2015年10月11日日曜日

ドイツ変調?とフランスのしたたかさ




ここ数年、一人勝ちと揶揄されたドイツがすこし変調している。

メルケルがノーベル平和賞を逃した日、ユーロ2016予選でワールドカップ王者は格下のアイルランドにまさかの敗北。

そして、真面目な印象のドイツ人が、なぜあんな馬鹿げた経営判断をしたのかというフォルクスワーゲンの事件の背景には、日本のトヨタの存在があったという。


https://www.washingtonpost.com/news/worldviews/wp/2015/10/07/germanys-volkswagen-the-story-of-a-car-company-and-a-nation/

ヒトラーの国策会社としてスタートしたVW社。今やベントレー ランボルギーニ ブガッティーの超高級車から、ポルシェ アウデイまで、欲しいものは何でも手に入れた?状態だったはず。



                ( VWの規模拡大はナチス・ジャーマンの勢いに匹敵?)


だが、それでもトヨタに販売台数で勝てない状態を経営陣は許せなかったらしい。このあたり、どこかドイツ人の宿命を感じる 

またこの件と無関係と思えないのが、ドイツ銀行の巨額損失。他社に先駆けて自発的に引き当てを拡大した行動を前向きという声もあるが、逆に集団訴訟が泥沼になるという声もでている。

そしてメルケル。

FEDのイエレン、IMFのラガルド、大統領を目指すヒラリーらに並び、世界で最も影響力のある女性として大量難民を受け入れたのは面目躍如だ。

ノーベル平和賞が期待されたが空振り、どうやら難民受け入れは、国内政治でのボラリスクだけが残った様子。

                                                  (STAREC.COM)


歴史的にドイツ(人)は強さが時に弱点にもなり、英仏に比べ、政治で勝ちきれなかった印象。どこか似たDNAを持つ日本は、今のドイツの変調は注視したいところだ。(参考にし、国益に活かすチャンスだと思う)

一方英米と微妙な距離を保ち、したたかに対峙するIMF長官のラガルド。今回リマでの総会での彼女の米国批判は、IMF長官というより、フランス人としての真骨頂だと思う。

    
    米国は中国がIMFで大きくなることを妨害していると堂々と批判するラガルド
    http://www.channelnewsasia.com/news/world/imf-s-credibility-at/2182556.html
    11月の総会で中国元のSDR加入の判断されることを紹介する日経
    http://www.nikkei.com/article/DGXLZO92724430R11C15A0NN1000/?dg=1

そういえば8月頃、IMFのスタッフが書いた中国通貨のSDR承認延期を示唆するレポートを、多くの日本のメディアは「IMFの決定事項」などとしていた。

立場的に反対しているアメリカのメディアでさえありえない誤報道。デタラメもいいとろで、IMFのホームページで確認できることを、そんな基本もせずに流していた・・

ここでは否定しておいたが、彼女が中国をSDRに加えることに前向きなのは自明。11月に向かい激しさを増すはずのアメリカの反対工作を彼女がどうかわすかが見ものだ。(ストラスカーン事件の再現はあるだろうか)http://marukano-gb.blogspot.com/2015/09/blog-post.html

そんな中、米ロと同時にシリア空爆に参加したフランスの動向が見えない。冷戦終了後、初めて米ロが軍事で間接的敵対行為に及ぶ可能性があるシリアで、フランスは誰を空爆しているのか(もちろん公表はISIS)

中国 ロシア ドイツを上手く利用しながら、実はアングロサクソン的な資本主義国家の衰退と、リベラル社会主義体制の浸透をじっと待っているような彼らの動向も、それはそれで、日本にはたいへん参考になるはず。

そして日本が盲目的に信じているアメリカ。まあTPPはなるようにかしならないとして、シリア問題では、そろそろ自衛隊は準備体操の時間・・  
     
         
            (ブレマーが使った風刺画)  
         
             





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