2014年5月9日金曜日

アベノミクスの限界


http://www.aeaweb.org/articles.php?doi=10.1257/jel.52.1.5
http://www.theatlantic.com/international/archive/2014/05/the-danger-of-financial-ignorance-do-you-understand-money/361851/

添付は世界の金融知識調査の結果。

そこで使われた調査のためのクイズ。

質問 1 預金金利2%で100を銀行に5年預けた時の増減。(預けっぱなし)

回答 A  >102  B=102 C <102 


質問 2 インフレ率2%の時、金利1%で100を銀行に1年預けたあとの購買力。

回答 A 増加 B 同じ C 減少


質問 3 ミューチャルファンドと単独銘柄、一般的にどちらがリスクが少ない。

回答 A ミューチャルファンド B 同じ C 単独銘柄


そして国別正解率(3問)が以下。 (主要国を低い順に)

ロシア 4%

スエーデン 21%

イタリア  25%

日本   27%

アメリカ  30%

フランス  31%

スイス   50%

ドイツ   51%

(正解 質問1 A 質問2 C 質問3 A)

そもそも国民の幸福感と国政の安定の観点で見た場合、この数字にあまり意味を感じない。

その意味では、これを見る限り、これからもプーチンは磐石だと思う。

なぜなら、最低レベルのロシアの中高年層はプーチンについていくしかない。


一方で偏差値は高く、モラルも高い日本はやっかいだ。

なぜなら、日本は性善説で平和主義。ところが金融知識はそれほどでもない。

にもかかわらず、ドイツと同じ市場の開放度・・


そんな中で、経験豊富な投資家も、外国人が主役のボラとHFTには苦労している。

一方で買ったらずっと保有という昔ながらの長期投資も過去の幻想。

そこに、この全体の低いリテラシーの結果。

これではアベノミクスが成就するのは難しい・・。


頼りの黒田日銀は、公約の2%インフレ目標を達成すればそれまでかもしれない。

そこからは株の面倒をみるより、自分自身のバランスシートが心配なのは当然だ。

証券の人だった安倍総理のアベノミクスと、バンカーが考える国家の健全性はどこかで離縁。


この状況で賃金が悪いインフレに追いつかず、不満が期待を上回ってきたらどうなる。

一般の国民に金融や市場の知識が十分あれば、将来を見据えて我慢できるかもしれない。

あるいはアメリカなら、そのまま1%が99%を支配すればいい。

だが日本はそうはいかない平等主義国家。これは延々と続いた国家の特徴だ。

ならば、そろそろ安倍総理は、アベノミクスの次を考えるタイミングということだろう。



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