2015年7月5日日曜日

日本もリファレンダムを。独立と国民投票。ドラコニアンはどこの国の法律だったのか

             
            Libertyで戦う相手がいないアメリカはどうなるのか

独立記念日、TVジャパンでは相変わらず憲法解釈と集団的自衛権で討論をしていた。そもそも世界の常識で考えれば、今の日本憲法と日米安全保障条約は矛盾している。60年代にこの議論は瞬間盛り上がったが、経済が発展すると、それだけに集中した日本。

結果、今は「平和で長生き」が前提の国民が、この矛盾に自分から好んで手をつけることはない。なら政治家は延々と、堂々巡りをするしかないのだろう。


ただ世界の現実として、戦争被害者がどれほどその悲惨さを伝えても、戦争の有無は日本が一人で決められることではない。政治経済で欧米と協調している日本。既に国益で全員が平和を保つ状況は終わりつつあるが、本来はもっと早く憲法を変えるか、嫌なら日米同盟を破棄するかどちらかが筋だった。

どちらも選ぼうとしないのは都合がよ過ぎるが、その民意を野放しにした責任の大半は自民党。安倍さんがその修正に情熱を傾けるのは解るが、敗戦後も世界史の観点で近代史を考察することがなかった日本の民意を変えるのは大変。だからといってアメリカ一辺倒では単純すぎる。

個人的にはギリシャを見習い、日本もそろそろ国民投票をするのがいいと思う。自民党の言う集団的自衛権行使は合憲か違憲か国民が投票する。憲法改正までは時間がかかる。今の民意を計るにはこれしかない。

ところが、憲法では、国民投票はその憲法改正の時だけに限定されているらしい。アメリカが持ち込んだ憲法だが、日本人に憲法を変えるという感覚がここまで希薄だと、アメリカにも誤算だったかもしれない。

アメリカは大統領を選ぶ。完璧ではないが国民投票だ。(代議員制なので100%民意ではない)政治体制が日本に近い英国は、法的有効性とは別に国民投票を否定しない。近い将来はEU離脱に関しての国民投票があるかもしれないし、そもそもほとんどのEU諸国は、マーストリヒと欧州憲法の承認で国民投票を余儀なくされた。

こう見ると、国民投票への熱が盛り上がらない日本は特殊な先進国だ。日本では中国の一党支配体制を批判している声があるが、欧米からみると、日本は中国より人権は確立されているが、民主主義の成熟度という意味では不思議な国になると思う。

本来民主主義は野蛮だったはず。国民投票が大好きなギリシャは、古代アテネの影響が残っているのだろう。しかし今回は経済の苦しさから、EUやECBに従うかという投票。そこにはその昔ペルシャに恭順するか、死を覚悟で闘うかという荒々しさはない。

(民主主義の原型とされるが、戦わない奴隷・女性に決議権はなかった)

そういえば近年緊縮財政等の経済英語でよく聞かれるドラコニアン(doraconian)。ドラコニアン法は厳しいルールを国民に要求するときに良く使われるが、皮肉だが、その原型も紀元前600年頃のギリシャ人のドラコ。

彼はそれまで口頭ルールだった法律(憲法)を文章にした。アリストテレスによれば、インクではなく、血で書かれていたという。内容は厳粛で、りんごやキャベツの窃盗で死罪。大衆の中での居眠りも死罪。借金をしたものは債権者の奴隷。(ただし身分の高い者が身分の低い者から借りた場合のペナルテイーは甘かったという記録がある。)

ここまで厳しいと結果的アテネは機能せず、後を受けたソロンが改革していく。(ソロンの改革)
ただアテネで初めて身分の差に関係なく、一定法律が試行されたことへの評価は高く、彼が劇場に来た際、人気の象徴である帽子やシャツが民から投げられ、あまりの数で彼はその山の中で窒息死したという伝説になっている・・

ドラコやソロンから100年ぐらいで、ギリシャはペルシャを迎え撃つことになるが、米英のアングロサクソンは、グレコ・ローマンの歴史を良く勉強している。だからこそ、その後、グレコローマンが辿った歴史を辿らないようにするのが、今の保守派の使命感になっている。(そもそも建国の父の米国独立の理念に反映されている)

米英の保守派は直近の選挙ではなんとか勝った。でも英国はスコットランドを無視できない。また先週のオバマレガシーを観ても、人間の数の上ではリベラルが拡大しているのは明らか。だからこそ、4000年の時を経ても復活してきた中国は脅威だろう。

大陸欧州は目先は中国に逆らう雰囲気は感じない。なら米英のアングロサクソンはどうする。リベラル化の流れと、戦争を辞さず、優位性を維持したい保守派とのグリットロックの間で生まれた金融経済。その残り時間と、日本の戦後モラトリアムの残り時間は、拮抗していると思う・・。



  

            







0 件のコメント: