2014年11月19日水曜日

ストイックなバリュー

                 

http://www.dailymail.co.uk/wires/afp/article-2839079/Black-Rain-actor-Ken-Takakura-dies.html

黒澤明の存在もあり、現状アメリカでは三船敏郎と高倉健の実績は比較にならない。

どうやったらアメリカのポチを脱却できるか。ライフワークとして、このテーマを考えている立場すれば、黒澤映画にとどまらず、外国人監督のもとで、欧米の一流俳優と対等に渡り合った世界のミフネはなんといっても最大の憧れだ。

演技の幅も、素浪人から軍人、利休から現代のボケ老人まで広かった。

でも健さんには世界のミフネに無い魅力があった。ご本人が俳優なんてやりたくなかったといっているように、本当は好きではなく、天賦の才能があるというわけではない俳優という仕事を、
もともと「不器用ですから」の男がプロとして極めていく道程・・。

このストイックな姿は、酒をで暴力をふるい、私生活でトラブルを抱えたとされる三船敏郎とは真逆・・

戦前、日本がアメリカのポチなる前を知る三船敏郎には、戦争にまけても、欧米にへつらわないオーラがあった。一方で健さんには、敗戦から豊かになっていくなかでも、自分を見失わず、我慢するかっこよさがあった。

訃報を伝えるこちらのメディアはこんなコメントを・・

His characters were mostly the strong, silent types who endure hardship in the pursuit of justice.
(彼の演じるキャラクターは、寡黙だが、困難の中でも正義感を失わない強い男・・)

今となってはどちらが日本を代表する偉大な俳優なのかはわからない。ただまた一人ストイックなかっこいい日本人の男がいなくなった・・

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