダ氏とソフトバンクの孫さん。そしてリコール問題の際に公聴会に出たトヨタ社長ぐらいだ。米国でジャパンビジネスは、技術や組織のイメージであり、個人(名)の印象は薄い。

実はオカダ氏とウィン氏はパートナーだった。だがマカオ進出の際の中国政府への画策で仲違いとなり、今は巨額訴訟で争っている。二人とも米国からは外国への違法投資で起訴されている身でありながら、そんなことはお構いない。さすが大物、腹が据わっている。

この日米の大物カジノ王の泥沼の訴訟合戦を、CNBCは特集で取り上げた。そして今朝、ウィン氏は言った。「アメリカ経済には労働者がヨロコビを感じることが必要だ。オバマはソレが全くわかっていない」と。マルハンのフレーズと同じだった。

でも彼のいう労働者のヨロコビはなんだ。馬のにんじん?それとも労働者が人間らしく生きる喜び?実はそこが世界の先進国のテーマ。もしかしたらその天王山が今回の米国の大統領選挙かもしれない。

アデルソン氏もウィン氏もユダヤ人である。アデルソン氏の父はタクシーの運転手。ウィン氏の父親は差別の中で名前をウィンバーグからウィンに変えざるをえなったたらしい。ビンゴパーラーを経営し、ウィン氏をペンシルバニア大に入れた。

(因みにウィン氏やミルケン氏やトランプ氏はみなペンシルバニア大、後者二人はウォートンスクール。映画「ウォールストリート」80年代のバブルの主役たちがウォートンで、そこからリーマンショックまでのマネジメントの主役がハーバードビジネススクール、そして今市場原理を叫んでいるのがフリードマンのシカゴ大の関係者に多いのは、当然といえば当然だが面白い・・)

そしてここが今回のテーマ、実は、アデルセン氏もウィン氏も民主党から共和党支持に代わった人である。民主党の基盤である弱者層に生まれ、そこから社会の構造を知り、グレーな行為もあったかもしれないが才覚と度胸で勝ち上がり、今は圧倒的勝ち組として、また、共和党のスポンサーとして反オバマの急先鋒である。

似た境遇がマルハンの韓昌祐氏にあったことは有名。孫さんも子供の頃は苦労されたと聞く。CNBCでニュースの主役として取り上げらた二人の個のと日本人が韓国系であることは、ユダヤ人としてのし上がったアデルセン氏とウィン氏に共通するスピリットと同じ根源を感じる。

今この四人は遥か上空から庶民を観ている立場(添付チャートトップ参考)。共通するのは「庶民にヨロコビを」。ソフトバンクのビジネスはギャンブルではないが、孫さんの底流のコンセプトは同じだと思う。

世の中には格差がある。マノリティーとしてソレを克服し、嘗て自分を見下したマジョリテイーを今では労働者、あるいは消費者として囲っておく。残酷だがやはり格差はビジネスには必要である。それは一般人の欲が最後ウォール街を潤す構造と同じ。しかしそこから勝者を目指すのが資本主義の痛快さだろう。ただ「痛」から「快」へどうステップするか。

今それを達成した者にとってはオバマや民主党は敵という構造になっている。(完全なる事実はないが)個人的にはニュートラル。自分は市場原理主義者。よって痛から快への過程でここまでアンフェアや不義が生じては、(例えば金融市場の捻じ曲げ)資本主義は自業自得で一旦終わるだろうと考えている。

ソレが、万物の原理として(市場原理)としての待ち受けている答えだろう・・。





2012年10月11日木曜日

5兆円のボーナス

http://youtu.be/_WrMWK-FJzU

添付はあの「 The Creature from Jekyll Island 」の作者 エドワードグリフィン氏。あまり人前に出る人ではないので貴重なビデオである。

この本はこのブログで紹介した。今も閲覧者が多く、横のランキングでは堂堂の2位である。個人的にこの本にであったのは2000年ごろ共和党レターの紹介だった。

1994年発表当初、アカデミアからは「陰謀好きな素人の空想」と批判された。しかしQE2を断行する直前、FEDは誕生100周年の会議をジェイキル島で開いた際、アトランタFEDのホームページでエドワードグリフィン氏の本が概ね事実に則していることを認めている。

さて、昨日NY州の会計監査局は、2011年のウォール街のボーナスの総額が60ビリオンダラー(5兆円弱)だったことを発表した。一人当たり平均36万ドル(2200万円)。これはボーナスだけであって年収ではない。給料を含めた年収は更に上をいく。

そんな中でNY州のシューマー上院議員は、昨日突然高額所得者への増税支持を打ち出した。彼は金融危機からの救済において、クリスドットやバニーフランクなどの並んで銀行救済法案の中心人物だった人。つまり本来は高給取りのウォール街の友達である。

違和感だったがこれでわかった。この会計監査員の報道が彼のスタンスを変えさせたのだろう。いくらウォール街がお膝元で献金があるとはいえ、NY庶民にとって、このボーナスがどう映るかは明白である。

いずれにしても、これでもFEDはQEを続けるということはどういうことかよく考えるべき。2008年の救済ではオバマを頼り、今は増税しないロムニーを応援する金融をコントロールできないこの国が最後どうなるか。

グリフィンのスピーチは、米国の未来象をついてるだろう・・。


2012年10月10日水曜日

リスク管理の矛盾、 狙われる価値(人)と狙われない価値(人)


2週間前のライダーカップでは、一般ギャラリーからも離れていないところで、大統領を経験したブッシュ親子の間にマイケルジョーダンが入って米国チームを応援しているシーンが流れた。

変なところが気になる自分としては、DVRを巻き戻して確認したのはシークレットサービスの有無だった。絶対にいたはずだが確認は出来なかった。

1997年に法案が改正されるまで、大統領経験者には終身シークレットサービスがついていた。それを変えたのは当時のクリントン大統領である。

新法案では大統領を辞めて10年が経つと国家からのシークレットサービスは無くなった。ただし改正前の大統領経験者には新法は適用されない。したがって存命のカーターとパパブッシュには国家からのシークレットサービスがついている。

またGWブッシュも辞めて4年なのでシークレットサービスがついている。つまり、皮肉にも新法の結果、現在シークレットサービスがついていない大統領経験者はビルクリントンだけである。ただオバマ大統領は自己の権限内で、クリントンにもサービスをつけることが多い・・。

なぜこんな話をしたかというと、それは前回のノーベル賞の発表で、山中博士が受賞を逃した時のブログを思いだしたからだ。

ブログでは96年、サンデイエゴの超高級住宅街のラホヤで、プロの殺し屋に、娘さんといっしょに暗殺された斉藤綱雄教授のことに触れた。そして、命を狙われる可能性の少ない今の日本の政治家(大臣)の警備を削り、山中教授を警護すべきとした。

山中教授はノーベル賞も取り、一定のリスクは通り過ぎたと思う。だが近年アルツハイマーの仕組みが急速に解明されつつあるといわれるなか、当時その世界的権威として重要な発表を控えていた斉藤教授の暗殺は返す返すも残念である。

ところが、当時の日本のメデイアは、巻き添えで娘まで亡くした未亡人の行動を興味本位においかけただけで、地元警察がプロの暗殺としたにもかかわらず、LA三浦和義事件ようなメデイアの粘りは見せなかった。

その一方で今回の山中教授を褒めちぎる報道にはやや異常な雰囲気を感じる。これでは日本は一歩外に出ればゴロゴロしている魑魅魍魎のグローバルリスクにはやはり対応できそうもない。

2012年10月9日火曜日

贈呈 ノーベル国家賞

山中教授のノーベル賞受賞を聞いて、オルフェーブルも凱旋門賞を勝っていればと余計に残念になった。あのラストスパートの爆発力は「彼」が世界最強であると感じさせたが勝負は別物。聞くところによると、トップに出たとたん、コースを内側にはずれ柵をこすったとか・・。

あの爆発力とその後のコントロールのアンバランス。調教師や騎手にとってはてオルフェーブルほどの実験材料はないのではないか。しかし年齢を重ねることで力を失わず彼が「大人」になるかは疑問。一方で山中教授はどこまでも謙虚で日本人としては誇らしい限りだ。世界を知り、ノーベル賞受賞者としては若いことも教授をより謙虚にしてる雰囲気を感じた。

いってしまえばここが本能だけのと馬と人間の知恵の違い。そういえばアダムスミスの「見えざる手」を、欲に対する人間の本能を野放しすることで経済発展を導いたと解釈する人がいる。はたしてそれは正解か。世界史の観点では、アダムスミスは資本主義の効果とリスクを同時に警鐘していたと考えるのが妥当。欲だけを取り上げたのは、現在において、規制反対をする立場(米国の共和党)とウォール街の自己弁護のように感じる・・。

そんな中、市場原理には強欲による失敗を戒める自浄作用があった。しかし市場原理を止めるならバランスが必要。(規制との調和)米国はその実験段階だ。恐らく今度の選挙で次の方向性が見える。そして国家としてそのバランスの最先端は実は日本だろう。ノーベル賞にそんな賞があれば今の日本は本命である。

戦後日本は西洋から学び、逆に技術を輸出する国なった。今は水道などの社会のインフラを輸出している。もし世界がポスト市場原理の仕組みを求めるなら、日本は次この精神を輸出できる。ただどの道米国は受け入れないので(米国は苦しくても市場原理に戻るか、あるいはローマ帝国ような分裂と衰退か)米国の属国に甘んじている間は、その価値すら知らないままで終わるだろう・・。

2012年10月6日土曜日

ヘミングウェイとベースボール 



            (ブラックソックス事件の黒幕 ロスタインの実物 数々のギャング映画や、華麗なるギャツビにも登場)
 
 
 
(経済指標を捻じ曲げて選挙戦を有利にしようとしていると批判されるオバマ大統領)
 
 
 
今日はこの後ダルビッシュがプレーオフに登場する。一昨日はヤンキースの優勝決定戦に黒田が登板した。黒田・イチロ・ー松坂のそれぞれの人生の瞬間をトップニュースに持ってきたNHKの9時のニュース。

野球において日本人もこのレベルまで来たということを日本国民に知らしめる意味で粋なはからいだった。
ところでそのベースボールをヘミングウェイは、「一度もスポーツだと考えたことはない」という皮肉な表現をしている。
 
若い頃にはブラックソックス事件があり、シカゴ出身のヘミングウェイとしては、地元のチームの前代未聞の八百長に衝撃を受けたのかもしれない。
 
(ブラックソックス事件。 ホワイトソックスがニューヨークのギャングAロスタインの買収でわざと負けた事件。ロスタインはホワイトソックスの負けに賭けて大もうけ。一方でシューレスジャクソンなどホワイトソックスの選手は追放になった・・。)
 
実は個人的に今日の雇用統計の大騒動(オバマ政権が仕組んだデタラメ論)で、このヘミングウェイの皮肉さを思い出した。
そもそも英国スポーツが教育の一環として始まったに比べ、米国スポーツが労働者のエンターテイメントとして発展したことは何度も紹介した。
 
エンターテイメントに必要なのはスーパースター。また見て楽しければ許されるという大まかさもあり(プロレスがいい例)、相撲の厳格さや駅伝の自己犠牲を尊ぶ日本人とは根本的にスポーツに対する価値観が違う。
そしてスポーツにエンターテインメント性を求める事で、米国のスポーツは産業として比類なき発展を遂げた。結果、現在は世界のスポーツビジネスは殆どが米国モデルを追随している。
 
しかし80年代にスタインブレナーのヤンキースが起こした革命は、政治経済でレーガンが起こした大変化と同じく、華々しい世界へ飛躍すると同時に、ステロイドの横行や、勝利を逆算で考え、途中は違法でなければ何でも許されるといった「やったモノもの勝ち」の風潮を蔓延させた。
 

更に巨額マネーは欲を生み、今年はNFLのストライキがミスジャッジの大騒動を起こした。先週はアイスホッケーも選手とオーナーの折り合いがつかず前半の試合が全てキャンセルとなった。

 
このような4大プロスポーツのストライキは、ミリオネィラーとビリオネィラーの喧嘩と揶揄される。しかし彼らを潤しているのは貧しい庶民だ。ここにこの国の格差の本質がある。
 
建国の父は国家経営に格差は必要と考え、米国の国づくりにローマ帝国から多くを取り入れた。よってコロシアムで庶民がウサを晴らしたのと同じ効果がある米国スポーツに違和感はない。
 
同じ意味で、マニピュレートされた経済指標があったとしても違和感はない。結果的に国がよい方向に向かえばよい。だが、今の米国が向かっている方向がいいかどうかは別問題である・・。


2012年10月4日木曜日

ダブルダウン。 オルフェーブルからロムニーへ


さて、今晩からオバマとロムニーの討論が始まる。支持率の世論調査では、オバマ49% 対 ロムニー46%である。

選挙の専門家によると、この3ポイント差は同じ3ポイントでも、例えば45%対42%より圧倒的にオバマの優位性を現しているという。

個人的にはその説明にクリックしなかったので詳細は書かない。それでもロンドンのブックメーカーによると、オバマの優位性は明白である。

オバマへの賭け率は現在「460対100」これは、460をかけてオバマが勝っても560ドルしか戻ってこないという意味。もし負ければ当然460ドルを失う。

一方ロムニーは「100対360」。ロムニーの勝利は今なら100でブックメーカーは引き受ける。もし彼が勝てば460が戻ってくる・・。

ここで面白いのは、ロンドンは米国大統領選の賭けをやっているのに、ラスベガスはやっていないこと。

ラスベガスでは、グリーンベイ対シアトルのフットボールに1.5ビリオンの金が乱れ飛ぶ一方で大統領選への賭けをやらない。これは理解できるような出来ないような・・。

凱旋門では日本のオルフェーブルが一番人気らしいが、オルフェーブルで勝ったら、そのままロムニーにかけてみるか・・。

<読者の皆様へ>

今後、有料版 <マネー原理プロ>拡充のため、こちらの記事も徐々に移行します。何卒ご理解のほどよろしくお願いします。

ご参考<マネー原理プロ>から

先走り相場の逆襲

今の株や債券の値動きはつまらない。ただ頭を使う意味で、今日の相場はよいサンプルだった・・


 
2012-10-04 08:13:24 - 日記

流動性とボリュームの違い

英語で「FED UP」は「もういらない」の意味だが、・・



 
2012-10-03 23:26:28 - 日記

循環と郷愁

昨日ゴールドの強気を言ったが、

 
2012-10-02 21:46:00 - 日記

米国10年債1%割れまでの過程

QE3は40ビリオンではなく、・・
 
2012-10-02 00:32:23 - 日記

ゴールド主導・・

先週でゴールドのゴールデンクロスは//


 
2012-10-01 22:19:51 - 日記

RATS EAT RATS

RATS EAT RATSとは、アルゴリズムが共食いを・・・
 
2012-09-28 23:18:38 - 日記

使いきったスペインと活かした英国

SPの50日移動平均と大統領選のジンクス・・・

 
スペインを考える時、なぜこれまでワールドカップを勝てなかったのか不思議だ。個人的に出した結論は資本主義経営の稚拙。クラブチームとしてバルセロナやレアルマドリッドが世界最高であることに疑いはない。

だがその経営を見ると英米のプロスポーツチームとかけ離れている。これは大航海時代のスペインと同じではないか。フィリッペ2世の頃のスペインは世界最強だった。だがあっという間に没落してしまった。

世界史上の一般論は、後に覇権を確立した英国との違いとして植民地の経営力を挙げる。スペインは米国大陸から圧倒的な銀を手にしながら、それを散財したら繁栄も終わった。

一方英国は植民地経営に資本主義を導入した。現地の安い労働力を活かし、彼らを一定レベルまで引き上げることで、税を操り、自国の製品を買わせるというシステムを編み出した。まさに資本をどう使いきってしまううかではなくどう活かすか・・。

マンUの経営とレアルの経営にはいまだにこの差が残っているように思えるが、このあたりは日本企業がこれから中国にどう対処していくかを含めてもう一度振り返る必要があるだろう。

いずれにしても、使いきるスペインと活かす英国・・スペインはワールドカップは制したものの、アメリカから眺めていて、そのDNAが変わったかは疑問・・。