2012年10月13日土曜日

痛快な資本主義。人生にヨロコビを (マネー原理プロから)



(上からアデルソン氏、ウィン氏 オカダ氏 孫社長  すべてWIKIPEDIAの写真から引用)

政治献金の「スーパーパック」でロムニーと共和党の最大のスポンサーは、カジノ王でラスベガスサンズ会長のシェルダン・アデルソン氏。一方ビジネス上では彼のライバルでもあり、80年代はあのマイケルミルケンと組み、ラスベガスを単なる強大なカジノの街から、世界最大規模の家族的行楽地兼コンベンションセンターに脱皮させたのがスティーブ・ウィン氏といわれる。そのウィン氏が珍しくCNBCに出た。彼が独占インタビューに応じたのは、彼もロムニーを応援するためだった。

ところで日本のパチンコ最大手マルハンのサイトには「人生にヨロコビを」というフレーズがついている。マルハンの会長の韓昌祐氏は米国ではオカダ・カズオの日本名で通っている。毎日CNBCをみているが、日本人の個人がCNBCのニュースの主役になったのは、ここ数年では恐らくこのオカダ氏とソフトバンクの孫さん。そしてリコール問題の際に公聴会に出たトヨタ社長ぐらいだ。米国でジャパンビジネスは、技術や組織のイメージであり、個人(名)の印象は薄い。

実はオカダ氏とウィン氏はパートナーだった。だがマカオ進出の際の中国政府への画策で仲違いとなり、今は巨額訴訟で争っている。二人とも米国からは外国への違法投資で起訴されている身でありながら、そんなことはお構いない。さすが大物、腹が据わっている。

この日米の大物カジノ王の泥沼の訴訟合戦を、CNBCは特集で取り上げた。そして今朝、ウィン氏は言った。「アメリカ経済には労働者がヨロコビを感じることが必要だ。オバマはソレが全くわかっていない」と。マルハンのフレーズと同じだった。

でも彼のいう労働者のヨロコビはなんだ。馬のにんじん?それとも労働者が人間らしく生きる喜び?実はそこが世界の先進国のテーマ。もしかしたらその天王山が今回の米国の大統領選挙かもしれない。

アデルソン氏もウィン氏もユダヤ人である。アデルソン氏の父はタクシーの運転手。ウィン氏の父親は差別の中で名前をウィンバーグからウィンに変えざるをえなったたらしい。ビンゴパーラーを経営し、ウィン氏をペンシルバニア大に入れた。

(因みにウィン氏やミルケン氏やトランプ氏はみなペンシルバニア大、後者二人はウォートンスクール。映画「ウォールストリート」80年代のバブルの主役たちがウォートンで、そこからリーマンショックまでのマネジメントの主役がハーバードビジネススクール、そして今市場原理を叫んでいるのがフリードマンのシカゴ大の関係者に多いのは、当然といえば当然だが面白い・・)

そしてここが今回のテーマ、実は、アデルセン氏もウィン氏も民主党から共和党支持に代わった人である。民主党の基盤である弱者層に生まれ、そこから社会の構造を知り、グレーな行為もあったかもしれないが才覚と度胸で勝ち上がり、今は圧倒的勝ち組として、また、共和党のスポンサーとして反オバマの急先鋒である。

似た境遇がマルハンの韓昌祐氏にあったことは有名。孫さんも子供の頃は苦労されたと聞く。CNBCでニュースの主役として取り上げらた二人の個のと日本人が韓国系であることは、ユダヤ人としてのし上がったアデルセン氏とウィン氏に共通するスピリットと同じ根源を感じる。

今この四人は遥か上空から庶民を観ている立場(添付チャートトップ参考)。共通するのは「庶民にヨロコビを」。ソフトバンクのビジネスはギャンブルではないが、孫さんの底流のコンセプトは同じだと思う。

世の中には格差がある。マノリティーとしてソレを克服し、嘗て自分を見下したマジョリテイーを今では労働者、あるいは消費者として囲っておく。残酷だがやはり格差はビジネスには必要である。それは一般人の欲が最後ウォール街を潤す構造と同じ。しかしそこから勝者を目指すのが資本主義の痛快さだろう。ただ「痛」から「快」へどうステップするか。

今それを達成した者にとってはオバマや民主党は敵という構造になっている。(完全なる事実はないが)個人的にはニュートラル。自分は市場原理主義者。よって痛から快への過程でここまでアンフェアや不義が生じては、(例えば金融市場の捻じ曲げ)資本主義は自業自得で一旦終わるだろうと考えている。

ソレが、万物の原理として(市場原理)としての待ち受けている答えだろう・・。





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