2008年4月16日水曜日

救われるべき民

先日のブッシュ声明は、イラクを去るどころか、必要ならイランも同時に相手にする様な過激な内容を含んでいた。彼に残された時間はない。従って事実上この声明はマケイン候補への応援演説の意味合いが強い。それはなぜか。

本日一部のMEDIAがこのブッシュの意を汲んでばかばかしい統計を発表した。どんな統計かというと、仮にオバマとヒラリーがタッグを組み、そしてマケインがライス長官を副大統領候補に指名して本選を戦ったらどうなるかという仮想のPOLLである。

ばかばかしい。理想論とは別に、民主党ではこの予備選の後でオバマとヒラリーが仲良く正副大統領候補として本戦に臨むなど想定していない。またマケインが女性副大統領候補を選ぶとしたら、それはヒューレットパッカーを辞めたフィオリーナ女史と専門家はみている。

にもかかわらず、本人や民主党の意向に関係なくMEDIAがこんな統計を取ったのは、イラクに加え将来のイランとの衝突の可能性を触れておく事でに危機感を煽り、国防に強いマケイン(/ライス)を援護する側面がある事は言うまでもない。

そして、本当に発表が正しいかどうか疑わしいが、POLL(統計)の結果ではマケイン/ライズはオバマ/ヒラリーを49-/43でリードしているとの事である。この仮想の話が本当に実現してしまうほど米国民がバカなら、最早米国民は地球上で、救われるべき民ではない。だが問題はその米国に、本来救われるべき他の国が付き合ってしまう可能性である・・。

まず西側の誰もが米国には恩義を感じている。また現時点では、日本は無論の事、欧州もバルカンや対ロシアとの関係上で米国を完全に見限る事はできない。またOILの富を牛耳る中東の王族は、米国が最も恐れるのはOILという最も強力な流通商品ドル決済の意義の希薄化である事を知っている。

一方でイラン革命が自らに起こる事を一番恐れるスンニ王族は、対シーア派や対イスラエル問題で米国が進んで自国の民衆のエネルギーの捌け口に身を投じる事と引き換えに、時に脅しながらもドルの生命線維持に協力するといった曖昧な関係を続けている。しかし、今回は米国の綻びを助けるために、世界中がとんでもないインフレを我慢しなければならないかもしれない事態となった。

そしてブッシュ論理の延長では、そんなインフレが嫌になったら米国は自分が痛みを我慢する代わりに、本来米国やドルに代わって成長すべき国の成長を止めにかかる事が肯定される。それでもダメなら今度は地球から人間の数を間引きする・・。仮に地球の人口が半分になればインフレどころか温暖化もすべて解決するではないか・・。

世界と人類の恒久平和を真面目に考え、地球環境を守るために必死に努力する人や国民がいる中でそんな悪魔の様な所行を地球上で考えてる人がいるはずがない・・。そう考える人は本来救われるべき人である。しかし予想以上に近い将来救われるべき人が救われず、そして救われてはいけない人が救われる。私はそんなシナリオを恐れる一人である・・。

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