2015年10月6日火曜日

マネー原理プロ抜粋 黒マグロとTPPは関係あるの?

VIXは現状のニュートラルゾーンに達した。ここから更に売り込むのは別のフェイズ。よって株の上昇は一旦終わり、決算の様子をみて、再びどちらかへ仕掛けると観る。一方一部関係者は、今のフェーズが・・・に似ていることも意識している。とうことは・・

ところで、TPPが本当に実現すれば、個人的に効果より先に心配なのは、マグロやウナギが普通に食卓に上るかどうか・・全く語られない環境問題へのなかみ・・

http://www.nytimes.com/2015/10/06/business/environmentalists-praise-wildlife-measures-in-trans-pacific-trade-pact.html?smid=fb-share

そんななか、日本国内向けに、ずっと農産物の関税云々をいってきた安倍さん、甘利さん。ところが最後のTPP妥結の声明文では、民主主義の価値観など、貿易とは直接は関係ない崇高な言葉を羅列。(比民主義国家と貿易は可能)。

熱く貿易で国益を・・謳ってきた二人が棒読みをすることで、アメリカの意向を受けた(対中)声明文であることを隠さないところが個人的には納得。(悪い意味ではなく)

でもそのTPPも3ヶ月以内に両院を通らないと、アメリカでは法案として成立しない。事前に議会がオバマ政権に与えたファストトラックの権限は、上院のフィルバスターを防ぐ予防であり、本会議での各議員の賛成・反対は全く別の問題。

大統領選が本格化する前に・・と、やや功を焦った?オバマ/フロマンは、ファストトラックを貸与するために奔走した共和党系議員の怒りを買ってしまった。数値で妥協しすぎたのだ。怒ったタバコと医薬品業界の意向を受けた共和党議員の離反は明確。一方政権母体の民主党議員の大半は元来TPPに反対。つまり法案が通るかは全く判らない状態・・

もともとTPPは、アジアの小さな貿易協定に、強力な民間商業ロビー団体のchambers of commerceの 意向を受けたブッシュ政権が便乗してきたもの。2011年ごろ、日本ではまだ民主党政権がTPPを扱いかねていたが、安倍政権が誕生してからは、伝統的な自民党と共和党の兄弟の杯?の中、安倍自民党政権は政権基盤の日本の農家への説得を続けてきた。

ブッシュを引きついたオバマ政権は、最初の4年はTPPに殆ど触れなかった。だが再選後、憂いがなくなると、オバマを支えるエリートグローバリスト達は(フロマンから)純粋な貿易協定から、中国を念頭に、冷戦時代のNATOに匹敵するアメリカの新しいドクトリン構築としてTPPを推進してきた。
この間日本の代表的メディアはTPPの本質の変化に触れることはなく、関税の数値で安倍政権の努力が実ったという演出に筋道をつけたに過ぎない。

優秀なグローバリスト達が掲げるオバマ・ドクトリンの基本は、Engagement&Containment.対中や中東・ロシアでも、ブッシュ・チェイニーのような安易な挑発をしない(戦争はしない)。

彼らにとってTPPはまず中国をいれず、枠組みつくる。そしてそこに中国が参加せざるをえない環境をつくる。完成はその後・・だがこれからの消費力で、アメリカより数倍の可能性を持つ中国が、そのアメリカの意向にまんまと乗るとは思えない。
そして実体経済では、NATO(ここでは米国の傘下の意味)より、ワルシャワ条約(ここでは中国の意味)の恩恵で近年景気回復をしている日本がどうやって両者の間で巧妙に生き残るのか。

いずれにしても、世界が欲しがる優れたモノを造れる日本が、なぜ大国のエゴの色がついた貿易協定に入る必要があるのか。答えは簡単。真の独立国ではないからだろう。日米安保条約とはそういう条約であり、ソレを破棄できず、自分で自国を守らない国の宿命。

ただ米国のエリートグローバリスト達にとって、日本は理想の国だ。オバマ政権は日本の価値を知り、今のところ大切にしている。だが彼らはこのアメリカではマジョリティではない。事実、次の大統領候補者でその意向を引き継ぐことを明確にしている候補者は皆無。

中国嫌いのネトウヨも デモ行進している学生も、弱さは同じ。日本はこれまでその弱さが功を奏したが、そういう時代はもう直ぐ終わると思う。一方で日本には世界に誇る技術力や献身精神がある。あとはいかに駆け引きで優位に立つか。

そういう真のエリートの出現を願うばかり・・ 

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